小倉内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和4年12月27日

(令和4年12月27日(火) 11:02~11:16  於:中央合同庁舎第8号館1階S103会見室)

1.発言要旨


 まず冒頭発言になります。
 昨日、私が議長を務めます「孤独・孤立対策推進会議」を開催し、「孤独・孤立対策の重点計画」の改定を決定するとともに、孤独・孤立対策の令和5年度予算案及び令和4年度第2次補正予算について御報告させていただきました。
 資料もお配りさせていただいておりますが、まず、重点計画の改定につきましては、孤独・孤立対策官民連携プラットフォームでの議論の成果なども踏まえつつ、孤独・孤立の実態把握や「予防」の観点からの施策、日常の様々な分野で緩やかな「つながり」を築けるような多様な「居場所」づくりなど、孤独・孤立対策の更なる推進・強化を図るための今後の取組を重点計画に盛り込みました。
 また、孤独・孤立対策の関係予算につきましても、関係府省庁の御協力をいただいてこれを取りまとめ、このうち、孤独・孤立対策に取り組むNPO等への支援については、資料もお配りしておりますが、令和5年度予算案及び令和4年度第2次補正予算を合わせて60億円を超える規模となり、安定的・継続的に支援する内容となっております。
 今後は、関係予算の着実な執行を含め、新たな重点計画に基づく孤独・孤立対策の各施策の実施にしっかりと取り組んでまいります。
 続きまして、10月12日に取りまとめました、「こどものバス送迎・安全徹底プラン」に盛り込まれた、幼児等の所在確認と、安全装置の装備の義務付けに関する関係府省令等の改正について、明日に公布させていただきます。
 改正の内容といたしましては、先日、パブリックコメントの開始に際して御説明したところでありますが、幼児等の通園や園外活動等のために自動車を運行する場合、幼児等の自動車への乗降車の際に、点呼等の方法により幼児等の所在を確認すること。第2点目として、通園用の自動車を運行する場合は、当該自動車にブザーその他の車内の幼児等の見落としを防止する装置を装備し、当該装置を用いて降車時の所在確認をすることを義務付けたいと思っております。
 なお、パブリックコメントでは、計332件提出をしていただきまして、園児等の所在確認の方法や義務付けられる安全装置の仕様等について御意見をいただいたところですが、全体的に改正そのものに対しては肯定的に評価をしていただいたものと承知しております。詳細につきましては、事務方にお問い合わせください。
 続きまして、3つ目であります。本日、厚生労働省・文部科学省と連名で、保育所等における虐待等の不適切な保育への対応等に関する実態調査を開始したいと思っております。この調査は、保育施設における虐待等の不適切な保育の通報等があった場合の市町村等における対応・体制や、現場の実態について調査するものであります。
 具体的には、今年の4月から12月までを対象期間とし、まず自治体等に対して虐待等の不適切な保育が確認された事案に関する行為の態様や、把握の経緯ごとの件数など。また、虐待等の不適切な保育が疑われた事案の把握・対応の体制。そして、未然防止のための取組について調査をするとともに、各施設に対しましては、不適切な保育として施設内で確認された事案の件数や、その後の改善に向けた取組、そして不適切な保育に関する園の体制等を調査させていただきます。
 この調査結果を踏まえまして、不適切な保育が施設内外への相談などを通じて、早い段階で改善が促され、虐待を未然に防止できるような環境・体制づくりにつなげてまいります。併せて、今後、保育現場において安心して保育に臨むことができるよう、日々の保育実践における不安などにも寄り添えるよう、支援にも取り組んでまいります。
 冒頭発言はもう1つございました。先般、12月13日、この会見の場で御説明をいたしました保育所の利用を申請する際の添付書類であります、就労証明書のデジタル化に関して、このたび、『DXで「こどもまんなか」プロジェクト』の動画第2弾として説明動画を製作いたしました。この会見終了後に、準備室の公式YouTubeチャンネルに公開いたします。是非御覧いただけますよう、お願い申し上げます。
 引き続き、私どもといたしましては、子育て当事者の皆様方に分かりやすく政策をお伝えする努力を今後も続けてまいります。また、こどもまんなか社会の実現に向けて、デジタル技術も積極的に活用し、今後も関係省庁と連携して、取組を前進させてまいりたいというふうに思っております。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)送迎バスの案件について、関連して伺います。関係府省会議ですが、第5回のスケジュールの目途をお伺いしたいのと、補助額の上限額の検討状況と公表時期をお願いいたします。
(答)ありがとうございます。まずスケジュールについてでありますが、現在、実地調査について各自治体から御報告をいただいた内容を精査しているところでありまして、その取りまとめの状況などを踏まえて、来年1月中には開催したいというふうに考えております。具体的な日にちや時間が決まりましたら、また改めて御報告を申し上げます。
 また、安全装置の具体的な補助額につきましては、ガイドラインの公表を受けた製品市場の動向を見ながら、年明け後、できるだけ早い時期に決定してまいりたいと思います。
(問)昨日、ネウボラの訪問の際、岸田総理がぶら下がりで、今後、子育て政策と財源については、小倉さん中心にやってみたいな発言があったと思うんですけれども、それを受けて大臣としてどういうふうに取り組んでいきたいかお伺いします。
(答)これ、従前にまず申し上げているところでありますが、こども政策を充実させて強力に進めていくために必要な安定財源について、今年の「骨太の方針」では、「国民各層の理解を得ながら、社会全体での費用負担の在り方を含め幅広く検討を進める」とされております。こども予算の倍増につきましては、財源をどうするのかということが注目されがちでありますが、社会全体での費用負担の在り方を考えていくためには、まずは必要なこども政策は何かをしっかりと議論していく必要があると考えております。国民の皆様から見て、何に使われるのかはっきり分からないものに負担を先に求めていく、これでは理解しにくいと、このように考えているところであります。
 そういった中、これも総理も申し上げているところでありますが、こども家庭庁の下で、こどもの視点に立って、必要なこども政策が何かをしっかりと議論した上で体系的にとりまとめ、社会全体での費用負担の在り方の検討をし、来年の「骨太の方針」において当面の道筋を示すということを申しているところであります。
 そういった中、私としても現在、こども家庭庁の設置を待たずに、政府全体のこども政策の基本的な方針を定める「こども大綱」の策定に向け、有識者会議を開催し議論をスタートすると同時に、私自らが「こどもまんなかフォーラム」や「関係団体・有識者との対話」を開催して、こどもや若者、関係者の方々から直接意見聴きながら検討しているところであります。
 引き続き、こういった議論と検討を加速させたいという、そういう思いでおります。以上です。
(問)今の質問に関連してなんですけれども、議論の進め方として、例えば送迎バスのときには関係府省会議というのを設けて、そこでわずか1カ月で緊急対策をまとめるというようなことを今までもされてきたと思うんですけれども、そういったイメージもあったりするんでしょうか。
(答)それは総理や政府全体の中で御判断いただくことだと思いますけれども、私としては、どう進めるかについては承知しておりません。引き続き政府全体の中で、今申し上げたこども家庭庁の設立を待たずにできることはしっかりさせていただいて、こども政策全体に関する国民的な議論喚起をさせていただきたいというふうに思っております。
(問)大臣、就任されて4カ月余りかと思うんですが、この間、今日の話題にもありましたが、送迎バスの事件であるとか、こどもを巡る虐待の問題、いろんな問題も発生しておりますし、少子化も今年80万人を切るという情勢の中でいろいろ対応を取られてきたわけですけれども、この間の所感といいますか、振り返りをちょっといただければと思います。
(答)ありがとうございます。8月の頭に大臣に就任をさせていただきましてから、これまで4カ月余りが経過いたしました。今御指摘いただいたように、少子化というのは国民全体が危機感を共有しているような国家的な課題でありますし、こども政策に関する施策の充実は、国民の多くの皆様方が期待されているところだというふうに感じております。
 そういった中で、この4カ月余りの間でも、今御指摘をいただいたようなこどもの送迎バスに関する安全を高めるための対策を実施させていただきました。また、今年度の補正予算や来年度の当初予算案におきましては、伴走型支援とそれに伴う経済的な支援という新たな事業をスタートさせていただくことにもなりました。引き続きこういった少子化対策、こども政策にしっかりと前進できるように努めてまいりたいと思います。
 同時に、女性活躍・男女共同参画担当大臣でもございます。今年の9月にはバンコクに行き、APECの会議に参加いたしました。10月にはG7の会議にドイツに行ってまいりました。来年には6月、栃木県の日光市で、我が国が初めて議長国を務めるG7男女共同参画・女性活躍担当大臣会合が開催されます。
 岸田総理が、「新しい資本主義」の中で、「女性の経済的な自立」というのを重要な柱として掲げておられます。来年にはまた「女性版の骨太の方針」が策定されますので、岸田総理が掲げる「新しい資本主義」の柱の一つでもあります「女性の経済的な自立」と、その議論の進捗状況をG7の機会をとらまえて国内外にしっかりとアピールできるように努めてまいりたいと思います。
 また、それ以外にも、昨日重点計画の見直しを取りまとめました、冒頭発言で御報告を申し上げたような孤独・孤立の対策、更には共生社会担当大臣といたしまして、障害者政策や高齢者施策にも取り組んでまいりました。こういった制度のはざまに陥ってしまってなかなか支援の手を差し伸べられないような方、あるいは声なき声をしっかりと拾っていって、なかなか声を上げられないような方々への支援を充実させていきたいという思いも非常に強くなっております。
 そういった施策を4カ月余りの間に実施させていただくに当たって、非常に多くの皆様方の御協力をいただきました。関係者の皆様方からも貴重な御意見をいただきましたし、何よりも事務方の皆様方にも非常に誠実にお支えいただいたと思います。感謝の気持ちを持ちつつ来年に臨みたいというふうに思っております。
 私も閣内で最年少であります。最年少の閣僚として総理に登用していただいたわけでありますけれども、しっかりと若い世代が政治や国の行政に対して身近に感じてもらえるように、来年以降も私といたしましては職責をしっかりと全うしたいという、そういう思いでおります。

(以上)