小倉内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和4年12月6日

(令和4年12月6日(火) 12:31~12:40  於:参議院本会議場中庭側廊下)

1.発言要旨


 まず冒頭、私から1点です。お手元に配付の資料のとおり、今週の9日金曜日に「こども大綱」の検討に向けて、日本経済団体連合会、日本商工会議所、経済同友会、新経済連盟、日本労働組合総連合会、いわゆる連合の皆さまとの意見交換を行い、私も出席をする予定です。当日は、人口減少の加速化や、コロナ禍で近年こどもの環境が激変する中での対応策や、仕事と育児の両立に当たっての課題などについて、経済界や労働界から意見を頂戴する予定であります。当日の様子は、こども家庭庁設立準備室のYouTubeチャンネルでリアルタイムで配信をする予定となっております。その後もアーカイブで動画をご覧いただけます。詳細は内閣官房こども家庭庁設立準備室にお問い合わせください。以上です。

2.質疑応答

(問)静岡県で発生した虐待事件に関連して伺います。静岡県のほかにもいろんなところで不適切な保育の事案が今明るみに出ていますが、こういう状況を踏まえまして、何か対策を講じられるお考えとかおありでしょうか。
(答)ありがとうございます。前回の記者会見で申し上げたように、裾野市等で発生した事案について、こどもの安全・安心が最も配慮されるべき保育所等においてこのような事案はあってはならず、誠に遺憾に感じております。また、これも申し上げましたが、日々一生懸命真面目に働いてくださっている全国の職員の皆様方にとっても大変失礼な話だと思っております。
 静岡県及び裾野市におきましては、当該保育園に対して特別指導監査を行っており、監査の結果を踏まえ、今後厳正に対応されるものと考えております。また、今回の事案については、当該保育園の中で保育士に対し口止めが行われていたのではないか、市が把握してからの対応が遅れていたのではないかなどの指摘があることも承知しております。
 この点、厚生労働省においては、昨年、不適切な保育の未然防止や、発生時の対応に関する手引きを作成し周知するなどの対応を行ってきたと承知しています。今回の事案を受けまして、内閣府においても厚生労働省と共に、保育園だけではなくて認定こども園も含め、早急に注意喚起を行っていくと同時に、併せて、これも厚生労働省と共に認定こども園における実態や自治体における対応を把握するための調査を行うことについても検討いたしております。
 送迎バスに関する事故など、こどもの安全・安心に関わる事案が複数発生をしており、これも大変遺憾に思っております。こどもの安全・安心の確保に向けて、引き続き関係府省と連携をして、しっかりと対応していきたいというふうに考えております。以上です。
(問)関連で伺います。今の虐待のあった保育園の件で、真面目に働いている人たちに失礼な話だと大臣の発言がありましたけれども、例えば犯罪した人をどう排除していくかというような、そういう予防的な仕組みも必要なのかなというのは単純に感じたんですけど、そのあたり、大臣の所感を。
(答)ありがとうございます。この問題を起こした保育士等をどうするかという話でありますが、現状申し上げますと、児童福祉法において、都道府県知事は、保育士が禁固以上の刑に処せられたなどの場合は登録を取り消さなければならず、信用失墜行為等を行った場合は登録を取り消すことができるとされております。従いまして、これが適切に実行されていれば、保育士の資格を剥奪されるわけですから、当該の保育士は他の園で就職することができないということであります。そういう意味では、保育士登録を取り消されるようなことを行った保育士が、取り消しが行われるまでの間に他の施設で保育士として勤務することがないようにするためにも、保育士が虐待に当たるような行為を行ったときには、施設から情報が市町村や都道府県に共有され、行政において事実関係の把握をし、必要に応じて処分を行うといった一連の流れを速やかに行うことが大変重要だというふうに思っております。
 今後、厚生労働省と連携して、今申し上げた点も含めて、各都道府県に厳正に対応していただくように検討してまいりたいというふうに思っております。
(問)関連で伺います。重複してしまう部分もあるんですけれども、今回の裾野市の事件では、保育士が3人逮捕に至るという身柄拘束の刑事事件に発展しました。そういう悪質な保育の現場があるということについて、逮捕も踏まえて、改めて受け止めをお願いいたします。
(答)繰り返しになりますけれども、逮捕されるという、これから司法手続きに入るので予断を持って申し上げることはできませんけれども、ただ一方で、非常に重大な事態であるのは事実でありまして、こういったことが保育士というこどもの命と安全を預かる現場で起こってしまったことについては大変遺憾に感じております。
 あと一方で、これも繰り返しになりますけれども、やっぱり本当に多くの保育士の皆さん方が大変な業務をこなしながら、こどものことを第一に考えて日々業務に当たってくださっております。そういった保育士の皆さん方に対してもこういった事案が発生するということは大変失礼な話だというふうに感じております。
(問)2点伺わせてください。今、裾野市の話が中心になっているかと思うんですけれども、大臣、最初遺憾とおっしゃったのは、富山市の認定こども園では、書類送検になる可能性がある事案というのが発生していると思うんですが、それも含めてということでいいのか、その受け止めがあれば。
(答)富山県で発生した事案についても、今後市に適切に対応していただくものと思います。報道されていることが事実であるとするならば、この事案についてもこどもの命と安全に関わる事案でありますし、ほかの多くの保育士の皆さん方にとっても大変失礼な話であるということにおいて遺憾に思っております。
(問)あともう1点、全然別の話になってしまうんですけれども、この週末WAW!があって、各国の方々とジェンダー平等のあり方というのを話されてきたかなと思いますけれども、そこを所管されている大臣としての今回の受け止めと、現在地というのをどういうふうに感じられたかお聞かせいただけますでしょうか。
(答)ありがとうございます。質問していただいたのは3日の国際女性会議WAW!2022のことだと思いますが、この土曜日に開催された会議に私もハイレベルラウンドテーブルに登壇者として参加させてもらいました。また、これと前後いたしまして、WAW!に参加するために来日をしたヨハンネソン・アイスランド大統領、このアイスランドという国は、男女共同参画、世界で一番進んでいる国とも言われておりますが、その大統領ですとか、バフース・UN Women事務局長、マサゴス・シンガポール社会・家庭開発大臣とバイで意見交換を行いました。
 世界各地で男女共同参画・女性活躍にリーダーシップを発揮されている方々との意見交換は大変刺激になりましたし、こういった議論を通じて、「女性の経済的な自立」を「新しい資本主義」の中核に位置付ける我が国の取組は正しい方向に進んでいるという思いを強くいたしました。
 また、一連の日程を通じて、日本が議長国を務める来年のG7に対して強い期待が寄せられていることも同時に感じました。我が国の男女共同参画・女性活躍施策は、これまでも海外における取組も参考にしながら国際的な協調の下で進められてまいりましたが、引き続き国際社会との積極的な連携・協調を図りながら、男女共同参画・女性活躍に取り組んでまいりたいと思っています。

(以上)