小倉内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和4年11月15日

(令和4年11月15日(火) 9:46~9:57  於:中央合同庁舎第8号館1階S103会見室)

1.発言要旨


 おはようございます。冒頭、私からは1点です。
 11月12日に大阪府岸和田市で2歳の女児が保護者の車に置き去りにされ、亡くなるという大変痛ましい事故が発生いたしました。幼くして亡くなられたお子さまのご冥福を心よりお祈り申し上げると同時に、そのご家族の皆様に対して、衷心よりお悔やみを申し上げたいと思っております。
 本件につきましては、保護者の管理下の事案でありますものの、こどもの登園日に当該こどもが連絡なく欠席していたにもかかわらず、保育所においても、保護者への連絡が漏れ、救えたかもしれない命を救う機会を逸してしまったことは、大変遺憾に感じております。
 昨日、こどもの欠席連絡等の出欠状況に関する情報については、バスによる送迎を行うこどもかどうかにかかわらず、保護者への速やかな確認及び職員間における情報共有を徹底していただきたい旨、改めて周知徹底を図ったところであります。
 また、先般、閣議決定されました令和4年度第2次補正予算案においても、こどもの登降園の状況について、保護者からの連絡を容易にするとともに、職員間での確認・共有を支援するための登園管理システムの導入支援を含む、「こどもの安心・安全対策支援パッケージ」の推進のための所要の経費を計上したところであります。
 国におきましては、引き続き、こういった緊急対策をスピード感を持って着実に推進して、こどもたちの命と安全を守ってまいりたいと思います。各自治体等におきましても、緊張感を持って安全対策に取り組んでいただきたいというふうに考えております。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)冒頭の大臣の発言に関連してですけれども、確認や情報共有を徹底というお話がありましたけれども、今回緊急対策でも、バスの乗り降りの際の点呼というのを義務付けていますが、保育所内で出欠確認ついても義務付けていくお考えでしょうか。
(答)本件につきましては、保護者の管理下の事案であります。ですので一義的には保護者の方の責任でもってこどもの所在確認を行っていただきたいと思っております。しかしながら、先ほど申し上げたように、保育所においても保護者への連絡が漏れ、救えたかもしれない命を救うことができなかったということは非常に遺憾に感じておりますし、真剣に受け止めなければいけないと思っております。
 したがって、出欠確認を義務化することについては、例えば園に対して保護者への確実な連絡を求める等、保護者が不在の場合など、今度は園に過度な負担を求める恐れがあり、そういったことも総合的に勘案しなければならないというふうに思っておりますが、いずれにしても関係府省と連携をいたしまして、どうやったらこどもの命を守れるのか、今後検討していきたいなというふうには思っております。
(問)この件に関してなんですけれども、もちろん一義的には保護者の責任ということはそのとおりではあるんですが、今回の件。ただ、やっぱり一般的に土曜保育で預けるときに勤務先の勤務証明をもらって、何時から何時まで預ける、どういう食事が必要かということまで綿密に連絡を取り合って預けるものなんですね。そのこどもが来ていないということを、1教諭が見過ごしたということで、それでほかの教諭が全く確認しないということはなかなか考えづらい。どちらかというとそういった電話して出なかったケースもあるのかもしれませんが、一般的に保護者は第3連絡先ぐらいまで書いているものなんですね、必ず、緊急連絡先として。それであれば、こどもが来ていないということ自体が緊急事態であるという認識を持って保育園側も対応していかない限りは、この問題は解決しないんじゃないかと思うんですけれども。こどもを守るという視点から、大人の連携はどうあるべきかとお考えでしょうか。
(答)ありがとうございます。私も今回のバス事故が起きてから、様々な方からお話を伺いました。とある幼稚園にお伺いしたときに、そこは非常にしっかり安全管理をしていらっしゃる園でしたけれども、そこの園長さんがおっしゃったのは、やはりこどもの命を守るためには、保護者と園の関係者との間の信頼関係と、それに伴って、保護者の方もこどもの命や安全を守るということの高い意識が必要だと。どちらかが欠けていてもこどもの命や安全を守ることができない、こういう話をおっしゃっておりました。
 そういう意味では、当然保護者の方のこどもの命や安全を守るための高い意識というのは必要だとは感じておりますものの、私の思いとしては、さはさりながら、今回のケースは、保育園の方でしかるべきというか当然やるべき所在確認というか登園管理をしてくだされば救えた命だというふうに思っておりますので、やはり園の責任は重いと思っておりますし、しっかりそれ以外の園も対応してもらわなければ、こどもの命は守ることができないというふうに考えております。
 だからこそ、昨日の時点で事務連絡を再発出いたしまして、バス送迎にかかわらず、こどもの登園管理については徹底してくださるようお願いをしたところであります。
 繰り返しになりますけれども、ヒューマンエラーを防ぐための登降園の管理システムにつきましても、今回の緊急対策で支援の対象にしたところでありますので、そういったデジタル技術や、そもそもマニュアルに基づいて園の方でも安全管理意識を高めてもらうことによって、こういったこどもにまつわる本当に大変痛ましい事故が二度と起きないようにしていただきたいというふうに思っております。
(問)今の件に関連してなんですけれども、今回出ている話ですと、欠席を確認して、担当の保育士が保護者に連絡をしようとしたところ、別の保護者への対応に追われてしまって連絡を忘れたという話が一部報道で出ております。その別の保護者の対応がどういったものですとか、園内の労働体制というのは明らかにはなっていないんですけれども、やはり現場の負担軽減というところで、こどもの命を守るために現場の負担軽減についてのお考えを改めてお願いします。
(答)ありがとうございます。私も細かな、この事件というか事故の詳細について承知をしておりませんので、個別の事案に基づいて政策がどうこうというのは、あまり踏み込んで言うのは控えるべきだとは思います。
 ただ、一般論として申し上げれば、これも繰り返し申し上げているのですけれども、保育園も幼稚園も認定こども園も、様々なこどもに関する施設についても、かなり人繰りが大変でありまして、現場は大変ご苦労されているというような認識でおります。そういう意味では、担当大臣といたしまして、現場の人員に余裕が出るように、毎年毎年要望しているところでありますけれども、しっかり要望して、少しでも園の、それぞれの現場の関係者の皆様方の負担が軽減できるように努力を続けてまいりたいというふうに思っております。
(問)追加でもう1点お伺いしたいんですけれども、専門家の中にはハード面など、親御さんの方ですね、人の注意だけに頼らないそういったシステムを取り入れることも必要だということを指摘されている方もいるんですけれども。送迎バスにかかわらず、こどもが乗る車両に対して安全装置を設置していくことについてはどうお考えでしょうか。
(答)お答えしたいと思います。その専門家の方の意見の詳細を私は存じ上げておりませんので、軽々にコメントすることはできませんけれども、私の思いとしては、やはりヒューマンエラーは発生してしまうものだと。そういった観点に立って、ヒューマンエラーを防ぐためのデジタル技術の導入というのを進めていかなければならないということであります。だからこそ、今回の緊急対策の中でも安全装置の義務化ならびに導入支援とか、あるいは登降園の管理システムに関する導入支援を打ち出させていただいたところであります。
 その上で、お尋ねの点は、バス送迎だけではなくて、今回のような自家用車も含めて考えるべきではないのかということだと思います。そういう意味では、今国土交通省において、保育所等への送迎時に限らず、乗用車における置き去り事故が発生をしている実態等を踏まえて、今後自動車等の安全性能の評価・公表を行う自動車アセスメントの対象に置き去り防止措置を加えることが検討されるものと承知しております。内閣府としても、こどもの安全の確保の観点から、こういった国土交通省の取組に協力させていただきたいというふうに思っております。

(以上)