小倉内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和4年9月26日

(令和4年9月26日(月) 11:40~11:51  於:中央合同庁舎第8号館1階S103会見室)

1.発言要旨


 おはようございます。よろしくお願いします。まず、私から冒頭発言が3点ございます。
 1点目は、第3回の園バスの事故に係る関係府省会議の開催についてであります。繰り返し申し上げているように、今月9日に総理からご指示がありまして関係府省会議を開催しておりますが、今週29日に第3回の会議を開催いたします。何をするかと申しますと、先進的な取組をしている自治体、鳥取県、福岡県、更には有識者ということで内野光裕、学校法人内野学園理事長・清瀬ゆりかご幼稚園理事長、そして、前田正子、甲南大学マネジメント創造学部教授にヒアリングを行わせていただきます。第2回会議で行いました有識者へのヒアリングと合わせて、来月中に緊急対策を取りまとめる上での参考にしたいと考えております。
 第2点でありますが、「孤独・孤立対策推進会議」の開催でございます。今週の9月30日金曜日に第4回の「孤独・孤立対策推進会議」を開催する予定です。この推進会議は、孤独・孤立の問題について政府全体として対策を検討し、推進するために開催するものです。今回の会議におきましては、「孤独・孤立対策の令和5年度予算概算要求」ですとか、「最近の孤独・孤立対策の取組」について議題とする予定であります。
 孤独・孤立対策担当大臣を議長といたしまして、全府省の副大臣で構成するこの推進会議は、私の就任以降、今回が初めての開催となります。孤独・孤立対策を更に進めるため、議長として有意義な会議になるように努めてまいりたいと考えております。詳細については、事務方にお尋ねいただきたいと思います。
 最後、3点目が視察の報告であります。こども政策を推進していく上で、子育て当事者や現場第一線の支援者の方々の生の声をお伺いすることは大変重要と考えており、こうした観点から、先週の9月21日に東京都の「港区立児童発達支援センター ぱお」の現場視察を行いました。同施設では、障害児支援において様々な取組や工夫が施されていました。実際にこどもとも触れ合う機会がありまして、こどもがすごく生き生きして楽しく過ごしている姿が印象的でございました。
 保護者の方や施設の方とも意見交換を行いましたが、「ぱお」に通うようになってから、意見が言えなかった子が意見を言えるようになったとか、こどもたちとコミュニケーションが取れるようになったという話も聞きまして、素晴らしい取組をされていることが実感できました。また、小児医療との連携ですとか、地域社会への参加・包容(インクルージョン)の推進等における課題につきましても、保護者の方から生の声を聞かせていただきました。
 政策立案に当たっては、現場の意見、当事者の意見を大切にしながら進めていくことが重要であると考えております。今回の視察内容やお話も参考にしながら、こども政策の検討に活かしてまいりたいというふうに思っております。
 冒頭は以上になります。

2.質疑応答

(問)静岡県のバス事故の関連で伺います。沖縄県糸満市の市内周遊バスに小学生が置き去りにされていた事案が発生しました。現在、通園バスの一斉点検が行われていますけれども、通園バスの対応だけで十分というふうに現状、お考えでしょうか。
(答)まずは今回の事案に関しまして、大事には至らなかったものの、この牧之原市の事故があった間もないタイミングでの事故でございますので、同様の置き去り事案があったこと、大変遺憾に感じております。
 私を議長とする関係府省会議では、認定こども園等の送迎バスを対象にしておりまして、先ほど申し上げたように10月中に緊急対策を取りまとめたいと考えております。
 そういった中にあって、市営バスの事案につきましては、バス事業を所管している国土交通省におきまして適切に対応されるべきものというふうに認識をしておりまして、こどもの安全の確保の観点から、内閣府としても協力させていただきたいと考えているところです。
(問)先週の「こどもまんなかフォーラム」、非常に活発な意見が寄せられたということですけれども、大臣の非常に印象に残った意見というのがありましたら教えていただけますか。
(答)ありがとうございます。事前に入念に準備をさせていただきまして、大人にありがちな、こどもに接する時にこどもは分からないということを前提にして、大人が聞いてあげる、あるいは大人が教えてあげるというような態度ではなくて、むしろ同じ目線で、こどもを主役にしてこどもの意見をしっかり聞くというような、そういうフォーラムにさせていただきました。
 そういう意味では、我々がお話をしたのは、モデレーター、ファシリテーターを除いては冒頭と最後だけでありまして、1時間以上も、じっくりこどもたちの話を聞くことができました。その中で私が感じたのは、やはりこどもの話をちゃんと聞かないと、大人が気付かないことってたくさんあるのだなということでありました。
 例えば、私も外遊びの勉強会、従前からやっておりますので、こどもが外で遊ぶ機会が減っているというのは認識をしておりましたけれども、こどもたちも、やはり外で遊べなくなっているっていうことを多くの方が言っておりまして、こどもにとっても、ゲームとかYouTubeとかがあったとしても、やはり外で遊びたいっていう気持ちは変わらないのだっていうことと、外で遊びにくくなっているということについて非常に強い問題意識を持っているっていうことを感じました。
 あとは、例えばあるこどもからは、学校の着替えの時に男の子と女の子が近い場所で着替えるのに非常に不快感を感じるとか、あるいは内科検診の時に男性のお医者さんに診られるのは嫌だとか、恐らく大人であれば、そういった声も聞きながら改善を図るところなのでしょうけれども、恐らく、こどもだからということで、そういったこどもの、大人と同じような感覚を十分に我々大人が把握しないまま、なし崩しでこれまでのやり方を続けてきたところもあるのかなというふうに感じました。
 こういう、大人の目線で見るとこうだけれども、こどもからすると全然違う見え方がするようなルールっていうのも、この社会にたくさんあるのだなというふうな、その一端を感じましたので、そういう意味では非常に、こどもから前回みたいな形で対等に話を聞いて、それを政策にも反映をしていくプロセスというのは非常に重要だと感じました。来年の4月に発足をする「こども家庭庁」、更には来年取りまとめる「こども大綱」でも、この考え方を大切にしながら政策を前に進めたいなということを強く感じた次第です。
(問)バス事故の関係府省会議の話に戻ってしまうんですけれども、今週も有識者の方からお話を聞かれるということで、前回も有識者とか現場の方のお話があったかと思うんですけれども、前回とまた違った視点、どういった視点のところを特に有識者の方にお伺いする予定でしょうか。よろしくお願いします。
(答)ありがとうございます。まず、自治体ということで、鳥取県、福岡県は、送迎に係る安全管理の指針やガイドラインを作成しておりまして、精力的に送迎バスの事故防止に取り組んでおりまして、地方自治体の立場からご意見を伺いたいというふうに考えております。
 また、学校法人内野学園の内野光裕氏は、全日本私立幼稚園連合会経営研究委員長として、スクールバス運行管理会社と協同してスクールバスの安全管理に関するチェックシートを作成しており、現場の視点からご意見を伺いたいというふうに思っております。
 最後、甲南大学教授の前田氏は、内閣府で開催をしております「教育・保育施設等における重大事故防止策を考える有識者会議」の座長を務めていただいておりまして、広くこどもの安全確保という観点からお話を伺いたいというふうに考えております。
 前回に引き続きまして、こういった前回と違った角度から有識者や自治体からお話を伺うことによって、来月中にも取りまとめる緊急対策にしっかりと活かしていきたいというふうに思います。

(以上)