小倉内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和4年9月16日

(令和4年9月16日(金) 11:43~11:56  於:中央合同庁舎第8号館1階S103会見室)

1.発言要旨


 皆さま、おはようございます。
 まずは牧之原市の認定こども園での事故についてご報告を申し上げます。
 まずは昨日、皆さま方にもご取材をしていただきましたけれども、HILLOCK、そして東一の江幼稚園のご協力によりまして、ハード・ソフト両面の安全対策を拝見するとともに、関係者との意見交換を実施させていただきました。
 そして、また次回、第2回の関係府省会議でございますけれども、20日に開催いたしまして、駒崎弘樹全国小規模保育協議会理事、渡邉正樹東京学芸大学教職大学院教授、吉川優子吉川慎之介記念基金代表理事のお三方の有識者の方にヒアリングを行いたいと思っております。
 第3回の会議で行います先進自治体等へのヒアリングと併せて、これも従前から申し上げておりますように、来月中には緊急対策を取りまとめる上での参考にしたいというふうに思っております。
 続きまして、男女共同参画担当大臣としてのご報告ということでございます。今日の午後になりますが、横浜市の男女共同参画センターを訪問させていただきたいと思います。
 この横浜市のセンターでは職場や育児等の悩み相談、女性のための起業準備相談や、再就職・転職相談、情報提供等、様々な取組をしていただいております。
 施設を見学いたしまして、実際に現場で対応されておられる方々との意見交換を通じまして、男女共同参画・女性活躍状況に関しまして知見を深めてまいりたいと、このように考えております。
 同じく、男女共同参画・女性活躍担当大臣としての報告になりますが、来年、日本で開催されますG7男女共同参画・女性活躍担当大臣会合では、栃木県の日光市において開催することにいたしました。栃木県の日光市は首都圏からのアクセスに優れておりますとともに、風光明媚な自然・景観、世界的にも有名な文化的・歴史的資産などを有しておりまして、素晴らしい環境の中で充実した会議を開催できるものというふうに考えております。
 今回の担当大臣会合は我が国で初めて開催されるものでありまして、この機会に男女共同参画・女性活躍に関する我が国の考え方や取組を国際社会にしっかりと発信するとともに、我が国の取組が一層進展する契機にしたいと、このように考えております。
 栃木県もG7の関係閣僚会議、初めて県として開催をするということでございますので、栃木県、日光市をはじめとする地元の皆さま方としっかりと連携をしながら、素晴らしい会合になるように検討・準備を進めてまいりたいというふうに思います。
 また、あともう一つです。こども政策担当大臣として最後のご報告になりますが、これも今日でございますけれども、こども政策決定過程におけるこどもの意見反映プロセスの在り方に関する検討委員会を開催いたしまして、私も出席させていただきます。
 「こどもまんなか」とは政策の対象として、こどもを真ん中に据えるだけではなくて、政策決定プロセス自体もこどもの意見を聞いて、こども中心に変えていくという意味でもございます。大胆なチャレンジになりますが、「こどもまんなか」への社会変革を進めるための政策プロセスの在り方について闊達ご議論をいただくことを期待をしたいというふうに思います。

2.質疑応答

(問)未就園児の支援に関して伺います。政府が今、支援に取り組もうとしているゼロ歳から5歳の未就園児に関して、子育て支援団体などは無園児という言葉を使って発信しています。支援がない、無園に陥るリスクが高いという問題意識からの用語で、報道などを通じて広がってきているように感じます。一方で、望んで家庭保育を行う人にとっては、この言葉に抵抗感を覚えるとの指摘もあります。大臣としては、無園児という表現について、どのように受け止めていますでしょうか。
(答)政府といたしましては、幼稚園、保育所、認定こども園といった施設に通っていないこどもについては、「未就園児」という表現を用いているところであります。
 ご指摘のとおり、「無園児」という言葉を使用されている方もおられるというふうに承知をしておりますが、政府としては就園していないという状態を客観的に表すものとして、「未就園児」という表現を用いるものでありまして、引き続きこの表現を使用してまいりたいというふうに私は考えております。
(問)昨日の視察で、まさにICTを活用した幼稚園の現場というのを見せていただいたんですが、その中でもやはり職員の皆さんの人の目と手というのが非常に重要であるということで、ただ、安全マニュアルも作成していただけると。
 一方、ヒューマンエラーを防ぐためには、そういうマニュアルを作っていかなきゃいけないんですが、それを書き込んでいってしまうと、逆にその現場の皆さんの負担となってしまう。この辺のバランスについて、大臣いかがですか。
(答)ありがとうございます。私も今お話しいただいたこととすごく同じ感想を抱きました。昨日、視察いたしました幼稚園では、デジタル技術も活用されておりましたが、それを基に職員同士、あるいは園と保護者との間での意思疎通もしっかりと図っておられました。
 また、園長からは、これもおっしゃっていただきましたけれども、何かあった際に業務を重ねて足し算で増やしていくのではなくて、いかに基本的な事柄をしっかりと取り組んでいくことが重要なのかという話もいただきました。
 まさに事故が発生をした園というのは、登園・降園アプリシステムを導入しながら、その使い方が形骸化をしてしまった結果、こどもの安全を守れなかったということでありますので、もちろんヒューマンエラーを防ぐためのデジタル技術の活用は私も検討していきたいと思いますが、そのデジタル技術があったから全て安全だというわけではありませんので、このデジタル技術を活用しながらいかに目的を達成をするかということを忘れないためのマニュアルづくりというというものも必要だと思っております。この置き去り防止の対策だけではなくて、昨日行って分かったのが、やはりありとあらゆる所に園児にとっての安全に対するリスクが潜んでいるということであります。
 園のトップをはじめとして、しっかりこどもの安全を守るという意識を保つためのその体制整備とか人材育成、こういったことも重要だなというふうに認識をいたしましたので、そういったものも含めて今後検討されるであろうマニュアルに盛り込んでいけたら良いかなというふうに思っております。
(問)今の園児の事件の関係で、昨日の幼稚園の視察の中でも根本的にはやはり人員配置ですとか、保育の在り方自体を見直すことが必要だというような話と、その前の子育て支援団体との意見交換の中でもそういった意見がありました。
 大臣としてはこういう緊急対策をすると同時に、保育業界ではまさに疲弊している現状というのをどういうふうに今後直していきたいと考えていますか。
(答)現状の態勢の中でできること、先ほど来申し上げているようなデジタル技術の導入でありましたりとか、あるいはマニュアル策定、こういったものはしっかりとやっていきたいと思います。
 その上で、一般的にやはりこの子ども・子育て関係支援施設を取り巻く大きな状況として、人材確保の支援というのが大変な重要な課題というのは認識しておりまして、そういった幼稚園教諭や保育士等の人材確保に取り組む文科省や厚労省の取組とも引き続き連携をしてまいりたいというふうに思っております。
 これも釈迦に説法だとは思いますけれども、3歳児に関する職員の配置改善に関しては、平成27年から取り組んでおります。一方で、いわゆる3,000億円超の質の向上について、特に1歳児と4~5歳児の配置改善のところでありますけれども、残念ながらいまだ未実施となっております。こういった未実施の部分につきましては、担当大臣といたしましては引き続き毎年度の予算編成過程におきまして、安定財源の確保をしっかり見いだしつつ、実現に向かえるように努めてまいりたいなとふうに思います。
(問)今回の今議論が出ている職員の配置ですとか、こういった予算の倍増というのを岸田政権は掲げているわけなんですけれども、この点ではコロナで傷んだ税収の補塡を考えていく時に、その税収、財政の改革とともに、人が働き続けられるケアワークの分野で賃金を上げられるような改革も一体的に進めようという動きが、ワールドエコノミックフォーラムとかの場ではあるそうなんですけれども、こういった基本保育に関わる分野とともに、今後税制の議論が出てくると思いますが、ここら辺、財政の在り方はどういうふうに議論を進めていくべきだとお考えでしょうか。
(答)それは税についてということ。
(問)財政。
(答)財政ですか。
(問)はい。
(答)何度も繰り返し申し上げているように、こども予算の倍増を将来的に目指す中で、安定的な財源の確保というのを国民各層の理解を得ながら議論していくということは非常に重要だと思っております。ただ一方で、財源の議論だけが先行するのではなくて、やはりこども予算を増やす中で、どうやってお一人お一人の子育てをしっかり支援をしていくかということを実感を持って国民の多くの皆さま方に理解をしていただかなければ、国民各層を巻き込んだ大きな議論にもならないと思っておりますので、将来的にどういうふうなこども予算の拡充があり得るのかというのを来年、こども大綱の策定もありますので、いろいろな方々に意見を丹念に聞きながらしっかりしたものが作れるように努力をしていきたいなと思います。
 この前の子ども・子育て支援団体との会合でも、保育士等の岸田政権における待遇処遇改善について、大変高評価を頂きました。こういった保育士等の処遇改善についても引き続き努力をしていきたいなというふうに思っている次第であります。

3.資産公開に関する質疑応答

(問)ご自身の資産についての見解、現在の資産公開制度に関する認識を教えてください。
(答)まず、私自身の件についてでありますけれども、他の方と比較するような性格のものではないというふうに思っておりまして、特に感想はございません。
 制度そのものにつきましては、国務大臣等の資産公開ということになりますが、国務大臣、副大臣及び大臣政務官規範に基づいて、行政の責任者となる国務大臣等が自らの資産を国民に公表することによりまして、在任中の清廉さや公正さを保って、政治と行政に対する国民の信頼を確保しようとするものであると認識をいたしております。
 今後ともこの規範に基づいて、適切に私としては対応してまいりたいというふうに考えています。

(以上)