小倉内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和4年9月13日

(令和4年9月13日(火) 10:53~11:04  於:中央合同庁舎第8号館1階S103会見室)

1.発言要旨


 皆さま、おはようございます。本日、私から2点ございます。
 一つ目は、今日のことでありますけれども、「こども政策の推進に係る有識者会議」を開催いたしまして、私も出席をさせていただきます。こども家庭庁の創設後、こども基本法に基づいて、政府全体のこども政策の基本的な方針を定める「こども大綱」を策定することになっております。「こども大綱」の策定に当たりましては、こども家庭庁の創設を待たず、様々な方の意見に耳を傾けながら、十分な検討を行いたいというふうに考えています。そのため、昨年11月に今後のこども政策の在り方について岸田総理への提言をまとめられた有識者会議の皆さまに今回もご参集いただくことになりました。詳細は内閣官房こども家庭庁設立準備室にお問い合わせをいただければと思います。
 もう一つは、関係した話でもあるのですが、子ども・子育て支援に関する業務に携わっておられる関係団体の皆さまの想いをお伺いするために、このたび、そうした関係団体の皆さまとの意見交換を実施させていただくことにいたしました。
 具体的には、子ども・子育て会議の構成員となっております13の団体、全国私立保育園連盟や全国保育協議会、全日本私立幼稚園連合会、全国国公立幼稚園・こども園長会等々でありますけれども、それらを2つに分けまして、9月の14日、21日、それぞれ1時間程度、オープンな形で行わせていただきたいというふうに思っております。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)人口問題研究所の調査結果が出まして、結婚したらこどもを持つべきだと考える女性が半減したりとか、希望するこどもの数も、結婚を望まない人も増えたりしています。こうしたことが少子化担当大臣としてどういうふうに政策に今後影響してくるか、どういうふうに今回のことを受け止められたかをお聞かせいただけますでしょうか。
(答)ありがとうございます。ご指摘については、社人研の第16回出生動向基本調査だと思います。この調査結果では、ご指摘のとおり、未婚者の結婚の意思や希望こども数は男女共に引き続き減少傾向にある一方で、夫婦の予定するこどもの数自体は横ばいで推移をしていると、このような結果が出ております。過去の動向に比べて、未婚者の結婚の意思や希望こども数の低下幅が大きいことについては、まず新型コロナウイルス感染症の影響を受けた可能性があるのではないかということを推測しておりまして、このような社会状況による影響も含めて、結果については幅を持って解釈する必要があろうかというふうに思っております。
 ただ、一方で、今回の調査による未婚者の意識の変化が、新型コロナウイルス感染症による一時的なものなのか構造的な変化を表したものであるのかについては、やはりより注意して見る必要があるとも私自身は思っておりまして、こういった要因分析については、しっかり関係者の意見を伺いながら、今後精査をしていきたいなと、このように思っています。
(問)出産育児一時金についてお伺いします。厚生労働省が10日、医療機関での出産育児一時金に係る標準的な出産費用を都道府県別に調べたところ、28都府県で今の42万円を上回っていることが分かりました。政府は来年度から支給額を大幅に引き上げる方針というのを総理も示していますけれども、大臣として、この今28都府県で出産の費用が上回っていることの受け止めと、あと出産費用が地域によっては大体20万円程度差があるという現状がありますけれども、地域ごとに出産費用の変更を検討していくとか、そういった現在の検討状況なども含めて、お考えをお聞かせください。
(答)ありがとうございます。ご指摘いただいたように、出産育児一時金の支給額に関しては、政府は来年度中に引き上げるということを明言いたしております。確かに少子化の要因といいますか、希望するこどもが持てない理由の多くに経済的な理由というのが挙がっておりますので、こういった出産にまつわる費用というのをしっかり国で支援をしていくことが重要だというふうに思っております。
 そういう意味では、出産育児一時金の額の引き上げだけではなくて、いろいろな方に伺ってよく聞くのは、結構出産費用というのがそれに伴ってまた高額に上ってしまって、結局一時金が増えても自己負担の金額は変わらないというような、そういうお声もいただきます。いろいろな方に話を聞くと、やはり例えば出産一時金の中で、いろいろなオプションがあるのですね。例えば産後のヨガの費用とか、お祝い膳とか、そういった様々なオプションについて、もう少し利用者が何にどれぐらいかかるかということについてしっかり把握できるようになれば、もう少し安い出産費用で済ませられるということも出てくると思いますので、出産一時金を増やすことだけではなくて、そういった出産費用にまつわる費用をもう少し見える化をして、利用者に選択できるような環境をつくっていくことも重要だと思っています。そういったことも含めて厚労省と緊密に連携して、こどもを産みやすい環境づくりを私どもとしても整備をしていきたいなというふうに思っております。
(問)静岡県のバスの置き去り事案について伺います。事案の発生から1週間以上が経過して、安全装置の設置義務化と設置に伴う費用の公的負担を求める声が高まっています。今回ご案内いただいた14日と21日の意見交換会でも、関係者の方からこういった対策等の方向について聞き取るお考えはおありでしょうか。
(答)ありがとうございます。まず先週の金曜日以降の経緯でございますけれども、会議後に直ちに全施設において緊急点検をするように、あるいは実地調査を開始できるところから開始をしていただくように、各都道府県等に対しまして連絡をさせていただきました。この点検項目も、数十項目に及ぶかなり詳細なものになっておりますので、ここで各園の実施状況というのがかなり把握できるのではないかというふうに思っております。
 今後の関係府省会議の進め方でありますけれども、まずやはり現場を見ることが重要だと思っておりまして、私自身、送迎バスの運行に当たっての安全確認の様子などにつきまして視察をできる限り早急に実施すべく、今準備を進めているところでございます。
 あとは、具体的に言うと、そういう安全装置を開発している会社の送迎バスを拝見いたしましたり、あるいはソフトの形でこどもたちの置き去り防止をされているような、そういった幼稚園の取組を拝見させていただきまして、しっかりと私自身、実の詰まった議論になるように視察をしたいというふうに思っております。
 それに加えまして、関係府省会議自体でも様々な関係者、学識者もそうですし、更には園の関係者もそうです、更には被害者の家族の方のやはり精神的なケアというのも重要ですから、そういうこどもを事故で亡くされた方々へのヒアリングみたいなものもやりまして、複層的に私たち分析をさせていただいて、しっかりとした緊急対策を取りまとめられるように努力をしたいと思っています。
(問)先週、厚労省から児童相談所への児童虐待の通報数が20万件を超えたということで発表がありました。この20万件というのは2年連続、過去最高であったということで、大臣としてのこの数字に対する受け止めを。あと、虐待死で亡くなる77人のうち、ゼロ歳児の方が非常に多かった。やっぱりこれは妊娠・出産・養育への不安というのが非常に大きいというような分析等もされていました。来年以降こども家庭庁で取り扱うことにもなるかと思うんですけれども、そのあたりについてのご所感をお願いします。
(答)ありがとうございます。虐待の相談件数が20万件ということで、引き続き高止まりしていることにつきましては大変残念というか、私たちとしては真剣に受け止めなければいけないというふうに思っております。様々、児童相談所の職員の体制強化ですとか連携強化、これまでも政府として取組を続けてまいりました。更に、来年のこども家庭庁の設立に伴って、横串で児童虐待に関する対策を講じることを政府としてもできるようになると思いますので、こども家庭庁発足以降、あるいはこども家庭庁を待たずとも、この児童虐待の問題に関して、横串を刺して、政府でしっかりとケアができるように努力をしたいなというふうに思います。
 ゼロ歳児につきましては、ゼロ歳児だけではなくて、ゼロ日児の虐待死というのもかなりの数に上っております。そういう意味では、重要なのはお母さん方の妊娠の最中のケアというものも重要でありまして、そこについてもやはり私たちとしては、気軽に相談をして、きちんと寄り添った形で不安を抱える妊産婦の皆さま方を支援できるような、そういう体制をつくることによって、ゼロ歳児ないしはゼロ日児童の虐待死事案というのをなくしていきたいというふうに考えております。

(以上)