小倉内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和4年9月6日

(令和4年9月6日(火) 10:52~11:03  於:中央合同庁舎第8号館1階S103会見室)

1.発言要旨


 おはようございます。
 まず冒頭、静岡県の牧之原市の認定こども園で起きました、昨日発生しました死亡事故について発言をいたします。まず、今回の事故で犠牲になられましたお子さま、並びにそのご家族の皆さま方に心からお悔やみを申し上げたいと思います。本件につきましては、現在警察による捜査が行われているものと承知をしておりまして、今後事案の原因等の詳細が明らかになるものと認識をしております。
 政府といたしましては、昨年7月の福岡県の保育所での事案を受けまして、文科省、厚労省と連名で令和3年8月25日に、第1として、こどもの欠席連絡等の出欠状況に関する情報につきまして、保護者への速やかな確認及び職員間における情報共有を徹底すること、第2に、登園時や散歩等の園外活動の前後など、場面の切り替わりにおけるこどもの人数確認について、ダブルチェックの体制を取るなどして徹底すること、第3に、送迎バスを運行する場合においては、事故防止に努める観点から、運転を担当する職員の他にこどもの対応ができる職員の同乗を求めることが望ましいこと、更には、こどもの乗車時及び降車時に座席や人数の確認を実施して、その内容を職員間で共有することなどに留意いただくよう、改めて安全管理の徹底について各都道府県等に対して周知徹底を図ってまいりました。
 にもかかわらず、今回、同様の大変痛ましい事案が発生してしまったこと、私としては痛恨の極みであります。特に、5時間にわたって猛暑の中でバスに閉じ込められたお子さんの苦しみ、そして突然の事故によってかわいいかわいい、大切なお子さんを亡くされた親御さんの悲しみ、こういったことを思いますと、私としても非常に胸の張り裂ける思いでおります。
 そういった中で、私からは、本件の事案がなぜ起こってしまったのかをしっかりと把握をした上で、同様の事案が今後二度と起きないように、3府省、すなわち内閣府に加えまして文科省と厚労省で、具体的にどのようなことができるのかを早急に検討するよう、事務方に指示をしたところであります。
 以上が昨日発生しました事故についての発言となります。
 続きまして、男女共同参画・女性活躍担当大臣としての報告です。
 今日から明後日8日にかけまして、タイのバンコクを訪問させていただきます。バンコクでは、APEC女性と経済フォーラムに出席いたしまして、男女共同参画・女性活躍担当大臣として経済分野における女性のエンパワーメントについて発言する他、関係国要人との会談、あるいは、例えばスラム街付近における女性の職業訓練をされている団体等を訪れまして、視察を行う予定でおります。詳細につきましては、担当をしています内閣府の男女局までお問い合わせをいただけると幸いでございます。
 冒頭、私からは以上です。

2.質疑応答

(問)冒頭少しご説明いただきました牧之原市の事故に関して伺います。お話の中で同様の事案が二度と起きないよう既に事務方に指示されているというふうに伺いましたが、改めてどのような対策が必要だというふうにお考えでしょうか。こども家庭庁での今後の取り組み方とかも含めて教えてください。
(答)まず、昨年の8月に発出をいたしました安全管理の徹底に関する通知におきましても、冒頭申し上げたように、こどもの乗車時及び降車時に座席や人数の確認を実施して、その内容をしっかりと職員間で共有することを求めており、こういったことを全ての園に徹底していただくことができれば、このような事案というのはかなりの確率で防ぐことができるのではないかと思っています。そういう意味では、昨年8月に発出した通知を再度通知させていただいて、それぞれの園にそのガイドラインをしっかりと遵守してもらうようにまずは努めてまいりたいと思います。
 その上で、今回の事案に関しては、まず警察が捜査をして、静岡県の方でも特別指導監査が入ると思います。どこに原因があったのかということについては、それらを踏まえて明らかになるものと思っておりますので、そこで出てきた原因について更に検討した上で、更なる防止策を講じるように指示を出していきたいと思っています。
(問)ありがとうございます。続いてで恐縮ですが、バスの送迎に関しては、保育施設と保護者との私的契約という位置付けになっていて、国の統一基準はないというふうに伺っています。実際は現場の指針の策定など、現状で十分というふうにお考えでしょうか。
(答)繰り返しになりますけれども、それも含めて今後、今回の事故がどのような経緯で発生してしまったのかというのが明らかになると思いますので、そういった原因究明を踏まえまして、必要な対応をとってまいりたいというふうに思います。
(問)別の話なんですけれども、昨日、イギリスの与党・保守党の党首にトラスさんが出られて、イギリスで3人目の女性の首相に就任することになりました。日本では女性の首相というのはいなくて、閣僚も2人ですけれども、男女共同参画という観点から、どうしていったら良いと思われるかとか、もしお考えがあれば教えてください。
(答)ありがとうございます。私個人としては、与野党問わず、能力も人柄も十分に実力のある女性議員はたくさんおりますので、我が国においても近い将来、女性の首相というのは誕生するのではないかなというふうに思っております。その上で、私が今回の保守党の選挙を見て思いましたのは、トラスさんが47歳で女性です。ただ、対抗、スナクさんもこれもまた42歳で、まだ当選して7年程度ということで、お互い40代同士の戦いになりました。
 そういう意味では、私も結構イギリスの議会政治を研究させていただいておったのですけれども、非常に政党としてそういう若い人とか、あるいは女性とかマイノリティーとか、そういった方々を候補者としてリクルートするシステムが確立をされているのかなというふうに感じております。そういった意味では、イギリスは議会政治の先輩でありますので、そういったイギリスの政党政治というのをしっかりと私たちも学んで、良いものは取り入れていくという姿勢が必要なのではないかなというふうに思います。
 その上で、今の現状を言うと、もう既にお示しをしているように、衆議院においては女性議員の割合が10%弱で、衆議院でも25%強ということで、諸外国、G7が大体3割から4割ですから、非常に低い数字にとどまっているのも事実であります。内閣府としても、これも繰り返しになりますけれども、今年4月に作成いたしました政治分野におけるハラスメント防止研修のための動画教材の活用推進や、各政党の取組の見える化、あるいは、今申し上げたような諸外国における取組事例に関する調査情報等提供などの環境整備を通じまして、引き続き、低いと言われている政治分野における女性活躍の促進について、取組を後押しをしていきたいというふうに思っています。
 すみません、25%強というのは、私「衆」と言ったようですけれども、参議院です。衆議院では10%弱で、参議院では4分1強という数字です。失礼いたしました。
(問)先週の話で恐縮なんですが、1~6月の上半期の出生数が40万人、38万人ぐらいになったということで、このままいきますと年間で80万人を切る恐れが出てきているわけですけれども、改めて、少子化の現状に対する所感と、先日概算要求で示されました少子化の対策、これに絡めてお話いただければと思います。
(答)ありがとうございます。昨年1年間ですら80万人強ということで、過去最少の出生数になりました。このまま、上半期が40万というトレンドが続けば、1年通じても80万人を切ってしまうということなので、非常に少子化の深刻さは増していると思っています。
 もちろん、コロナ禍で妊娠・出産の活動に関して非常に不安を感じていらっしゃる方が多いというのもありますので、それについては厚生労働省と連携して不安の解消に努めたいと思いますけれども、ただ、それを除いても、やはり構造的な部分があるのではないかと思っております。繰り返し記者会見の場でも申し上げているように、複合的な要因で少子化というのは進行しておりますので、その一つ一つに対してしっかりとした対策を打っていかなければならないと思っています。
 そういう意味では、今年というか来年度の予算要求に関しましては、繰り返し、将来的なこども予算の倍増に向けて、大きな一歩を示していきたいということを申し上げております。実際に概算要求の数字だけをもって横並びだ、例年並みだ、現状維持だというふうな報じられ方もしておりますけれども、中には事項要求もたくさん含まれておりますので、しっかり事項要求の中でより多くの予算を積み増していけるように、担当大臣として努力をしていきたいというふうに思っています。

(以上)