谷内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和5年2月3日

(令和5年2月3日(金) 8:55~9:09  於:中央合同庁舎第8号館5階共用会議室B)

1.発言要旨


 おはようございます。私から冒頭1点申し上げます。
 本日2月3日10時から、「南海トラフ巨大地震モデル・被害想定手法検討会(第1回)」を開催いたします。
 南海トラフ巨大地震対策につきましては、平成24年度に被害想定を公表、平成26年3月に国の基本計画を策定し、防災対策を推進してまいりましたが、まもなく計画策定から10年が経過することから、その見直しに向け、本格的な検討を開始いたします。
 本検討会では、地震学や地震工学、防災学などの有識者に御参加いただき、最新の知見を踏まえ、津波高や震度分布、被害想定の計算手法等の技術的な検討を進めてまいります。
 さらに、今後、中央防災会議の下に検討ワーキンググループを設置し、本検討会と並行して、防災対策の進捗状況の確認や課題の整理を行ってまいります。
 これらの検討結果を踏まえ、被害想定の見直しや新たな対策の検討を行い、基本計画の見直しにつなげてまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。

2.質疑応答

(問)今の南海トラフ巨大地震の検討会についてお伺いさせていただきます。今後、検討ワーキングと並行して議論していくということですけれども、新たな被害想定見直しに向けたスケジュールについて、もう少し詳しく教えていただければと思います。
(答)検討会の第1回目を本日開くということで。さらに、それほど期間を空けずに、今年の春にワーキンググループを立ち上げて、防災対策の進捗状況の確認や課題の整理等を行ってまいりたいと思います。
 これらの検討結果を踏まえて、被害想定の見直しや新たな対策の検討を行いまして、来年春頃をめどに、基本計画の見直しを行いたいと考えております。
(問)広域強盗の件についてお伺いします。「報道特集」では、2020年にフィリピンの収容所から特殊詐欺が行われていることについて放送しました。その際には、「中から強盗が行われているということについて、日本警察に通報した。」という方の証言を放送しています。また、今回取材すると、「あのグループが人の命も奪いかねないような凶暴なグループであるということについて、具体的な情報と共に日本警察に情報提供した。」という人の証言も得ています。それ以来2年近く経ってここに至るまで送還が実現していないわけですが、この間の日本警察の対応は適切だったと大臣はお考えでしょうか。
(答)日本政府といたしましては、フィリピン当局に対し、2019年11月以降、順次退去強制の要請を行ってきました。何もしていないということではございません。今般、改めて早期の退去強制を要請し、フィリピン当局において、積極的に対応をしていただけるものと承知しているところであります。
 この間のことについてお話がございましたが、我々といたしましては、順次退去強制の要請を行ってきたと。ただ、我々は要請する立場ですから、フィリピン当局においてどういうふうに検討が行われてきたのかということにつきましては、国家公安委員会委員長としてお答えする立場にはないということを、どうか御理解を願いたいと思います。
 いずれにいたしましても、被疑者の身柄の確保に向けたフィリピン当局との調整が迅速に進められるよう、引き続き、しっかりと警察を指導してまいりたいと思います。
(問)やはり、強盗殺人という、強盗で人が亡くなるという重大な事件が起きて初めて、この肝心のグループの幹部の強制送還について動き始めたということからすると、こういう重大な事件が起きない限り、逆には事が動かなかったのではないかというふうにも見えてしまう、そのことについて不安に思う国民も多いと思うのですが、その間の日本警察の対応について反省点等大臣の考えがあれば、ぜひお伺いしたいのですが。
(答)今、今回初めてというお話がありましたが、繰り返しになりますが、そういうことはございません。我々といたしましては、容疑者がフィリピンで拘束されている、そのことは3年ほど前から分かっていましたから、2019年11月以降、順次、それらについて働き掛けをしてきたと。しかし、結果としてそれが実現できなかったというのは残念でございますが、とにかく今、フィリピン当局の方も、できる限り日本の要請に応えたいという意向を示しているようでございますので、この機会にぜひとも早期に強制送還されるよう頑張ってまいりたいと思います。
 今回の事件で強盗殺人という大変ショッキングな事件がございました。お亡くなりになられました被害者の御冥福を本当に心よりお祈り申し上げますとともに、御遺族の皆様にお悔やみを申し上げたいと思います。
 こういうショッキングな事件がなければ動かなかったということではございませんので、その点だけ、どうか御理解をいただければと思っております。
(問)南海トラフの検討会についてお伺いいたします。南海トラフ、国民の関心も高い分野でありますけれども、10年を追って基本計画の見直しということで、より具体的に何が変わっていくのか。被害想定も話されていましたけれども、現時点での見通し、方向性をより具体的に教えてください。
(答)方向性を正にこれから、今日発足する被害想定の検討会なり、あるいは検討ワーキンググループで御検討いただく。大変専門的なものでございますので、我々の方で予断を持って、こういう方向とか、そういうものを示すということはございません。
 しかし、その後10年たっていますから、その後の様々な技術の発達、あるいは国民意識の変化もございますので、10年たち、そろそろ見直す必要があるのではないかということで、今回南海トラフ地震について取り組ませていただきました。
 この後、これが終わった後は、今度は首都直下の地震も10年近くになりますので、こちらの見直しにも取り組まなければならないと思っております。
(問)今、様々な地震の話がありましたけれども、今年が関東大震災から100年の節目の年ということで、内閣府のホームページにも特設ページが開設されましたけれども、改めてどのような思いで取り組んでいかれるかという大臣の言葉を伺えればと思います。お願いいたします。
(答)関東大震災からちょうど100年ということでございます。その年でございますが、関東大震災は、近代日本の防災対策の正に出発点であろうかと思います。ですから今御指摘がありましたように、内閣府のホームページ上に特設ページを設けたりして、ぜひ多くの国民の方々に、様々な団体による関連行事の予定などについても知っていただければと思っております。
 100年前の大震災と同じような、大変大きな被害をもたらす地震というのが、先ほど来お話にあります南海トラフ、あるいは首都直下地震も、現に目の前のリスクということが言われている時代でございますので、100年前の様々なことを学ぶことにより、今に生きる我々にも大変重要な示唆や教訓を与えてくれるものだと思っております。
 我々政府といたしましては、この大震災が100年の節目ということを契機として、今一度、大災害への備えに思いを新たにして、防災対策の一層の強化と意識の向上、そして過去の大災害の教訓を伝えられるようにしっかり頑張ってまいりたいと思います。
 国民の皆様にも、それぞれの立場で、それぞれの地域で、防災について考える、あるいは災害に備える機会にしていただければという思いであります。
(問)南海トラフの関係で1点だけ。基本計画の見直しを来春ということですけれども、その前段で被害想定とかの公表というのはもう少し早い段階にされるのかどうか、そこら辺の見通しとかめどがあればお伺いしたいと思います。
(答)被害想定の見直しと基本計画。これは前回、どうでしたか。事務方で分かりますか。
(事務局)時期についてはまだ決まってはいませんが、ワーキングをする中で、例えば被害想定の公表ということにはなると思います。見直し前の段階で出すということにはなると思いますが、今後時期については正確に決まってきた時点でまたお知らせするという形になると思います。
(答)前回は基本計画前ということでしたが、ただ今回もワーキングの先生方の考えにもよります。前回は計画の前に公表していた。今回もどうするかというのは、ワーキングのメンバーも近々固まりますけれども、まだ固まっておりませんので、また先生方と相談しながら検討していきたいと思います。

(以上)