山際内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和4年9月2日

(令和4年9月2日(金) 10:28~10:57  於:中央合同庁舎8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 8月28日日曜日から9月1日木曜日まで、スタートアップ担当大臣として、米国ボストン市およびケンブリッジ市に出張をいたしました。
 我が国におけるスタートアップ・エコシステムの構築に向けて、現地の大学の学長や企業経営者といった様々なスタートアップ関係者と意見交換を行ったところ、先方からは日本との連携可能性について高い関心が示されました。
 今般の出張成果を踏まえ、今後の連携に向けた個別具体的な調整については、まずは事務方を通じて継続的に行い、本年末のスタートアップ育成5か年計画の策定に向けた検討を進めてまいります。
 もう一つ。先ほど、新型コロナウイルス感染症対策本部が開催されました。「新型コロナウイルス感染症に関するこれまでの取組を踏まえた次の感染症危機に備えるための対応の具体策」を取りまとめました。
 6月には、「新型コロナウイルス感染症対応に関する有識者会議」の報告を受けて「対応の方向性」を取りまとめ、これに沿って法令改正や組織体制について検討を進めているところです。今般の本部決定は、「対応の方向性」を推し進めた「対応の具体策」として対外的に明らかにすることを念頭に取りまとめたものです。
 総理から私を含む関係閣僚に対して、「対応の具体策」を踏まえ、必要な法律案の準備を進めるなど、取り組みを加速するようご指示があったところであり、しっかりと進めてまいります。
 冒頭、私からは以上です。

2.質疑応答

(問)2点あります。まず1点目です。今回、先ほどおっしゃったスタートアップの関係で出張に行かれた話の中で、実際にいろいろと視察などをされてきて、日本の今後のスタートアップ支援に必要な施策ですとか、今の実際の日本の施策で不足しているもの、そういうものはどういうところがあったかっていうのを教えてください。
 また今回の視察について、先ほどもおっしゃっていたとおり、年末の5か年計画に反映させるということだったと思うのですが、具体的にどういうふうに反映させるのか。そこをお聞かせください。
(答)まずは向こうのMITやバブソン大学といった大学の学長さんと直接お会いをして、これから日本と米国、あるいは当該大学等も含めた関係性というものを強化する可能性があるかどうかというような話で、それに対しては高い関心をいただきました。具体的には、これから詰めてということになると思います。
 その上で、これは明示的にここが足りないっていうことを言われたわけではないのですが、ボストンという場所、あるいはケンブリッジ市という場所は、スタートアップを起こしていくための様々な条件、インフラというものが整っている場所です。もう既に、それがいわゆるエコシステムとして新しいスタートアップがどんどんできていって、そしてそれが大きくなっていくということが実際に起きている場です。
 そこに関して議論を進める中で、あるいは街にいろんなものがあるということも確認する中で、まずは歴史が当地のほうがずっと長いというものがあります。従って、それらのインフラが全て整っているということもあります。
 これはいつも申し上げていることですが、スタートアップを起こしていくためには人がまず必要で、さらには資金が必要で、さらにはそれらを有機的に結び付けるネットワーク、場というものが必要なわけですけれど、それらが全てそろっているのがボストン、ケンブリッジということだと思います。
 一方で、ご質問の答えになりますけれど、日本にも、もちろん人材は豊富にいると思いますし、また資金もあると思います。しかし、それらが有機的にネットワーク化されているかというと、そうではないという部分があるので、そこを今回、スタートアップ5か年計画の中では、しっかりサポートできるような体制を国も旗を振って進めていかなくてはいけないなと思っております。
 それから、もちろん向こうは進んでいますから、進んでいるものはどんどん日本に取り入れる、あるいは日本に直接取り入れることもあれば、向こうに我々が出向いて、向こうのエコシステムの中に入り込むということもあるんだろうと思います。
 そういうことを多角的に検討した上で、年末までにこれはまとめたいと思いますが、これも何度も申し上げますが、年末まで待つ必要は全然ないと思うので、様々なことが決まった段階で、また皆さま方にはしっかりとご報告はしたいと思います。
(問)2点目で、ニューヨーク市場で為替が1ドル140円の24年ぶりの円安の水準になりました。これに対するご所感と。それと、円安は輸出企業に対しては業績を押し上げるプラスの効果がある一方で、輸入価格が上昇して消費者や企業の負担増につながるという側面もあると思います。今回の円安、今回の状況が日本経済に与える影響の分析と、今後政府としてとっていく対策などあれば教えてください。
(答)これは、これまでも、非常に申し訳ないのですが、為替のことについて私の立場から言及いたしますと大きな影響を与えますので、為替に対しての直接の言及は避けたいと思います。
 一方で、これは日銀も、あるいは財務省も言っているように、急激な為替の変化というものは避けるべきであるということは、我々からは申し上げているわけでございますので、為替が安定するように、我々としても努力はしなくてはいけないものだと思っております。
 一方で、経済に対する影響というのは、これは為替だけの話ではありませんので、我々としては注視していく必要がありますが、岸田内閣としては、まさに切れ目なく今、物価が上昇するということに対して対応をしておりますけれども、その物価が上昇している要因の一つには、皆さんご指摘いただいているように為替の影響というのもあるわけでございますので、そういう総合的なものの中で、私たち一人一人、国民の生活というものが安定的に行われるように、政府としてはこれからも目くばせ、気配りをしてまいりたいと思っております。
(問)ちょっと話題が変わって、統一教会の関係で改めてお伺いさせていただきたいんですけれども。前回、2017年の6月にネパールで行われたUPFの国際指導者会議の件についてお伺いさせていただいたのですが、関連の団体のホームページに山際大臣が演説されている写真もございまして。事前にお届けすればよかったんですけれども。
 大臣、地震の復興の状況の視察は覚えてらっしゃるということだったのですが、一方で会議の出席は覚えていらっしゃらないということだったんですが、一連の報道ですとか、こうした写真をご覧になって、一部経緯とか思い出された部分があれば、教えていただければと思います。
(答)改めてこのことは十分ご説明しなくてはいけないと思っておりますが、政治家として説明責任を果たすことは極めて重要だと思っております。これまでの説明が、今のご質問にあったように十分ではなかったのではないかというようなご指摘は、真摯に受け止めなくてはいけないと思っております。
 その上で、このイベント出席については事務所に資料がない、これは事実です。それから、私自身も事実関係を確認することができなかったということから、そういうお答えをしたのですけれども。しかし、報道等々によって、その事実が今の写真のように確認されたことをもって、私自身が明確に出席をしていたということは改めて申し上げるとともに、熟慮が足りなかったと反省をしております。
 また今後については、総理のご指示、あるいは先日決定された自民党の方針に従って、当該団体の関係は持つことがないように慎重に行動をしてまいりたいと思っております。
(問)関連で申し訳ございません。こちらの会議に出席したタイ政府の関係者の方によりますと、宿泊費ですとか食費は主催側がお持ちだったということでございました。そういった渡航費ですとか宿泊費に関しては、どなたが負担したのかというのは覚えていらっしゃらないでしょうか。
(答)これは、残念ながら記録が残っていないものですから確認ができないんですけれど。ここは推測で、前回申し上げたとおりですが、公務出張以外は自費でこれまでも海外出張というのは行ってまいりましたから、ですからその範囲の中だと思っております。
 それ以上のことは、前にも申し上げたけれども、確認ができなかったというのは事実なので、それ以上はお答えはできないということは、ご容赦いただければと思います。
(問)また、こちらの会議、一部報道にもあったようなのですが、山本ともひろ衆議院議員、自民党の先生が出席をされていて、隣同士に座ってらっしゃる写真もあるようなんですけれども。その山本衆議院議員と一緒に事実関係を確認されるですとか、今後さらに調査をされるご予定というのはございましたでしょうか。
(答)山本衆議院議員と行動を一緒にしたことは、そのイベント等々も含めネパールで一緒にしたということは、ないと私自身は思うんです。
 ですから、その会議でお会いしたなら、会議でお会いしたということは事実だと思いますが、しかし、それ以外の行動が同じであったかというと、同じではなかったのではないかなと。
 というのが、他の写真等々は、ネパールのお寺が崩れてしまっているものだとか、あるいは石でできた塔が崩れてしまっているところだとか、そういうところの写真というのは何枚か私の事務所でも確認したんです。しかし、そこに私と山本衆議院議員が一緒に写っているという写真は1枚もありませんし、ほんの数枚しかないものですから全体は分かりませんけれども、一緒に行動していたというわけではないと思います。
 ですから、もちろんそういうご指摘であれば、山本事務所とは、もう一度、どうだったのかなという話はするべきかもしれませんけれども、今のところ、一緒に何かそれを調べたからといって、新しい何かが出てくるというふうには、私はそうは思わないと思うんです。
(問)これまた一部報道で、大臣の事務所、地元を含めて、いわゆる旧統一教会の信者の方ですとか、またパイプ役となられている方が出入りしているんじゃないかというような報道がございましたが、これに関しては事実関係はいかがでしょうか。また、今後事務所のスタッフの皆さん等々、調査をされるご予定はございましたでしょうか。
(答)その点は、これまでもご説明申し上げたとおりなのですが、事務所にいらっしゃる方が、事務所にお見えになられる方が特定の宗教の信者であるかどうかという確認は、今までしたことがないです。
 これは、これも前にもご説明申し上げたとおり、通常、こういう活動をしていても、あるいは会社を経営していても、来訪者に対して「あなたは何を信じてらっしゃるのですか」という質問は通常しないと、私はそう思います。ですから、私どもも、どのような宗教に入ってらっしゃるかという確認は今までしたことがないんです。なので、それは確認していないというお答えをこれまでもしてきたわけなんです。
(問)ごめんなさい。今、質問で、今後というお話。
(答)今後は、もちろん、ですから一切その関係の皆さんとは関係を持たないということは私自身もお約束をしていますし、しかし一方で、今申し上げたように、ではいちいち来訪される方に対して「あなたは関係者じゃないですよね」というような、そういう質問を投げ掛けるわけにもいかないと思うんです。
 そこで党のほうでも、事前にしっかりチェックできる体制というものを、具体的にどう対応していくかということを今、検討していただいているということでございますので、その党本部のほうでの検討というものを受けて、それに従って適切にこれからは行動していかなくてはいけないと、そう思っております。
 重ねてになりますけれど、これまで会合に出席したり、あるいは確認ができないことが多かったりというようなことで、本当にこれは深く反省をしなくてはいけないと思っております。その上で、これからは、そういうことがないように、しっかり慎重に、チェックも含めて行動していかなければいけないと思いますし、またそうしてまいりたいと思っております。
(問)関連で。今、先ほどありました一部報道に関してなんですけれども、大臣の秘書さんの中で旧統一教会の方がいらっしゃるということでしたが、その採用に関して、ご自身が、秘書さん本人は名乗らなかったのでしょうか。通常、私たちも取材する時に、東京新聞のイチカワですと今みたいに名乗ったりとか、大体来訪者の方は身元を明かすと思いますが、秘書の採用に関しても、選挙の運動員に関しても、旧統一教会系の関連、世界平和連合であるとかから依頼もなかったというような理解でよろしいでしょうか。
(答)これまでは、少なくてもうちの事務所のスタッフを採用する時には、当然履歴書等々は書いてもらうことになります。面接もします。あるいは、どなたからかの紹介ということであれば、その紹介している方とお話しをするということもあると思うのですが。
 しかし、前の質問の答えに戻りますが、「あなたはどういう宗教を信じてらっしゃるのですか」という質問を一般的に事務所のスタッフを雇う時にするかと。一般的にです。政治家の事務所に限らず、会社でリクルートして新しい方をお雇いしようとする時に、面接する時にです。
 私は、日本の社会では、何教を信じてらっしゃるかということは聞かないというのが通常だと思うんです。私もそういう認識でおりましたから、内心の自由に触れるような質問というものは、今までしたことがありません。ですから、そういう意味でいうと、してこなかったということになると思います。
(問)すみません、関連でお願いいたします。質問の意図が伝わってなかったようで恐縮なんですけれども。団体側から先生に対して秘書さんを採用してくださいですとか、選挙を支援させてください、運動員として使ってくださいというような働きかけもなかったと理解していいでしょうか。
(答)私個人に対してそういう話があったということは、私の覚えている限りはないです。
 ただし、何度も申し上げますけど、どういう方なのかということは今まで確認をしておりませんので、そこがゼロかどうか分かりませんが、少なくても私に対しての働きかけは、私の選挙を今までやってきた中では、そういうことはなかったと思います。
(問)外遊後のお疲れのところすみません。私も関連になってしまうのですが、一部報道の中で、信者とされる秘書の会社のほうに、大臣が代表を務められる支部から相場より高い家賃が支払われたという記述がありました。それの事実関係と、信教の自由というところで宗教がどうかということはお聞きにならないということなのですが、先ほど、今後は関係を持たないということで、改めて今の秘書さんに信者なのかどうかということを確認をするのかどうかというところも含めて、まずお伺いできますでしょうか。
(答)先ほども申し上げましたが、内心の自由というものを最大限、私は尊重するというのが必要だと、非常に重要だと思っております。ですので、通常は、自分のところのスタッフがどのような信教を持っているのかということについて尋ねることはしないのですが、しかし、今般このような報道があるということ、あるいは総理から、これから先の、今おっしゃったように関係はしっかり断ち切るべきだ、断ち切らなくてはいけないというご指示も踏まえて、今回は、わが事務所にいるスタッフ全員に、その事実関係を確認をいたしました。確認しましたところ、一人も当該宗教の信者でいるという人間は確認できませんでした。
 まさにこれは、本来はこういうことは申し上げるべきではないと思うのですが、こういう社会情勢に鑑みて、私のほうからもあえてそれは質問して、そういう回答を得ております。
(問)家賃のところ。
(答)ごめんなさい。家賃のほうは、これは少し丁寧にお話をしていかなくてはいけないと思うんですが。借りているものは、事務所の話だけが報道されていましたが、事務所だけではないんです。そのアパートの1階部分全てお借りしている。土地も含めてお借りしている状況にありまして、事務所の部分は、その中で60平米ぐらいです。18坪ぐらいだと思います。
 それ以外に、シャッターの付いている車庫も含めて7台分駐車スペースというものをお借りしています。さらには、表から見えないのですが、裏手に回りますと倉庫がありまして、その倉庫も、何畳分ぐらいあるかな、それなりに物が入れられるような倉庫があります。それもお借りしています。
 さらに、それ以外のスペースも、簡易の屋根などを付けて、選挙のために様々な物を置いとかなくてはいけないものですから、その物を置いておくスペースというものも。全て1階の部分をお借りしていまして、それ全部合わせると60坪ぐらいになるのだろうと思うんです。
 ですから、そういうのを全て足し合わせて、家賃がどれぐらいになるということを、これも不動産管理会社と、この持っている会社とが、きちっとその回りの家賃相場というものをしっかり調べた上で、これが妥当であるということを確認して、それでその家賃設定がなされているものですから、その家賃だけだと高いじゃないかというふうに思われるかもしれませんけど、きちんとご説明をすると、そういうことだということなんで、適正ではないかと思っております。
(問)1つ関連なんですけども、先ほどの話で、一部報道では、ご自身の私設秘書の方が代表を務める会社に対しての家賃の支払いであるという指摘もされていました。そこについての法的な問題があるのかどうかについては、チェックされたのでしょうか。
(答)法的な問題そのものは、政治資金規正法等々でチェックはしておりますが、何か違法性のあるものではないということと、もう一つ、さらに言うならば、透明性をもってやらなくてはいけないってことがありますから、こういうご指摘も受けましたから、見直すべきところがあるかどうかは、もう一度しっかりとチェックはしたいと思います。
(問)話題変わるのですが、今日、コロナ対策本部で決定されました。その上で冒頭、その意義についてお話しになっていましたが、改めて今回の決定の意義と、総理会見で、いわゆる療養期間の短縮ですとか、近々しっかりと発表したいというふうなことをおっしゃっておられます。この検討状況と、いつごろの発表になるのかについて、大臣のお考えをお聞かせください。
(答)これは予断を持って、いつまでに発表するということが言えるかどうかというのは、端的にお答えすると言えないということなんだと思います。
 今、新規陽性者数がだいぶ減ってきている状況にあります。しかし、9月1日から主立った、学校に子どもたちが戻っていますので、学校に子どもが集うという状況が起きた時に、これはまた感染がそれなり拡大するリスクというのは当然あると思います。
 ですから、今起きているコロナウイルス感染症の動向がどういう状況かということを見ていかなくてはいけないわけです。
 我々がまずやるべきことは、それを極力低く抑えながら、社会活動、経済活動をしっかりと動かしていくということになりますので、それをやりながらということになると思います。
 なので、検討はしっかりやっておかなくてはいけないと思うんです。検討もしないで、状況が来てから検討しますというのでは遅いと思うので、ですから今、もう既に検討はしておりますけれど、どのタイミングでそれを決定をして実行に移していくかということについては、まだ予断を持って申し上げられる状況にはないと。
 その理由は、今申し上げたように、相手が感染症なので、感染症との闘いの中でのタイミングを見ていくということになると思います。
(問)関連でなんですが、今日の対策本部で「内閣感染症危機管理統括庁」という、仮称ですが決定、来年度からということなんですが。現在あるコロナ室との関係性と、あと、平時の職員の体制、平時は恐らくそんなにやることもないのかなと思うんです。有事と平時の職員の動かし方について、改めて教えていただけるでしょうか。
(答)おっしゃるとおり、平時よりは有事のほうが圧倒的にマンパワーが必要だというのは、そのとおりだと思います。今現在も、コロナ室の、政府全体としてですが、平時は20人体制ぐらいです。有事になりますと100人弱ぐらい、それは膨らみます。
 ですから、それは仕事の量も増えるっていうことも含めれば当然だと思うんですが。これからつくっていく統括庁、仮称ですけども統括庁に関しては、今よりは当然、機能も拡充させるわけですから、平時の人数も増やさなくてはいけないと思っております、私自身。が、どれぐらいの人数を増やせばいいかというのは、まさに検討する中で、どういう機能を平時にしっかり持たせるかということから、だから人数が必要だということになりますよね。その今、検討しているところなので、概念としては、考え方としてはおっしゃっているとおり、平時が少し少なくて、有事になったら広がるような、そういう形になるだろうと。今でもそうですから、そうなると思いますが、具体的にどういうものになっているかというものが、決まったものがあるわけでは、今のところではありません。

(以上)