山際内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和4年8月15日

(令和4年8月15日(月) 14:46~15:17  於:中央合同庁舎8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 本日公表いたしました2022年4-6月期のGDP速報値では、実質成長率は前期比プラス0.5%、年率に換算するとプラス2.2%となりました。これを受けた私の談話は、お手元に配布しているとおりですが、旅行や外食などサービス消費を中心に個人消費が前期比で増加するとともに、企業の設備投資についても企業収益等が改善する中でプラスとなり、景気が緩やかに持ち直していることが示された結果となりました。
 先行きについても、景気は持ち直していくことが期待されるものの、他方で、エネルギーや食料品等の物価の上昇や、各国の金融引締めにより世界経済の減速懸念、今後の感染症の動向など、我が国経済の回復を阻害しかねない不確実な要素に十分注意する必要があります。
 政府としては、「原油価格・物価高騰等総合緊急対策」を着実に実行するとともに、まずは先ほど開催された「物価・賃金・生活総合対策本部」における総理指示を踏まえ、9月上旬を目途に追加対策、追加策を取りまとめ、予備費を機動的に活用してまいります。
 その後についても、物価、景気、両面の状況に応じて迅速かつ総合的な対策に切れ目なく取り組んでまいります。先ほど開催された同本部における総理のご発言にもあったとおり、経済は生き物であり、状況に応じて前例にとらわれることなく切れ目なく大胆な対策を講じてまいります。
 同時に、民需主導の持続的な成長と分配の好循環に向けて、「骨太方針2022」と、「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」を前に進め、賃上げの流れを維持・拡大するとともに、社会課題の解決に向けた官民連携の重点投資を推進し、日本経済を一段高い成長経路に乗せてまいります。
 なお、既に事務方から説明したとおり今回、国土交通省の建設総合統計の遡及改定によるGDPへの影響についても試算した結果を資料にお示ししてございます。
 次に、12日の金曜日に開催いたしました「第2回物価動向に関するヒアリング」、ならびに今朝開催いたしました「第3回物価・賃金・生活総合対策本部」の概要についてご報告いたします。
 まず、12日金曜日の「物価動向に関するヒアリング」では、食料品、小売、地方自治体、鋳造事業者、消費者の現場の皆さまから、現下の物価動向の実感と対応策の方向性について直接お話を伺いました。
 その後、ヒアリングでの議論を踏まえ、本日、「物価・賃金・生活総合対策本部」の第3回目の会合を行いました。会議では、私から物価の動向について説明した後、内閣府地方創生担当から地方創生臨時交付金を活用した物価高騰対策の実施状況について、農林水産省から食料品の価格高騰への対応策について、厚生労働省から賃金・最低賃金の動向について、経済産業省から価格転嫁対策、エネルギー安定供給対策等についてご説明がありました。
 総理からの締めくくり発言については、お聞きいただいたとおりです。10月以降の輸入小麦の売渡価格の据え置きなど、具体的なご指示をいただくとともに、9月上旬を目途に、この本部において追加策を取りまとめることとなりました。
 ヒアリングを含め詳細については、後ほど事務方からご説明をさせていただきます。
 私からは、冒頭以上です。

2.質疑応答

(問)3点お願いします。まず1点目GDPについて、規模がコロナ前を回復したということですが、一方で年度での回復というのはまだ未達で、また海外、アメリカとか中国などと比べると、回復のテンポも緩やかです。これについて大臣の受け止めと、回復のテンポが遅いことに対する理由や対策についてのお考えをお伺いできればと思います。
(答)GDPに関しては、おっしゃっているとおりの結果が出ましたので、これはコロナ前の水準に達したからといって、当然、それで我々は満足しているわけではなくて、これは一つの通過点であると考えております。
 景気そのものは持ち直しの動きが続いておりますけれども、しかし不確定要素というものも相当あります。おっしゃったようにコロナの問題もありますし、ウクライナに端を発する物価高というものもございます。だからこそ、政府としては万全な体制を取って、様々な支援策等を今でもやっておりますが、今日も本部を開き、必要な支援というものを切れ目なく続けていくということが必要だと思っております。
 そういう中で、一日も早く日本の経済を成長軌道に戻し込んでいくと、こういうことが必要だと思っておりまして。繰り返しになりますけど、このGDPの値はそうなりましたけれど、まだこれは道半ばだと、そういう思いで努力を続けたいと思います。
(問)2点目ですけれども、先ほどもおっしゃったように、国交省の統計不正を受けて、その影響についてGDPの試算を公表されましたが、これに対する受け止めを。あと、こうした基礎資料の数値が変わっていたことによって過去の成長率の前提が変わったことで、政策決定への影響をどのようにお考えか、お伺いできればと思います。
(答)改定は行いました。結果として非常に軽微なものであったということで。GDPというのは当然、経済指標として非常に大切なものですから、それが社会に対して影響を与えるものではなかったという結果になったことは、我々としては非常に、そういう意味で言いますと、この今までの説明と整合的であったと思っております。
 一方で、これも都度都度、今までも申し上げてまいりましたが、やはり統計の大本をなしているデータというものを正しく扱うということは、もう絶対に必要なことで。そこが損なわれることがないように、これからも細心の注意を払いながら、私たち一人一人の生活がかかっている、それを推し量っていくための統計ですから、その統計が正しいものになり続けるように、もちろん国土交通省もそうですが、我々の部署も含めて、全体として努力を続けなくてはいけないものだと思っております。
 それと、これまでの政策決定に何か影響を与えたかといえば、質・量共に大変軽微なものだったという結果になりましたので、今回のことをもって何かこれまでの政策決定に大きな影響を与えたということはないと認識しております。
(問)3点目です。靖国の関係ですけれども、本日終戦の日ですけども、参拝の有無についてと、お供えの真榊ですとか玉串料などの奉納がなかったかどうか、これについてもお伺いできればと思います。
(答)いずれもございません。
(問)まずGDPにからめて、先行きについては先ほどコメントを頂きましたが、今回、GDPが持ち直したきっかけになった個人消費の先行きについてどのように見られてらっしゃるのかというのを1点。あと、今回の物価対策で、特に小麦の価格の話が出ていたのですが、エネルギーとか今までいろんなことをやってきたのですが、今回、小麦がまず一番目立つ形で示された。なぜ小麦なのかということについての理由を教えてください。
(答)後者のほうからです。今日、明示的に総理から指示されたことの中の対策の一つに小麦の件が入っておりましたが、小麦が目立つとすると、それ以外のところにも是非注目していただきたいと私たちとしては思っております。
 ただ、総理からお話がありますように、今回はエネルギーと食料品、ここに特に集中的に今回の本部でも、これまでも議論してきたという経緯があって、それらについて先ほど、先週の金曜日にヒアリングを行った際にも、まさに小麦を最も使っている製パン業者の方からのお話を伺ったり、あるいはそれを販売してらっしゃる小売の方からお話を伺ったりっていうことがまずあり。そしてさらには、エネルギーだけではありませんけど、生活全般、あるいは中小企業の活動等々も含めて、現場をいつも見ていらっしゃる知事の方からもお話をいただき、地方公共団体からお話を伺うことで、今状況がどうなっているかということを我々としてはきちんと確認をさせていただいています。
 その上で、これからさらに、先ほども申し上げましたが、切れ目なくこの対策をしてく、支援をしてくという観点から、必要なものというものを総理のほうからご判断によってご指示をいただいて、その中に小麦の話というものが出てきたということですから。当然、地方創生臨時交付金の枠組みを使って、そしてエネルギーや電気ということに関しても、地方において必要とされるものに関して支援をしていくということもきちんと示されておりますので、是非そちらのほうもご注目をいただけるといいのではないかと思います。
(問)統一教会の関係でよろしくお願いします。先週の会見で、総理に直接の説明はまだされていないとおっしゃっていましたけれども、その後、総理に直接説明されたのでしょうか。説明されているのであれば、どのような説明をして、どのような返答が総理からあったのか。また説明されていないようでしたら、今後、直接説明される予定はあるのかという点についてお願いいたします。
(答)先週にもうなりますかね、先週の会見においてお話を申し上げたのは、ちょっと言葉足らずの部分もあったかもしれませんが、この案件に限らず総理とは日頃から様々な案件に関して密にコミュニケーションは取っております。しかし、その一つ一つ、どういう案件に関して、どのタイミングで、どんなコミュニケーションを取っているかということに関しては、この場で申し上げることは差し控えたいと、そういう趣旨で申し上げたつもりなんです。
 当然、今回の案件に関しましても、事案に関しても、総理はご認識いただいていると、こう私は理解しております。
(問)先ほど大臣、小麦以外のほうも注目していただけたらということで恐縮なんですが、小麦についてお伺いします。輸入小麦の政府売渡価格について据え置くという総理のご指示があったとのことですけれども、据え置くことによって物価の抑制効果はどのぐらいあるのか、大臣のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
 その理由というのは、約17%、4月の改定の時には政府の小麦の売渡価格が上がったのですが、農林水産省が公表した価格が17%上がったことについての試算では、食パン一斤当たりで影響額は2.6円とか、うどん1杯では1円、中華そばでも1円というような、言葉は悪いかもしれないですけれども、わずかな値上がりにとどまるのかなと思います。
 今回も、値上げ幅が総理がおっしゃったように2割程度であれば、効果はそこまで見込めないんではないかという気もするのですが、そのあたりのお考えを教えてください。
(答)もちろん、様々な指標は我々としては見ていかなくてはいけないと思っております。今ご披歴いただいたデータというものも、我々としては認識しております。しかし、それだけで物事を見ているわけではないというのをまず最初に申し上げます。
 その上で、例えば我々がマクロのデータとして使っている消費者物価指数のようなものを見ましても、これは全体としてまとめてしまうと2.数%上がっていますというような数字が出ます。しかし、それを一つ一つ細かく見てまいりますと、やはり私たちが最も頻度を多く購入する品物が、特にエネルギーと食料品ということになり、それらの値段というものが総合的に上がっているということをもって、やはり私たち一人一人が感じる物価上昇感というものは、実際のマクロのデータに比べると相当強いものとしてある。実際にみんなそう思っているわけです。
 ですから、そういうことも含めまして、政府としてやり得る手だてを確実に一つ一つしなくてはいけないという意味で、小麦価格の据え置きということを今回、総理からご指示いただいたものだと私は認識しておりますが、それだけで定量的に何%物価というものを下げていくことに効果があるかというようなことを、それだけをもって我々は見通しを立てるわけではなくて、もう少しそれは全体と見ながら効果というものを推し量ってかなくてはいけないものだと思っております。
 小麦一つと例を取っても、小麦というものが様々な食材等々に使われていることもありますから、相当広がりがあるものでもあります。それから、小麦だけではなくて、その小麦を加工するのには、当然エネルギーが必要になってきますから、エネルギーの価格を抑えるということも一緒にやらないと、物価抑制策には不十分なものになります。
 ですから、そういうものは細かく一つ一つは見るんだけれど、しかし効果がどうなるかということは、全体としてこれを組み合わせて見ていかなくてはいけない、そういう類いのものだとご理解いただければと思います。
(問)小麦の関連なのですが、米国の小麦の価格とか夏に大きく下がりまして、戦争前の水準に戻ってきたと思います。そうすると、ここから先、いよいよ小麦の価格については、国際市況よりも円安の影響が響いていると見られる可能性もあると思うのですが。今後の物価抑制策で為替の円高誘導的なものというのは検討される可能性があるのか、それとも、リスクが大き過ぎるので、それはテーブルに乗ってないということなのか。現時点でお話しできる範囲で。
(答)これは都度都度、いつもご質問いただく中で答えが一緒になって大変恐縮なんですが、為替に関してやはり言及するのは、私の立場からだとあまりに影響が大きいので、それは控えさせていただきたいと思います。
 私たちは、小麦価格がどのような形で決まっているのかというのは、我々として決まっているルールの下でこれまでもオペレーションしてきていますから、それに合わせてそのままやってしまうと、どうしてもここのところ小麦の価格は上がっているものですから、この10月の改定で放っておけば上がってしまうという事実があるものですから、それは上げないようにしようということを総理からのご指示があったということでございまして。その一手だけで全てが解決するというわけではないということは、前の質問に対しての答えで申し上げたとおりです。
 当然、為替の影響もあるのは事実だと思いますから、そういうことも全体として見ながら、何を目的にするかというと、私たちの生活している時の物価というものが安定的に推移するようになんとか頑張ろうというのが我々の目的でございますので、その目的を達成するために、やれることを一つ一つやろうと、その中の一策だと思っていただければと思います。
(問)別件の話ですが、山際大臣、今回は海外ビジネス投資の担当というのも新たになされることになったと思うんですが、今月一日には海外ビジネス投資支援室というのも新たに設置されたと思います。中小とかベンチャー企業の海外進出を後押しする、そういう役割があると思うのですが、これについて、これまでの課題というのと、あと、今後の取り組みについて、ちょっと教えてください。
(答)この海外ビジネス投資に関しましては、全体の経済、日本全体の経済を底上げしていくためには必須のものであると、こういう思いでこれまでもずっとやってきたものです。ですから、岸田政権においても、しっかり活動といいましょうか、支援するということは続けなくてはいけないという基本的な考え方があるというのは、まず押さえておいていただきたいと思うんです。
 その上で課題は何なのかといいますと、正直申し上げて、うまくいっている部分も結構ありますし、なかなか、もうちょっと連携すればもっとうまくいくのにな、というようなこともあります。それぞれの省庁が、それぞれ持っている自分たちの所掌の中で必死に頑張ってビジネス海外展開というものを支援してきたという経緯があるのですが、今申し上げたように、それらが有機的に情報共有から、あるいは案件の形成から実際にそれが行われるところまでつながっているかというと、必ずしもそうではないというところが課題かなと思っております。
 ですから、まずはそこをつなげるということ。新しく室をつくりましたので、そこでまとめてまいりたいと思っております。
 それともう一つは、やはり相手側からしても同じ意識があると思うんです。日本の企業とビジネスをやろうかなと思った時に、一体どこを窓口にして様々な話をすればいいのかというのが、当然分かる部分も分からない部分もあると思うんです。
 今回、室をつくったことによって様々なものをこの室でまとめますので、そうなりますと、海外に対して何かこちらから発信をする時に、その我々の室を通じてそれを一元的に発信できる。すなわち、向こうからしてみると、窓口がここだというのが分かりやすくなるということもあると思うんです。
 逆に言うと、課題は、ですから、ばらばら感があったものを今回一つにすることによって、統合的に運用ができるようにしてくっていうことが大事なのではないかと思っています。
(問)輸入小麦の売渡価格の件で幾つか伺います。この売渡価格を維持するということで、財源は現時点ではどのように回されていくか、どうお考えでしょうか。
(答)まずは、予備費を使って今回の対策というのを進めていますから、その枠の中で進めますが、それも総理からのご指示は、今回はそういうことだったんですけど、切れ目なくって冒頭の発言の中で申し上げたように、切れ目なく支援というものを続けなくてはいけないならば続けるってことを総理がおっしゃっていますから、状況を見ながら柔軟に対応していくことになると思います。まずは予備費を使うことになると。
(問)あと、この売渡価格なんですけれども、この仕組みとして、国が商社から買う価格に国産麦の生産振興に充てる経費を上乗せして算出するということだったんですけれども。今回、売渡価格を維持するということで、国産麦の生産振興費が減るのではないかというちょっと心配があるんですが、ここについてはどのようにお考えでしょうか。
(答)今日ご指示があったところなので、その詳細の制度設計に関しては、農林水産省がこれを所管していますからそちらのほうに是非ご確認をいただければと思います。
(問)分かりました。
 あと、臨時交付金の見直しについても、総理が指示をされていたのですが、これについても具体的にどのように今後見直されていくのかというところ、もしお考えあれば。
(答)基本的に、この地方創生臨時交付金の在り方というのは、国のほうからは当然、地方創生臨時交付金という形で各地方自治体にそのお金を予算として支給する形になります。その使い方そのものは、相当自由度をもって各地方自治体によって決めていただけるような、そういう枠組み、仕組みに、もう既になっております。
 しかし、さらに今回、担当大臣と総務省とできちんと相談をした上で、さらに使い勝手の良いものにすると同時に、その必要な額を足し増しをしようということを総理のほうからご指示いただいていますので。これも恐縮なんですが、総務省と担当大臣との間での協議によって、だいぶ自由度が広がるものと私としては考えておりますけど、その詳細はそちらのほうに聞いていただければと思います。
(問)物価本部の関係で伺いしたいんですが。ガソリンの補助金に関して、10月以降についての具体化を指示されたと思うのですが、これについては、原油価格高止まりする中で、その必要性ですとか、延長しないというのも選択肢に含まれるのかどうかということ。あと、かなり既に税金も投入されているわけですが、出口戦略というものをどういうふうに捉えていらっしゃるかお伺いできれば。
(答)これも、まさに所掌は経済産業省になりますので、具体的な制度設計をどうしていくかというのは、今日の総理からのご指示を受けて経済産業省のほうでしっかりと議論されるものだと思いますが、私たちが、元々ガソリンをはじめとする燃油の高騰対策というのは激変緩和措置ということをずっと申し上げ続けてきたわけです。
 激変緩和措置ですから、おっしゃるように、ずっと税金をはじめ公金を投入し続けて価格を下げ続けるというようなことを元々、我々意図してやってきたわけではなくて、やはりだんだん新しい価格体系に我々の経済そのものが慣れていくということが必要になってくると。
 その時に、あまりに激しく価格が変動すると、当然実社会で経済活動をやっている皆さんは付いていけなくなるというのは当然ですから、そこを緩和させるっていうことで始めた話です。
 難しいのは、ここから以降は詳しくは経済産業大臣に聞いていただければと思いますが、燃油の基になっている原油の価格が、これからどのように推移していくかということは、これは少し中期ぐらいの話、中期といっても1年ぐらい先ぐらいの話になってくると、様々な国際機関でだんだん落ち着いてくるというような、そういう見通しは出ております。
 しかし、実際にそうなるかということも、現在の価格というものと照らし合わせながら注意深く見ていかなくてはいけないと思うんです。その先行きがどうかっていうことが、まだ不透明であると。すなわちそれは、元凶はウクライナに対するロシアの侵略なわけですから、それがどうなるかが分からない状況において先行きが非常に不透明である中で、どのようなオペレーションをしていくかということはちゃんと考えていかなくてはいけないと。こういうことが総理からのご指示の中の趣旨だと思うんです。
 そうなると、当然、先ほども申し上げましたけど、激変緩和措置ですから、10月でばさっと切ってしまった時に、それが社会に対してどのような影響があるかということも当然、考えなくてはいけない。じゃあ、10月以降続けるんだったら続けるで、おっしゃるように出口をどの辺に見据えるかっというようなことも当然考えなくてはいけない。
 なんにしても、それは、まだ結論が出るわけじゃない。今日指示が出たとこですから、これからやるわけなんですけど、10月以降って、そう間がないじゃないですか。そうすると、今からきちんとそのことは議論をして、どのようなことが考え得るかってことを、しっかりと準備をしておかなくてはいけませんねと、そういうご趣旨で総理はおっしゃったものだと、そう認識しております。
(問)すみません、少し話題は変わりまして、全世代型社会保障についてお伺いしたいんですが。大臣が、テレビ番組等で工程表についてちょっと言及されたというのを拝見いたしまして、その工程表を実際まとめる時期の目安ですとか。今の会議のほうでは中間整理がとりまとまっておりますけれども、ここからどのように改革事項という具体的な項目に落とし込んでいくのか。その視点について、お考えを現時点でお聞かせいただければと思います。
(答)正確には、工程表を作るということを申し上げたのではなくて、これから工程化していかなくてはいけないという総理からのご指示がありましたということを申し上げたんです。
 ですから、工程化して工程が明らかになれば、それは表にするということはできると思いますので、結果として工程表のようなものができてくる可能性はありますが、まずその前に、どういう工程で進めていくかを決めていく作業が必要になります。その議論は、もう既に始めております。
 しかし、それ全体が、いつまでに何をどうしますというようなことが、さすがに今の段階でまだ言える状況にないものですから、これも最後の最後になってからお知らせするということではなくて、ある程度見えてきた段階で、時期を逸することなく皆さま方には情報としてはきちんとお伝えしたいと思っております。
(問)やはり光熱費、とりわけ電力料金が厳しいんだと思うんですけど、西村大臣は、原発の再稼働で専ら安定供給ということをおっしゃっていますが、やはり既存原発を動かすということが物価の安定というんでしょうか、その電力料金の抑制につながると、そういうふうに物価の担当大臣としてはお考えになっているか。原子力の利用ということを物価の面ではどういうふうにお考えになっているのか伺いたいです。
(答)物価の前に、これは西村経済産業大臣に限らず、岸田政権全体として、原子力発電に関しては安全性を最優先させると。しかし、安全性がしっかり規制委員会によって確認されたものに関しては、速やかに再稼働をしていくと。それが当然、エネルギーの安定供給にもつながるし、物価の安定にもつながるという、全体としてそういう考えを持っております。
 今エネルギー、特に化石燃料の価格がここまで高くなっていることを考えれば、当然、原子力発電というものは、それらに比べればコストは安くなるというのは各試算において出ているものだと思います。しかし、エネルギー価格というのは相当変動するものでもありますので、そのこと一つをもって原子力発電を進めていくという、そういう形ではないんだと思うんです。
 やはり、このエネルギーに関してはS+3Eの原則に基づいてこれまでもやってまいりましたので、その原則をしっかり守りながら。何より安定供給というものがエネルギーにとっては一番大切だと私は思っています。その安定供給というものの一翼を原子力発電は担うものであると。これは私のみならず、岸田政権全体としてそういう意識を持っているというふうにご理解いただければいいんじゃないでしょうか。
 ありがとうございました。

(以上)