小林内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和4年7月26日

(令和4年7月26日(火) 11:01~11:12  於:中央合同庁舎8号館1階S103会見室)

1.発言要旨


 経済安全保障担当大臣として報告いたします。
 本日の閣議におきまして、経済安全保障推進法の施行日が8月1日に決定されました。経済安全保障推進法は、サプライチェーン強靭化、基幹インフラ役務の安定確保、官民技術協力、特許出願の非公開の4つの施策を柱としていますが、このうちサプライチェーン強靭化、そして官民技術協力の部分を8月1日から施行いたします。また、これらの業務を実施するため、8月1日に内閣府に経済安全保障推進室を設置いたします。
 まずは全体の基本方針及び先行して施行する2つの施策の各基本指針を早急に策定すべく、昨日の有識者会議での議論を踏まえてパブリックコメントを実施し、広く関係者の皆様の意見を聴取してまいります。
 引き続き関係省庁とも連携しながら法執行業務に当たっていくとともに、残りの部分も着実に準備を進めてまいります。
 以上です。

2.質疑応答

(問)サル痘の国内感染が確認されましたけれども、サル痘については、先日、重点感染症に指定されましたが、ワクチンの研究開発についてはどのように進めるお考えでしょうか。
(答)まず、7月23日に、サル痘の国際的な感染状況を踏まえまして、WHOがいわゆるPHEIC(フェイク)「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」に該当する旨を宣言したところです。昨日、関係省庁の対策会議が開催されまして、政府としては、まずはしっかりと情報収集をしていくことが重要であると、また、その収集した情報を国民の皆様に対してしっかりと発信していくこと、これが重要だと考えています。
 その上で、今、SCARDAとの絡みでご質問いただきましたけれども、先日、厚労省の審議会で、このSCARDAにおいてワクチン開発を支援する重点感染症を決定していただきまして、8つありますけれども、そのうちの1つとしてサル痘も含まれているところです。したがいまして、このサル痘のワクチンにつきましても、「ワクチン・新規モダリティ事業」における今後の研究課題の公募の対象としております。
 そもそもSCARDAというのは、平時から有事に備えるという枠組みの下で、こうした公募をしていくということでございますけれども、今般のWHOの宣言も踏まえまして、速やかにサル痘を含めて重点感染症に対するワクチン開発の公募を行っていきたいと考えています。
(問)冒頭ありました経済安保についてお尋ねします。
 昨日、有識者会議があって、大臣も冒頭、スピード感を持ってやっていきたいとお話しなさいました。出席した委員からも、初めの一歩として評価するという声があったと説明を受けているんですけれども、昨日、経済安保の基本指針案を有識者会議に上げたことに対する受け止めについて、大臣のご所感をお聞かせください。
(答)まずはこの有識者会議、法律成立後初めてということで、ある意味再開というか、法律成立後は第1回ということなんですけれども、座長をお引き受けいただいた青木節子先生を始め、18名の有識者の皆様が、引き続きこの法律を実際に具体化していくご議論に参加いただけるようになったということは非常にうれしく思います。
 国会審議でも様々な課題、論点、与野党の皆様に提起をいただきましたので、そうしたご指摘も踏まえて、この有識者の皆様、かなり幅広い分野の先生方に委員の皆様にお願いさせていただいていますので、これまでも法整備、法案を作っていくに当たって、かなり多角的な視点からご議論をいただいてまいりました。また、引き続きそうした形で有意義な、また自由闊達なご議論をいただきたいと思います。
 昨日ご議論をいただいた基本方針、また2つの基本指針につきましては、9月の下旬の閣議決定を目指してパブリックコメントにもかけていくことになりますけれども、そのパブリックコメントで国民の皆様から様々なご意見をいただいて、そうしたお声もしっかりと踏まえた上で、また有識者の皆様と議論させていただいて、スピード感を持って中身の濃い基本方針、基本指針を仕上げていきたいと考えています。
(問)小林大臣の直接の所管ではないと思うんですけれども、塩野義製薬の新型コロナの治療薬について、厚労省の専門家分科会が緊急承認を見送りました。これについて何か所感があれば、お願いします。
(答)今、おっしゃっていただいたとおり、厚労省でご議論いただいていると認識していまして、厚労省の審議会で、塩野義製薬さんの薬が、まだ十分な有効性が推定されると判断できないということで継続審議になったと承知しております。開発の状況や今後の薬事承認の見通しにつきましては、厚生労働省にお尋ねいただきたいと思っています。ただ、厚生労働省からは、今後、第III相の試験の結果などが得られた場合には、速やかに審議会において改めて審議する方向と聞いております。
 私の立場でそれについて申し上げることは以上でございますけれども、新型コロナ対策につきましては、当然私の立場では国内外の関係者の皆さんとしっかりと連携を図って、できる限りの対応はしていきたいと考えています。
(問)経済安全保障に戻りまして、8月1日に経済安全保障推進室も設置されるというお話がございました。こちらの人員や規模感、あるいは今ある法制準備室との関係や今後どう発展させていくのかなど、お考えがありましたらお伺いしたいと思います。
(答)8月1日に、内閣府に大臣官房経済安全保障推進室を設置する方向で準備を進めています。当然、今回成立した経済安全保障推進法の実行を中核的に担っていく部署ですので、ここは当然法律を的確かつスピーディーに執行できる体制を整えていなくてはいけないということで、今、最終調整の段階に入っています。
 現時点で人数がどうなるかというところを断言できる状況ではないんですけれども、しかるべく人員規模というものを整えていきたいと思っています。いずれにしても8月1日までそんなに時間がないので、あと1週間ぐらいですか、そこまでできることは全力を尽くしていきたいと考えています。
(問)国際宇宙ステーション(ISS)の延長議論について伺います。
 今、文科省の有識者会議を中心に、2025年以降の延長の是非について議論を続けていますが、当初は結論が夏頃には出るんではないかという見立てもありました。大臣のお考えとして、検討を早く進めて、早めに意見表明するべきか、ウクライナ情勢を鑑みて慎重に検討を進めていくべきか、その辺をお聞かせください。
(答)ISSの延長、2024年以降どうするかというところですね。これまでこの場で申し上げてきたとおりです。夏までにという見立てがどういう見立てか分からないんですけれども、2024年まではしっかりやっていくということは決まっていると。様々な内外の情勢があることは当然踏まえていかなければいけないと思っておりますけれども、私としては日本のスタンスを決めていくに当たって、他の国と連携するというのは当然なんですけれども、他の国がやるから日本もやるというスタンスでは駄目だと思っております。
 我が国として、これから宇宙空間の利活用というものを更に積極的に推進していく。また様々な2024年以降の我が国としての宇宙空間の利活用の在り方というものをしっかり考えていかなくてはいけません。宇宙基本計画でも「自立性」という言葉を中心に据えさせていただいていますけれども、そうした我が国の国益にかなうかどうかという観点から、主体的に判断をしていくということだけは申し上げておきたいと思います。

(以上)