小林内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和4年7月5日

(令和4年7月5日(火) 10:23~10:34  於:中央合同庁舎8号館1階S103会見室)

1.発言要旨


 冒頭発言なし

2.質疑応答

(問)健康・医療についてお聞きしたいんですけれども、SCARDAが先週、採択課題を決定しましたけれども、2件とも複数の変異株に有効なユニバーサルワクチンでした。まず、この受け止めと、今後、SCARDAとしては実用化に近いものを採択していくのか、それとも革新的で基礎的なものを採択していくのか、この辺の考え方について教えてください。
(答)今、2点ございましたけれども、SCARDA((スカーダ)先進的研究開発戦略センター)におきまして、コロナウイルスを対象とした感染症ワクチンの開発、これは既に公募を行って4月末を第1の締切としまして、AMEDにおきまして厳正な審査の上、先週、この2つの課題が採択されたということです。
 この公募は、将来のパンデミックを見据えたコロナウイルス感染症を対象としたものであります。将来のと申し上げたのは、何が今後襲ってくるか分からないということでございますので、そういう視点も含めまして、この2つの採択課題というのは、コロナ属ウイルスに幅広く効果のあるユニバーサルワクチンの開発であって、今後の有事の脅威となり得る感染症に備えた平時からの研究開発として重要なものだと受け止めています。
 このSCARDAの公募事業というのは、ワクチンと新規モダリティ研究開発事業ということでございますけれども、ワクチンの開発支援を行うに当たって、それぞれの感染症の特徴に応じて、より優れたワクチンを実現するための開発に対する推進方針をSCARDAが作成して、この推進方針を踏まえて、感染症有事に速やかなワクチンの実用化が可能となるように支援対象を選定していくこととしています。それが基礎段階のものであっても、あるいは革新的なものであっても、有望なものであれば取り上げていくという方針でございます。
(問)宇宙関係で質問なんですが、先週、JAXAのはやぶさ2のプロジェクトのチームが解散すると発表しました。その受け止めをまず聞かせてください。それから、今後のサンプルリターンの計画については、火星衛星探査計画(MMX)があるかと思うんですが、これは24年というふうに伺ってはいるんですけれども、打上げに使うのがH3というふうに伺っていまして、それがまだ先行き不透明な状況だと思うんですが、今後のスケジュール感、変わりなどないか教えてください。
(答)このはやぶさ2の解消、発展的解消ということですけれども、それに対する受け止めと、それがMMX、2024年度打上げということでございますけれども、H3との開発との関係ということで受け止めました。
 まず、はやぶさ2のプロジェクトチームの解消につきましては、6月末に解散した上で、はやぶさ2のプロジェクトチームが拡張ミッションチームに衣替えするということでJAXAが先般発表したということです。
 この受け止めですけれども、そもそもはやぶさ2のプロジェクトというのは、探査ロボットによる試料の採取ですとか、またアミノ酸の検出というのはかなり取り上げていただきましたけれども、小惑星の構成成分の解析を始めとして、当初の期待以上の成果を収めたと私自身受け止めています。
 今現在、はやぶさ2というのは、当然、地球を離れて太陽を中心とする軌道を周回しているところでございますけれども、発展的解消をした拡張ミッションチームにおきましては、引き続き採取した試料の解析を継続すると同時に、はやぶさ2を更に活用して新たな小惑星の探査を目指すと聞いています。
 新しく拡張されたミッションチームにおきましては若手の方も登用されていると伺っております。これまでのはやぶさ2のプロジェクトチームの本当にご尽力、努力を私自身感謝し、また敬意を表するとともに、若手がこれから更に加わっていくということですので新しい力で、またその若手の方が知恵や力というものを思う存分発揮できる環境をさらに整えていただいて、これまでのチームを更に上回る成果を出していただくことを期待しているところであります。
 MMXとの関係につきましては、2024年度の探査機打ち上げというものを予定していて、今その点について何か変更するというものではございません。
 H3ロケットの開発につきましては、これまでもこの場でいろいろ状況についてはお答えしています。今、試験をまたやっておりまして、今、5回目までの試験の結果については公表させていただいていまして、6回目の結果というものは近日中の公表を予定しています。
 現在、JAXAで実施している試験の結果につきましては、しっかりとそれを評価した上で今後のことを検討していくということでございますけれども、現時点では確定的なことは申し上げる段階にはないと思っています。
 ただ、これまでも何度もこの場で申し上げたとおり、次期の基幹ロケットの開発というのは、私の中では今後の宇宙開発をしていく上で一番重要なところだと受け止めています。これは基幹ロケットだけではなくて、スタートアップもそうなんですけれども、宇宙空間へのアクセス、ここは国力、国としての自立性を問われている一番重要なところだと考えておりますので、今、JAXAの皆さんが本当に全力を尽くしてくれていると受け止めておりますけれども、国としても、そこをしっかりとバックアップできるように力を尽くしていきたいと考えています。
(問)学術会議についてお聞きします。
 夏頃に学術会議の在り方について方針を示すかと思いますけれども、先週の学術会議の幹事会での説明でも、まだ特段進展はないということで、現時点の政府の検討状況を伺えればと思います。
(答)これは、これまでも申し上げていますとおり、今後の学術会議の在り方につきましては、今年の夏までには政府としての方針というものをしっかりと示していきたいと、その方向性に全く変わりはありません。梶田会長を始め学術会議の皆様とは信頼関係を大切にしながら、未来志向でコミュニケーションを続けているところでございます。現時点で皆様に対して何か発表できるということはまだありませんけれども、時期は近づいてきておりますので、しっかりと中での検討、海外調査なども政府としては更に深めてやっているところでございますので、そうした検討を深めていきたいと考えています。
(問)経済安全保障関連でお伺いしたいと思います。
 先日、ロシアのプーチン大統領がサハリン2につきまして、事実上移管する大統領令を出されました。サハリン2は日本にとっても重要なエネルギー供給源であると思いますが、この件につきまして大臣の所感を伺いたいと思います。
(答)今、おっしゃっていただいたように、サハリン2というのは日本の電力、ガスの安定供給の観点から重要なプロジェクトだと受け止めています。先日、岸田総理から申し上げたとおり、今回のプーチン大統領の大統領令によって、直ちにサハリン2から産出されるLNGの輸入が止まるというわけではございませんが、今後、大統領令に基づき求められる内容につきまして、関係省庁が事業者と共によく精査をして、慎重に対応策を考えていくことが必要だと考えています。
 いずれにしても、エネルギーというのは、あらゆる産業の基盤となるものでございますので、政府としては引き続きLNGの安定供給が図られるように、官民一体で対応していきたいと考えています。

(以上)