小林内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和4年6月21日

(令和4年6月21日(火) 11:43~11:50  於:中央合同庁舎8号館1階S103会見室)

1.発言要旨


 科学技術政策大臣として報告させていただきます。
 先週、プレスの皆様には既に事務的にご案内させていただいておりますけれども、本日、スタートアップ・エコシステム拠点都市の一つでございます川崎市が整備する「殿町国際戦略拠点キングスカイフロント」を訪問し、ディープテック分野を中心とした研究開発やインキュベーション拠点を視察してまいります。
 具体的には、キングスカイフロントにおける拠点形成の核となる施設でございます公益財団法人川崎市産業振興財団ナノ医療イノベーションセンター(iCONM)と、実験動物の開発やヒトの病気の研究・解明を行う公益財団法人実験動物中央研究所を視察してくる予定でございます。
 今回の視察を通じて、産学官のオープンイノベーションの拠点形成に向けた取組、またスタートアップを育成していくための行政からの支援の在り方などにつきまして、研究現場や行政の方々と実際に率直な意見交換を行う予定でございまして、私自身期待しているところでございます。
 以上です。

2.質疑応答

(問)今日視察する殿町キングスカイフロントなんですけれども、これは川崎市と川崎市産業振興財団がアメリカのバイオラボと連携して、世界からスタートアップや人材の誘致を目指しています。こうした海外に開かれたスタートアップ拠点の形成には、従来型の個別の規制緩和を伴う特区制度じゃなくて、総合的な規制緩和が必要だと思いますけれども、大臣はどのようにお考えでしょうか。
(答)今申し上げた振興財団とアメリカのバイオラボ社の連携につきましては、内閣府としても支援してきているところでございます。スタートアップの拠点を形成していくに当たって、今、より広域にわたる規制緩和を含めた制度改革といたしましては、先般の専門調査会に書かれている提言をしていただいたこと、これをしっかりとまずは実行していくことに尽きると考えております。海外から高度な人材を呼び込んでくるためにストックオプションの制度などを変えていかなくてはいけないと思っております。その他いろいろありますけれども、高度な人材を呼び込んでいくための在り方、また海外のベンチャーキャピタルを誘致していきたいと思っておりますので、国内外のベンチャーキャピタルに対して公的資本をどう入れていくのか、そうしたことも考えていかなくてはいけませんし、スタートアップキャンパスのようなものをどう整備していくのか、こうしたことを総合的に政策として実施していくということと考えております。
(問)科学技術関係ですが、先日、理研の雇い止めの問題で労組の会見がありました。多数の研究職の方が雇い止めになる問題というのは、理研だけじゃなくて今後様々な研究機関で起こってくるという問題だと思っています。日本の研究力の低下につながりかねない問題だと思うんですけれども、こうした大量の雇い止め問題、一般の受け止めと何か対策として考えられるものがあれ教えてください。特に内閣府として何か具体的な取組があれば、教えてください。
(答)これは国会でも繰り返しご質問をいただいた事項でもあるんですけれども、我が国の研究力というものは、そもそも国際社会における研究力、あるいはイノベーション力、こうしたものは相対的に残念ながら低下してきていると認識していますので、我が国の研究力を上げていかなくてはいけないと。そういう意味では、研究者の方たちが腰を据えてしっかりと研究に打ち込める環境を整えていくということが私は非常に重要なことだと思っておりまして、そうした観点からは、研究者の雇用の安定を確保していくための労働契約法の趣旨にのっとった運用がなされていくということは大変重要なことだと考えております。
 これは理研だけではないですけれども、理研を始めとして研究者に対する無期転換ルールの、いわゆる10年特例につきましては、来年2023年の4月以降、この特例に基づいて無期転換する研究者が生じてまいりますので、特に理研の話を含めて、所管官庁である文科省におきまして、法律の施行状況の把握に努めていくと認識しています。
 内閣府としての対策でございますけれども、内閣府としては、冒頭申し上げたとおり、研究環境の整備という面ではしっかりやっていく必要があると思っておりまして。これまでこの場でも何度も答えさせていただいているとおり、いわゆる10兆円ファンドを通じて、大学のガバナンス強化だけではなくて大学の研究環境の強化というものも必要だと考えておりますし、博士課程の学生への経済的な支援、また若手研究者が挑戦的な研究に打ち込むための創発的研究支援事業、これは既に行っておりますけれども、こうしたものをしっかりと進めることで、研究者の方が研究に専念できる環境を、内閣府として各省と連携しながら整えていきたいと考えています。

(以上)