小林内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和4年4月26日

(令和4年4月26日(火) 8:47~8:56  於:中央合同庁舎8号館1階S103会見室)

1.発言要旨


 冒頭発言なし
 

2.質疑応答

(問)昨日の専門調査会で、スタートアップ・エコシステムの形成に向けての素案が示されましたけれども、大臣としてはどこら辺に力を入れて、これから進めていきたいとお考えでしょうか。
(答)昨日、第4回の専門調査会が行われまして、ここで議論された素案では、我が国のスタートアップ・エコシステムの抜本的強化の方向性といたしまして、主に5点打ち出しました。成長資金の強化、ベンチャーキャピタルの質と量の向上、起業家の徹底的な支援、都市と大学の役割の強化、そして政府調達ですね。こうした点につきまして、これまでの委員、起業家、またベンチャーキャピタルなどへのヒアリングも踏まえて、スタートアップ支援の強化策の案を示したものと承知しています。
 この素案に関しましては、今回、専門調査会では委員からも様々なご意見をいただきまして、ベンチャーキャピタル投資の促進方策、これはリターン目線や投資機関の観点から、そうしたものをしっかりやっていくべきではないかという点ですとか、国内外の優秀な人材の確保の観点からストックオプション制度の見直し、これもご意見をいただきました。また、政府調達にスタートアップが更に参入しやすいような運用や環境の改善という御声もいただきましたので、そうした点も踏まえまして、来月、専門調査会としては取りまとめを予定しておりますので、例えばCSTIとしては科学技術・イノベーションの観点から、ディープテック系を中心としたスタートアップの創出と成長への貢献策、これをイノベーションの源泉としての大学などを核としてやっていくということを柱の一つとして打ち出していきたいと考えています。
 いずれにしても、5カ年計画を夏に策定していく予定でございますので、そこにしっかりと打ち込んでいけるように、関係省庁と連携していきたいと考えます。
(問)宇宙政策について2点伺います。
 JAXAが先週、日本の基幹ロケットの「イプシロン」が民間衛星の打上げを初めて受注したと発表しました。これについて大臣のまず受止めをお願いします。
 もう一点、関連して、イプシロンはそもそも小型衛星の打上げ需要の取り込みを目指して開発されたという経緯がありますが、打上げ機数は、2013年の初号機以降、まだ5機にとどまっています。こうした現状についてどう思っているか。日本のロケットの競争力向上のために何が課題と感じているか、大臣の考えを教えてください。
(答)今回、我が国の基幹ロケットであるイプシロンロケットの6号機にQPS研究所の小型SAR衛星を搭載するということが決まりました。これは今、おっしゃったとおり、イプシロンロケットとしては初めての民間の受注ということになりますので、こうしたことは非常に喜ばしいことだと思っています。
 我が国の宇宙活動の自立性ということが1つのキーワードになっていますけれども、これを高めていく観点からは、政府衛星だけではなくて、民間衛星を含めて国内からの打上げの機会というものを増やしていくことが当然重要だと考えています。今回のイプシロンロケットの打上げの受注は、基幹ロケットの民間利用の拡大につながっていくことを期待しています。
 もう一点、今後の課題というところで伺いましたけれども、確かにイプシロンは2013年以来、現在まで5機連続の打上げに成功していて、実績と信頼を積み重ねていると考えておりますけれども、更なる打上げ機会の拡大には競争力の強化が重要だと考えています。高い信頼性を確保するというのは当然重要ではありますけれども、やはりコスト、打上げ価格の低減というものをしっかりと両立しなければいけませんので、そうした観点から現在「イプシロンS」の開発に取り組んでおります。
 国内の例えば衛星事業者の方は、本来であれば恐らく国内で打ち上げてもらいたいという、そういう気持ちは強いんだと思います。しかしながら現実を見ると、コスト競争力のある、また実績のある海外からの打上げというものを選択している方が多い状況だと思っています。ここはやはり私も何とかしなければいけないと思っております。海外で打ち上げるとなると、当然、コストは安かったとしても、そこに行くまでの、例えば運ぶまでのリスクを含めて様々な懸念の声を実際に伺っておりますので、我が国としての宇宙輸送能力の一層の向上、自立性の担保が重要だと思っておりますし、これは急がなければならないと考えておりますので、国内に価格競争力のある打上げ環境というものを整備していかなければならない、これが重要だと考えています。
 宇宙輸送能力の抜本的強化に向けて、基幹ロケット、H3であり、今回のイプシロンであり、こうしたものの開発を早期に進めていくことも重要ですけれども、それと同時に民間の小型ロケットの事業化の促進ということも、しっかりとこれも同時並行でやっていかないと、海外の主要国との競争になかなか打ち勝っていけないと私は考えておりますので、しっかりと両方の点につきまして力を入れていきたいと考えます。
(問)宇宙で関連して、宇宙飛行士の選抜試験ですけれども、書類選考で2,200超の方が通過しました。この中には60代以上の方も23人残ったようですけれども、所感があればお願いします。
(答)今回、いろいろ条件の緩和なども行ったこともございまして、前回の4倍以上の4,000人を超える方からの応募があったということです。20歳代以下から60歳以上まで、幅広い層の方々から応募いただいたと承知しています。これは今申し上げた受験資格の緩和もあったと思いますけれども、それと同時に、今、宇宙というフロンティアに対する多くの国民の皆様の関心が高まっているし、期待も高まっていると感じておりますので、それが反映された結果なのかなと思っています。
 合格者、取りあえず書類選抜ということで、2,000名を超える方が現時点で合格発表されたということは承知しています。ただ、このプロセスそのものについては、現在進行中でございますので、このことについての直接的な言及は控えたいと思いますけれども、日本人、今回、この選考を経て選ばれる宇宙飛行士の方は、岸田総理が2020年代後半に、月面にアメリカ人を除いて初めての着陸を日本人宇宙飛行士として目指していくという、そういう目標も掲げておりますので、今回の選考を通じて優秀な方が選抜されることを強く期待しているところであります。

(以上)