小林内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和4年3月25日

(令和4年3月25日(金) 8:38~8:45  於:参議院本館3階 内閣記者会3)

1.発言要旨


 宇宙政策担当大臣としての報告でございます。
 まず、昨年10月26日に打ち上げられました「みちびき」初号機後継機につきまして、軌道上での機能確認や試験を終えまして、3月24日、昨日運用を開始いたしました。
 準天頂衛星システムが提供する位置、そして時刻情報は、我が国における経済安全保障の確保や経済社会活動の高度化の観点から必要不可欠なインフラです。準天頂衛星システムは、現在、4機体制でございますが、後継機の打上げによって、より安定したサービスの提供が可能となります。そして、さらに2023年度をめどに7機体制の確立を目指しておりまして、これによって1日を通していつでも我が国の準天頂衛星システムのみで測位を行うことが可能となります。引き続き、準天頂衛星システムの整備と利活用が促進されるよう、政府を挙げてしっかりと取り組んでまいります。
 2点目でございます。これも宇宙関係でございます。
 来週月曜日、3月28日の夕刻に、私が座長を務めている「第1回宇宙交通管理に関する関係府省等タスクフォース」、そして「第2回衛星リモートセンシングデータ利用タスクフォース」の大臣会合を開催いたします。
 宇宙交通管理に関するタスクフォースにつきましては、その開催の経緯をまず申し上げたいと思います。現在、コンステレーション衛星の打上げの本格化などによって、地球周回軌道が混雑化しつつあります。軌道利用に関するルール作りの重要性が増しております。また、今後、宇宙旅行や輸送サービスといった新たなサービスが活発化していくことを考えますと、軌道利用の先まで見据えた宇宙交通管理の在り方を検討していく必要があります。
 この状況を踏まえまして、従来のデブリ対策に加えて、他国に先駆けて軌道利用に関するルール作りに取り組むことを通じて、宇宙交通管理に関する議論で我が国が世界に貢献していくこととし、今般、従来の「スペースデブリタスクフォース」を発展的に改組いたします。
 第1回会合におきましては、軌道利用に関するルール作りにつきまして、中長期的な取組方針を取りまとめる予定でございます。スピード感を持って、更なる取組を推し進めてまいります。
 また、衛星リモートセンシングデータ利用タスクフォースの第2回の会合で、衛星データの利用拡大に向けた各府省の取組状況をご報告いただくとともに、今後の取組につきまして議論する予定でございます。詳細は、両件とも宇宙開発戦略推進事務局までお問い合わせいただければと思います。
 以上です。

2.質疑応答

(問)先ほどの宇宙交通管理の件なんですが、軌道ルールに中長期的取組というのは、初回で取りまとめた後、政府としてどういうことを、例えば海外に発信するなり、どういう展開をしていくのか、予定がありましたら教えてください。
(答)これにつきましては、今、各国がまさに軌道上の利用の在り方について模索をし始めている状況だと認識しております。我が国としても、そのガイドラインというものは示しているんですけれども、しっかりとこうした宇宙の空間の利用のルールというのは非常に重要で、これから重要になってくるものでありながらも、まだほとんど手が付けられていない状況でございますので、我が国としては様々な機会を通じて、我が国としての考え方を発信していきたいと思います。そうした中で各国、私たち自身の考え方を示すことによって、特に同志国を中心に、そうした国際ルールの形成に当たって意味のある擦り合わせというものが可能になるんじゃないかと考えています。
(問)本日の法案審議が6時間という長丁場というのをお聞きしていますけれども、準備も含めていかがでしょうか。
(答)幸いなことに、委員会の審議におきましては、一昨日から内閣委員会でご審議を始めていただきまして、初日は確か7時間、今回6時間という、間に本会議が入っている状態となりましたけれども、私を含めて法制準備室の職員、そして関係省庁の皆さん、これまでいろんな有識者の方にもご議論いただきましたけれども、我が国、ましてや国民の皆様にとってますます重要になってくる経済安全保障、これを全てカバーするものではないんですけれども、今回は取り急ぎ法整備が必要な、また分野横断的な喫緊の課題だと思っている4項目を出させていただいたんですけれども、形にしたいという思いで政府一丸となってやっていきたいと思っております。
 6時間という審議ですけれども、逆に言うとその時間を効果的に活用させていただきまして、経済安全保障というのは一体何なのか、また政府がどういうところを目指そうとしているのか、できる限り丁寧に説明することができたらなと思います。

(以上)