小林内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和4年3月22日

(令和4年3月22日(火) 8:39~8:46  於:参議院本館3階 内閣記者会3)

1.発言要旨


 健康・医療戦略担当大臣として報告です。
 本日、3月22日、日本医療研究開発機構、いわゆるAMEDに先進的研究開発戦略センター(SCARDA)を創設しました。SCARDAは、国内外の研究開発動向等を情報収集、そして分析し、最新の知見を取り入れつつ、戦略的な資金配分、そしてマネジメントによりワクチン開発を支援いたします。
 SCARDAでは、ワクチン開発や実用化に向けた全体を見通して、「ワクチン・新規モダリティ研究開発事業」、そして「ワクチン開発のための世界トップレベル研究開発拠点の形成事業」に取り組むこととしておりまして、本日から研究課題などの公募を開始いたします。
 SCARDAの創設と新たな事業の開始によりまして、経済安全保障上も重要な国産ワクチンの研究開発を大きく前進させていきたいと考えております。本日、この後、健康・医療戦略推進事務局によるブリーフィングを予定しておりますので、詳細は事務局までお問い合わせいただければと思います。
 2点目でございます。科学技術担当大臣としての報告です。
 日本学術会議への審議依頼についてでございます。政府と日本学術会議とが歩調を合わせて社会の大きな課題に取り組んでいくことが国民の皆様のためになり、また国際社会における日本のプレゼンスを高めるためにも重要であると考えております。こうした思いを梶田会長とも共有し、コミュニケーションを取りながら、未来志向で改革を進めているところでございます。その一環といたしまして、政府として重要だと考える課題につきまして、実際に日本学術会議のご知見を借りていくことを検討したいと申し上げました。
 今般、分野横断的なテーマといたしまして、まず1つ目として、大学等の研究環境改善の視点からの研究力強化、2点目として、オープンサイエンスやデータ利活用の観点からの研究DXの推進。この2点につきまして学術会議に審議をお願いしたいと考えております。前者、研究力の強化につきましては本年7月末ごろまでに、また後者、研究DXの推進につきましては本年中に回答をいただきたいと考えております。
 政府の講ずる施策について、研究者コミュニティの現場でどう対応していくか。現場から見た課題ですとか研究者コミュニティ自身の取組も含めて、施策推進のための知見や具体的提案をいただくことを期待しております。これにつきましても、詳細は事務局の総合政策推進室にお問い合わせいただければと思います。
 以上です。

2.質疑応答

(問)先日公開された学術会議の分科会の議事録を見ると、内閣府の審議官が、経済安全保障であったり、研究インテグリティについて、学術会議側と意見交換しているようなんですが、このねらいであったり意図というのは何かあるんでしょうか。お願いします。
(答)ねらいといいますか、2月17日に開催された学術体制分科会のことだと思いますけれども、科学技術・イノベーション推進事務局、CSTIの職員が求めに応じて出席し、研究インテグリティや経済安全保障重要技術育成プログラムについて説明を行ったところでございます。
 この学術体制分科会では、先端的な研究を進める上で、研究成果の取り扱い、セキュリティの確保、長期的な視点での伴走支援の在り方など、大学などの研究機関の研究現場の視点から様々な意見が出されたと報告を受けております。こうした意見につきましては、経済安保の重要技術育成プログラムの制度設計に反映していく考えでございます。
 いずれにしても、政府と学術会議が対話を重ねながら協力して社会的課題の解決に向けて取組を進めていくことが、これまで以上に求められているということだと思っておりますので、こうした観点から必要に応じて今後も対話を重ねていきたいと考えております。
(問)ロシア関連で伺います。
 ロシアが経済制裁の対抗措置として、ソユーズロケットの西側諸国の衛星打上げを凍結しております。ソユーズロケットについては、日本の民間企業やJAXAの衛星も打ち上げる計画でありまして、政府の宇宙政策にも影響があると思うんですが、政府としてこうした今回の事態についての所感等、政府として何か支援できることがあるか、その辺の考えを教えてください。
(答)今回のウクライナ情勢を受けまして、ロシアがソユーズロケットによるイギリスの衛星の打上げの中止ですとか、南米ギアナにおける打上げ協力の凍結を行ったことは承知をしています。こうした状況が継続した場合に、我が国のみならず、世界全体としてロケットの打上げに関する需給がタイトになっていくことが懸念されます。こうした点につきましては、もちろんロケットの製造ですとか、あるいは新規の射場の整備、こうしたことができればよいですけれども、当然これには一定の時間を要するものですから、短期的な対応は、そう容易ではないと認識していますが、こうした視点というのは重要だというふうには考えております。
 今後の宇宙産業への参入が拡大していく中で、我が国の宇宙活動の自立性というものはますます重要になってくると考えておりますので、基幹ロケットの開発、そして運用などを含めて、しっかりと対応していきたいと考えております。

(以上)