小林内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和4年3月4日

(令和4年3月4日(金) 8:51~9:03  於:中央合同庁舎第8号館1階S103記者会見室)

1.発言要旨


 冒頭発言なし

2.質疑応答

(問)ロシアのウクライナ攻撃に対して、学術会議を始めとするG7のアカデミーが共同声明を取りまとめて公表しました。大臣としての受け止めをお願いします。
(答)今ご指摘いただいたとおり、G7各国アカデミーや国際学術団体から、様々な声明が発出されています。まず、ロシアによるウクライナへの侵略につきましては、3月3日に日本学術会議を含むG7各国アカデミーの共同声明が発出されました。また、国際学術会議を始めとする団体などからも声明が発出されているところであります。
 それぞれの内容についてコメントする立場にはございませんけれども、侵略への深い憂慮や研究への深刻な影響を表明するものであると承知しています。
(問)確か6日付ということで、CSTIの有識者議員のメンバーが変わるということだと思いますので、それに対しての大臣のお考えというか、思いというか、橋本(和仁)先生から菅(裕明)先生、小谷(元子)先生から波多野(睦子)先生というふうに、この4人の先生方についてお話を聞かせていただければと思います。
(答)今回、小谷先生、橋本先生、CSTI有識者として10年弱にわたって本当にご尽力いただいたと思っています。昨日の夕刻にお二人の先生方が大臣室までお越しをいただきまして、私の方からも長い期間にわたる科学技術政策へのアカデミアサイドからの様々なご尽力、ご助言に対しまして心から感謝を申し上げたところであります。
 小谷先生、橋本先生がいらっしゃる間に、日本の科学技術政策においても様々な出来事がありました。CSTPからCSTIへの改組がありましたし、また科学技術基本法の改正もありました。第5期、第6期の基本計画の策定もありました。そして、SIP、ムーンショットに加えて、今回、これから法案審議ですけれども、10兆円の大学ファンド。様々な出来事がある中で、先生お二人には様々な角度から深いご示唆をいただいたと思っています。
 小谷先生につきましては、ご案内のとおり、令和6年からISCの次期会長ということになりますので、そこでのご活躍を期待したいと思います。もちろん全世界のアカデミアのため、代表してやられるということですけれども、我が国のプレゼンスを更にアカデミアの分野で上げていただくように期待したいと思いますし、また小谷先生からは、幾何学の分野で個別にお話しさせていただいたときに、今後、科学分野で、あるいは理系に女性の存在がもっともっとプレゼンスが大きくなってほしいというお声もいただいて、様々なご示唆もいただいたことを記憶しています。
 橋本先生につきましては、ご専門の化学で、今もNIMSの理事長としてこれまでご活躍されていますけれども、少し前につくばのNIMSを訪問させていただいたときを含めて、先生の先進的な考え方、特に材料のところでマテリアルの様々なデータを我が国としてもっと利活用していかなければならない、その強い意識に感銘を受けたところであります。引き続き両先生方のご活躍を期待したいと思います。
 菅先生、波多野先生につきましては、菅先生は特殊ペプチド、そしてRNA触媒の研究におきまして著名な研究成果を出されておりますし、それをベースにベンチャーを立ち上げられて、社会実装の観点からも今後様々なアドバイスをいただきたいと思っています。
 波多野先生につきましては、企業とアカデミア、両方のご経験がございまして、量子、あるいは半導体の分野に精通されておられます。まさにこれから、我が国を含めて世界各国がしのぎを削っていく分野でもございますので、菅先生、波多野先生、両先生から引き続きCSTIの議論が更に活性化するようにお力添えをいただきたいと考えています。
(問)ロシアのウクライナ侵略に関して伺います。経済分野においては、日本を含めた西側諸国が協力関係の中止とか見直しを相次いで表明しています。一方、日露間の科学技術協力の分野については、今後、見直しとかもあり得るのでしょうか。政府全体の方針について、最新の情勢を踏まえた検討状況を教えてください。
(答)まず、今回のロシアのウクライナ侵略につきましては、これは総理からも申し上げているとおり、力による一方的な現状変更の試みであって、国際秩序の根幹を揺るがす行為だと認識しています。したがって、ロシア、ウクライナの情勢につきましては、G7を含め、国際社会としっかり結束を保った上で、我が国としても毅然とした対応を取っていく必要がある。これは全体の方向性として、我が国としてそういう姿勢で臨んでいるというところです。
 ご指摘のとおり、日本とロシア、あるいはウクライナともそうですけれども、様々な科学技術協力を行っています。科学技術政策担当大臣の立場としても、ロシアとの二国間協力の状況や現地、また各国の動向を注視しているところであります。関係省庁とも連携して、まずは情報収集には力を引き続き入れていきたいと考えています。
 その一環として、欧米の対ロシアとの科学技術協力の動向についても、関係省庁、在外公館とも連携して対応していく必要があると思っております。日本としても主体的に何が国益かという観点も見据えた上で対処してまいりたいと。現時点で予断を持ってお答えさせていただくことは控えたいと考えています。
(問)ウクライナ情勢で1点伺いたいんですが、石油とか天然ガスのエネルギー安全保障も改めて注目されています。確認なんですけれども、経済安保推進法の中の特定重要物資、この中にこのエネルギー分野も入るのかどうか、これを改めて確認したいと思います。
(答)まず法案はこれから審議ということでございますけれども、今の法案の立て付けとしましては、特定重要物資というものについては、国民の生存に不可欠、あるいは広く国民生活、経済活動が依拠しているものの中で外国に過度に依存している、あるいは依存する恐れがあるものの中で特に必要があるものについて、そこを今後特定していくということであります。したがって、今何が入るかということを具体的に申し上げることは控えたいと思いますけれども、逆に言うと、何かこれは駄目だと排除するものでもないとご理解いただければと思います。
 申し上げられることは、例えば石油、原油などにつきましては既に業法がありますので、原油の場合は既に国と民間を合わせて240日分の備蓄が今確保されていますけれども、そういうもので対応できるものもあると。ただ今回の法案というのはキャッチオール、あらゆるものを対象に、その条件に合致するものであれば、これからそこの細かなルールというのは決めていきますけれども、それにのっとって指定をしていくということであります。
(問)ウクライナへの侵攻の関係で、先日、ソユーズロケットによる海外の衛星打上げにも影響が出ていると聞いております。国際宇宙ステーションの運用に何か影響が出るんではないかという懸念がいまだに拭えないわけですが、日本の計画ですとか国際協力に何か影響が、その後変化が何かあるのかどうか、その可能性につきまして改めて伺いたいと思います。
(答)この点につきましては、確か前回の記者会見で申し上げたと思いますが、その点から何か大きな変更があるというわけではありません。同盟国であるアメリカ、NASAを含めて、しっかりとISSの運営というものについて様々な検討をすべきファクターというものがあると考えています。その中で、我が国としての対応というものを、またISSの運用の延長に対しても政府としてスタンスを決めていかなくてはならないし、また今、国際情勢が非常に流動的になっていますので、様々な状況を想定した上で適切に対応してまいりたいと考えます。

(以上)