小林内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和4年2月22日

(令和4年2月22日(火) 11:07~11:18  於:中央合同庁舎第8号館1階S103記者会見室)

1.発言要旨


 冒頭発言なし

2.質疑応答

(問)昨日、イノベーション・エコシステム専門調査会が開催されて、様々議論が行われたんですけれども、ベンチャーについて、これまで十数年いろんな議論がされて、日本の課題とか改善方策は明らかになっているかと思うんですけれども、あとはどう実行していくかだと思うんですが、大臣としてはどのようにお考えでしょうか。
(答)昨日、第1回目の専門調査会が開催されまして、先般申し上げましたけれども、スタートアップの創出強化に向けまして、成長資金の拡大ですとか、あるいは起業家の育成、またスタートアップを育成していく都市の機能強化を含めて、多様な観点から検討していただく、そういう場が立ち上げられたところでございます。
 今ご指摘のとおり、専門調査会の場では委員の方から、これまでも様々な政策が出ているというところで、具体的な施策とともに、スタートアップのエコシステムの形成に向けて官民を挙げて施策を一斉に実行に移していくことが重要なのだというご指摘もいただいたところでございます。私自身としても、そのとおりだと、実行をどうしていくかというところが重要だと思っています。
 内閣府としては、立ち上げた専門調査会の場におきまして、引き続き幅広いご議論をお願いするとともに、その結果として、今後、政府全体の方針として取りまとめていく「スタートアップ5カ年計画」に盛り込んでいきたいと考えております。政府方針として取りまとめた上で、経産省、文科省、その他の関係省庁と力を合わせていきたいと思います。また政府の中にとどまらず、産業界、アカデミアの皆様のご意見、また参加というものを幅広く募った上で、連携しながらしっかりと一体性を持って実行していけるように、その体制づくりも含めて注力していきたいと考えています。
(問)経済安全保障法案について教えてください。
 政府は2月下旬の閣議決定を目指していますが、改めて法制化の意義についてお願いします。今の日本に、いかに経済安全保障の対応が必要であるか、大臣のお考えを教えてください。
(答)まず、経済安全保障につきましては、今回、経済安全保障の確保という観点から、ある意味横串を刺す形で初めての法案を出していきます。その中身については、この場で繰り返しませんが、4項目からなっています。ただ、今の質問に答えるとすると、経済安全保障というのは多岐にわたる分野でございますので、今回出す法案というのは、まさに私たちが考えなければいけないテリトリーの一部であります。経済安保のそもそも全体としての目的というのは、他国の動向に右往左往することなく、我が国が主体的に政策決定できるような立ち位置をつくっていくということで、自律性の向上、あるいは優位性・不可欠性の確保、その弱みを解消し、強みを獲得していくことによって、我が国の国際社会における立ち位置、あるいはプレゼンスをしっかりと強化して、国益にかなう国際秩序、あるいは国際ルールの形成に向けて取り組んでいく。それが大きな経済安全保障としての目指すべき目標だと思っています。
 ただ、多岐にわたる分野の中で、全て一斉に一気にやるということはなかなか現実的ではないものですから、最近の経済社会構造の変化、デジタル化が進んでいく、技術革新が起こっていく、あるいは国際情勢が流動化していく、複雑化していく、そういう中で優先順位を付けなければいけないということで、喫緊の課題として今回4項目を法整備していこうと位置付けております。
 したがって、冒頭申し上げた、この法案の中にも、経済安全保障全体の目的でもある自律性の強化、あるいは優位性・不可欠性の獲得、それによって日本の国際社会における立ち位置をしっかりと強化していく、その目標というのは、通底しているものでございますので、今回、今月中の閣議決定に向けて、今、作業を内部で不断に条文ごとに検討しながら、今も続けているところでございますけれども、何とか国会に提出させていただいて審議していただけるように、全力を尽くしていきたいと考えています。
(問)ウクライナ情勢に関してお伺いします。
 ロシアがウクライナに軍事進攻した場合の経済制裁について、日本も半導体などの輸出規制に参加する方向で調整に入ったとの報道も出ています。検討状況というのは別にして、こういった報道が出るように、ウクライナ情勢に関わって半導体を含む経済制裁は、この経済安全保障とどうリンクして考える必要があるのかとか、その効果について、今、大臣自身どのようにお考えか、伺わせてください。
(答)ウクライナ情勢につきましては、まさに官邸を含めて関係省庁が今連携して対応しているところだと認識しています。ウクライナ情勢全般への対応につきましては、当然、政府としては、同盟国であるアメリカを含めて、G7を始めとする国際社会と連携し、適切に対応していくということであろうかと考えています。
 経済安全保障については、先ほど申し上げたように、多岐にわたる分野でございますので、様々な影響が考えられ得るということだと思いますので、そうした複眼的な視点を持って政府として体制をつくっていく、しっかりと準備をしておくということだと思います。
 今、半導体のお話が出ましたけれども、経済制裁の話という文脈で触れていただきましたけれども、例えば半導体に使われる様々な材料、素材の調達等も含めて、幅広い観点から半導体についても捉えていかなければいけない。ただ、半導体に関する例えば調達という面におきましては、現時点では主要企業から製造に特段影響があるとは聞いておりません。ただし、情勢というのは非常に流動的であると思いますので、こうしたウクライナの情勢、複眼的な視点に立って注視をしていきたいと考えています。
(問)宇宙政策について2点伺います。
 国際宇宙ステーション(ISS)の運用延長の可否について、文部科学省でも有識者会議で議論が始まりました。先週金曜日に行われた文部科学省の会議では、米国が延長を決めた以上、日本の国益上、延長以外のオプションはないんじゃないかというような延長に前向きな意見が相次いだ印象があります。普通に考えれば、個人的にも日本だけが離脱するという選択肢はないのかなと思うのですが、この点について大臣の考えを改めて教えてください。
 関連して、内閣府の宇宙政策委員会としての検討も、文科省の検討を待たずに並行して議論する場を設けるかどうか、今後の内閣府の予定についても教えてください。
(答)今、2点ご質問いただきましたが、まとめて回答させていただきます。
 ご指摘のとおり、ISSの運用延長の可否につきましては、既に文科省の審議会におきまして検討が開始されたというところです。今ご指摘いただいたとおり、文科省の審議会の場では、延長に前向きな意見が出されたということも承知をしています。その上で内閣府の宇宙政策委員会としては、随時、文科省から報告を受けることとしておりまして、先週の15日(火)の宇宙政策委員会でも、文科省から検討の状況について報告をいただいたところでございます。
 そもそもISSにつきましては、今、米国も決定を決めたので、日本もそうせざるを得ないんじゃないかという意見として紹介されましたけれども。確かにそういう面もしっかり考慮しなければいけないと思いますが、あくまで私が思うのは、当然、アメリカの国益に立つのではなくて、日本として判断する以上は、日本の国益という視点に立って、それが是なのか非なのかというところからしっかり判断していく、それが当然だと思っています。
 これまでもこの場でも申し上げたかと思いますけれども、ISSというのは、これまでも多くの日本人宇宙飛行士の方を含めて、いろんな知見が詰まった場でもございます。今後、月面の探査、アルテミス計画を始めとして、様々なプロジェクトが予定をされています。そうしたことを視野に入れつつ、技術の実証の場として有益だとは思っておりますので、そうした視点も踏まえながら、随時、文科省からも報告を受けつつ、その取りまとめを待って宇宙政策委員会として何か検討するというよりも、当然、宇宙政策委員会のほうでも、これについては検討はしていかなければいけないと思っていますので、最終的に政府としてしっかりと方針を打ち出せるように、連携をしながらやっていきたいと考えています。

(以上)