小林内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和4年1月14日

(令和4年1月14日(金) 10:08~10:21  於:中央合同庁舎第8号館1階S103記者会見室)

1.発言要旨


 冒頭発言なし

2.質疑応答

(問)昨日、岸田総理と梶田会長が面談しましたけれども、これによって学術会議のより良い在り方の検討に何らかの影響はあるんでしょうか。
(答)昨日、総理が日本学術会議の梶田会長と面会をされまして、総理からは、学術会議の組織の運営の在り方に関する事項につきましては、私(小林大臣)が引き続き担当していく旨のご発言があったということは承知をしております。
 また、総理からは、今回の面談を第一歩として、政府と学術会議の建設的な関係を築いて、様々な社会課題の解決に共に取り組んでいきたいと、こうしたご発言があったと承知しておりますが、私といたしましても、担当大臣として、これまでに引き続き梶田会長とコミュニケーションを取りながら未来志向で改革に取り組んでいきたいと考えています。
 総理から特段新しい指示を受けたというわけではありません。ただ、日本学術会議の在り方につきましては、現在、ご案内のとおり、CSTIの有識者議員の懇談会におきまして、現在、自由に方向性を定めることなく闊達にご議論いただいているところでございますので、私としてはこうした懇談会での議論、あるいはその他の様々な場でのご議論を踏まえまして、政府としての方針を責任を持って示していきたいというスタンスには変わりはありません。
(問)昨日のCSTIの有識者懇談会で、産業界の求める人材と大学の輩出する人材のミスマッチについて、特に情報系で大きいということが指摘されました。これは10年前から同じような議論があるんですけれども、今後、こうしたミスマッチの解消に向けて、大臣としてはどのように取り組みたいのか教えてください。
(答)いろいろアンテナを張って見ていただいていることに感謝します。
 ご指摘いただいたとおり、第6期の科技・イノベ基本計画におきまして、いわゆるEBPMを推進することとされております。この一環として、今おっしゃっていただいた人材育成に関する産業界のニーズを把握するために、社会人約6万人に対しましてアンケート調査を行って、昨日のCSTI有識者議員懇談会におきまして、その報告がなされたところです。その報告におきましては、学びの状況が社会人のやりがいに大きく関係しているということですとか、幅広い業種、職種で情報分野が重要であるとされている一方で、情報系の業種に関わる方々の中には文系の出身者の方も多いということで、学びと従事されている業務との間でギャップがあるということを含めて様々なことが示唆をされたところでございます。
 今後、情報の分野の重要性というのはますます高まってくることが想定されますので、社会のニーズに合った情報分野の人材をどうやって育成、確保していくのかというのが我が国の将来にとって重要であると考えておりまして、例えば情報分野の人材育成に関しましては、既にAI戦略に基づいて、大学を始めとする場における数理やデータサイエンス、あるいはAI教育の充実強化に取り組んできているところでございます。また、EBPMを推進する観点から、今回のような調査を含めましてこれまで10年間やってきているということですけれども、今、この情報化の流れというのはかなりスピードが速くなってきておりますので、関係省庁とも連携をし、今回の調査結果も踏まえた政策の検討推進に積極的に取り組んでいきたいと考えています。
(問)来週17日に通常国会が召集されまして、経済安全保障推進法が岸田内閣の重要法案として提出される見通しです。法案の概要と今後のスケジュールで何かお話しできることがあれば、伺わせてください。
(答)これにつきましては、これまでも繰り返し申し上げますとおり、私から有識者の皆様に対しましては、サプライチェーンの強靱化、基幹インフラの信頼性・安全性の確保、また重要な先端技術について官民が協力して、それを育成していく仕組みの構築、また特許の非公開化ということ、この4点を中心に検討いただきたいということで、現在も有識者会議の親会に加えまして、それぞれの分科会などを設けていただいて積極的に検討していただいているところです。したがって、現時点で何か決まっているものはありません。ただし、有識者の皆様、ここには当然、産業界、アカデミアの皆様も含まれておりますけれども、その4分野を中心に政府としても、今、検討を加速しているところでございます。これから召集される通常国会にしっかりと法案を提出できるような環境をつくって、提出した場合には成立させていくと、そういう思いでやっていきたいと思っておりまして、現時点で申し上げられることは、そのことでございます。
(問)官房長官と学術会議の任命拒否問題を巡る対話がこれから進んでいくと思うんですが、小林大臣がやられていらっしゃる在り方検討とは基本的に別ラインで進んでいって、一定の方向性が出るのも、また別という理解でよろしいんでしょうか。
(答)この任命問題につきましては、昨日、総理からも松野官房長官に任せるという趣旨のご発言があったと認識をしております。私としては、そこは所管外ですのでコメントする立場にはございません。私としては、これまでも、今まさにCSTIで議論していただいているところですけれども、その流れをしっかりと踏まえ、そこの検討結果も、CSTIの今の政策討議も、まだ今後、具体的にどうするかというのは今断言できるような状況にはございませんが、さすがにこれまで8回にわたって検討してきておられまして、だいぶ議論が深まってきたと聞いております。そろそろこれまでの議論を整理していただいて、私に報告をいただけるのではないかとは思っておりますが、その検討結果を踏まえて政府としては更にどうするかということを検討していくことになると思いますけれども、そこの時間軸については、私のほうで、そこはしっかりと検討していくという話であって、必ずしも任命問題と何かリンクするとは考えておりません。
(問)そうすると、官房長官との対話というものが、在り方検討に何か影響を及ぼすとか、そういうわけではないということでいいんですか。
(答)そうですね。そこはそれとは別に、やはり学術会議と政府との関係の在り方というのは、私は非常に重要だと思っています。来年、G7のアカデミアの会議が開かれますし、また日本だけではなくて、国際社会が向き合っていかなければならない様々な課題というのが出てきていると思います。私としてはこれまで同様に、梶田会長としっかりと対話を重ねながら、政府と学術会議が協力して、そうした国際社会が向き合わなければいけない課題に対して何らかの解を出していけるような国でありたいと思います。国際社会における日本のプレゼンスを高めていくというところでは共有しているところはあると思っておりますので、そこの信頼関係をしっかりと築きながら、学術会議の組織や運営の在り方についても未来志向でしっかりと考えていきたいと考えています。
(問)今の任命拒否問題について分からなかったのは、大臣が学術会議の担当でおられるのに、官房長官を対話の窓口にされているというのがよく分からなかったんですけれども、総理としては、任命拒否問題について、6人の任命については否定的な考えを示されているわけですが、官房長官を窓口にこれから具体的に何を協議するのかというのがよく分からなかったんですけれども、その点、お考えがあれば教えてください。
(答)先ほど申し上げたとおり、私の担当は学術会議の組織運営の今後の在り方についてどうするかということでありますので、任命問題については所管外でございます。したがって、今のご質問は総理ないし官房長官にお聞きいただければと思います。
(問)政府と学術会議の関係の在り方についてお伺いします。
 最近よく言う、「建設的」であるとか「未来志向」という言葉がよく使われていますけれども、大臣は政府と学術会議の関係というのは、どうあるのが望ましいと考えていますでしょうか。改めてお願いします。
(答)先ほど申し上げたこととかなり重複してしまうんですけれども、私が思っているのは、私は政治家として、日本のプレゼンスを高めていきたいと思っています。そういう思いがあるものですから、今後、先ほど申し上げたとおり、まずは日本だけでなく、世界が向き合わなければならない、気候変動の話を含めて、様々な問題が顕在化しているわけです。そうしたところで大きな社会課題が次々と現れてきている中で政府と学術会議がしっかりと対話を重ねながら協力して解決に向けた取組を進めていくということが、これまで以上に求められているという認識を持っております。また、今申し上げたとおり、日本の国際社会におけるプレゼンスというものを高めていくというところにつきましては、学術会議とそこは認識を共有できていると思っていますので、そうした点については歩調を合わせていかなければいけないなと思っております。それが政府と学術会議との関係についての私の基本認識でございます。

(以上)