小林内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和4年1月11日

(令和4年1月11日(火) 11:42~11:55  於:中央合同庁舎第8号館1階S103記者会見室)

1.発言要旨


 冒頭発言なし

2.質疑応答

(問)新型コロナの感染拡大が広がっていますけれども、欧米ではオミクロン株が中心になって、日本でもオミクロン株の感染が広がっています。オミクロン株の特性とか変異の要因とか、あるいは将来どういうふうに変異するのか、そういう基本的なところについてきちんと理解することが今後の政策判断にとっては重要だと思うんですが、健康・医療政策担当大臣としては、オミクロン株研究についてどのように支援していくのか。また、オミクロン株研究はどこまで進んでいるのか、教えてください。
(答)ご指摘のオミクロン株の研究への支援等、現状につきましては、各企業でどこまでやっているかというところは、いろいろ企業の中の話もありますので、具体的に個々に申し上げることは控えますけれども、今のご指摘の点というのは極めて重要な視点だと思っております。
 現在、オミクロン株の感染力ですとか、あるいは既存のワクチンの有効性につきましては、各国が分析を今進めていると認識しておりまして、現在のワクチンの有効性に関する結果などに応じまして、必要なワクチン開発が進められることになるんだと承知をしています。
 その上で、我が国では、既にご案内のとおり、AMEDが各企業と緊密に連携をしながら必要な支援を行っておりまして、その支援を受けているワクチン開発の幾つか企業がありますけれども、それぞれの企業におきましても、今ご指摘があったオミクロン株に対する有効性などの評価というものを現在行っているところであります。
 以前もこの会見の場で申し上げたと思うんですけれども、現行のAMEDのワクチン基金というのは、今課題となっているオミクロン株のワクチンの支援につきましても対象になっておりますので、今後の状況に応じまして、例えば追加的な予算上の支援が研究の進展にとって非常に必要、有効となった場合には、支援対象企業ともしっかりと協力をした上で、追加支援などにつきましても、躊躇なく迅速に行われるようにやっていきたいと思っております。
(問)先端技術を巡る輸出管理に関連してお伺いしたいんですけれども、日米両政府が先端技術の輸出について規制をかける新たな枠組みづくりを検討しているとの報道がありました。こうした事実関係と、あと先端技術を巡る輸出管理の必要性について、大臣の考えをお伺いできればと思います。
(答)先端技術の輸出管理につきましては、国際的な輸出管理のレジームですとか、輸出管理の当局の間で、これはいろんな場で意見交換をしてきていると承知をしています。ただ、こうした議論の詳細につきましては、事柄の性質上、コメントすることは控えたいと思います。
 今、様々な技術革新が進んでいる中で、一般論として申し上げれば、輸出管理の枠組みの在り方というものを考えていく時期に来ているのかなと思っています。
(問)大臣の視察について伺います。今年は大学ファンドの資金運用が始まる見通しですけれども、任期付ポストですとか、不安定な立場にある若手研究者などと対話して、若い研究者の生の声を聞いて現状を把握するような機会を設けるお考えというのはありますでしょうか。
(答)研究力の向上を含めて、現場の方たちから様々な意見を伺わせていただくということは重要だと思っておりまして、だからこそ岸田内閣におきましても車座対話というものを一つ柱として掲げて、閣僚で意識を共有しながらやっているところであります。
 私自身としては、去年、東京大学に足を運びまして、スタートアップ支援の在り方などについて、かなり若い経営者の方たちから様々なご意見もいただきました。また、つくばに赴きまして幾つかの研究機関の方たちと、視察も兼ねて現場の様々な思いというものを聞かせていただきました。
 これから国会が始まりますけれども、冒頭申し上げたとおり、こうした機会をつくっていくことは重要だと思っておりますので、できる限りそういう機会をつくって、今おっしゃったような視点というものを私自身学ばせていただきたい、共有させていただきたいと思いますし、その上で政策づくりに生かしていけたらと考えています。
(問)宇宙政策について伺います。アメリカのNASAは、昨年の年末、国際宇宙ステーション(ISS)の運用期限を現状2024年というのを6年間延長して2030年までとする方針を発表しました。一方でアメリカは、2030年以降のことについては、民間企業による宇宙ステーションの建設計画が相次いで表明されていまして、基本的には2030年以降は地球低軌道上の活動というのは民間にどんどん移管していくという方針のようです。
 日本として、今後、宇宙政策委員会でも今後の対応を決めていくと思いますけれども、こうしたアメリカの方針を踏まえて、日本はどう対応していくべきとお考えでしょうか。大臣のお考えを教えてください。
(答)国際宇宙ステーション(ISS)、それと日本が持っている実験棟の「きぼう」、特に「きぼう」については中でも最大のモジュールでもありますので、こうした施設での活動につきましては、今後のアルテミス計画も含めて、必要となってくる技術の実証の場として引き続き非常に有益なものだと思っております。
 例えば今申し上げた実験棟の「きぼう」で、これまで実施してきた科学研究ですとか、あるいは技術開発の取組というのを将来的に、今後の宇宙探査ですとか、あるいは今ご指摘のあった地球低軌道での活動に向けて、できる限りシームレスにつなげていくということが重要であると思っていて、ISSのまずは運用延長の可否について、我が国としてしっかり判断していかなければならないというのが1つあります。
 その上で、今お話のあったアメリカが構想している民間主体の新しいステーションに対する我が国としての関わり方につきましては、これまで培ってきた知見というものを絶やさないようにしっかりと検討しなければいけないと思っておりますし、関係国とも協議していきたいと思っています。
 将来の宇宙空間の在り方というのは、まだまだ不確実性があるし、どうなるか分からないし、可能性もあるし、例えばISSだけではなくて、民間企業がそもそも別のそういう施設をつくってしまうかもしれないと、海外企業でも、日本企業でも。例えば海外企業がそういうものをつくって、そこに我が国の企業が新しくそういう実証の場をくっつけるとか、いろんな展開というのが可能性としては考えられます。これから宇宙の主役というのは、国も引き続き重要ですけれども、民間にどんどんそういう舞台というのは移ってくると思いますから、そういうことも一つ考慮の要素に入れた上で検討していきたいと考えています。
(問)デジタル庁ができて、公務員試験も、そのような人材を採用することがあると思うんですけど、経済安保という一つの概念の中で、今の縦割りの役所の中では先端の専門の人材というのは採れるのだろうかと。そういうことを含めまして、その分野を担う人材というのをどういう形で供給していったらいいと大臣はお考えになっているのか、その辺を伺いたいです。
(答)日本全体としても、そもそもこうした、各国が今しのぎを削っている人工知能にしても、量子にしても、あるいはバイオにしても、マテリアルにしても、いろんな分野でまだまだ人材の確保ですとか育成というものが国全体としての大きな課題としてあるんだと思っておりますので、まず日本国全体としての人材育成というものを、そこは科学技術担当大臣として、これから大学ファンドも含めて、しっかりとそうした人材育成というものに関わっていきたいと思っています。
 政策立案に対して、どう人材を、ある意味、力を活用していくかというところは、もちろん役所の中に、そういう専門家、エキスパートがたくさんいれば、それにこしたことはないですけれども、まず今できることは、今度、通常国会に今提出を目指している経済安保法案。これはあくまで経済安全保障の一部でしかないんですけれども、例えば法案を1つ作成するに当たっても、今まさに有識者の検討会議というものを分科会も含めればかなり頻繁に開催をいただきまして、政府には恐らくない、足りていない知見というものを各界、これは産業界だけではなく、アカデミアの方からもいただきながら、そうした意見を踏まえて法案の作成作業というものを進めていかなければいけないと思っております。
 ご指摘のとおり、技術というのは進展の速度が速いので、政府の中だけで閉じてやろうとするといいものができないと私は思っています。したがいまして、当面はまず私たちの立場としては、日本の中にいる各界の有識者の方たちの意見をしっかりと共有させていただきながら、一緒になって取組を進めていくということだと思っています。

(以上)