小林内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年12月10日

(令和3年12月10日(金) 9:16~9:22  於:中央合同庁舎第8号館1階S103記者会見室)

1.発言要旨


 冒頭発言なし

2.質疑応答

(問)大学ファンドについてですけれども、これまで専門調査会の議論では、ガバナンスを強化するための体制づくりというのが必須条件として取り上げられておりますけれども、例えばOIST(沖縄科学技術大学院大学)とか、WPI(世界トップレベル研究拠点プログラム)とか、そういった研究力を伸ばしてきた成功事例から見ても、ガバナンス強化というのは研究力強化のための方策の一つであって、必須条件ではないというのが大方の見方です。
 今後、対象大学を選定する上で、大臣としてガバナンス強化についてどのように扱っていくのか、教えてください。
(答)大学ファンドにつきましては、今、専門調査会のお話も触れていただきましたけれども、本日、また引き続き議論を予定しているところでございます。
 大学ファンドにつきまして、今おっしゃったガバナンス強化、これが唯一の条件ではないかもしれません。しかしながら今回、大学ファンドの目的というのは、トップレベルの研究大学を重点的に支援して、世界と伍する大学をつくっていくということでございますので、それが十分条件ではないにしても、ガバナンスというのは必要条件ではあると思っています。そうしたところをしっかりと強化していくことによって、大学自身も、最初は公的な資金を投入して、かなり今差があるところを埋めていかなくてはいけないと思っています。
 一方で常に国からの資金だけでそこを賄うかというと、そこは時間をかけてでもできる限り外部資金をしっかりと導入して、自らの財政基盤を強化していく、それが結果としては研究環境の整備にもつながっていくと思っていますので、そういう意味でガバナンスの強化というのはしっかりやっていかなければいけないと思っています。
(問)京都大学の山中伸弥先生がiPS細胞研究所CiRAの所長を退任することになりましたけれども、今後の再生医療への影響をどのように大臣としては見ているのか。また、大臣は今後、山中先生とお会いすることはあるんでしょうか。
(答)今ご指摘のとおり、山中教授は、所長職を退任されるということになると承知していますけれども、今後もこの研究所に在籍をされて、iPS細胞研究に注力されると聞いております。この分野における研究開発の進展に引き続きご尽力いただけることを期待しています。
 また、山中先生とお会いするかということですけれども、もしそういう機会があれば、私自身喜んでお会いさせていただきたいと思いますし、また先生から様々なご知見、経験も含めて共有させていただきたいと思います。
(問)大学ファンドについて教えてください。特定研究大学の指定数を段階的に増やしていくという報道がありました。外部資金の獲得実績に応じて決めるということですけれども、本日、この後に開催されるCSTIの専門調査会で議論なのかと思うんですけれども、お話しできることがあればお願いします。
(答)大学ファンドによる支援に当たっての基本的な考え方につきましては、これまで先ほど申し上げた専門調査会におきまして議論を行ってきているところでございます。本日予定される会議におきましても、世界と伍する研究大学の目指すべき姿、また世界と伍する研究大学を実現するための必要な施策、またそのために必要な制度改正などについて議論がなされるものと承知をしています。報道についても承知をしておりますが、大学ファンドの対象校を段階的に増やして、2024年度以降、ファンド運用費から資金を配分するとか、支援額は外部資金の獲得実績に応じて配分する、そういった論点は検討課題としてはあるものの、本日の会議で決定されるわけではありません。皆さんご案内のとおり、来年1月に予定している最終取りまとめに向けまして、引き続き専門調査会において検討いただきたいと考えています。
(問)日本学術会議のことで伺います。先日、CSTIで学術会議の在り方に関する政策討議があったと思います。その中で梶田会長から、会員選考法の見直しとか、発信力強化について、学術会議の総会で議論された改革案の説明がなされたかと思います。大臣は今回の学術会議の改革案について、どのように評価していますでしょうか。内容が十分と思うのか、あるいは足りないと思う点があるとか、ご所感があれば教えてください。
(答)この点につきましては、今般の日本学術会議総会における会則改正の承認などによりまして、4月に日本学術会議自身が取りまとめた報告に掲げた取組の具体化が進められたものと理解しています。そういう意味で一定の進捗はあったと理解しておりますけれども、いずれにしても日本学術会議の在り方については、現在、CSTIの有識者懇で議論いただいているとおりでございまして、また私自身の今やるべきことは、梶田会長と引き続き未来志向で改革に向けた取組を進めていけるようにしっかりとコミュニケーションを取っていくことだと考えています。

(以上)