小林内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年11月26日

(令和3年11月26日(金) 11:13~11:27  於:中央合同庁舎第8号館1階S103記者会見室)

1.発言要旨


 本日は経済安全保障担当の大臣としてご報告をさせていただきます。
 今月19日に開催されました第1回経済安全保障推進会議におきまして、岸田総理から、経済安全保障を推進する法案の策定に向けまして、有識者会議を立ち上げて、法案について専門的な見地から検討を進めるよう、私に対して指示がありました。
 この指示を受けまして、本日、第1回目となる有識者会議を開催いたします。この有識者会議には、経済界、あるいはアカデミアなどの様々な分野から高い識見を有する18名の方にご参加いただけることとなりました。有識者会議の皆さまにおいては、忌憚のないご議論を行っていただいて、経済安全保障に関する法制の在り方について提言をしていただくことを期待しています。

2.質疑応答

(問)大臣、たった今、提言をしていただくこととおっしゃいましたけれども、会議では最終的に提言のようなものをまとめていただくことを考えておられるのか。また、スケジュール、何回ぐらいの会議を予定しているのか、その辺りも教えていただければと思います。
(答)今後の有識者会議の具体的に何回開くかにつきましては、現時点では未定です。18名の有識者の皆様に精力的にご議論を行っていただく中で、しかるべくタイミングで提言を出していただけることを期待しています。
(問)推進法案は来年の通常国会も視野にというお話を今までされていましたが、この提言というのは推進法案の提出までにまとめて、それを推進法案の中にしっかり組み込んでいくという、そういうご趣旨でよろしいでしょうか。
(答)総理からは、有識者会議を立ち上げて、そこでしっかりと議論いただいた上で法制の準備を加速させていくように指示がございましたので、当然、有識者会議での報告、提言を期待していますので、そうしたご議論、提言を踏まえまして法案をしっかりと策定していくという流れになろうかと思います。
(問)日本学術会議の改革についてですけれども、日本学術会議をより良くするというのが今の方向だと思います。日本学術会議をより良くするということは、日本のアカデミーの機能を強化しようという意味だと一般的には考えられます。日本のアカデミーといったとき、日本学術会議は「Science Council of Japan」で、日本学士院が「The Japan Academy」と。日本の場合、海外と違って機能別に2つに分かれています。日本のアカデミーを強化しようという場合には、両者の関係性だとか、両者の機能を強化したり、あるいは統合も視野に考えたり、そういうことも考えなきゃいけないかと思うんですけれども、今までの議論の中では日本学士院については全く触れられていません。大臣としては、日本学術会議と日本学士院の関係、あるいは今後の改革の方向性についてどのようにお考えでしょうか。
(答)今、ご指摘があったように、日本学術会議と日本学士院が存在しているという状況です。日本学士院につきましては、学術上功績が顕著な科学者を優遇するための機関として、学術上特に優れた研究業績への授賞などの事業を行う文科省の特別の機関でございます。
 日本学術会議と日本学士院の両者の関係につきましては、平成15年に総合科学技術会議で取りまとめた報告書に記載がされております。その報告書の中には、「他国のアカデミーが持つ栄誉授与の機能については、現行の日本学術会議は担当していないが、我が国では他に担当することがふさわしい機関が存在しており、現役科学者中心の集まりである日本学術会議が担当することは今後も適当でない」とされていると承知をしております。
(問)先ほどの有識者会議の質問に戻りますが、大臣、忌憚のない議論というふうにおっしゃったんですけれども、経済安全保障自体は非常にテーマが幅広くあって、どのような分野での忌憚のない議論をご期待されていますでしょうか。例えば半導体のサプライチェーンですとか、具体的な大臣のお考えの分野というのはありますでしょうか。
(答)総理からは、法制化を加速するために忌憚のないご議論をいただくべきだという指示を受けておりまして、先週、ちょうど1週間前の経済安全保障推進会議で、私、担当大臣の方から法制の整備を急ぐべきということで提示させていただいたのは、サプライチェーンの強靱化、また基幹インフラの信頼性・安全性の確保、そして重要な先端技術を官民協力して育成していく枠組み、また特許の非公開制度の在り方ということで4点提示をさせていただいております。その4つの項目を中心に、本当に忌憚のないご議論をいただければと考えています。
(問)関連なんですけれども、経済安全保障の有識者会議ですけれども、基本的にはクローズということなんでしょうか。例えば議事録や議事要旨の公開とかも含めてどういう対応をされるのか。非常に国民生活にも深く関わってくるような重要な内容のものだと思いますので、できれば公開したほうがいいと思うんですけれども、その辺についてのお考えを教えてください。
(答)経済安保につきましては、これまでも繰り返し申し上げているとおり、政府の中だけで考えていくのは適当ではないと思っていまして。例えば民間企業の方とか、アカデミアの方とか、そういった様々な意見をいただくと同時に、国民の皆様に対して経済安全保障についてのご理解というのを深めていただく、このことも非常に重要な点だと考えております。
 本日につきましては、有識者会議の冒頭は公開させていただきますし、またこの結果につきましては、議事要旨を公表させていただく考えでございます。また、有識者会議の終了後には記者ブリーフィングも実施する予定でございますので、是非ご参加いただければと思います。
(問)メンバーの人選についてなんですけれども、特に経済活動の制限という部分で懸念を持っている経済団体の幹部もメンバーに選ばれていますけれども、そこの狙いについてお聞きできればと思います。
(答)まず、経済活動の制限というお話がありましたけれども、こうした点もしっかりと私自身発信していきたいと思うんですけれども。経済安全保障というのは、規制とか制限、そうしたことにフォーカスを当てているわけではなくて、例えば本当に必要な先端技術が不用意に流出していく、そういう事実があるとすれば、そういったところに手当てをしなければいけないという側面はあるんですけれども、逆に日本が強みを持つ分野というものをしっかりと把握して、それをどうやって育成していくかという、非常に産業政策というか産業育成みたいな点というものも経済安全保障の重要なパーツだと思っていますので、その点は認識を共有させていただきたいと思っています。
 この人選につきましては、まさに経済安保の法案の策定に向けまして、先ほど申し上げたとおり、専門的な見地からしっかりとご議論をいただく必要があると思っておりますので、様々な分野の高い識見を有する方々に今回ご参加いただくべく準備を進めてまいりました。その結果として、皆様ご案内のとおり、18名の方にご参加いただけることになりましたので、そういう経緯でございます。
 それぞれの個々の人選につきましては、今申し上げた専門的見地からしっかりと議論を進めていくという観点から、有識者会議の趣旨を踏まえて人選を行わせていただいたと、その点に尽きます。
(問)今日、有識者会議初回で、これから議論が進んでいくと思うんですけれども、5月の党の提言に入っていました民間関係者を対象とするセキュリティ・クリアランスの制度については今後議論の中に入ってくるのか、大臣のお考えをお願いします。
(答)そもそも経済安保の強化に向けましては、これまでも繰り返し申し上げているとおり、自律性の確保・向上、そして日本の他国に対する優位性、ひいては不可欠性の確保、そしてそうしたものを満たすことによって基本的価値やルールに基づく国際秩序の形成に主体的に参画していくこと、こうしたことが目的となっています。
 そうした観点から、経済安保に関しましては、例えば外為法に基づく投資審査の強化ですとか、みなし輸出の適切な管理という取組をこれまでも進めてきているところでございます。そうした中で法制上の手当てを講ずべき点として、先ほどお答えさせていただきました4つの項目について、私からは提示をさせていただいたところでございます。
 この法案の策定に向けまして、法制上の手当て、どういうところを講じていくのかというところにつきましては、まさに有識者会議でもご議論いただければと思いますし、また与党ともしっかりと連携をしながら、相談しながら準備を加速していくということに尽きます。
(問)有識者会議に関連してお伺いします。先ほど専門的な見地からということに尽きるということなんですけれども、この会議に、一部報道でもあるんですけれども、座長は設けるのかということ。どなたかということで、もしその座長に関してだけ人選理由というか、少しご紹介いただければ。また、これも可能な範囲で、北村(前国家安全保障局長)さんとか兼原(前国家安全保障局次長)さんというのは、安倍政権、菅政権でも政府の中に入っていたということで、その当時からの検討の継続的にという観点なのか、その起用理由についても少しでもご紹介いただければと思います。
(答)座長の件につきましては、本日開催する有識者会議の場におきまして決めていただくことになっておりますので、現時点で誰かということが決まっているわけではありません。
 2点目の話につきましては具体的な個々のお名前もいただきましたけれども、一人一人について個別具体的にお答えすることは控えますけれども、先ほど申し上げたとおり、経済安保、法案をしっかりしたものにしたいので、高い識見を有する、できる限り様々な幅広い分野の識者にお声掛けさせていただいたということに尽きます。

(以上)