二之湯内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和4年8月10日

(令和4年8月10日(水) 12:02~12:14  於:中央合同庁舎2号館16階第1会議室)

1.発言要旨


 先ほどの臨時閣議におきまして、辞表の取りまとめがございました。
 昨年10月4日から、岸田内閣の一員として、国家公安委員会委員長、防災担当大臣、国土強靱化担当、国家公務員制度担当、海洋政策担当及び領土問題担当の大臣の任に当たり、「国家と国民を守る」という強い決意で、全力で職務にまい進してまいりました。
 本日をもって離任することとなります。皆様には大変お世話になりました。
 国家公安委員会委員長についてでございますが、何より、選挙遊説中の安倍元総理が銃撃を受け、亡くなられたという重大な結果について、要人の警護警備に責任を有する警察を所管する大臣として、非常に重く受け止めております。
 事案の発生以降、国家公安委員会を代表する立場として、警察庁に対して、重大な結果を招いた今回の警護警備の問題点を早急に洗い出し、具体的な対策を講じていくよう、指導してまいりました。
 国葬儀や来年にはG7サミットが控える中、警察庁には、このような重大な事案が二度と起こることのないよう、検証・見直しを着実に進めていってもらいたいと考えております。
 他方で、先の通常国会において、サイバー空間における脅威に対処するための警察法改正案や、最近における道路交通情勢等に対応するための道路交通法改正案の成立をみたことは、治安上の喫緊の課題に対応することができたものとして、大変印象に残っております。
 今後、サイバー空間における国民の皆様の安全・安心の確保を図るとともに、新たな技術の社会実装等に向け改正道路交通法が円滑に施行されることを期待いたしております。
 続いて、防災についてです。災害が頻発化・激甚化している中、国民の生命と財産、暮らしを守る防災対策は、政府の最も重要な仕事の一つです。私も就任直後に発生した千葉県の地震、また今年3月には福島県沖で大きな地震が発生し、直ちに官邸に参集するなどして対応に当たりました。
 福島県の地震では、総理の指示を受けてすぐに現地に入り、被災者の気持ちに寄り添った支援策を取りまとめることができました。特に、福島県は昨年も地震により大きな被害を受けており、昨年を上回る支援策を取りまとめることができ、大変よかったと思っています。
 最近も山形県や新潟県などで大雨があり、私も現場を視察しましたが、大変な被害が発生しています。
 引き続き、政府には緊張感を持って対応に当たっていただきたいと考えております。
 我が国では、今後、首都直下地震、南海トラフ地震、日本海溝・千島海溝沖地震など、甚大な被害が想定されています。災害は発生自体を止めることはできませんが、被害を最小化することは可能です。
 引き続き、次の大臣にも我が国の防災行政をしっかりとリードし、国家国民の防災力強化に努めていただきたいと思います。
 続いて、国土強靱化については、防災対策と表裏一体の関係です。国土強靱化の推進は、災害から国民の生命や財産、暮らしを守るのみならず、我が国の国際競争力の強化の観点からも極めて重要です。
 私も、在任中に、多くの知事・市長から、国土強靱化の推進のための予算確保などについて強い要望を受けました。引き続き、地方自治体とも連携して、5カ年加速化対策を始め、取組を着実に進めることが重要であると考えております。
 国家公務員制度については、公務員志望者の減少、若手の離職者の増加に強い危機感を抱き、その原因の一つとされている長時間労働ややりがい不足を解消するため、霞が関の働き方改革に全力で取り組みました。
 また、国家公務員の給与法や、育休法の改正の取組、特に育休については、男性も育児に参画しやすい環境を制度的に整えられたと自負しております。
 今後、さらに公務員人材の確保、育成、働き方改革についての取組が推進されて、職員が能力や意欲を十分に発揮しつつ、国民には必要な行政サービスが確実に提供され、職員自身が自己成長ややりがいを感じながら働けるという、皆がWin-Winの関係になる環境が実現されることを期待いたしております。
 そのほか私の担務は、大変広いものでございまして、今申し上げたもの以外に、海洋政策、領土主権対策、FATF、カジノ、重要土地など、幅広い施策に取り組みました。いずれも我が国にとって大変重要なものであり、それぞれ着実に取組が進められたと認識しています。
 時間の関係上、一つ一つに言及はいたしませんが、引き続き、しっかりと取組を進めていただきたいと考えております。
 最後になりますが、在任中皆様から賜った全ての御配慮に改めて感謝を申し上げまして、私の退任の挨拶とさせていただきます。本当にありがとうございました。

2.質疑応答

(問)大変お疲れ様でございました。今ほど大臣からもございましたが、安倍元総理の銃撃事件の関係で、国家公安委員会の管理の下、警察庁は現在、検証・見直し作業を進めております。この作業の途上で御退任されることになったわけですが、この点について、どう考えていらっしゃるのか。もう1点、今もおっしゃいましたが、本件については大臣としても、御自身、重い責任があると繰り返し述べていらっしゃいますが、途上で退任されることになったわけですが、御自身の責任はどう果たされたかとお考えか、この2点お願いします。
(答)ああいう事件が起きまして、私も、警察庁に早急に検証・見直しのチームを立ち上げて、今後、二度と起こらないような、そういうことを指示したわけでございます。
 確かにおっしゃるとおり、道半ばでございまして、私としては、もちろん、最後まで見届けるということはできませんが、後任の委員長の下で、国家公安委員会の先生方の意見をいただきながら、立派な検証・見直しの結果が報告できるのではないかと、このように思っています。
 また、私自身の、そういう政治的責任につきましては、私自身が、この問題について、おそらく一生背負って、非常に責任を感じていくと、こういうことになってくるのではないかと、このように思っております。
(問)大臣は2018年に、旧統一教会の関連団体が主催したイベントで委員長を務められています。先月の会見でも名前を貸しただけと御説明されておりました。改めまして、この御所感というか、当時の御判断も含めて伺えればと思います。よろしくお願いします。
(答)当時、平和の「ピースロード」ということで、名前を貸したわけでございますが、今となっては、もう少し考えるべきであったと、このように考えております。
(問)お疲れ様でした。大臣、昨年入閣された時、既に政界引退を表明されている中での初入閣ということだったのですが、改めてになるかもしれませんが、どういう思いで、この10か月間、職務に当たられていたのかということを教えてもらえますでしょうか。
(答)私は、三期18年をもって引退を表明した後の入閣でございました。しかし、私自身、若い時から政治をやろうという思いでこういう世界に入ったわけでございましたから、最後残された期間は、私の経験とか体験を生かして、一生懸命国家・国民のために働くというのが、私の最後の仕事ではないかと、このように思ったわけでございます。そういう意味では、安倍元総理の襲撃事件、最後の統一教会という問題がございましたが、私は私なりに一生懸命頑張ったと、このように、私自身の政治生活を総括しております。

(以上)