山際内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和4年8月10日

(令和4年8月10日(水) 12:08~12:27  於:中央合同庁舎8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 先ほどの閣議で辞表を提出してまいりました。昨年10月より岸田内閣で、新型コロナ対策、新しい資本主義の実現、経済財政政策、全世代型社会保障改革などの重要課題に担当大臣として全力で取り組んでまいりました。
 新型コロナ対応につきましては、国民の命と健康を守ることを最優先に、昨年11月に取りまとめた取り組みの全体像に基づき、医療提供体制の強化やワクチン接種の促進などの取り組みを着実に進めてきました。
 また、オミクロン株が主流になる中で、社会経済活動をできる限り止めないことに重点を置きつつ、機動的に必要な対策を講じてまいりました。
 さらに、有識者会議からの提言を踏まえて、「次の感染症危機に備えるための対応の方向性」を取りまとめ、政府の司令塔機能の強化などをお示ししてまいりました。
 また、岸田政権の柱である「新しい資本主義」の実現に向けて、本年6月に「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」を取りまとめまました。
 私は大臣に就任する前から、イノベーション・エコシステムの創出をライフワークとしておりまして、その中で「人への投資」を政策の基軸に捉えるべきであると考えてまいりました。イノベーションを起こすのも「人」です。
 また、スタートアップを立ち上げ、経済社会の変革を実現する原動力も「人」です。そうした根本的な考え方をグランドデザインで明記し、社会の意識変革に取り組んでまいりましたが、今回の春闘・最低賃金の引き上げ、あるいはスタートアップの司令塔機能の創設など、一定の道筋をつけられたのではないかと考えております。
 経済財政政策としては、新しい資本主義を起動するための経済対策や、物価高騰等の影響を緩和するための総合緊急対策を取りまとめ、切れ目なく実施してまいりました。
 そして、岸田内閣最初となる骨太方針を取りまとめ、課題解決を成長のエンジンに変えて、持続可能な経済を実現するという、経済財政運営の道筋を示すことができたと考えております。
 人への分配は「未来への投資」であるとの考えの下、看護、介護、保育等の分野の処遇改善を進めてまいりました。全世代型社会保障の構築に向けて、私が主催する会議において、子育て支援の強化等を通じた、男女が希望どおり働ける社会づくりや、勤労者皆保険、住まいの確保等、地域共生社会づくり等について、方向性を示しました議論の中間整理を取りまとめました。
 これに基づき、社会保障の担い手を確保し、能力に応じて皆が支え合う持続可能な社会保障制度の構築に向けて、検討を進めることが必要であると考えております。
 TPP11につきましては、関係各国の閣僚と会談を実施し、関係強化・連携に努めてまいりました。
 また、英国の加入手続きにおいては、加入作業部会議長を務める日本として、英側関係閣僚との会談、先月末も東京での初の対面会合の開催など、主導的な役割を果たすことができたと考えております。
 今お話したことは、大臣として取り組んできた仕事のほんの一部です。担当した全ての業務に数え切れないほどの思い出がございます。こうしたたくさんの仕事に全力で取り組めたのも、内閣府・内閣官房の担当部局の皆さんのサポートがあったからこそです。日々支えてくださった職員の方々に、この場を借りて御礼を申し上げたいと思います。
 冒頭私からは以上です。

2.質疑応答

(問)先ほど臨時閣議で閣僚の辞表を取りまとめられて、午後には内閣改造が行われます。先ほど冒頭発言でもおっしゃったんですが、大臣就任から1年近く振り返っていただいて、いろいろありましたけれども、特に印象に残ったことなどについて、大臣のお考えをお願いします。
 また、大臣の留任が報道で出ていますが、岸田総理からどのような連絡があったか、意気込みについてお願いします。
(答)何が印象かと言われると、今冒頭の発言の中で申し上げたとおり、非常に多岐にわたる業務をこれまで行ってきたという実感が今自分で読んでいてさらにそうだったなと改めて感じる次第ですが、大事なことは、我々は国という組織で、言ってみれば総当たりで頑張っているということになるのだと思うんです。
 そうなりますと、やはり一つ一つ非常に重たいテーマを担当して、これまで仕事をやってまいりましたけれども、それぞれに携わっているチームが非常に自分ごととして、前向きに仕事に取り組んでくれたということを、今整理されたものを少し読みながら、それを実感としてさらに持ちました。
 これは本当に大事なことだと思っておりまして、永遠なものというのは、我々生き物ですからないわけです。しかし、組織としてある意味機能し続けていかなくてはいけないと。
 そのときに、そのときその場所で自分の受け持ったことにベストを尽くせる体制というのが、組織としてできているということは非常に重要で、それが私が携わったこの1年弱の間にみんなそういう思いで前に進んできたということは、それが一番の国にとっての財産なのではないかと思います。
(問)岸田総理大臣が新閣僚、新しい党役員の人事に関して、旧統一教会との関係について自ら点検し、厳正に見直していくことが前提になるというような発言もありました。
 大臣、これまでも関係性について説明するという発言がありましたが、その検証というのはいつ頃まとめられる予定なんでしょうか。お願いします。
(答)改めて総理から、点検をし、今質問の中にありましたように、厳正に見直しをするようにとのご指示がありましたので、少しご説明させていただきたいと思いますが、政治活動を行う上で、日頃より多くの個人や企業、各種団体とお付き合いをしているところでありますが、私自身が旧統一教会や関連団体と関係があるわけではありません。
 その上で、事務所で調べましたところ、過去に旧統一教会に関連するとされる団体のイベントに出席したことがあると分かりましたが、いずれも通常の政治活動の一環だったと認識しております。
 近年は、関連団体のイベント出席などの関係は持っていないものの、反省すべきは反省し、疑念を持たれることのないよう、今後とも社会的に問題があると指摘される団体等との関係は持たないように、慎重に行動してまいります。
(問)関連で伺います。今、イベントの出席があったということなんですが、それは具体的にいつ頃どういったイベントに何回ほど出席されたのか、また、選挙については支援を受けたり、旧統一教会の方にボランティアだったり、手伝ってもらうということはあったのか、確認させてください。
(答)イベントに関してですが、事務所で調べましたところ、2018年10月のアフリカビジョンセミナーへの出席が確認されました。また、2013年に関連団体への会費支出について確認がされました。確認ができたのはこの二つです。
 一方、一部で報道されているその他のイベント出席や祝電等については、事務所の資料等では確認ができませんでしたが、報道が事実とすれば、やはり反省すべきは反省してまいりたいと思います。
 それと選挙に関しては、選挙活動、非常に多くの支援者やボランティアの方々にお手伝いしていただいているため、お一人お一人のバックグラウンドは細かく把握しているわけではありません。
 しかし、今後とも社会的に問題があると指摘される団体から選挙活動の支援を受けることはないよう、慎重に対応してまいりたいと思います。
(問)先ほどの質問に関連してなんですが、昨日までに旧統一教会との関わりを認めた7人の閣僚の方は、皆さん今回で辞任となりますが、大臣の場合はなぜ調査の結果が今日出てきたのか、なぜ昨日までに終わらなかったのかというのを教えてください。
(答)タイミングのことは、なぜというか、総理から点検をしたものを明らかにして、その上で厳正に見直しをするようにとご指示がありましたので、それを受けて行ってこのタイミングになったと、そうご理解いただければと思います。
 もちろん、先般の記者会見の席上でも申し上げましたが、基本的には個人の政治活動に関わる話ですので、大臣の記者会見という席でコメントさせていただくのは控えさせていただいてきたということです。
 しかし、総理からそのようなご指示がございましたので、この場でもう一度説明するということをご理解いただければと思います。
(問)イベントなどへの出席があったわけですが、今回留任ということですが、そのことに関してはいかがですか。
(答)人事権者は総理でございますので、総理のお考えによるものだと思います。
(問)今の質問に関連ですが、どこまでがよくてどこまで駄目かという線引きが必要だという指摘もあると思うのですが、昨日総理からの電話でそういったご指示を受けたと思うんですが、具体的にどういうご指示があったのか教えていただけますでしょうか。
(答)昨日の電話のことはさておき、総理から我々閣僚に対して、明示的にご指示がありましたのは、当該団体との関係というものを、まずは点検をするということ、それをしっかり明らかにするということ、その上で厳正に見直しをしていくようにというご指示でございましたから、それに従って行動しているとご理解いただければと思います。
(問)旧統一教会との関係の件に関連して、岸田総理には関係があったということは既にお伝えされているのでしょうか。
(答)総理と直接お話をしているかということですか。
(問)総理がその事実をご存知かどうか。
(答)それは総理に聞いていただかないと分かりませんが、私自身が総理に直接何かをご説明するということはしておりません。
(問)もう一点、先ほど2013年の会費の支出について、細かくて恐縮ですが、政治資金収支報告書に記載されている平和大使協議会に対する1万円という理解でよろしいでしょうか。
(答)はい、それに当たると思います。
(問)関連で伺います。
 関連団体の旧統一教会の関連団体のイベントに出席していたということですけれども、大臣としては統一教会との関係というのは分かった上で出席されていたのか、それとも分からずに出席してしまったという認識なのか、その辺りを教えてください。
(答)今にして思えば、熟慮に欠けるということだと思いますが、先ほど申し上げたように、アフリカに関連するイベントだったんですね。私は長くアフリカ関連の政治的な仕事というものを務めてまいりまして、当時のことを思うと、2019年にTICADがありました。ですから、そのアフリカ関連のセミナーというかイベントが各地で行われていた時期だと思うんです。詳しくは覚えていませんけれども。
 その一環として、アフリカに対する理解を多くの皆さんに広めていきたいと、そういう思いで出席したものだと思います。詳細に関しては、正直に申し上げて、少し前の話なので詳細は覚えていないのですが、しかし状況からすると、アフリカに深く関連してきた身として、そのことで出席を決断したんだと思います。
 ですから、団体がどのような方々が主催しているものだということを、明確に確認したかどうかというのは、私には分からないのですが、しかし、テーマがアフリカだったということが、間違いなく自分自身で行こうという決断に結びついたものだと思います。
(問)関連で伺います。2013年の会費支出の件については、その団体との関連というのは、認識はどうだったんでしょうか。
(答)これは2013年なので、ほぼ10年前になるものですから、実は事務所のほうにはそのときの記録というのは何も残っていないのです。しかし、政治資金収支報告書に記載されていますから、今までも政治資金に関しては適正に法に基づいて処理してまいりましたので、そこに記載されているということは、その事実があったものだと認識しております。
 したがって、その詳細について調べるのは調べたのですが、調べる方法もないぐらいに前の話なものですから、そこの部分は不明と言わざるを得ないわけです。
(問)先ほどイベントなどに出席したことに関して、総理には説明されていないというお話でしたが、今回閣僚の任命権者である総理が知らないことは、総理の判断に対して何か影響を与えているということはお考えですか。
(答)それは私に聞かれましても、先ほども申し上げましたが、任命権者は総理でいらっしゃいますので、総理に聞いていただくのがよいのではないかと思います。
(問)それは知らなくて任命したということでしょうか。
(答)これも含めて、総理でなければ分からないことだと思います。
(問)総理から点検のご指示があったということで、点検結果を出されていると思うのですが、それは総理含め、例えば官房長官ですとか、どなたかに口頭もしくは文書等で報告するものなんでしょうか。あるいは、もうしたものなんでしょうか。
(答)この記者会見というのは、総理や官房長官も含めて、広く全般に対して開かれているものだと思いますので、当然ここで私がお話をしていることは、官邸にも情報として入るものだと認識しています。
(問)ここで点検結果というものを国民の皆さんにご報告して、特段それで以降総理とかに別途報告とかはないということですか。
(答)総理や官房長官からの指示は繰り返しになりますが、先ほど申し上げたように、まずは点検をし、その上でそれをきちんと明らかにして、厳正に行動を見直すようにというご指示でしたから、その指示にしっかり従って行動してまいりたいと思います。

(以上)