山際内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和4年8月2日

(令和4年8月2日(火) 10:47~11:09  於:中央合同庁舎8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 冒頭2点、申しあげます。
 1点目はコロナに関してですが、お盆期間中の無料検査拠点の確保について申しあげます。
 先日、7月15日金曜日の会見において、8月5日から18日まで、主要な駅や空港等において、臨時の無料検査拠点の整備を進めることをお伝えいたしました。拠点整備について、都道府県と調整した結果、現時点で駅77拠点、空港38拠点、高速道路等2拠点の合計117拠点で無料検査を受けることが可能となりました。
 帰省をされる方は、ワクチン3回目接種を行った方も含めて、既存の無料検査拠点に加えて、今回整備した臨時の検査拠点も活用して、出発前及び帰省先から戻った際には検査を受けていただくようお願いいたします。詳細については、後ほど事務方からご説明いたします。
 もう1点、昨日付でスタートアップ担当大臣の発令を受け、担当大臣として、総理から指示をいただきました。
 具体的な指示事項は、スタートアップ政策の司令塔として、関係大臣と協力し、本年末に、スタートアップの5年10倍増を視野に、スタートアップ育成5カ年計画を策定するとともに、スタートアップ支援策を一元的に実施し、世界に伍するスタートアップ・エコシステムを作り上げ、持続可能な経済成長と社会課題解決の両立を図るべく、行政各部の所管する事務の調整を担当させるというものです。
 スタートアップは、新しい資本主義の中心課題であり、その創出・育成に向けて、全力で任務に取り組んでまいります。
 冒頭私からは以上です。

2.質疑応答

(問)新型コロナ対策について伺います。一部報道で、感染者数の全数把握について、第7波後に取りやめるというような報道もありますけれども、この全数把握について、保健所、医療機関の逼迫の原因になっているという指摘もありますけれども、大臣のご認識と、今後どのような計画で進めていくのか、教えてください。
(答)今おっしゃっていただいたように、特に発熱外来をはじめとする医療の現場は相当負荷がかかっているということは私自身も認識しておりますし、そこの負荷をいかにして緩めるかということが、今やらなくてはいけない非常に重要な課題であるという認識でございます。
 その上で、今のシステムを変えるというのを今すぐに行っていくということが、まさに現場に影響を与えるかというようなことも含めて、これはしっかりと議論しないといけないんだろうと思います。
 私の感覚では、やはり今の全数把握をすることによって、まれかもしれませんけれども、容態が悪化して、それで医療サービスが必要になるというケース、そのときの連絡がスムーズにやれるということだったり、これは自治体によっては、食料をお届けするというようなことを、そのデータに基づいてやったりというようなこともあります。
 ですから、そういうことも全体として見ながら進めなくてはいけない課題なので、そこは政府全体として最大の警戒を持って当たるという中ですから、注視しながら。何よりもやらなくてはいけないことは、今医療現場に相当負荷がかかっているということをどうやって緩めていくかということなので、そこにつなげられるように、一つ一つ知恵と工夫で乗り切るしかないのかなと思っています。
(問)今の質問に関連して伺います。そうしますと、今すぐ変更すると、現場に混乱が起きてしまう可能性が大きいというお考えということですか。
(答)そのことも含めて、我々としてはきちんと全体としてどうするべきかということを議論していかなくてはいけないという問題意識を持っているということですね。明示的に、今おっしゃったようなことを念頭に置いて物事を議論しているわけではないですが、全体を見ていかなくてはいけないという意識ですね。
(問)ありがとうございます。続けて伺います。
 同じく新型コロナ対策なんですけれども、新型コロナを一疾病として扱うという議論について、専門家からいろいろ問題提起が出ているかと思います。出演された24日の日曜討論のほうで、大臣は、議論ではすぐにやれという話なのでやりたいと思っているというような発言がありましたけれども、現状この2週間程度分科会等は開かれていない状況かと思います。この議論はどのように進めていくのか伺わせてください。
(答)これは、議論というものがどのレベルで、誰が行うのかということを全部が詳らかになっているわけではありませんけれども、当然コロナ分科会で議論するというのも、明示的に全部オープンになるということですから、それも議論としては当然正式な議論としてあります。当然、その前段階として様々な議論というのは、専門家の間でも、あるいは専門家と行政との間でも、都道府県の知事さんたちを交えた間でも、ずっとやっています。
 そういう意味で、先般議論をしなくてはいけないというお話をして、実際に今既にその議論は相当突っ込んでやっているとご認識いただければと思います。
 それを最終的にどのようなものに結実させていくかというところまで、今の段階でまだその段階に至っているとは私は認識していないんですけれども。それは議論をする中で、科学的な知見に基づいて、こうするとコンセンサスが得られるだろうと、このような方向性が出てくれば、当然分科会等々も開いて、きちんと表に対して、こういうふうになっていくのではないかと考えております。
 議論そのものは、各所で行われているとご認識いただければと思います。
(問)新型コロナ対策について、今日の午後6時に日本記者クラブで尾身会長をはじめ有志の方々が会見して、提言を発表するという話なんですが。まずこの日本記者クラブの発表の内容や実際に行うことについて、尾身会長をはじめ有識者の方々と政府の間で、十分にすり合わせができた上でのことなのかということと、本来ならば分科会を開けていれば分科会をやって、その後の尾身会長の会見で普通に対策の提言を出せたと思うのですが、今回この日本記者クラブという政府とは別のプレスセンターで会見をしなくてはいけなくなったこと自体の評価について、大臣のお考えをお聞かせください。
(答)これは逃げるわけではないんですけれども、尾身先生をはじめとして、専門家の皆さま方が議論している内容というもの、それそのものを認識していないわけでは当然ございません。コミュニケーションを取っています。
 その中で、どうしても内容は厚生労働行政に関わる部分が相当大きいものですから、今厚生労働省との間で様々なやり取りが行われているものと聞いております。そのやり取りがどういうものになるかということを、今私この場では分からないものですから、それを受けた上でさらに私の立場として、議論をしなくてはいけないことがあれば、当然その議論を重ねた上で、様々なことが行われるものだと思います。
 現段階で今こうなるものだということが決まっているというものは、私の立場では認識していません。
(問)確認なのですが、今日出される提言の内容について、山際大臣は、今の段階ではご存知でないということでよろしいでしょうか。
(答) そう申し上げませんでしたよね。尾身先生をはじめ、皆さま方が何をご議論されているかということは認識しておりますがということを先ほど申し上げたと思います。
(問)最終的な発表内容についても。
(答)その中身について、その内容が厚生労働行政と深く関わっている話なので、厚生労働省と専門家の皆さま方の間で、様々なご議論をしていただいていると私は認識していますと。そう答えたつもりなんですが。
(問)厚生労働省とのすり合わせも含めて、その過程というのは、当然政府内で共有されているということでよろしいですか。
(答)今まさにやっているところだと思うんですね。ですから、この段階で今私はここにいるわけですから、その議論は厚生労働省との間でやっているわけです。今厚生労働省とやっているところを、私は今ここにいるのに、その議論がどうなっているかということを詳らかにできる立場かといったらそうではないという話を先ほど申し上げたつもりなんです。
(問)発表する前にはもう一度、このコロナ行政全体の責任者として、十分コミュニケーションを取った上での発表になるという理解でよろしいですか。
(答)常にコミュニケーションは取っております。
(問)私自体が創業者というか、企業経営というか、ベンチャーなので伺いたいんですけれども。なぜスタートアップの担当に山際先生がなられたのか。ご自身、会社を起業したりされた経験があるのか。ただよく伺うと、先生はいわゆるシリコンバレーをよく見に行っておられたり、そういう話も聞いておるんですけれども。今回のキャンパス構想というのは、いわゆるスタンフォードのサンド・ヒル・ロードという街並みがありますよね。そういうのをイメージしているのか。やはり初代のスタートアップ大臣として何を、総理の指示とは別に、ご自身のイメージとして、どういうものをやりたいのか、それを伺いたいですね。
(答)大臣としてこの場に立っていますから、私自身の個人的な経歴については、また機会を別にしてだと思いますし、お答えを差し控えたいと思いますが。スタートアップそのものは、これも都度都度申し上げているように、日本の経済を活性化させていく上で、必須なものであると。そういう認識があるものですから、新しい資本主義のグランドデザインの中にスタートアップ、非常に太い柱として位置づけられているんですね。
 当然、ですからスタートアップをどんどんこれから出てくるように環境を整備しなくてはいけないんですが、これまでも新しい資本主義の担当大臣として、スタートアップに関わる方々、要するにグランドデザインを作る、実行計画を作るに当たって、ずっと議論をしてまいりました。その議論をしている中で、何をやればいいかということも、当然我々としては問題として認識をしております。
 その流れがあるので、その問題意識をきちんと解決できるように環境を整えるということを、担当大臣としてやれと、このような総理からのご指示だったというふうに、私は認識しております。
 その中で、これは少し長くなりますけれども、スタートアップのためには、まずはスタートアップを起こす人、そしてそのスタートアップを支援するというのか、メンターも含めて支援する人、すなわち人が必ず必要になりますね。さらにこれはビジネスですから、そこには資本が必要になります。ですから資金というものが必ず必要になってくる。
 それらが有機的に結合するために、どうしても場が必要になります。ですから、その三つのものが有機的に結合して、全体として生態系を作り出すような、そういうものにしていかなくてはいけないので、そこの部分を、担当大臣として有機的に全てが結びつくような環境になっているかということを確認しながら、なっていなければその環境を作っていくということをこれからやらなくてはいけないと思っているんです。
 その中の一つに、そのキャンパス構想のようなものも含まれています。そのキャンパス構想だけで生態系ができるとは我々全然思っていないものですから、それも含めて全体としてスタートアップがきちんと起きるような環境を整えてもらいたいと思います。
(問)昨日、最低賃金の今年度の引き上げ額が過去最高の31円に決まりましたけれども、これの大臣の受け止めと、今後政府としてどのように賃上げを進めていきたいかというところをお願いします。
(答)これは総理からも強く申し上げているように、この最低賃金は、きちんと3者の間で話し合いをしてもらった上で決めていくものであると。さらに、今私たちの日本の経済、あるいは日本の社会におかれている状況がどういうものであるかということも、政府としてきちんとお示しはします。当然、経済を回していらっしゃる各ステークホルダーの皆さま方も同じ認識を持っていただいていると思います。
 そういう議論の中で、今回は31円という数字が出てきたということをもちろん我々としてはこれを前向きに捉えてまいりたいと思います。当然ですけれども経済ですから、一過性のものであってはいけないので、持続的に賃上げができる環境も一緒になって作っていかなくてはいけないと思いますし、そのための経済成長というものも、政府としてやれることをしっかりやっていかなくてはいけないと、改めてそう思っています。
(問)先ほどのスタートアップの件に関連するんですけれども、今しがた問題意識がいろいろあるとおっしゃっていましたが、日本の現状はスタートアップの件数も規模も他国に比べて大きく劣後していますと。これまで日本のスタートアップはそういったちょっと残念な状況にあった原因と対策等について、大臣の現状の問題意識を教えていただければと思っております。
(答)これは、表面上見える原因は、数字で追いかければ日本の開業率というのは諸外国に比べて極めて低いですね。ですからそれが直接的な原因であると言えばそのとおりなんですが、その背景に何があるかというところまで考えますと、やはり私たち日本社会全体として、新しいことにチャレンジをしていく、そのことをどんどんやるべきなんだというマインドセット、意識というんですか、それが少し弱い状況が数十年続いてきたのかなと個人的には思っております。
 実際に、今回スタートアップに関連する方々とお会いすると、ものすごい熱量なんですよ。ですから、我々日本人の力というか能力というか、エネルギーそのものが全部失われているわけではないんだと思うんですね。
 ですから、きちんと有機的にそれらが結合すれば、必ず結果は出ると思いますが、しかし社会全体として、どうしても新しいものにどんどん積極的にチャレンジするという気風が少し欠けていた、デフレの中での数十年だったのかなと、そう思います。
(問)コロナの関連で、先週大臣から発表がありましたBA5の対策強化宣言の対象地域なんですけれども、現状どういった検討状況なのか、早ければいつ頃地域指定にいたるのか、見通しを教えてください。
(答)これはご案内だと思うんですが、確認をいたしますと、まずは都道府県の知事さんが自分の受け持っている県において、こうするんだということを決めていただかなくてはいけないですね。まずはその意思を持っていただくということ。それを持って、政府にそれを言ってもらって、その上で政府とコミュニケーションを取る中で、地域として指定をしてくることになりますので、それを1週間も2週間も置くという必要はないと思うんです。
 ですから、具体的に各都道府県からご要請が上がってくれば、できるだけ速やかに対応できるように準備をして待っているんです。
(問)すみません、現時点でまだ上がってきている都道府県はないということでしょうか。
(答)正式に今のところここがということではありません。幾つかそれはお話があるというのは、当然コミュニケーションなのでありますが、正式に上がってくればすぐに対応したいと思います。
(問)旧統一教会関連なんですけれども、自民党の国会議員の皆さまの関与が明らかになっている部分がありますので、山際大臣にもその関連でお尋ねいたします。
 旧統一教会関連の団体の平和大使協議会に支出されているというのが、平成25年の政治資金収支報告書に記載されているようですが、こちらの事実関係について教えてください。
(答)これは個人の政治活動に関わる話なので、この場でのお答えは差し控えたいと思います。お尋ねがあれば、会館の事務所のほうにお尋ねいただければと思います。
(問)すみません、関連してお伺いいたします。
 この旧統一教会関連のイベントに出席されたり、あるいはその関連のスタッフの方に選挙活動を手伝ってもらったりということは、今まであったりはしたでしょうか。
(答)これも含めて、会館にお尋ねいただければと思います。
(問)最後に大変恐縮ですが、霊感商法などで社会問題化したことのある宗教団体と政治の関係について、大臣個人としてどのように考えていらっしゃるかをお聞かせ願います。
(答)大臣としてですか。
(問)はい。
(答)大臣に限らず、政治家として、もちろん適正に対応をしなければいけないと思います。
(問)スタートアップ推進室のメンツというのは、役人ばかり調整をするようなことになるのか。やはり世耕大臣のときにJスタートアップってやっぱり大臣主導で結構頑張っていたように私は見るんですけれども。保守的な役人が事務をやって、スタートアップが増えると思っている経営者はいないと思うんですけれども、やはり何か新規軸で、大臣主導というんでしょうか、体制を含めまして、外の人材を入れるとか、そういうお考えはないんでしょうか。
(答)何か予断を持ってこうしなくてはいけないというものをかちっと決めて進むべきものではないと思いますので。もちろん民間の皆さんのお力というのは、借りなくてはいけないという意識はありますが、それは組織論として必要なものなのか、それともプレイヤーとして頑張っていただくものなのか、ここは少し整理をしなくてはいけないと思います。
 なので、現段階において、もちろん部局としてこのスタートアップのことを行政の組織として、何をやらなくてはいけないかということは、我々としてもちろん持っていますから、その部局でこれから進めたいと思っておりますが、その年末までの間に5カ年計画を作っていく、その過程において、民間の皆さま方のお力というものを必ずお借りしなくてはできない話でありますから、どんな形であれ一緒にやっていただけるような環境は整えたいと思います。

(以上)