山際内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和4年7月26日

(令和4年7月26日(火) 14:52~15:03  於:中央合同庁舎8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 月例経済報告等に関する関係閣僚会議の概要を報告します。
 今月は「景気は、緩やかに持ち直している。」と、先月の判断を上方修正しております。
 これは、物価の上昇が続く一方で、雇用情勢の上向きの動きが明確となる中、個人消費の改善が続き、内容にも広がりがみられることなどを踏まえたものです。
 先行きについては、感染対策に万全を期し、経済社会活動の正常化が進む中で、景気は持ち直していくことが期待されます。
 ただし、世界的に金融引締めが続く中での金融資本市場の変動や、原材料価格の上昇、供給面での制約等による下振れリスクに十分注意する必要があります。
 この他、会議の詳細については、後ほど事務方からご説明いたします。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)月例についてお聞きします。上方修正は3カ月ぶりということで、改めまして景気の現状認識を聞かせていただきたいというのと、先行きについて、第7波とも言われているコロナの急速な拡大、これは本当に消費が落ち込むリスクはないのかどうか、大臣の考えを聞かせてください。
(答)後者から先にお答えしますと、第7波のリスクは当然あるわけです。なので私たちは、最初のウィズコロナの哲学のもとに、社会経済活動をいかにしてとめないようにオペレーションを仕切るかということで、今政府一丸となって取り組んでいるところです。
 ですから、放っておけば当然影響というものが出るところを、その影響が極力出ないようにオペレーションをしているところだとご理解いただければと思います。
 また、現状の景気等々の受け止めですけれども、これは繰り返しになりますが、景気の現状については、物価の上昇が続く一方で、雇用情勢の上向きの動きが明確となる中、個人消費の改善が続き、内容にも広がりが見られることなどを踏まえて、判断を上方修正したものです。
 もう少し具体的に申し上げますと、雇用情勢は、就業者数は増加傾向であり、失業率も低下傾向が続く中で、就業率も女性の正規雇用の増加により、コロナ前の水準まで上昇していること。個人消費は、ゴールデンウィーク以降も、外食や旅行等のサービス消費は持ち直しが続いていることに加え、外出機会の増加に伴い、服飾雑貨や娯楽など、消費の改善に広がりが見られていること。これらを踏まえて、景気全体の基調は緩やかに持ち直していると認識をしております。
(問)本日の月例では持ち直しということで上方修正されたわけですけれども、一方で昨日の年央試算では、経済成長率を今年度大幅に引き下げていらっしゃるわけですが、この足元の状況と先行きを踏まえて、両者の整合性についてどのように考えればいいか、大臣のお考えをお伺いできればと思っております。
(答)昨日もご説明しましたけれども、両者を同じものとして比べてはいけません。年央試算というのは、昨年12月あるいは今年の1月に発表させていただいたものから、昨日も説明しましたが、ウクライナ情勢の変化や、我が国におけるコロナウイルス感染症がもう一度再拡大してしまったこと等々、そういったものや、あるいはエネルギー価格が高騰したことに引きずられる前からあった半導体等々の供給不足というものが、実はこの1月以降も相当影響を与えているということや、そういったものが、要するに1月にお示しをしたところから、現在までの間に、環境、状況というものが変わってきた、そのことを踏まえた上でお示しをしたものですので、当然それはそういうものだと考えていただかなくてはいけないと思います。
 実際に、今日皆さま方にご説明しているものは、毎月どのように変化をしていくかということを、我々としては、景気の動向として見ているわけです。
 ですから、ある意味リアルタイムに進んでいるものを、今どのような状況にあるかということを的確に判断をしたものを、今こういう状況にありますとご説明しているものですから、それは現状を示しているものであって。年央試算というのは、これから全体としてどうなるかということをお示ししたものですから、性質が違うものなので、これを比べるというのは、ある意味、意味がないことではないけれども、同じものとして比べるということは適切ではないと思います。
(問)今回、上方修正されたわけですけれども、年後半に向けて、どのような見通しを持っていらっしゃるかということもお伺いできればと思います。
(答)これは、予断を持ってこうなりますということが当然言えるものではないんですが、この上昇基調というものが継続していけるように、我々としては努力をしたいと思っておりまして。それは足下でやっている様々な経済対策を確実に実行するということがまず第一の条件になりますが、それだけではなくて、これから様々起こりうるリスクに適切に対応していくということも重要になってくると思います。ですから、これもやらなくてはいけないことだと思います。
 それと、同時並行で昨日も申し上げましたが、新しい資本主義実行計画にお示しした経済を成長させるための、言ってみれば成長エンジンの部分を官民あげて取り組んでいくということを、これからある意味それを本格化させるというステージに入ってまいります。そのことをもって、この景気の回復基調というものが確実なものになるようにしてまいりたいと思います。
(問)ちょっと話が変わりまして、感染症の話ですが、昨日サル痘の国内感染者が確認されました。これについての受け止めと、今後の対応についてお聞かせ願えればと思います。
(答)サル痘の感染者の方が国内で出たということは、もちろん私も認識しております。これも繰り返しになるのですが、WHOが緊急事態の表明をして、どうしても、私も含めてですが、みんなが正しく感染症に対する知識を、ドクターのレベルやあるいは専門家のレベルで持っているわけではないじゃないですか。
 そうしますと、どうしても同じように緊急事態が出たとなりますと、コロナウイルス感染症もサル痘も、同じように危険な病気なのではないかと、こういう誤解を招く可能性があります。ですから、この二つは全く性質の違うものであり、したがって対処方法も全く違ってくるということを、丁寧に政府としてはこれから国民に対して説明をしなくてはいけないと思っております。
 これはご案内のように、サル痘に関しては、相当な濃厚接触がなければ感染が広がらないというタイプの病気。一方でコロナウイルス感染症は、皆さんにご案内のように、呼吸器感染症ですから、どんどん感染が広がるリスクのある病気ということですので、感染経路も、感染のしやすさも全く違います。
 また、人間に対しての病勢がどうかということについても、コロナウイルス感染症は命を落とす危険があったわけです。大分病勢は軽くなってきているということになっていますけれども、注意をしなくてはいけないという病気ですが、サル痘において、先進国での死亡事例というのはないわけです。ですから、そういう意味でも、ある意味危険性というものは大分違うものだと見なくてはいけません。
 しかしそれは、私が今申し上げたのも、ある意味表面上の知識でしかないわけです。ですから、病気そのものがどういうものかということを、我々素人が正しく知るというのは非常に大変なことだと思います。
 なので、ここは政府が丁寧に情報をきちんと発信することによって、国民全体でその意識が共有できるように、努力をしていくということは重要だと思っております。

(以上)