山際内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和4年6月20日

(令和4年6月20日(月) 15:54~16:05  於:中央合同庁舎8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 月例経済報告等に関する関係閣僚会議の概要を報告いたします。今月は、「景気は、持ち直しの動きが見られる。」と、先月の判断を維持しております。これは、物価の上昇が続く一方で、企業収益が概ねコロナ前の水準を上回り、外食・旅行等のサービス消費など、個人消費の改善も続いていることなどを踏まえたものです。
 先行きについては、感染対策に万全を期し、経済社会活動の正常化が進む中で、景気は持ち直していくことが期待されます。ただし、ウクライナ情勢の長期化や中国における経済活動の抑制の影響などが懸念される中で、原材料価格の上昇や供給面での制約に加え、金融資本市場の変動等による下振れリスクに十分注意する必要があります。
 この他、会議の詳細については後ほど事務方からご説明いたします。私からは以上です。

2.質疑応答

(問)物価について2点ほど質問をさせていただきます。まず1点目、今回、物価の上昇が参院選の非常に大きい論点となっていると思っておりまして、野党は消費税の減税や金融市場の緩和などを公約として掲げていると思いますが、これに対して、経済対策を所管する大臣としてのご見解をまずお伺いできればと思います。
(答)見解というか、政府としてやらなくてはいけないことは、都度皆さま方にメニューをお示ししながら、まさに先般、4月に取りまとめました総合緊急対策を今、実施しているところです。
 さらには、明日開くことになっております「物価・賃金・生活総合対策本部」で、その更なる必要性について議論をして、現場の方々からしっかり声を聞いた上で、必要であれば柔軟にそれに対応すると。これを我々としてはやっていかなくてはいけないと思っているものですから、物価に敏感であるというのは私も含めて誰しも同じだと思います。それに対してしっかりと政府としては対応し続けていくという姿勢で臨みたいと思っています。
(問)ありがとうございます。2点目も少し似たような質問になってしまいますが、日経新聞で世論調査をやらせていただきまして、このほど、参院選に期待することとしては景気の回復がトップだったと。一方で、現状の政府の評価しない政策として、物価が69%と非常に高い数字になっています。これに対しての受け止めをお伺いしたいのですが。
(答)これは、私も含めてですが、どうしても生活をしている時に、都度生活必需品として必要なものの価格が上がっています。特にエネルギーと食料品、この価格が上がっていますから、全体として均した時の物価がそれほどでなくても、やはり生活をしている人間からすれば、物価は上がったなと、こういう実感を持たれるのは、ある意味、私も含めてですが当然と思っております。
 ですから、我々としては、今申し上げたエネルギー、あるいは食料の点について、しっかりそれをサポートする政策を打つことが最も効果的だとも思っておりますので、その対策を今打っているわけですが、繰り返しになりますが、それで本当に十分かという話になると、それぞれの様々なご意見があるというのも分かっているものですから、明日しっかりと様々な現場の方々からヒアリングをして、その上で足らざる部分があれば柔軟に対応していかなくてはいけないという姿勢で臨みたいと思っています。
(問)2点お願いします。まず1点目からお伺いしますが、月例経済報告でも個人消費について改善ということで、マインドについても下げ止まりの評価をされているわけですが、一方で、足下では自動車販売が厳しかったり、本日発表された白物家電などについてもかなり落ち込んでいると。中国のロックダウンや物価高の影響が見られるわけですが、こういったことを踏まえて、個人消費についてどのような見通しを持っていらっしゃるか、お伺いできればと思います。
(答)これはテクニカルな話もありますので、今おっしゃっていたことも含めて申し上げますと、新車販売の台数が、持ち直しの動きには足踏みが見られるという表現を使っておりますが、これは、おっしゃるように供給制約の影響も相当あると見ております。また家電製品の販売も、概ね横ばいとなっているのも、同様に半導体等々の供給制約もあるのだろうと思っております。
 また一方で、コロナ禍で大きく落ち込みました外食、旅行等のサービス消費ですが、これはまん延防止等重点措置を解除した後、持ち直しの動きが続いております。個人消費全体としては、先ほど申し上げたように持ち直しの動きが見られます。
 また景気ウォッチャー調査で見た家計のマインドは、先ほどの質問にもありましたが、物価上昇への懸念がある一方、人出の増加に伴う賑わいが戻ってきたことや、夏の行事、旅行への期待感等から上昇しているとなっております。
 先行きについては、感染対策に万全を期して経済社会活動の正常化が進む中で持ち直していくことが期待されると、このように表現しております。
 ただし、ウクライナ情勢がどうなるか不確実性が非常に高い中で、更なる原材料価格の上昇があるかもしれないと。あるいは、家計の負担増、実質所得の減少やマインドの悪化を通じて個人消費を下押しするリスク、これには十分注意する必要があると、このようにしております。
(問)もう1点お願いします。先日、日銀でも決定会合が開かれて、大規模緩和が維持されるということが決まったわけですが、最近の円安についてお伺いしたいと思います。
 経済同友会の調査では、7割の経営者が円安はマイナスと答えるなど、経済界からもデメリットが多いという声が上がっていますし、民間のエコノミストなどでは、円安がGDPを押し下げるというような試算をされている方もいらっしゃいます。
 こうした円安の状況について、大臣としては、マクロ経済に与える影響をどのようにお考えになっているか、お伺いできればと思います。
(答)いつもその質問をされる時に、いつも同じ答えで大変恐縮ですが、為替について私の立場から言及するのは、これまでもしてまいりませんでしたし、これからも、為替に影響を与えるといけませんので控えたいと思います。
 一方で、政府、あるいは日銀の方から統一して出てきている表現ぶりとしては、急激な為替変動は好ましいものではないということは出されています。ですから、その文脈だろうと思っております。
 当然、円安、円高にはそれぞれにプラス、マイナスが様々な業態によってあるということは認識しておりますので、その中で、どう柔軟に対応していくかということが非常に重要だと思っております。
 我々としては、もちろん円安に今、振れているということの経済に対する影響は注視していかなくてはいけないと思っておりますが、一方で、その前の質問にありましたように、エネルギーの価格や食料の価格等々が、ウクライナ情勢が長期化することに伴って高止まりしている状況があります。これがより根源的な要因になっておりますので、それに対してどのように対応していくかということの方が、政府としてやらなくてはいけない物価対策としてやるべきことだと思っています。
(問)明日の物価・賃金・生活総合対策本部ですが、前日の今日時点で、明日どのような議題でどのような議論を行うのか。また、関係の方々からヒアリングするようなことを伺っていますが、明日の会議の流れというか見通しについて、現時点で分かる範囲で少し伺えればと思います。
(答)すみません、今、手元にないものですから具体的にどうだということはちょっと申し上げられないです。問題意識は、今私が申し上げたとおり、物価や賃金や生活全体に対して問題意識を持っているということ、それに対してどう対策をしていくかということを考える上で、政府としてはこれまでも対策は打ってきましたが、しかし、それでなお足らざる部分があるのではないかと。先ほどのお話のように、世論調査を見るまでもなく、私たち自身が実際に生活者として見ていても確かに物価は高くなっていると感じますし、周りの方々からのお話を伺っても、そういう声が大きいと。そのことを受けて、それぞれ、より影響を受けているであろう、そういう現場の方々から直接ご意見を伺う、そういう会議体にしたいと思っております。
 中身そのもの、具体的なものに関しては、まだこの場で今、ご報告できないですが、明日きちんと、その会議を終えた後にまた皆さま方にはご報告はしたいと思っています。
 ありがとうございました。

(以上)