山際内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和4年5月25日

(令和4年5月25日(水) 19:05~19:15  於:中央合同庁舎8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 月例経済報告等に関する関係閣僚会議の概要を報告いたします。
 今月は「景気は持ち直しの動きが見られる」と表現を変更しつつ、景気の基調判断は維持しております。これはウィズコロナの取組が進んでいること、先月から外食・旅行等のサービス消費など、個人消費の改善が続いていることなどを踏まえたものです。
 先行きについては、感染対策に万全を期し、経済社会活動の正常化が進む中で、景気は持ち直していくことが期待されます。ただし、中国における感染再拡大の影響やウクライナ情勢の長期化などが懸念される中で、供給面での制約や原材料価格の上昇、金融資本市場の変動等による下振れリスクに十分注意する必要があります。
 この他、会議の詳細については後ほど事務方からご説明いたします。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)大臣、冒頭おっしゃったとおり、基調判断は維持となりましたが、一方で世界の景気の基調判断は2年1カ月ぶりの下方修正となりました。これまで日本経済は外需頼りと指摘されてきたこともありますが、そうした中、内需も先ほどあったとおり下振れリスクが強まっています。こうした状況の中でどう景気回復につなげていくのか、その道筋について大臣のお考えをお願いします。
(答)我々としては、1―3月期の速報等々も見ていて思うのは、コロナの影響は相当日本経済には影響を与えていたという事実があります。まん延防止等重点措置を3月21日に解除することができて、言ってみればその対策のもとに経済が回復基調に乗ってきていると。特に、詳しく全部分析してお話しすると時間がかかるので、簡単に言うと、冒頭申し上げたように個人消費は相当持ち直してきているということがありますから、そういうものを冷静に見て、総合的に判断しての話です。
 おっしゃるように、これからまだコロナの変異株が出てくる可能性も排除できませんし、ウクライナの問題は依然続きます。あるいは中国の感染の再拡大がもたらす我が国に対する影響も排除できないと思います。そういう外的な要因は当然ありますが、それも踏まえた上で、総合緊急対策をとにかく確実に実施すること、さらには中長期的には、これも申し上げているとおりですが、新しい資本主義のグランドデザインをお示しして、そして実行計画をお示ししますから、それを官民でしっかりと取り組んでいくということで、確実に経済を成長軌道に乗せ込んでいくと。このメインシナリオは変えずにやりたいと思っております。
(問)2点お願いします。1点目ですが、冒頭もご発言はありましたが、月例経済報告の基調判断で、コロナの影響を基調判断の文言から削除されたわけですが、新型コロナの感染者数自体はまだ高止まりしており、終息したとは言えないような状況の中で、あえてこのように削除された理由、その狙いなどについてお伺いできればと思います。
(答)あえてということではなくて、我々、総合的に今どういう状況に日本の経済がなっているかを見ながらお示ししているわけです。その中で、これは客観的事実として、コロナ禍による経済に対する影響よりも、ウクライナの経済に対する影響の方が大きくなっているということ、そのことを反映させて、もちろん総合的に判断してこのような表現にさせていただきましたが、注意深く見ていただいたら分かるように、基調判断そのものを変えているわけではありませんので、そういう流れの中でこのような表現にしたということですから、何かそれ以上でもそれ以下でもない表現だと思っていただければと思います。
(問)もう1点お願いします。今回の政策態度の中で、日銀に対する言及の部分ですが、2%の物価安定目標、持続的、安定的にという文言を追加されているわけです。今回、このように文言を追加された狙いと、あと、コアCPIが2%を超えるような状況になっている中で、日銀に対する態度を変更されるお考えがあるのかどうか、お伺いできればと思います。
(答)これは端的に申し上げると、日銀に対しての態度を変えるつもりは全くありません。むしろ、今、ご説明いただいたように、CPIが一時的に2%を超える状況になっておりますが、我々が日銀との間で結んでいる共同声明の中にあるように、その状態を持続的に安定的に継続していかなくてはいけないということが書かれているわけです。ですから、日銀そのものが示しているように、これから先、ずっと2%を超える状況にあるだろうという予想を、日銀そのものが立てていないこともご案内のとおりですから、我々としては明確に、それが安定して持続的に続くような状況を作っていかなくてはいけないということをお示ししただけでございまして、日銀との関係で何か物事を変える、政策態度を変えるということではありません。
(問)今回の月例についてお聞きします。先行きについてですが、中国の感染の再拡大を懸念材料として新たに加えられています。中国、非常にロックダウン、外出制限などが相次いでいまして、これの日本への、どういった経路で波及してくるのか、日本経済に対して。懸念ということであればどういうリスクがあるのかということを教えていただけますか。
(答)これも一言でご説明申し上げるのはちょっと難しいと思いますが、端的に言えば、当然、中国は日本にとって経済の相当大きなパートナーであります。その上、サプライチェーンの一部を担っている大変重要な国だということもあります。
 これが上海等々のロックダウンによって、そもそもそこでの生産が止まる、経済そのものが向こうで止まってしまっていることもありますし、中間財を日本に輸入をする時に、この中間財そのものが作られない事態もあれば、作られても物流が滞っているので、日本になかなかスムーズに財が入ってこないという問題も起き得ます。ですから、客観的に見て、中国と経済的なつながりがそれぞれあるわけですが、それぞれ一つ一つ見ていくと、ここがもしかすると障壁になるのではないかというものがもう既に見て取れるものはいくつもあると。
 ですので、我々はマクロの話をしておりますから、そういうものを全体で見た時に、中国の問題が我が国の経済に影響を与える可能性は排除できないということで、先行きの判断のところにあえて中国のことを記載させてもらったということです。
 ありがとうございました。

(以上)