山際内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和4年5月10日

(令和4年5月10日(火) 9:03~9:15  於:中央合同庁舎8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 4月30日(土)から5月5日(木)にかけまして、米国のワシントンD.C.とサンフランシスコに出張しましたので、その概要を報告いたします。
 ワシントンD.C.では、日米経済協議を開催し、世界経済や日米両国の経済見通し、コロナ後の中長期的な課題等について、大統領経済諮問委員会CEAのラウズ委員長と意見交換を行いました。約1時間程度の協議でしたが、新しい資本主義の考え方についても私から説明し、米国からも多くの共通する考え方が示され、政策の方向性が共有されるなど、大変有意義な意見交換になったと思います。今後も引き続き、両国が緊密に協力し、日米経済協議を定期的に開催していくことで合意いたしました。
 サンフランシスコでは、先進的な取組を行うシリコンバレーの起業家や経営者等と意見交換を行いました。大臣就任前から何度もシリコンバレーには足を運んでいますが、量子コンピューターや暗号解読技術等の最新の技術革新の状況や、スタートアップやベンチャーキャピタルの動向について意見交換をし、改めて彼我の差を再認識いたしました。他方で、日本のスタートアップを育成するための方法について、大変有意義な示唆も得ることができました。
 今回の出張で得た知見を、今後の経済財政運営や骨太方針、新しい資本主義のグランドデザインと実行計画の検討に生かしてまいりたいと思います。
 以上です。

2.質疑応答

(問)幹事社質問として、岸田総理の連休中の外遊に際しての発言について二つお伺いします。
 一つ目、ロンドンのシティでの講演で、新しい資本主義実現に向けた一環として、資産所得の倍増というご発言をされました。具体的にはつみたてNISAの拡充、あとは預貯金を資産運用に誘導する仕組みということに言及されていましたが、こうした具体的な中身は、その6月の新しい資本主義実現会議の実行計画に盛り込んでいくことになるのか。また、資産所得倍増というと、息の長い取組も必要になると思いますが、倍増というのはどれぐらいの期間、スパンを念頭に置いているのか、その辺りの大臣のお考えをお願いします。
(答)新しい資本主義実現会議においても、これはもちろん議題として、総理からのご発言でございますので、受けて政策を総動員していくことになると思っております。
 個人的にも、やはりこの貯蓄から資産運用へというのは必要だと前々から思っております。実際にこれを進めていこうとするならば、例えばですが、金融に対するリテラシーを我々国民一人一人が持っていかなくてはいけません。そうなりますと、そのような教育というのが、我々の国のカリキュラムの中に、今確固としたものがあるかというと、なかなかそうでもないというのは事実としてあります。
 ですから、そういう初期の段階から始めて、そして実際に資産運用をするにはどのようなメニューがあって、どういうポートフォリオを組んでみたいな具体的なところまで、相当これは息も長いし、大掛かりなものとして考えなければいけないものではないかと、私も個人的にはそう思っておりましたし、総理もそのようなお考えをお持ちだと思います。
 ですので、我々としては、その総理からのご発言を受けて、まさに政策を総動員するつもりで、議論を進めて、新しい資本主義実現会議でそれが骨太に反映できる部分があれば、もちろん反映したいと思いますし、さらに息の長いものになるようでしたら、その後もきちんと議論して、このようなものにしようということを決めていくことになると思います。
(問)同じ講演の中で、水際緩和の措置について、6月にはG7諸国並みの円滑な入国ということで発言がございました。一つ、各所報道では、観光客、小規模の団体に限って始めるという、対象を拡大する話が報道で出ております。また併せて、その煩雑な手続きも課題としてあると思いますが、そうしたものも含めて今後検討していくのか。
 6月ということで、総理は発言されていますが、これは月内にも政府で何らかの意思決定をするというイメージ、スケジュール感でしょうか。その辺りをお願いします。
(答)スケジュール感は、総理が6月とご発言をされていますから、それに合わせて様々な調整をすることになると思いますが、我々は総理の号令のもとに、G7の中でも最も厳しい水際対策をしてきた経緯があります。
 それは、内外の感染の格差があったので、当然水際でそれをストップさせることに大変意義があったわけです。ですから、そこから始まって、一つ一つ、それこそ国民の多くの皆さんにご苦労をおかけしてまいりましたが、しかし水際でしっかり止めるということを続けて今日まで来たわけです。
 そしてそれを受けて、内外の差を見たり、あるいは諸外国での水際対策、どういうことをやっているか、諸外国との調整と言いましょうか、そのレベル感を合わせることもありましょうし。もちろん経済を回していくにはどうすればいいかということもあります。今様々な観点で、総理のもとで協議をしてきたものを、総理がご出張中に6月ぐらいを目途にというお話に結実したと理解しております。
 ですから、そこに間に合うように、様々な調整はしたいと思いますが、具体的な中身について、報道で様々あることは私も承知しておりますが、何かこれだと今のところで決まったことがあるわけではないので、当然ですが、国は徐々に開く方向に進めるという意味での調整を今しているところだとご理解いただければと思います。
(問)新型コロナ対策について伺います。ゴールデンウィークが明けて、全国的に感染の再拡大が伝えられておりますが、現状についての受け止めと、連休前の対策分科会では、連休後の感染拡大に備えた四つの考え方が示されましたが、そうした提案を今後どのように取り入れていくお考えなのか、教えてください。
(答)現状どうかということについては、もちろん毎日新規陽性者数がデータとして上がってきます。一方で、病床使用率もそれに合わせて上がってくるわけです。ですから今までと同じように、様々上がってくる数字を丁寧に見ていかなくてはいけないという状況にあると、そこは変わっていないと思っております。
 その中で、当然ですが、人が多く移動して、人に多く出会う。そういう機会が多ければ、これは確率論で、当然それによって感染者数も増える。これは科学だと思います。
 ですから、当然ゴールデンウィークで多くの方が移動されて、多くのイベントに参加されて、多く活動されたということですから、それに従って、新規の感染者数が一時的に増えるということは、当然我々は予想もしております。それに対して、その四つのという話がございましたが、極力新規感染者数を増やさないで済むように、みんなで、一人一人やれることを努力してやりましょうということを、ゴールデンウィーク前に語り掛けたわけです。
 それがまさにこれから、今週ぐらいでだんだん、ゴールデンウィークを皆さんどのようにお過ごしいただいたかという結果が出てまいりますから、それを注意深く見ながら、その先をどうすればいいかということを考えなければいけないと思っております。
 ですから、今のところこういうものをやるということが決まったものがあるわけではないですが、やはり今週来週ぐらいは、しっかり続けて注視をしていかなくてはいけないというステージにあると思っています。
(問)続けて伺います。先日設置を発表された、コロナの有識者会議についてですが、政府としては検証を踏まえて、抜本的強化策を6月までにまとめるというお話でしたが、その有識者会議は、検証だけでなく、強化策の具体的な議論についても話し合って提言をしてもらうものなのか。その辺りの有識者会議と政府の役割分担についてお聞かせください。
(答)これは他の有識者会議と同じですが、有識者会議は言ってみれば知恵を与えてもらうものとして有識者会議があって、そして最終的にそれに基づいて、どういう方向で我々の国を前に進めるのかということは、政府の責任でやるべきものです。
 ですから、このコロナに対する有識者会議に関しても、様々な論点を整理した上で、どのような課題があるかということをきちんと出していただいて、そしていろんなサジェスチョンも当然入ってくると思います。そこまでやっていただくのが有識者会議だと思っております。
 そしてそれに基づいて、政府として意思決定をするということになりますから、意思決定は当然政府の方でやるべきものだと思っております。
 明日、有識者会議を開こうと思っておりますので、これから6月に向けて、そう間もないものですから、精力的にご議論を進めていただこうと思っております。

(以上)