山際内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和4年4月22日

(令和4年4月22日(金) 9:11~9:25  於:中央合同庁舎8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 本日、「総合的なTPP等関連政策大綱」のフォローアップを決定し、ウェブサイトに公表いたしました。
 2015年に策定された同大綱は、我が国の経済成長の推進の手段としてTPP11等の経済連携協定の活用を進めるため、必要な政策目標を明らかにし、その実現のための政策を示したものです。
 今回のフォローアップでは、同大綱の政策に関する定量的な成果目標の達成状況等について各施策の目標実現への貢献の観点から点検を行ったところです。大綱に掲げた施策目標のより一層効果的、効率的な実現に向けて引き続き取り組んでまいります。
 なお、詳細についてはTPP等政府対策本部にお尋ねください。以上です。

2.質疑応答

(問)新型コロナ対応についてお伺いいたします。これまでの対応の客観的な評価や司令塔機能の強化など、中長期的な観点から必要な対策を取りまとめるために政府が有識者会議の設置を検討していると報道がありますが、事実関係はいかがでしょうか。
(答)まだ正式に皆さま方にご報告できる状況にはないものですから、それ以上の答えはちょっと期待しないでいただきたいですがこれまでもずっと、検証を行うために様々なことをやってまいりました。それを、当然これから最終的に議論していかなくてはいけないものですから、その議論をする主体は必要になってくるとは思っています。
(問)同じくコロナに関連してお伺いします。マスク着用についてですが、欧米ではマスク着用の義務が撤廃されて、今、マスクをしていない生活に戻った国というのもあります。一方、日本では多くの人が義務ではありませんがマスクを着けている状況です。これから、こういった場面ではマスクは必要ないなどの呼び掛けを国民にする考えはおありでしょうか。
 また、顔の見えないコミュニケーションが続いていることに不安を覚えるという声もありますが、これについて大臣の考えをお聞かせください。
(答)現段階においては、政府としては一貫して、今、通常の生活に戻るための移行期間であるという話をさせていただいています。特にこれからゴールデンウイーク、大型連休に入りますので、そのゴールデンウイークを皆さんに通常のゴールデンウイークとしてお過ごしいただくためにも、感染拡大防止策は続けてしていただきたいと。これはもう政府としての一貫した思いです。ですから、マスクの着用や手洗いや換気や3密を避ける、そういう基本的なこと、これは現段階においては続けていただきたいと思っております。
 将来的に、このコロナウイルス感染症がどのような形で、どういう状況を終結した状況と呼べるかは、今の段階で言える状況にはないです。だから、将来的にそれが、このマスクを着けた生活を続ける必要があるかどうかは当然、議論していかなくてはいけないと思っております。また、科学的な知見も相当積み重なっていますが、さらに、マスクを着けている時、着けていない時、あるいは着けていたとしても換気がある時、ない時、どういう距離で人と会うか等々に関して、やはり科学的なエビデンスを積み重ねていった上で、我々はそれに基づいてリスクがこれぐらいあるからこういう生活にしましょうということをご提案していくしかないと思っています。だから、それをまだ一律的に国民に対してお示しをできる状況にはないと思っております。
(問)コロナの対策分科会について伺います。前回の分科会で尾身会長が、行動制限の今後の在り方について、専門家としての提言をできるだけ早く出したいという趣旨のことをおっしゃっていたのですが、その後の分科会の開催スケジュールなど、今後の予定はどのようになっているのでしょうか。
(答)今後感染が拡大した時にどう対応していくかということについての議論は引き続きやらなくてはいけないという、先般のコロナ分科会でもそういう結論になっていますから、当然、引き続きやらせていただきますので、前回の議論からさらに次回の議論までに何を整理して、どういう論点を深めて議論するかということを準備するのに少し時間が掛かりますので、それを今やっている状況だとご理解いただければと思います。
 それを踏まえた上で、しばらくやらないということではなくて、その議論を継続して結論を出していただくところまでやっていただかなくてはいけないので、どういうスケジュール感というか、それはなかなか今、こうですということは申し上げられませんが、準備が整い次第、コロナ分科会をきちんと継続して開いて議論を続けていただきたいと思っています。
(問)新型コロナウイルスのまん延防止等重点措置が解除されて、今日で1カ月となります。若い世代を中心に新規感染者が高止まりの状態で、ワクチンの接種率も若い人ほど低くなっています。この状況をどうご覧になっていて、どういう対策をしようと思われていますでしょうか。
(答)まず、若い世代の方々の第3回目のワクチン接種が、まだ高齢者の方に比べて低いというのは、若い方々がワクチン接種を自らの意思でしないということではなくて、6カ月経たないと3回目のワクチン接種が打てないという制限がありますので、そもそも若い方々は高齢者の方々に比べて遅れてワクチン接種をしているということが、そういう数値が低い主な理由だと私たちは認識しています。ですから、これから順番が回ってきた方々は打っていただける方も増えてくるでしょうし、それを期待もしたいと思っております。
 一方で、現状、1カ月経ってどういう状況になるかは、日々、数字を我々も見ながら、あるいはその数字に基づいて現地でどのようなことが起きているかを各自治体とコミュニケーションを取りながら確認しております。一つには、やはり高齢者の皆さま方の3回目のワクチン接種が進んでいるということが相当効果を出しているのではないかと。専門家の皆さま方もそうおっしゃっていますし、それが数値に表れていると思っております。
 しかし、政府としては、先ほどのご質問に対してもお答えしたように、これから大型連休、ゴールデンウイークを迎えますので、まだ移行期間として最大限の警戒は続けて、そのゴールデンウイークを乗り切っていかなくてはいけないと思っておりますので、今のところ管理できる範囲の中に、きちんと感染拡大が起きないようにできているという我々の認識ですが、それを続けていかなくてはいけないと思っています。
(問)4月末までにまとめられる総合緊急対策について、昨日、自民党と公明党が原油価格の高騰に対して、少なくとも9月までの事業費を含む補正予算を編成することで一致し、総理に申し入れをしました。原油価格は高騰が続く一方、4月についてはガソリン価格などが若干ながら値下がりをしていますが、政府として激変緩和の意味合いをどのように考えておられるか改めてお伺いするのと、今後、どのようになるまで措置を続けるのか、現時点での考えをお伺いします。
(答)政府に限らず、我々として一番対応に苦慮するところは、これから先、ウクライナ情勢がどうなるかを正確に予見することはできないということです。これは、事の性質上致し方のないことだと思います。もちろん、国際社会揃って一日も早く問題が解決できるように努力を続けるのは当然のことですが、しかし、そのような努力を続けたとて、やはりこの状況がいつ改善をするかを見通せる方は、どなたもいらっしゃらないわけです。
 その状況が続くことを前提に、政府としては国民の生活ができる限り傷まないで済むような方策を、万全の方策を取らなくてはいけない。こういうコンセプトで緊急対策を打てと、このように総理から指示が下りてきたものと考えております。
 ですから、最終的に予算という形で資金を用意したとしても、対策として資金を用意したとしても、それが使われなければ、それはもちろん国庫返納するということになりますので、使われない方が本来はいいわけです。そういうための対策になっておりますから、それは万全の対策を打っていくという形で進めたいと思っています。
 一方で、その出口がどこにあるかは、繰り返しになりますが、ウクライナの情勢がどうなって、エネルギーの価格がそれに従ってどうなっていくかは見通せないものですから、それが正常の経済を行っていくのに許容の範囲に収まってくれば、対策をする必要は当然なくなってくるわけです。それがどの日にやってくるかということが見通せない中で、我々としては準備をしておく必要があると。そんなことで、まだ出口の話をするのは、さすがに早いと思います。
(問)本日、3月のCPIが発表されました。生鮮食品を除く指数でプラス0.8%、生鮮食品、エネルギーを除くとマイナス0.7%という数字です。来週にも総合緊急対策、物価対策をまとめるに当たりまして、大臣としてこの数字についてどう受け止められていらっしゃるでしょうか。お聞かせください。
(答)数字は数字として、我々はそれをありのままに受け止めなくてはいけないと思っています。一方で、コロナがどういう状況にあるかということ、そしてウクライナをはじめとする国際情勢からのエネルギー高騰、その他物価高騰がこれからどうなるかということ、こういう様々なファクトがあります。これから先、課題、問題となり得るファクターが見えていますから、それに対して政府は適切に対応しなくてはいけない、そんな思いをもって緊急対策を取りまとめていくわけです。これまでどうなっているかということは今回、このCPI等々も含めて確認をさせてもらって、その評価はその評価で、いろいろな観点からいろんな専門家の方が評価してくださるものと思いますが、それを我々としては受け止めた上で緊急対策を打つと。その必要性は当然あるものだと思っています。ありがとうございました。

(以上)