山際内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和4年3月1日

(令和4年3月1日(火) 9:21~9:36  於:中央合同庁舎8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

(冒頭発言なし)

2.質疑応答

(問)まず、私の方から2問お聞きします。ウクライナ侵攻絡みで、まずロシアの主要金融機関をSWIFTから排除する措置に欧米諸国が踏み切りました。金融面での最終手段である、核オプションとも言われてきた強い制裁がこれから課されるわけですが、世界経済や日本経済へもたらす影響、また今後の見通しについて、マクロ経済の担当大臣としてのお考えをお聞かせください。
(答)一言で申し上げると、先が見通せたらこんな楽なことはないです。ですから、先が見通せない中で、どういう状況になっても柔軟に対応できるように、我々としては進んでいかなければいけないという思いを持って注視しております。
 当然、このウクライナの問題が世界経済に大きな影響を与え得る問題であると我々は認識を持っておりますので、その範囲を超えないことしか申し上げられないですが、予断を持たずに柔軟に対応できるようにしていかなくてはいけないと、そして注視をし続けたいと思います。
(問)もう1問はコロナ関連でお聞きします。3月6日で期限を迎える、まん延防止等重点措置が適用されている31都道府県のうち、東京や大阪など10都府県について3月21日まで期間を延長するという報道が出ていますが、現在の政府の検討状況をお聞かせください。
(答)まだ31のうち全部の自治体が意思を、このような形でというものを示しているわけではありませんので、コミュニケーションを密に取っている状況にございます。
 ファクトとしては、佐賀県から3月6日で終了したいという要請がございました。そして一方で大阪府からは、延長をしたいというようなご要請がございました。他の自治体からは事実としてまだ政府に対して要請が行われているわけではありませんが、いつも申し上げていますとおり、医療の逼迫状況がどうなるかというような見通しも含めて、我々としては一県一県丁寧に、まとめてではなくて、一県一県みんな状況が違いますから、丁寧にコミュニケーションを取って、その中で今週中に判断しなくてはいけないことだと思いますから、しかるべきタイミングでやらせていただきたいと思います。
(問)今、大臣が佐賀県と大阪からは意思の表明があったというご紹介がございましたが、これは解除するか延長するかに関しても、基本的にはその都道府県の意向というものを重視されるという方針は変わりないという理解でよろしいでしょうか。
(答)はい。もちろん、コミュニケーションをずっと取っていますから、いきなり佐賀県が全くコミュニケーションを取っていなかった状況から、いきなり私たちはこうしたいですというようなことを言ってくるというわけではないです。
 今、感染状況がどういう状況になっているかということをお互いに共有しながら、これからはどのような形で感染の状況が推移するであろうか、あるいは医療に対する負荷がどんな形で推移するであろうかということをお互いにコンセンサスを得る中で、最終的に県からのご要請という形で出てきているということです。ですから、それはご理解いただければと思います。
 なので、各県のご要請、各県の意思を尊重するかという話になれば、各県の意思というものは、実は政府と調整した上での意思だということになりますので、当然尊重するということになりますが、それを各県が、てんでばらばらにやっているというわけではなくて、きちんとコミュニケーションを取った上でそのような形になっているということをご理解いただければと思います。
(問)ウクライナの経済の関係について戻りますが、トヨタ自動車がサイバー攻撃を受けて、ロシアかどうかが分かりませんが、国内の工場が止まるということになっています。金融面だけではなくて、生産活動だとか、輸出も影響を受けて、様々なルートでロシアの動きが影響してくると思いますが、日本経済の実態経済、金融以外のところで与える影響についてどう見ているかを教えてください。
(答)可能性としては、非常に大きな影響を与え得る可能性は当然持っていると、私自身はきちんと認識しております。なので、予断を持たずに柔軟に対応できるように、準備をするというか、体制を構えて注視をし続けるしかないと思っています。
 個別の、トヨタ自動車関連のサイバーに関して、まだきちんとした分析が終わっているわけでもありませんので、私の方から個別の案件に関してコメントするのは少し早いと思いますが、やはりサイバーの問題も含めて、経済安全保障がいかに重要なものであるかということを、もう一度私たちとしては強く認識をしていかなくてはいけないという思いを持っております。
 岸田内閣の、政策を行っていかなくてはいけないと思っている政策の柱に、経済安全保障というものを入れたというのが、何を意味しているのかということを、我々としてはもう一度国民全体で再認識をすることが必要だと思っております。
 特に今は、いってみれば平時ではなくて有事になっているわけです。ですから、その有事であればこそ、余計にその認識を持ちやすい環境だと思いますから、この時に私たちとしては強く認識をみんなで持つ必要があると思います。
(問)関連してですが、エネルギー政策についてお伺いいたします。昨日、大阪市の松井一郎市長が足元のエネルギー価格の高騰に対応するために、短期的に原発を再稼働すべきではないかということを述べました。
 今後、エネルギー価格の高騰は日本経済の足かせにもなってくるかと思いますが、所管外ではありますが大臣の考えについて教えていただければと思います。
(答)中長期的にというのは2050年に向けてという話になりますが、カーボンニュートラルを実現していくためには、あらゆる可能性、あらゆるオプションを使っていかなくてはいけないというのは、これは政府のコンセンサスです。その中に原子力発電というものが含まれているというのもご案内のとおりです。
 しかし一方で、何でも無条件に使っていいというものではないと思います。やはり私たちは3.11という、非常に悲惨な自然災害を経験していますから、安全性というものをしっかり確保すると、それを前提に原子力を扱っていくということを、政府の方針としてずっと、これは不変のものとしてこれまでも打ち立てていますから、当然その範囲の中で物事は進めなくてはいけないと思っておりまして、ですから使えるものは、安全性を確保したものは使うという方針の下に進むしかないと思っております。
 ただ一方で、カーボンニュートラルに向けての動きというものは加速させなくてはいけないというモメンタムが生まれつつあるというのは事実だと思いまして、そのことについても政府内でも議論を進めているところです。
(問)すみません、コロナに戻って伺います。大臣は先ほど一県一県丁寧に見ていくとおっしゃいましたが、地域の一体性について伺います。地域の一体性、首都圏1都3県についてですが、それは解除なり、延長なりというのは一体と考えて、足並みを揃えて判断した方がいいと大臣はお考えでしょうか。
(答)経済圏として行動制限をかけなくてはいけないということもあり、まん延防止等重点措置を適用する際には、行動制限が、経済圏が一体のところでばらばらにやっても効果がないであろうということから1都3県は1都3県で、一体としてみなさなくてはいけないということを、私はこの場でも申し上げましたが、解除する時は逆です。
 ですから、これは解除できるところはどんどん解除していただくということが必要だと思っております。実際に例えば沖縄県辺りは県内の話ですが、県全体でまん延防止等重点措置というものを申請してきて、それを私たちとしてはご承認申し上げてやっておりましたが、感染の拡大状況等を見て、一部、宮古島ですとか、多良間島だとか、一部を先行して解除させるということを知事さんの判断でしていただきました。
 これは、まさに感染状況を見ながら、医療に対する負荷がどの程度かということを、その現場、現場で見ていただいて、解除できるところは経済との両立ということを考えながら解除していただくという方針でやっていただいたことです。
 ですから、解除する側に関してはそのように、できるところからどんどんやっていただくというのが基本的な戦術だと思いますので、基本的には揃えてもらう必要はないということだと思います。
 これは別に1都3県に限らず、中京圏でも近畿圏でも同じだと思います。
(問)先週金曜日に開かれた対策分科会で、ワクチン検査パッケージに代わる新しい制度の案というのが示されましたが、この「ワクチンor検査」という新しいものに対しての大臣の受け止めと、あと、具体的にその場では決まらなくて、今後分科会を重ねて検討するということでしたが、今後の開催スケジュールなどを、分かっていることがあれば教えてください。
(答)ワクチンあるいは検査をどのようにこれから使って経済を開いていくかということについて、ぼちぼち議論をしなくてはいけないところに来ているというコンセンサスの下に、どんなことが考えられるかということを整理したものを事務局から議論のたたき台としてコロナ分科会にお示しをして、そこで、各専門家の先生方からご意見をきちんといただいたというのが前回のコロナ分科会の中身です。
 細かいことに関してはそちらの方を追っていただければと思いますが、少なくとも、原案としてこのような制度でやりましょうということを我々としてお示ししたわけではなくて、どういう要素があるかということを整理して、それをたたき台としてお示ししたということですので、そこは誤解のないようにご理解いただければと思います。
 その上で、これも以前から私からずっと申し上げていることですが、ゼロコロナというのはあり得ないという認識です、私たちは。ですから、ウィズコロナで、どう社会経済活動というものを活性化していくかということを、いずれ、そう遠くない将来に私たちはそのオペレーションに切り替えていくことが必要になってきます。
 まん延防止等重点措置が解除されるというところがどんどん多くなってくれば、当然コロナウイルス感染症そのものはなくなっていないが、普通の生活をみんなで送ると、あるいは経済を成長軌道に乗せ込んでいくということをしなくてはいけないわけです。
 その際に、これから、ワクチンというものはどう使えるか、検査というものをどう使っていけるかということをきちんと議論をしていて、それを有効にどう利活用するかということをオプションとしてお示しをするということが必要だと思っております。
 ですから、そういう文脈でコロナ分科会でも議論していただいて、当然、前回はこんな要素があるのではないかということで、たたき台をお示ししただけですから、それに対して各専門家の先生方がご意見をご披歴いただいて、それらを踏まえてコンセンサスが得られるようなものはこういうものではないかという整理がつけば、それを全体の制度として、使えるものは使っていただく、制度にまで落とし込めないものとしても、知恵と工夫で使えるものは使っていただくという、そういうものになっていくと思います。
 そのためにはもう少し議論をする必要があると思いますから、コロナ分科会を、もう1回なのか、2回なのか分かりませんが開いて、そこで皆さま方にそのコンセンサスに向かって議論を煮詰めていただくということになるのではないかと思っています。

(以上)