山際内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和4年2月10日

(令和4年2月10日(木) 19:15~19:35  於:中央合同庁舎8号館1階S101・S103会見室)

1.発言要旨

 先ほどの政府対策本部において、まん延防止等重点措置の期限が2月13日(日)までとなっている群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、岐阜県、愛知県、三重県、香川県、長崎県、熊本県および宮崎県の1都12県について、重点措置の期間を延長するとともに、高知県について重点措置を適用することを決定しました。いずれについても期限は、3月6日(日)までとします。
 また、オミクロン株の感染拡大に対応するため、臨時の医療施設・入院待機施設の整備など、医療機関等の対応を強化することに加え、先週2月4日のコロナ分科会の提言を踏まえ、現行の対策に加え、学校等や保育所、高齢者施設等において、オミクロン株の特徴を踏まえた効果的な感染対策に取り組むこととしており、これらに関する基本的対処方針の変更についても併せて決定しました。
 政府としては、国民の命を守ることを第一に、強化してきた医療提供体制をしっかり機能させていくとともに、社会経済活動をできる限り止めないことに重点を置いて、対策を進めることが必要と考えています。
 引き続き強い緊張感を持って状況把握に努めるとともに、自治体や専門家の皆さまと連携し、機動的に対応してまいります。
 もう一つございます。先ほど「第3回未来を拓くパートナーシップ構築推進会議」をオンラインで開催し、パートナーシップ構築宣言・価格交渉促進月間のフォローアップ、大企業と中小企業の共存共栄に向けた取組の2つの議題について、まとめて意見交換を行いました。
記者の方々にはオンラインで傍聴いただきましたが、出席者の主な発言としては、萩生田経済産業大臣より価格転嫁の実態の報告に続き、下請振興法に基づく助言、注意喚起の実施、「知財Gメン」の新設、約束手形の利用廃止など、取引適正化に向けた今後の取組について表明がありました。
 経団連からは、加盟企業への周知徹底に取り組む旨の発言があり、日商からは宣言企業の優良事例の紹介などがありました。また、連合からは労働組合の立場からも、各企業に働き掛けていきたい旨の発言がございました。
 関係省庁の大臣および副大臣からは、宣言の働き掛けなどの取組のご紹介があったほか、本日ご欠席の磯﨑官房副長官からは資料提出があり、関係省庁会議の取組についてご紹介がありました。
 本会議の締めくくりとして、私から関係閣僚や産業界、労働界の代表の皆さまに対し、宣言の拡大と実行の働き掛けを要請するなどの発言をいたしました。
 政府としては、今後ともパートナーシップ構築宣言の拡大や実効性の向上などを通じて、サプライチェーン全体の付加価値を増大させ、付加価値を大企業と中小企業で適切に分配する環境の整備に取り組んでまいります。
 これにより今後の賃上げ、ひいては我が国全体の「成長と分配の好循環」の実現につなげてまいりたいと存じます。以上です。

2.質疑応答

(問)13都県のまん延防止等重点措置が3週間延長ということで、措置の期間がかなり長期化するわけですが、どのような状況になれば解除できるのか。特にこの点は3都県の知事からも、解除の考え方について示すように大臣に要望があったと思いますが、その点について大臣のお考えをお願いします。また、出口に向かっていけるのかということについては、オミクロン株亜種であるBA.2の状況というのが、ちょっと気掛かりなところだと思いますが、このBA.2への置き換えが進むと、感染の高止まりとか、もしくはまた感染のペースが再加速するという、そういうリスクもあると思いますが、その点についてもどうリスクを見ているか、大臣のお考えをお願いします。
(答)BA.2のことも実はこれからの判断に影響しますので、それも併せてお答えしたいと思いますが、まん延防止等重点措置を解除するに当たって、我々がしっかり見ておかなくてはいけないのは、原則であります医療の逼迫度合いがどうなるかということ。
 ですからこれは感染の拡大の状況がどうかということが、医療に対してどれだけ負荷を掛けるかということには、直接影響してまいります。そしてBA.2のような新しい変異株が、もしドミナントになった場合に、感染拡大が収まらない可能性というのも当然あります。
 ですから、そういうことを総合的に判断しながら、確実に新規感染者数、新規陽性者数が減り、そのことをもって医療の逼迫に至らないであろうということが、ある程度のコンセンサスとして判断ができるようになった時に、まん延防止等重点措置というのは外すことになると思います。
 ですから、この基準そのものは、今は定性的なことしかお話ししませんでしたが、定性的に見ていくしかないと思います。ですから、各県それぞれに置かれている状況が違いますから、丁寧にコミュニケーションを続ける中で、各県の状況がどうなっているかということで、判断していくことになると思います。
(問)今回の判断とは別に、来週には北海道や大阪、沖縄など21道府県の重点措置の判断を、またしなければいけないタイミングになると思いますが、いつ頃までに判断するお考えなのかということと、先ほどの質問とも重なるかと思いますが、結構21道府県の中で感染状況も、新規感染者数はかなり落ちてきている一方、病床使用率は高い地域もあったりすると思います。どういったところを重視して判断するのかお聞かせください。
(答)判断する時期は、今週のことを考えていただければよろしいかと思います。2月13日に期限を迎えるものに対して、今週判断をしたわけです。ですから2月20日に期限を迎えるものに関しては、やはり来週しかるべきところで、判断をしていかなくてはいけないということになると思います。
 そして各県の状況はそれぞれに違いますので、各県揃えてどこもかしこも、21道府県を全て一緒に判断をするということではありません。各県それぞれに一つ一つの県の状況というものを踏まえた上で、どうするかということを、一つ一つ判断するということになると思います。
(問)すみません。もう1問伺います。オミクロンの出口戦略の関係ですが、今日の分科会の終了後に尾身会長が対策分科会の方で出口戦略について話し合うべきだ、という意見が出たという話をされていましたが、それについて大臣のお考え、今後のご予定などを教えてください。
(答)私も議論に参加しておりましたので、そのことは承知しております。コロナ対策分科会も開くべしと、そういう話が出ておりましたから、当然やることになると思います。
 そこで全てのことが決められるわけではないと思いますが、やはりこのオミクロン株というものに対して、知見が揃いつつあることを踏まえて、それに対してより細かくどう対応していくかということについて、医学的な証拠と社会に対する影響等々を踏まえて、コロナ対策分科会で議論されるものだと思います。ですので、そこで出口戦略等々についても、議論されることになると思います。
(問)検査データと感染の実態の乖離の可能性について伺いたいですが。昨日、厚生労働省の専門家の会合の後に、脇田座長が会見で、検査状況や保健所業務が逼迫する中で、報告されているデータと実態に乖離がある可能性があると指摘をなさいました。こうした実態と乖離している可能性について、大臣はどのようにお考えなのかお聞かせください。
(答)実際に大阪辺りで相当、事後的に感染者、新規陽性者数、9,000人を超える方が乗せられるというようなことがありました。これはその時にも申し上げましたが、なにも各地方自治体がさぼっているわけではないわけです。やはり現場は本当に必死になってやっているものですから、どうしても集計が追い付かないということが起きていると思います。
 ですから、そういう意味では大阪に限らず、全国でそれぞれに現場でいろいろな、忙しい中で様々やっているわけですから、リアルタイムでデータというものが揃うことが100%できないというのは、我々としては承知をしております。
 一方でこれも47都道府県それぞれの状況というものが、確からしい情報として毎日毎日積み重なってまいります。それを全体として見れば、全体としての傾向というのは当然、我々としては見られるわけですし、その全体としての傾向というものを見ながら、我々としては様々なことを考えなくてはいけないというのも事実なので、そういう意味では、一つ一つが完全に正しいデータであるかどうかということは別にして、全体として物事を考える時には、そういうことも踏まえた上で総合的に判断はできるものと考えています。
(問)先ほど大臣がお答えになった各県揃えて21道府県を一緒に判断することはないというお答えに関連してですが、実際に21の自治体の中には、先週今週比の値で1を切ってくる日も出ているようなところもありますが、実際に解除というところの来週の見通しというのは、大臣はどのように見ていらっしゃいますでしょうか。
(答)今のところ、まだ確定的なことを申し上げる状況にはないと思いますが、先頭バッターは、最初にまん延防止等重点措置になった3県ということになると思います。
 そこは注意深く見ておかなくてはいけないと思いますので、それらの3県とは、それら以外ともきちんとコミュニケーションは取っておりますが、より出口をどうするかということについては、密に判断をするためのコミュニケーションを取らなくてはいけないと思っております。実際に取っております。
 その辺りを見ながら来週、それも判断することになると思いますが、今の段階では、まだ確定したことが申し上げられる状況にはないと思います。
(問)自分は無症状だけれども、数日前に陽性になったという人から連絡があったら、やっぱり検査キットがないと非常に困ります。去年の8月、10月ぐらいですか、西村さんのところでやると言ったけれども、やっぱりこれの差が僕は一番大きいと思いますが、3月6日ぐらいに解除される時には、抗原キットがどこででも買えるようになっている、それぐらいの見通しはあるんでしょうか。それを伺いたいです。
(答)これは需要と供給の関係なので、どれほど需要がその辺りにあるかということで、だいぶ変わるとは思います。供給の側は1日に80万回分確保するということに向けて、今努力をしている最中ですから、足元は1日に約70万回分確保するところまで来ましたので、まずは我々としては、供給サイドからいって目標にしている80万回というものを、1日も早く達成できるようにするしかないと思います。
 これも走りながら考えて、走りながら手を打つしかないので、それでもなお需要の方が伸びるということであれば、次の一手、さらに次の一手ということも、どんどん考えてやっていかなければいけないことになりますので、それはもちろん考えながら進んでおりますが、ひと月近く先の、3週間先のことを、残念ながら今の段階で見通せる程の余裕はないということを、ご容赦いただければと思います。
(問)先ほどの尾身さんの出口戦略の話ですが、出口戦略のイメージとしては、まん防をどのように解除していくかということなのか、イメージがもしあれば教えてください。
(答)イメージというのは、まん延防止等重点措置からどうやってそれをなくしていくかというのも当然、出口戦略の1つだと思いますし、実は昨年の11月に全体像をお示しした中で、レベル分類をお示ししました。
 レベル分類の考え方は、全くのゼロということは理論上あり得ますが、ゼロではなくて、レベルの1の状況というものを維持していこうというのが、私たちの現実的なあり方なのではないかというのが、専門家の先生方からご示唆いただいたことで、それに基づいてそういうレベルの1というものを作ったわけです。
 レベル1というのは何ですかと言われると、極めて低い感染者数、新規感染者数が極めて低いレベルで維持できていて、そして私たちの社会経済活動というものを、何の制限もなくできるような状況を維持すること、これがレベル1の考え方です。
 今はレベル2、あるいはレベル3の入り口に入っているという自治体もあるわけですから、当然そのレベル2からレベル1にどう移していくかというところが、私は出口戦略として一番議論しておかなくてはいけないことだと思っておりまして、まん延防止等重点措置から卒業するということは、その1段階にはなると思いますが、卒業したからといって、レベル2からレベル1になるということではないと思います。
 ですからそのレベル1に移す、正常状態に移すというところをもって、出口と私たちは考えています。
(問)外国人の入国について伺いたいと思います。3月までになるので、また結構、外国人の方が入れなくなるということになると思いますが、私の知り合いも何人か足止めを食らっているところがあります。この辺で感染は確かに拡大するかもしれないが、より経済が回るかもしれないというバランスと、経済が回らなくなるというか、停滞するというか、その辺のバランスというのを、大臣はどのように考えられているのか。
(答)政権として総理から明確にお示しをさせていただいているように、水際対策をこれまでやってきて、現段階においては、2月末まで水際対策の骨格は維持するということが、総理から明確にお示しいただいている話です。
 それに加えて総理からさらに、オミクロン株の性状というものが分かってきたことを踏まえて、適切な対応を検討してまいりたいと、このようなご発言がありましたから、その適切な対応というものがどういうものかということを、今議論しているところだとご理解いただければと思います。ありがとうございました。

(以上)