山際内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和4年1月11日

(令和4年1月11日(火) 10:39~11:00  於:中央合同庁舎8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 今日は2点ございます。1点目は、飲食店向けの規模別協力金についてご報告いたします。
 まん延防止等重点措置地域における飲食店に対する協力金の支給水準については、従来、認証店に対する要請が、21時までですが、非認証店に対する要請、20時までよりも時間制限が緩和されていることを踏まえ、異なる支給水準としてまいりました。沖縄県おいては、認証店でも休業や非認証店と同等の時短を行う動きがありまして、一部に認証を返上する動きも生じているものと承知しております。
 このため、今般、都道府県知事の要請に基づきまして、認証店が非認証店と同水準の要請、すなわち20時までの時間短縮と酒の提供を停止する、この要請に応じることとした場合には、非認証店に対する支給水準と同額、すなわち3万円から10万円を支給できることといたしました。本対応につきましては、1月9日に遡って適用することを予定してございます。
 もう一点は、オミクロン株の感染拡大が急速に進んでいますが、専門家からは、感染力が高い一方、感染者の多くは軽症、無症状であり、重症化率は低い可能性が高いことなどの分析が報告されております。これを踏まえまして、皆さまには、過度に恐れることなく、基本的感染対策を継続して行うなど冷静な対応をお願いしたい。まずこれは政府からのお願いです。
 その上で、社会経済活動の継続を図るための取組が必要になってまいります。特に事業者の方々においては、業務継続を図っていただく必要があり、その際の有効な手段がテレワークとなります。こうしたことを踏まえまして、経済界におかれては、業務継続計画、いわゆるBCPの観点からテレワークの取組を積極的に推進していただきたいと考えております。
 政府といたしましても、各種施策により経済界の取組を支援するとともに、先進的な取組の公表や横展開等の取組を進め、私自らも経済界にお願いする機会を作りたいと考えております。
 以上です。

2.質疑応答

(問)オミクロン株で、東京、大阪、こういった大都市圏の方でも前週比でかなり感染が広がってきているという状況になっておりますが、そうした自治体とのまん延防止等重点措置などの調整状況があるのか、また、大臣はそういった対策についてどういったお考えを持っていらっしゃるのか、この点をお願いします。
(答)繰り返しになりますが、冷静な対応をしていこうと思っておりまして、今、東京と大阪の話がありました。東京は、東京都が自分のところで作っている分類の基準に照らしても、レベルがまだ1の状況にあると認識しておりますし、大阪は2になっておりますが、沖縄のようなオミクロン株の感染拡大が起きているという状況にはないということですから、そこは我々としては、何度も申し上げておりますが、医療体制が逼迫するかどうかということを非常に大きな基準として各都道府県には考えていただいた上で、それでまん延防止等重点措置が必要な状況になるかどうかということを、コミュニケーションを取りながら見ていくということになると思います。
 なので、冒頭の発言の中で申し上げましたように、オミクロン株は感染力が強い一方、重症化する率が低いという専門家からの議論というものも出てきております。そうなりますと、沖縄県も山口県も広島県も、それをはじめとして他の県でもそうですが、第一にオミクロン株に感染していたとしても自宅療養というものを選択していただいて、その上で様子を見るということができるようになってきております。これをすればいわゆる医療体制が逼迫するというところにいかないわけです。
 ですから、医療体制が逼迫しないということであれば、行動制限という必要はありませんし、したがって経済活動というものもしっかり続けていくことができるということになりますので、特に大阪や首都圏のような大都市は経済に対する影響というものも大きいですから、しっかりそこはコミュニケーションを取りながら見ていくということかなと。現段階で何か考えなくてはいけない状況にはないと思っております。
(問)過度に恐れるなというのは、確かにそのメッセージだと思うのですが、その一方で、やはりコロナ死とは別にコロナに関連して、社会的に自殺をしたり困窮したり、コロナ関連死という概念、そろそろそういう社会全体のことも考えないといけない。これは原発のとき原発関連死というのがありましたが、大臣は総合調整の立場でコロナ関連死というようなものについてどのような認識を持たれておるのか、それを伺いたいです。
(答)大変重たく、かつ大きい質問を頂いたと思います。私は、だからこそコロナ対策担当大臣というものを岸田政権では残したのだと思っています。すなわち、感染症対策一辺倒ではなくて、感染症と共存しながらいかに経済活動を続けていくかということが、これから日本のみならず世界中全人類のテーマになるわけです。それを私たちは、まず世界に先駆けてこの日本で実現していくということをやらなくてはいけないという強い思いがあるからこそ、この私のポジション、コロナ対策担当大臣というものを岸田政権でも残したのだと認識しております。
 ですからこの直前に申し上げたように、やはり経済活動をどう継続していくかということがこれから勝負になりますから、もちろん国としてはこれまでもサポートのメニュー等々を揃えていますが、実際に経済を動かしていくのは民間の皆さんなので、協力しながらきめ細かくそれを対応していくことが必要になってくると思います。
 ご案内のように、残念ながら自死、自殺の数そのものも増えているというのはもちろん承知しております。その原因がどこにあるかということを全部突き止めることは不可能かもしれませんが、これまでを見てみても、経済が下向きになっている時にはどうしても自死の数が増えるというのはファクトとしてありますから、我々としては経済活動というものがしっかりと行われて、1日も早く経済を成長軌道に戻すと、これが与えられた使命と思って活動しております。
(問)冒頭でおっしゃった認証店の協力金の件ですが、これは、20時でお酒の提供をしませんという非認証店と同じ条件を守るのであれば、非認証店と同じ協力金を支払う。認証店には21時までの時短で酒を提供する場合は2.5万円から7.5万円という、この条件も残すのでしょうか。
(答)残します。認証店の2.5万円から7.5万円と非認証店の3万円から10万円という枠組みそのものは、そのまま残します。
 一方で、実情は、人流が非常に抑制されることによって、そもそも21時までお店を開けていてもなかなかお客さんそのものが来てくださらない状況にやはりなると。そうなると、もう20時まででお店を閉めてしまった方がいいという判断をされるお店があると。なおかつ、それだけではなくて、せっかく認証を取ったにも関わらず、認証をもうやめてしまって非認証にするから5,000円余計に支給してもらいたいという声が沖縄では相当数あるということを踏まえた上で、条件を同じにするならば、認証店であっても非認証店を同じだけの協力金が支給されるという枠組みを付け加えたということでございます。
 ですから、これは認証店の皆さんからすれば、もちろん最初は人流が抑制されるかもしれませんが、少しずつ人流が戻りそうだという時に、ならば、自分のお店の状況からして、21時までお店を開けてお酒を提供した方が売り上げは多くなると実感されるお店は、認証店であればそれができるようになりますから、認証店からすると、ある意味ツールが1つ増えたと思っていただければいいと思います。
(問)今の質問に関連して、協力金の件について、9日に遡って適用ということなのですが、決定としては一応今日ということでいいのでしょうか。自治体への通知などはいつですか。
(答)今日発表しましたから、これから自治体の方には事務的に通知をさせていただこうと思っておりますが、日々コミュニケーションはずっと取っていますので、この後すぐに通知しようと思います。
(問)今の質問と関連しますが、政府として認証店をより積極的に広めていこうとするならば、非認証店の3万円から10万円という水準を下げるという考えというのはなかったのでしょうか。
(答)事実としてお話し申し上げると、アッパーリミットが3万円と2.5万円に設定されている制度です。最初からそうです。ですから、あとは、地方自治体の長、要するに県知事さんの判断で3万円支給することにするのか2万5,000円にするのか、はたまた1万円にするのかということは実は決められる制度になっています。
 しかし、私も政治家の一人ですから、選挙で選ばれる知事さんという立場からいたしますと、アッパーリミットが3万円なのに、しかも他の県が3万円ずつ出しているのに何でうちの県は2万円しかださないのかと、もし仮に支給水準を下げると、そういうある意味クレームが、知事さんからすると有権者であられる、その地域の飲食店方々から上がるわけです。やはりこれは政治家としてはなかなか持たないという制度です。
 ですから、現行の制度でも認証店は2万5,000円に抑えられていますから、非認証店はそれよりも低くて当然ではないかというオペレーションをしようと知事さんが考えればできますが、実際にはなかなかそれはやりづらいということがありまして。これは、ご案内のようにものすごく長い、様々な利害調整を経た上でこの制度になっていますから、それを踏まえた上で、やはり現状起きた問題に対して速やかに対応していく必要があると。そういうことで今回のことにしてもらったわけで、理論上はおっしゃったとおりだと思います。
(問)もう一点、テレワークの推進ということで伺いますが、かつて出勤者7割削減のような目標値があったと思います。改めてそういった目標値の設定の置き方は考えられているのかということと、民間企業だけではなくて霞が関に対するテレワークについてもどのようにお考えか教えてください。
(答)これはものすごくいいご質問を頂いたと思いますが、まずは「隗より始めよ」ですから、我々内閣府においても、特にオミクロンの場合は相当立ち上がりが早いと分かっていますので、ばたばたと感染者数が増える可能性があります。しかも、そうなった時に、まさに事業継続ができるかどうかというのは相当大変なことになってしまうものですから、そういう意味でも、普段からそうなった時にどういう体制をとっておけば事業を継続できるかという視点でもう一回業務を洗い直すことが必要だということを我々としても考えていますし、まずそれをやります。
 ですから、これまでは感染拡大を防止する視点からテレワークをしてくださいと、しかも、それは敵が分からなかったものですから、ですから7割という非常に高い数値目標まで示して頑張ってやったわけですが、今回はそういうことがコンセプトではありません。むしろ、事業が継続できなくなると会社の業そのものができなくなるわけですから、会社にとってもダメージですし、社会にとってもダメージですから、自らを守るために、BCPのためにどういう工夫ができるかと。それぞれ会社、それぞれ企業も組織も置かれている状況が違いますから、自分たちでは何ができるかということを自ら考えて、そのベストなやり方というものでテレワークをやってみてくださいというのが今回のコンセプトになります。
 ですから、当然、経済界の皆さんにも、今申し上げたようなコンセプトなので、無理な数値目標なんてことは全然考えていませんが、本当にこれ、一気にクラスターのような話になると、会社を学級閉鎖ならぬ会社閉鎖みたいなことをやらざるを得ない状況になりかねないから、そこは注意して、どうすればそれが防げるかということを実際にやってくださいというお願いをしようと思っています。
(問)先ほど質問したのと同じテーマの認証店の協力金の件ですが。もちろん不公平感の声が出てきたから対応されたのだろなと思ってはいるのですが、改めて、どうして今回こうした対応をされるのかという、狙いだったり、背景をもう一度教えていただいてよろしいでしょうか。
(答)背景は、先ほど申し上げたように、沖縄県において、実際に飲食店を営んでいらっしゃる皆さま方から、非認証店が3万円支給されるということであれば、我々も認証を取り消してもらって、返上して非認証店に戻って3万円支給していただいた方がいいという判断をされて、実際に認証を取り消してくれという要請が沖縄県に対して相当数来たというのが背景です。
 我々としては、もちろん民間の経済活動はそれぞれの創意と工夫によって、極力自由に止めることなくやってもらいたいというのが本音です。しかし、それぞれの地域によってそれぞれ事情が違うのもよく分かっておりますので、沖縄はそういう事情だと。それは現場から上がってきたわけですから、それに対して速やかに対応するにはどうすればいいだろうかということを考えた上で、条件を同じにするならば、こういう方法があるのではないかというので今回のようなやり方を付け加えたというのが、ソリューションとして一つ出したということです。
(問)タクシーの運転手さんは大体60代が平均だと思います。そういう人たちのお話を伺っていると、飲んで若い人たちが複数乗ってくるのが怖いと、大きな声でしゃべったり、マスクを外したりしている人が怖いという話を、私も年齢が近いので聞くのですが。やはり何かそういうところを今、本当に若い人たちがもう少し考えていただけたらと思っている老人が多いと思います、政府としてはその辺をどうお考えになっていますか。
(答)これも冒頭申し上げたように、だからこそ基本的な感染対策を徹底してくださいと、政府としても申し上げましたし、私は冒頭の発言でこれを申し上げました。
 これはもう基本の基なので、みんなで習慣としてやってもらいたいということを国民運動としてやり続けるしかないと思います。だけど、そうはいったって、100人が100人みんなやってくださるかというと、そういうわけではない。ですから重層的に様々な対策というものは打っていかなくてはいけないと思っています。
 なので、タクシーを例に取れば、こういうパーティションを含め、空気が入れ替わるような工夫というものもタクシードライバーの皆さんは自らの身を守るためにやってくださっていると思います。そういうことに加えて、ドライバーの方がワクチンをきちんと2回打つ、ブースター接種の前倒しができるようになったらすぐにそれを打つというようなことも当然、やっていただくものと認識しています。さらには、飲み薬を用意する、あるいはパルスオキシメータも含めた医療体制というものをきちんと充実させていく。そうやって重層的に様々なことをやるしかないと思います。
 ですから、もちろん私の立場としても、若いといったってそう若くもありませんから、それはさらに若い方々には、できれば公共の場にいる時にはしっかりマスクを着けていただきたいですということは言い続けるしかないと思っていますが、社会的な情勢というのでしょうか、最初は怖いという思いがあったものが、だんだん恐怖心がなくなっていくというのは、ある意味それは人間として自然という気もするものですから、我々としては、オミクロン株というものがどういう性状を持っているかということを、科学的なデータを1日も早く集めて、それに対して適正に対応できるような手立てというものを、国民に対して広く正しい情報を出していくということしかないと思っています。
 ありがとうございました。

(以上)