山際内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年12月28日

(令和3年12月28日(火) 11:06~11:22  於:中央合同庁舎8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

(冒頭発言なし)

2.質疑応答

(問)今年を振り返られて、まだ2カ月ぐらいではありますが、どのようなご感想をお持ちかということと、それから、残された課題などがあればお考えをお聞かせください。
(答)本当に、10月4日ですから約3カ月もあっという間に経ってしまったと思っていますが、正直申し上げて、本当に必死に走り抜けてきたという感じです。コロナの対策と、そしてまた緊急提言を受けて経済対策も作って、補正予算を通してという一連の流れでしたので、目の前にあるやらなくてはいけない大切なことを必死にやり続けてきた3カ月だったという感じがします。
 もちろん来年に対して持ち越したことはたくさんありますが、一番大きなものは、やはり新しい資本主義というものを広く国民が理解できるというのでしょうか、コンセンサスを得て、一緒にそれじゃあやってみようという雰囲気が作れるようなものを来年、きちんと提示していかなくてはいけないと思っていまして、その議論を今、必死になってやっております。なので、それが来年の最も大きなテーマになると担当大臣としては思っております。もちろん、オンゴーイングでやらなくてはいけないことは、このコロナ対策です。オミクロンに関しては、本当に何とかしてなるべく抑え込むように頑張りたいと思っています。その2つがメインになるのではないかと思っております。
(問)もう一点ですが、先ほど予算の話がありましたが、当初予算が過去最大と。補正予算を入れると相当な額になって、結構な赤字の財政負担となります。PBも含めて、今のような財政状況についてどんなお考えをお持ちかというのをお尋ねしたいと思います。
(答)もちろんPBに関しては、まだ予断を持って申し上げる状況にはないと思いますが、これも実は、鋭意作業は部局でやらせています。
 これはもう完全に個人的な印象ですが、コロナ感染症が、デルタ株が夏に相当猛威を振るって、それで日本の経済は傷付きました。しかし、この秋以降、相当持ち直してきているという感覚は持っております。さらに、マクロの数字を我々は見ておりますので、マクロの数字で見る限りは、もちろんへこんでいるところはありますが、K字回復と言われるように、全体マクロにすると、それほど経済状況がへこんでいるわけではないという感覚を持っています。
 ただし、これは精緻な計算をした上でお示ししなければいけないことなので、予断を持って申し上げられないというのはそういうことですが、感覚的にはそういう感覚を持っておりますから、そういうものを持ち合わせて、来年になってからPB等々に関しての議論をしっかり詰めたいと思っております。
 また、財政のバランスをどうするかということに関しては、これは岸田総理が日頃からいつも申し上げているように、成長あっての分配だという話、あるいは経済成長があって初めて財政のことを語れるということもおっしゃっているように、我々としてはその順番は絶対間違えてはいけないと思っております。ですから、まずは景気を、経済を成長軌道に乗せ込むということに全力を傾けてやりたいと思っております。そうすると、中長期的に財政のバランスをどう取っていくかということがリアリティーのある議論としてやれるようになりますので、それも来年の大きな課題だと思いますが、そういう順番で、間違えないでしっかりやりたいと思っています。
(問)ワクチン・検査パッケージについてお伺いいたします。大臣は先日のテレビ出演で、ワクチン接種証明を再検討しなくてはいけないとおっしゃったと思いますが、具体的にどういうことを検討しなくてはいけないのか、これについて教えてください。
(答)ワクチン・検査パッケージ制度そのものは、きちんと制度として作ったものですから、これは利活用していかなくてはいけないと思っていますが、ご案内のように相手は感染症ですから、相手が時々刻々姿を変えるわけです。ですから、我々としても、当然柔軟にその相手に対して、要するにウイルスに対して何が効果的かということを日々、検証・分析しながら、十分安全であることを確保できるような方策をとっていかなくてはいけないということだと思います。
 実際にオミクロン株が出てまいりまして、このオミクロン株に関しても、まだ全て分かっているわけではないですが、少しずつ性状が分かりつつあります。そうしますと、ブースター接種が非常に有効であるということは、各国のデータを見るともう分かるような状況になっておりますから、当然ワクチンのブースター接種というものをこれから、各大臣、総理をはじめおっしゃっているように、できるだけ前倒しできるところは工夫しながらやるという話になっていますから、これを政府全体として進めたいと思っております。
 そうなった時に、ワクチン接種証明というものが、2回接種したものと3回接種したものでは、やはりクオリティーが変わってくるのではないかという議論はあるのだろうと思います。その時にどのような扱いをするかということに関しては、今のままでいくのか、それとも違う工夫が必要になってくるのか、やはりこれは議論した方がいいと思います。その上で、より安全な状況で経済活動をしていただくということが、我々としてはワクチン・検査パッケージを使う目的ですから、それに合致するように改めるべきは改めると。
 ただ、今のところその必要があるとはまだ思っていないので、この3回目のブースター接種をしながら、走りながら変えるべきところは変えるということだろうと思っています。変えなくていい可能性も十分あると思います。
(問)接種証明の有効期限は当面決まっていないと思いますが、これをどのように決めていくのかというのと、あと、いつ頃再検討にかからなくてはいけないのか、ここら辺はどのように考えていらっしゃいますでしょうか。
(答)再検討に関して日々、専門家の間でずっと議論していただいていることなので、日々検証、検討していると思っていただいて結構です。ある程度の知見が集まった段階で、これはということになれば改めて会議を起こすということもあるかもしれませんが、日々やっていると思ってください。
 ですから、有効期限に関しても同じ議論でして、3回目のブースター接種がもう始まっているわけです。来年になれば、よりブースター接種をブーストしてやるようにもなると思います、スピードを上げて。ですから、その中でどのようにしていくかということは日々見ながら、感染の状況等々も確認しながらやっていくことになるので、有効期限というのもスコープに入っていないわけではありません。専門家の間できちんと議論されているものだと思っています。
(問)行動制限について伺います。大臣は面的に広がったことを条件とおっしゃっていましたが、具体的にはどのような状況を現在想定されていますか。例えばレベル2に達しなくても行動制限というのはあり得るのかということと。あと、面的に広がるというと、新規感染者数を重視しているようにも聞こえますが、そこの点はいかがでしょうか。
(答)面的って少々抽象的な言い方ですが、我々がやらなくてはいけないことは、何度も申し上げていますが、感染拡大のスピードをなるべく緩やかにして、そして感染拡大の山をなるべく低くする、これが我々の目標です。それの目的は何かと言われれば、医療の提供体制が逼迫しないようにするということが最大の目的です。このレベル分類に変えたのもそういうコンセプトでして、まさに医療提供体制が逼迫しないように、あるいは逆に、裏を返すと医療提供体制にどれだけ負荷がかかっているかということに基づいてレベルというものを見ていこうという話ですから、当然、医療の逼迫体制と感染症の立ち上がりの速さ、拡大の広がりの大きさというのは完全にリンクする話だと思うので、レベル2に入るか入らないかということと、それから行動制限というのは、多分、パラレルになると思います。同時になると思います。なので、それはレベル2に入ってすぐに行動制限をするかどうかを相談するというのが、順番が前後するというようなことはあまり考えたくもないですが、だけど、ほぼ同時ということは最悪の事態としては考え得ることだと思っております。その最悪の自体としては我々も考えておりますが、そうならないようにオペレーションしていくということが大事なのではないかと思います。
(問)先ほどのやり取りの中でおっしゃった、ワクチンの接種証明が2回目と3回目でクオリティーが違うだろうということで、このことも議論した方がいいのではないかとおっしゃった。どういった議論を大臣の中でイメージされているのか、もう少し詳しく伺ってもよろしいでしょうか。
(答)議論といって、いろんなレベルの議論があると思います。今のワクチンの効果に関しての議論というのは、我々政治が議論しても、これは実のある議論にはならないというのはご理解いただけると思います。ですから、やはりこれは専門家による、専門的な知見を持った方々によって、その効果の度合いがどういうことかというのを、先ほど申し上げたように日々コミュニケーションを取っていただいているという理解です。
 ですから、その中で、何か今の制度を少し工夫した方がいいのではないかということが出てくれば、今度は我々の場で、まさに専門家を交えて議論するということも必要になるかもしれませんねということを言ったわけであって、今、私たちがこの場で議論しなくてはいけない状況にあるとは思っていないということを先ほど、お答えしたとおりです。
 何度も申し上げますが、私たちは未知の敵と闘っているわけですから、最悪の事態というものを想定して、ものすごい勢いで感染症が拡大するということがあり得ると。そうなった場合にワクチン・検査パッケージをどのように利活用していくかということに関しては、やはりこれは考えておかなくてはいけないことです。ですから、そういう意味で議論が必要になる可能性があるという話を申し上げたわけです。
 なので、今の段階は専門家の、まさに医学的な知見を持っていらっしゃる方々の中でコミュニケーションを取っていただいていると思っていただければと思います。
(問)オミクロン株に関するシンガポール政府の対応についてお伺いいたします。シンガポール政府は、オミクロン株の重症化のリスクは低いとして感染者の自宅療養を認めるなど、行動制限というか規制緩和をしています。今後、オミクロン株の感染流行の波は来るとしても、ピークは抑えられるという指摘もしています。まだまだ未知の感染症ということで油断はできないとは思いますが、こうしたシンガポール政府の対応についての大臣の見解についてお伺いいたします。
(答)シンガポールに限りませんが、不幸なことに先行してオミクロン株が市中感染の拡大を続けている国というのがあるわけです。そういう国々でのデータというのは大変参考になるものだと考えております。ですから、シンガポールの政府がどのようなファクトに基づいて、どのような政策を行おうとしているかということは、我々としてはしっかり勉強させてもらって。だけど、それがそっくりそのまま我が国に当てはまるというようなことではないと思うので、我が国の条件というものを加味した上で、これからどうオペレーションしていくかということを議論していく一つの材料にはさせてもらおうと思っております。
 繰り返しになりますが、年末年始も含めて、この間申し上げたように、私たち国民一人一人ができること、そしてサービスを提供する側がやらなくてはいけないこと、できること、そして政府全体としてやらなくてはいけないこと、やはりそれぞれの立場でやるべきことをしっかりやっていくということが、この感染症を拡大させない最大の道だと思っております。油断することなく、しかもシンガポールからの話というのは悪い話ではないと思いますので、冷静にそれを材料にして議論させてもらえればと思っています。
 ありがとうございました。よいお年をになるといいですね。

(以上)