山際内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年12月24日

(令和3年12月24日(金) 10:50~11:14  於:中央合同庁舎8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 昨日、尾身会長から、オミクロン株のいわゆる市中感染に該当する事例が確認されたことを踏まえまして、年末年始の感染拡大防止のメッセージが発表されましたが、クリスマス、年末年始を安全安心にお過ごしいただき、感染の再拡大を招かないように改めて私から国民の皆さまに呼び掛け、お願いをさせていただきたいと存じます。
 このフリップを見ていただくと、それに沿ってご説明申し上げますが。まず、オミクロン株ですが、まだ残念なことにオミクロン株がどういう性質のものかということが完全に分かっている状況ではないものですから、我々は最悪の事態を想定した上で慎重に物事を進めなければいけないと思っております。その上、大阪、京都で市中感染が確認されておりますので、これからオミクロン株は、残念ですが広がる可能性が十分あると思っております。
 そこで、感染を拡大させないために、何といっても我々国民一人一人ができることは、基本的な感染対策を怠らないということでございます。ここに書かれていますように、マスクの着用、そして手洗いと、さらには3密を回避すると、混雑しているところを回避する、この徹底をみんなでやらなくてはいけないと思っておりますので、是非心掛けていただければと思います。命を守るために、同時にオミクロン株の感染拡大防止のためにも、少しでも具合の悪い方は外出を控えていただいて、医療機関で受診、検査を強くお勧めいたします。
 忘年会、新年会のシーズンですから、これを開いていいのかというご質問をよく受けます。もちろん、これを禁止するものではありませんから忘年会、新年会をやっていただければと思いますが、もし開催される場合には、今申し上げました基本的な感染対策を是非怠らないようにやっていただきたいと思います。
 その上で、重なりますが、まず忘年会、新年会を開催するお店を選ぶ時に、しっかり感染症対策ができている第三者認証店を是非選んでいただきたいと思います。第三者認証店であるということは、大概のお店が、もう自分が認証されていればそれをアピールしていると思いますので、それを確認していただくということが一つ。また、できれば少人数で、また、マスク会食と言われるように、あまり大声を出さずに、長時間を避ける、深酒は避けるというようなことを是非お願いさせていただければと思います。
 そして、食べる時は当然マスクを外さなくてはいけないわけですが、会話を楽しむ時には是非ともマスクを着用した上で、飛沫が飛ばないようにおしゃべりをしていただくことを心掛けていただければと思います。その上で忘年会、新年会等々は開催していただければと思っております。
次のページですが、そしてまた、これは年末年始になりますので、どうしても帰省、あるいは長期の休みになりますから旅行等々にもお出掛けになられると思います。これも政府として禁止するものではありません。しかし、是非行動は慎重にしていただければと思います。
 繰り返しになりますが、我々一人一人ができる感染症対策というものをしっかりやっていただくということを大前提にさせていただいた上で、先ほど申し上げましたが、オミクロン株がどういう性質のものかというのはまだ分かっていないので、どこにご自身が帰省されるのか、どこに旅行に行かれるのかということをしっかり見ていただいて、感染が拡大している地域に行くということであれば、それはご自身の体を守っていただくということからも、慎重にご判断いただいた方がいいと思いますし、そうでない場合にも、先ほど言ったように3密を避ける等々のことをやっていただいた上で、なるべく検査を受けていただいて、自分が陰性であるということを自信を持って、自分で確認しながら行動をしていただくということが、本当に大事だと思っておりまして。特にワクチン未接種の方、そして12歳未満の子どもたち、それから今申し上げましたワクチン接種者でもワクチン未接種の方と会う可能性もございますので、その際にはなるべく検査をお勧めいたします。その上で帰省、旅行に行っていただくという形になります。
 さらに、来年に入ってからの話ですが、これも初詣、成人式等々、人がたくさん集まるところに当然行く機会が年始はございますので、その際もできるだけ、これはもうできるだけとしか言いようがないですが、混雑を避けて、マスクの着用、手洗いなどの徹底もお願いいたします。
 政府といたしましては、行動を何か制限するということを現段階で考えているわけではありません。しかし、繰り返しになりますが、オミクロン株がどういうものかということがまだ分かっていない以上、慎重な行動をみんなで取らなくてはいけないと思っておりますし、基本的な感染症対策というのは是非とも徹底していただけるように心からお願い申し上げます。
 まず、オミクロン株に関してはそのような話なのですが、最後にも一点だけ申し上げておかなくてはいけないことは、現段階において行動制限は考えておりません。しかし、当然これは時々刻々状況は変わりますので、昨日の尾身先生の話では感染が一部認められる部分になってきたというお話でしたが、これが面的に広がってきているというようなことがあれば、当然政府としては対応していかなくてはいけないことになりますので、そうなった場合には、国民の皆さま方に理解をしっかり得られるように説明責任を果たしながら、行動制限の強化を含めて機動的に対応していく必要があると思いますので、是非、皆さん慎重に、自らの身を守っていただくために年末年始をお過ごしいただければと思っております。これがコロナ対策の話でございます。
 もう一点。全く話題は変わりますが、就職氷河期の話をさせていただきます。政府といたしましては、就職氷河期世代の方々の就労や社会参加の支援に取り組んでまいりました。本日公表された政府予算案などを反映させる形で「就職氷河期世代支援に関する行動計画」の改訂版を取りまとめました。
 具体的には、令和4年度予算案において就職氷河期世代向けの「特定求職者雇用開発助成金」を増額したこと等を反映いたしました。加えて、今年度補正予算で、就職氷河期世代支援を行う地方自治体を後押しする交付金30億円を計上いたしまして、今年度のキャリアアップ助成金について補正予算で245億円を積み増し、903億円を確保したこと等を反映させたところです。詳細については、後ほど事務方から説明させます。
 また、本日、人事院から今年度の就職氷河期世代向けの国家公務員選考試験の最終合格発表がございました。予定していた167人を上回る203人が最終合格されました。今後、これまでの多様な経験を生かして活躍されることを期待しております。
 岸田内閣では、人への投資を抜本的に強化するために3年間で4,000億円の予算を大胆に投入する施策パッケージを新たに創設し、非正規雇用の方を含め、学び直しや職業訓練を支援し、再就職や正社員化、ステップアップを強力に進めることとしております。今後とも就職氷河期世代を含め、人への投資や多様な人材の活躍への支援に全力で取り組んでまいります。
 私のほうから冒頭、以上です。

2.質疑応答

(問)まずオミクロン株の件で伺います。大臣の方から行動制限についても今、言及があったかと思いますが、昨日の尾身会長の会見でも、オミクロン株の特徴として非常に急速に感染が広がることから、これまで以上に先手で対策を打つ必要があるというような発言もありました。改めて行動制限を今後考えていかなくてはいけない場面もあるかと思いますが、大臣のそれに当たってのお考えをお聞かせください。
(答)これはもう尾身先生のおっしゃっているとおりだと思います。諸外国におけるオミクロン株の感染拡大のスピードというのが、もうデータとして我々も承知しておりますから、それはデルタ株と比べましても相当なスピードで感染拡大が起こるということが分かっております。
 もちろん、ワクチン接種割合とか、あるいは諸外国においてマスク、手洗い、あるいは3密を避けるといったような基本的な感染症対策が我が国ほどは行われていないということも承知しておりますから、拡大スピードというものが諸外国よりは緩くなることを期待しますが、しかし、我々としては最悪の事態を想定しておかなくてはいけないと思っておりまして、先ほど申し上げたように、今はまだ地域で少し出ているという状況ですが、これが面的な広がりを見せるようになってきた時には、速やかに分科会等々も含めて我々は検討しなくてはいけないと思っております。
(問)続けて、今日閣議決定された来年度予算案について伺います。4年連続で100兆円を超える規模となりました。経済再生と財政規律の考え方について改めて大臣のお考えを伺います。
(答)これは総理からも度々御発言いただいていることですが、やはり我々が今やらなくてはいけないことは、コロナで傷ついた経済を1日も早く成長軌道に戻すということだと考えております。そのためには、当然予算を使っていかなくてはいけない。そこで、総理がおっしゃっているように順番は間違えてはいけないと、繰り返し申し上げていることですが、まずは傷んだ経済を成長軌道に戻すために財政出動は躊躇なく行うと、そういう趣旨で16カ月予算という形で来年度の予算案というものも示されたものと承知しております。
 当然、中長期的には財政とのバランスというものを取っていかなくてはいけないわけですから、成長軌道に乗って財政のことをしっかり考えられる状況に1日も早く持っていくということが必要だと思っております。
(問)冒頭のオミクロン関連で2点確認させてください。一点が、行動制限に関して、面的に広がるとなれば政府として対応を考えないといけないとおっしゃいましたが、面的に広がるというのはどういう状況を面的に広がると政府は捉えられるのかというのが一点と。もう一つ、旅行や帰省については慎重にということをおっしゃっていましたが、中でも、感染が広がっているところは慎重に判断してもらいたいともおっしゃいました。これは、つまり、今は大阪、京都、沖縄かと思いますが、そういった感染が広がっているところは、他のところに帰省、旅行に行くよりも、より慎重に考えた方がいいということなのか。この2点を教えてください。
(答)面的にというのは、まさに今おっしゃったように、京都、大阪、まだ沖縄は市中感染ということではないかもしれませんが、その他感染者が出ているところを、これが今まだつながっていない状況にありますが、大阪以外にも、あるいは大阪府内でも大阪市街地だけではなくて、住宅地を含めて出てきているとか、そういうつながり、広がりが出てきた時に面的にということになるのだと思います。
 ですから、これは残念な話ですが、恐らくこれから各県においてオミクロン株の感染者というのは出てくるものと我々は思っておりますので、ですからその広がり方を見ながら、広がっている状況を見て、これは面的な広がりを見せていると判断していくことになるだろうと思っております。
 それから、後者の方に関しては、例えばもう少し細かいことまで、一人一人の行動ですから考え得ると思います。例えば私の場合だと、帰省しますと言った時に、繁華街で感染が広がっているということが分かっていたら、繁華街には行かないようにと自分自身で注意します。しかし、自分の親族が住んでいる家は、その繁華街から同じ県でも離れたところにもし仮にあるのだとすれば、それは自分自身の判断で、感染のリスクは低いだろうということが判断できます。ですから、それを考えるということが大事だということを申し上げるために、慎重に考えてくださいという話をしているわけです。
 ですから、一概にどこの県でオミクロン株の感染者が出ましたといったら、そうしたらその県に行くのはもう危険だと判断するということではなくて、帰省されたり旅行されたりするのは、それぞれお一人お一人皆さん置かれている状況が違いますから、それぞれのご自身の行動というものをチェックするといいますか、感染のリスクという意味から見ていただいて、それでご判断していただきたいということを申し上げた。それが、慎重にという言葉の意味です。
(問)関連してお伺いいたします。オミクロン株の感染者の濃厚接触者の扱いについて伺わせていただきたいと思います。政府は現状、濃厚接触者について、自宅ではなくて原則自治体が確保する宿泊施設での待機ということになっています。オミクロン株は、先ほど大臣がおっしゃったように今後、増えてくるかと思いますが、地方自治体からは、濃厚接触者の範囲や待機期間の見直し、宿泊施設を確保するために見直ししてほしいという声も出始めています。今後、濃厚接触者の扱いですとか、そういったことを見直す考えはございますでしょうか。
(答)現段階で今すぐ見直しますということは申し上げませんが、状況が時々刻々変わるということと、それと、大前提のオミクロン株の広がり方や重症化する割合等々を注意深く見ながら、当然柔軟に、どのような形で隔離といいましょうか、施設にいていただくのか、自宅にいていただくのかということも含めて変えていく必要は必ず出てくると思います。ですから、そこはいつのタイミングで何をやるかということは相手次第といいましょうか、我が国の中におけるオミクロンの性状というものを注意深く見ながら、しかし、遅きに失したということにはならないようにしながら判断していくことになると思います。なので、硬直化したものではなくて、柔軟に日々変わっていくものだとご理解いただければと思います。
(問)行動制限についてですが、前の政権ですと、飲食の対策が軸になるということで、時短や人数制限というように進めていたと思いますが、大臣としても今回、やはり軸になるというのは飲食の場、どういったものを行動制限ということについて考えていらっしゃるのか。
(答)これは慎重な物言いをしなくてはいけないですが、基本的には全体像でお示ししたとおりですから、飲食に対する行動制限とイベント等々、こういうものに対しての行動制限ということになってくるのだと思いますが、それは緊急事態措置、あるいはまん延防止等重点措置等々になった場合にはそういうことになりますが、オミクロン株は感染力が強いと言われておりますので、これから我々、日本の国内でどのように広がっていくかということを注意深く見なくてはいけないと思っています。そこで、前もって決めたことだからその方針に従ってただやりますというようなことは、私たちは考えていないです。目的は感染の拡大を少しでも遅くする、そして感染者数の山を少しでも低くすることによって病床が逼迫しないように環境を整え続けるということが、我々がやらなくてはいけないことだと思っておりますから、その目標に合致することであれば、より強い行動制限を国民の理解を得ながらお願いすることもあるかもしれませんし、より緩いもので済むかもしれないわけです。
 注意深く申し上げなくてはいけないと言ったのは、要は、オミクロン株がどういうものなのかということが、まだ正直言って、日本国内において分からないわけです。その分からない敵と闘うわけなので、柔軟に対応せざるを得ないと、我々としては身構えて注視しております。
(問)オミクロン株の行動制限について伺います。今、ワクチン・検査パッケージというものを危機時に発動するように作ったと思いますが、それは経済の再開とコロナ対策の両立を図ってということだと思うのですが、オミクロン株を受けて、その発動の条件というのを見直す考えというのはあるのでしょうか。あともう一点が、行動制限というと、年末年始、この時期においても広がりがあったら躊躇なく行うという理解でよろしいのでしょうか。
(答)前者の方は、もう昨日発表させていただいたとおりです。本来であれば都道府県知事の要請に従って、レベル2になった場合に無料検査が受けられるようにするというスキームでしたが、今は大阪と京都と沖縄において、知事と相談しながら、まだレベル2になっている状況ではありませんが、無料で検査が受けられるようにしていくということになりました。
 当然、これはほかの都道府県においても同じような状況があれば、我々は日々、首長さんとコミュニケーションを取っていますから、その中で調整させていただいて、無料で検査が受けられるような方向にしたいと思っております。
 それと、行動制限に関して国民にお願いするかどうかという話ですが、これは先ほども申し上げたように、我々としては感染爆発を何としても抑えたい。ですから、感染爆発を抑えるためにどうしても行動制限が必要だという判断であれば、それは躊躇なく皆さんにお願いするということもあり得ます。ですから、そうならないように、先ほど申し上げたように、基本的に我々自身がやれる感染症対策というものをみんなで徹底してやろうと。これをみんなで共有して、みんなでやれば、感染爆発というものを幾何か抑えられるのではないかという希望を持って我々はオペレーションをみんなでやっていきたいと思っておりまして、ですから、あえて表まで作って皆さんに報道していただきながら、国民全体でそれを共有できればと思ってやった次第です。

(以上)