山際内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年12月10日

(令和3年12月10日(金) 9:31~9:44  於:中央合同庁舎8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 私のほうからは、今日は、「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」に位置づけられました、0歳から高校3年生までの子ども1人当たり5万円を先行して給付する「子育て世帯への臨時特別給付」について、事業実施主体である市区町村に12月1日時点の準備状況をお伺いしたところ、予備費で措置する中学生までの分については9割超の市区町村が年内に支給開始予定であるとの回答を頂きました。
 本事業の準備に当たられた市区町村の職員の皆さまのご尽力に深く感謝を申し上げるとともに、先行給付金が子育て支援に活用されることを期待したいと思います。
 以上です。

2.質疑応答

(問)今大臣から10万円給付の予備費分の最初の5万円についてお話がありましたが、クーポンを基本とする残りの5万円について、昨日の官房副長官の会見の中でも、補正予算成立後に速やかに具体的ケースを示したいという話がありました。この基準について、現時点でどのようなものになりそうか見通しをお願いします。
(答)見通しは官房副長官からお話し申し上げたとおり、補正予算の成立後、速やかにお示しすることに向けて準備しているということです。
 ご案内のように、各自治体それぞれに状況というか環境が違いますので、その自治体の皆さま方と非常に密に今、協議をさせていただいているところです。
 その状況もありまして、昨日、総理の方からも、地方自治体のご意見を伺いながら柔軟な制度設計を進めてまいりたいという発言があったわけでございまして。まさに岸田内閣の特徴であります聞く力を利活用して、各地方自治体がやりやすいように柔軟な制度設計をしていく準備を今やっているところだとご理解ください。
(問)今日、税制大綱が決定される予定となっていますが、その中で賃上げの税制というのが骨格出ていると思いますが、岸田政権の成長と分配という中での分配の部分に関わると思いますが、これに対する期待感をまずお尋ねしたい。これは過去にもいろいろやってきた税制だったわけで、その深掘りではあるでしょうけれど、これがどこまで効果を発揮するのかということも含め、お尋ねしたいと思います。よろしくお願いします。
(答)賃上げ税制の深掘りに関しては、当然、それは効果が上がるようにという期待を込めて、その税制改正という形を持っていこうという話ですから、大いにその税制を使っていただいて、できるだけ多くの皆さんの収入、所得が上がる方向に持っていきたいと思っておりますし、そう期待もしております。
 ただ一方で、税制だけで、我々一人一人の所得を上げていくということには限界があるのは当然ですので、様々な施策と併せ、その中の一つとしてこの賃上げ税制というものも利活用していただきながら、分配の部分におけます我々一人一人の所得を増やしていくということだと思っております。
 先般、12月7日火曜日になりますが、総理の方から施策パッケージを策定するようにというご指示がありましたので、どうしてもそういうことも全て含めてパッケージというか、合わせ技でこの賃上げが行われるような環境も整備していきたいと思っています。
(問)10万円の給付の方に戻ってしまいますが、自治体の首長からは、残りの5万円について、クーポンではなくて現金で配りたいという声というか表明が相次いでいますが、そうした自治体の意見について、大臣はどう思われるのかというのと、あくまでもクーポンを基本として設計していくことに変わりないのか、その方針をお聞かせください。
(答)基本はクーポンでというは政府の見解としてお示ししておりますが、丁寧に、そこは各自治体の置かれている状況は違いますので、お話を伺っております。
 当然ですが、年度末にかかる話となりますと、事務が、何もない状況でも年度末というのは忙しい時期だということも理解しておりますし、あと、物理的に年度内に間に合わないというようなお声も頂いております。
 また、逆に、今回のことを、まさに直接的に子育て支援に資するような制度として使いたいからクーポンを使いたいという自治体の皆さんや、あるいは、せっかくの機会なのでデジタル化を進めて、クーポンIDというような形で新しい試みをしたいということを言ってくださっている自治体の皆さんもいらっしゃって様々です。
 なので、総理が申し上げましたように、柔軟な制度設計というのは、何か1つに決めてしまうということではなくて、各自治体の置かれている立場というものをしっかり我々としては汲み上げた上で、その事務負担が極力少なくなりながら効果が最大になるように、そんな柔軟な制度設計をしたいということです。
(問)10万円の給付のうちクーポンに先行する5万円の部分について、大臣からご説明のあった年内に9割超の市町村が可能であるということですが、これは児童手当の仕組みを使ってプッシュ型で行うということで可能になると思いますが、高校生世代、15歳から18歳の部分の支給についてはどういう形で行うのか、現時点での設計ですね。あと、その世代への年内支給が可能なのか、やはりちょっと時期がずれ込んでしまうのか、その見通しを教えてください。
(答)高校生に対する支給については、年内ではないと我々としては認識しております。
 どうしてもこれは児童手当の対象外になりますので、給付要件に該当するかどうかという判断を、口座番号の把握なども含めて申請していただく必要がありますので、少し時間を要するものであると思っております。
 しかしながら、例えば弟、妹がいるような、兄弟がいるような家庭の場合、その場合は児童手当の対象かどうかということはもちろん分かりますし、なおかつ、口座とも紐づけされているものですから、そういう家庭に関しては、少し手続きが早く終わるというようなこともあろうと思います。
 これも柔軟に、しかも可及的速やかにやりたいと思っておりますが、各地方自治体によって置かれている状況は違いますので、それを一律にいつまでにやってくださいというようなことではなくて、しっかりコミュニケーションを取りながら、なるべく早くやれるように環境を整えていきたいと思っています。
(問)高校生世代については、基本的に対象となる世帯から申請を受け付けるという形になるんですか。
(答)その手続きが必要になると思います。
(問)銀行口座の提出を求めると。
(答)はい。
(問)1点目が、ちょっと細かいですが、先ほど9割超と先行する5万円についておっしゃいましたが、こちらについての自治体数というのはお分かりになりますでしょうか。
(答)市区町村ですので、1,700いくばくかあります。それの9割超だとご理解いただければと思います。
(問)もう1点ですが、各自治体の首長さんが、クーポンではなくて現金給付と相次いで表明されていると思います。今後、補正予算成立後に基準を示すということですが、基準に合わない場合は、結局現金給付を取りやめてもらうということになるのでしょうか。
(答)基本的には、コンセプトとして我々がやりたいことは、子育て世帯に対してそれをサポートするということをやりたいわけです。ですから、地方自治体を困らせるということは趣旨ではないわけです。なので、地方自治体がやれるリーズナブルな形でのやり方というものを極力認めて差し上げるような形にしなければ、この政策の趣旨というものがうまく国民に行き渡らないわけです。だから柔軟な制度設計ということを言っているわけです。
 ですから、それぞれ各自治体で状況が違うので、それをできるだけ丁寧に拾い上げられるような形の制度にしたいと思っています。
(問)改めての確認ですが、実際に現金給付をやりたいと言って数々手を挙げているところがある。実際、もらうほうからしても、クーポンよりは現金をもらった方がよっぽど嬉しいし使いやすいというのもあると思いますが、それだけ政府がクーポンにこだわる理由というのは何なのか教えてください。
(答)これも間違えないように少し読み上げますが、子育てに関わる商品やサービスを直接お届けできるという意味で、より直接的、効果的に子どもたちを支援することが可能であると考えているのが一つです。さらには、地域の創意工夫を促して、民間事業者の振興や新たな子育てサービスの創出、消費の下支え等につながることも期待されるということを政府としては考え、この政策を基本的にはクーポンでやろうという方向で進めてきたということでございます。
 この方針そのものに何か変化があるわけではないですが、しかし、そういう思いでやろうとしても、実際に実施していただくのは地方自治体ということになりますから、地方自治体がこの政府のコンセプトのとおりにうまく、来年の年度末にかかる話ですから、準備もできるし、無理のないところでやれるということであればそれでやっていただくということになりますし、そうではないというお声を頂いているとうのは先ほど申し上げたこともありますので、そうではないとおっしゃっている自治体に対しては、それを無理強いするということではないという柔軟な制度設計にしようということで今、相談しているということです。
 ありがとうございました。

(以上)