山際内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年11月12日

(令和3年11月12日(金) 11:40~11:54  於:中央合同庁舎8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 先ほど、新型コロナウイルス感染症対策本部が開催され、次の感染拡大に向けた安心確保のための取り組みの全体像を取りまとめました。
 全体像では、最悪の事態を想定して次の感染拡大への備えを固めるとともに、感染拡大を防止しながら経済社会活動の継続を可能とすることを基本として、感染力が2倍となった場合にも対応できる医療提供体制の強化、希望する全ての方がワクチンの追加接種を受けられる体制の確保、経口薬の年内実用化など十分な治療薬の確保、さらに、誰もが簡易かつ迅速に利用できる検査の環境整備などを通じた日常生活の回復などについて、具体的な方針をお示ししております。
 政府としては、次の感染拡大の中でも国民の皆さまの命と健康をしっかりと守り、安全安心な形で日常の生活を続けることができるよう、全体像を踏まえた万全の対策を講じてまいります。
 以上です。

2.質疑応答

(問)公的価格のことで伺いますが、一部報道で、保育士や介護職員の方に政府として3%程度の賃上げを目指すという報道がされています。経済対策において、そのような引き上げ幅のようなことを盛り込まれるお考えはあるのかということと、あと、3%程度という数字について大臣のお考えを教えてください。よろしくお願いします。
(答)まさに公的価格をどうするかということを議論していただくための有識者の会議が、この間キックオフしたところでございますので、その中でしっかりと議論されていると承知しております。
 その結果がどうなるかということについて今、私が言及するというのは、その議論にも影響を与える可能性がありますから、そこは避けたいと思いますが、総理の方からも、前倒しをして今回の経済対策できちんと予算を取って賃金を上げられるようにしていくという話がございますから、上げ幅も含めて経済対策の中には当然盛り込まないと予算になりませんので、そこはそういうことになるのだろうと思っています。
(問)今日、全体像が決定したと思いますが、報道でも今日出ていると思うのですが、ワクチン・検査パッケージとイベント制限の緩和なども検討されているのかと思いますが、こちらについてはどのような手順で決めていくのか、スケジュールや調整状況について教えてください。
(答)今回、全体像でお示ししたのは、主にと言いましょうか、最も重要なものであるコロナ対策を切れ目なく全体としてお示ししなくてはいけないということで、特に医療提供体制に関しては今回、随分と紙幅を割いたと思います。
 一方で、コロナ感染症を低く抑えた上で経済活動をどうやって活性化させていくかということについては、これは基本的対処方針を近々出しますので、そちらの方に、言ってみればオペレーションも相当重要になってくるものですから、それも含めてお示しするということになります。
 その中に、もちろんワクチン・検査パッケージをどのように活用していくかというようなことについてもお示しするということになりますので、もうちょっとだけ待っていただけると、全体像のさらに全体像というのが見えると思っていただければと思います。
(問)ワクチン・検査パッケージの活用についてですが、今週、尾身さんが会見で、ワクチン・検査パッケージの活用というのは、レベル3の段階になったら停止も考えてほしいと、そのまま継続するのではないというような発言をされました。
 そもそも、ワクチン・検査パッケージというのは、いつ頃から、レベル2から活用し始めるものなのか、今日の報道などを見ると、政府は、レベル3になった時に、緊急事態宣言の中でもある程度経済社会活動を回せるように活用するというようなイメージで、むしろレベル3以降でインセンティブが働くような仕組みかと検討されていると思いますが、専門家の方は、むしろレベル3ぐらいになったらもうやめる。逆にいうと、それより前に活用するものということで、どこから活用し始めるのか、どういう段階でやめるのかということの理解というか、認識がずれているような気がしますが、この辺、大臣はどのように活用していきたいとお考えなのか教えてください。
(答)それも含めて、基本的対処方針の中で実施要項みたいなものも含めて示していかなければいけないと思っていますが、決して専門家の皆さんと認識がずれているということではなくて。
 先ほどもちょっと申し上げましたが、これはオペレーションの問題というものも相当かかってくるんです。ですから、もちろんコンセプトとしては、感染が拡大しているステージにおいても、感染が拡大している状況においても、経済活動を抑制させないで済む手法としてワクチン・検査パッケージを使っていくというコンセプトですから、当然、それを利活用していくということになるんです。
 しかし、どうしても医療のひっ迫度合いというものを見ながら、これ以上我々の経済活動というものを抑制的にしないでずっとやり続けると医療がひっ迫するというような見立てというか予想がつくような状況になって、それでもまだワクチン・検査パッケージを使いながら通常と同じような経済活動をやっていただくということなのかというと、そうではないわけです。それは医療がひっ迫してしまったら困るわけですから。
 ですから、そこの部分を、どの辺りに線を引いていくかということを今、専門家の皆さんも含めて意見交換をしながら、最終的にそれも基本的対処方針の中に盛り込んでいこうということで議論しているところなので、もうちょっとだけ待っていただくと、今の疑問に対して、ある程度そうかなというものが出てくるとご理解ください。
(問)ワクチン・検査パッケージ、皆さん負担は掛かると思います。飲食店にしても、イベント会場にしても。その時のインセンティブですが、緊急事態宣言になって、普通だったらやってはいけないけれど、ワクチン・検査パッケージを活用すればやっていいというのは一つインセンティブだと思うのですが、そういう状況ではない時にどう普及させるか。例えば財政措置が可能なのかどうかとか。いきなり緊急事態宣言になってからみんなが始めても、多分慣れてもいないでしょうし、積極的にすぐ進むかというのは分からないですが、それまでの間、どうやって普及させるのか、これから何カ月間で、その辺、どういうお考えでしょうか。
(答)ごめんなさい、これも誠に申し訳ないですが、基本的対処方針を明らかにする中で、今の話というものも、大体道筋としてはこういうものだということも当然お示ししていかなくてはいけないと思っているものですから、そこも今、鋭意議論しているところです。
 技術実証に関しては、当然、これは国としてやるものですから、そこに関しての費用はこちらの方でということですが、おっしゃるように、これから経済活動を民間主導でどんどん進めていただくという話になれば、積極的にそれはワクチン・検査パッケージを自らのビジネスを円滑にだけではなくて、ある意味、いろんないい意味での同業他社との差別化のために使うというようなことだって考えられるわけです。ですから、それは民のほうの創意工夫というものが当然、そこに入ってくるので、費用分担も含めて一概にこういうやり方でやってくださいというようなものではないと思います。
 ですから、そこを含めて、基本的対処方針の中である程度の方向性は当然、示しますが、そうやってもらわなければいけませんというような、がちっとしたものにはならないと思います。むしろ民間の皆さんの創意工夫が来た時に、それでいいのではないでしょうかということにならないとおかしいので。だから、それも含めて基本的対処方針の中にお示ししますので、もうちょっとだけ待っていただけますか。
(問)全体像と基本的対処方針の棲み分けの考え方について伺いますが、今回は医療の体制や治療薬の話は全体像で結構具体的に示されています。一方で、今話が出た行動制限の緩和については、近く基本的対処方針でというような書き方をされていました。それぞれの棲み分けはどのように考えていらっしゃるのでしょうか。
(答)棲み分けというか、全体像で大部になる何十ページになるようなものをずらっとお示しするというよりは、まずは政府として、この新型コロナウイルス感染症というものに対して万全の備えをするということを皆さんにご理解いただくことが、非常に重要だと思っておりまして、そういう意味で、ある意味そこに力点が置かれたものになっていると考えていただければと思います。
 実際に、予防から始まって検査、あるいは早期の治療、その後の病床確保、さらにはその先に、それこそ緊急事態のような形になった時、感染爆発をした時の対処をどうするかというところまで、まさに一気通貫で全体が示されているものになっていかなければいけないという意味でお示しておりまして、ですから感染症に対する対処方法としては、全体像としてお示ししているものだと思います。
 一方で、それと併せて経済活動をどうするかという話なので、そこに関しては、何度も申し上げますが、かなりオペレーションに拠らなければいけない部分も出てくるものですから、さらに詳細にそれをお示しする必要があると。そうなると、もう一つ言うなれば、経済対策にも絡んでくる話もありますので。なので、それは基本的対処方針の方できちんと皆さんにお示ししたほうが誤解が生じないだろうという判断でこのような形になっているので。全体像の項目を見ていただければ分かるように、全て入っているのは入っていますが、さらに詳細な、ブレイクダウンしたものに関して基本的対処方針でお示しする形にしようと整理しただけです。
(問)経済対策の中で原油高対策が盛り込まれると他の閣僚の方が言っております。どのような対策が必要なのか、あとはその規模をお願いいたします。
(答)それは経済対策の中で詳細は明らかにいたしますが、これまでも総理からもご発言があるように、あるいは原油高等対策のための閣僚会議でもお示していますように、農林水産業であるとか、あるいは漁業であるとか、燃料を使わないと一次産業が立ちゆかないというようなところに対しての支援であるとか、あるいは物流などというのも燃油がなければ進まないので、そこに対する対応であるとか、そういうものが中心になってくると思うのですが。それ以外にも必要なものがあれば、当然、入れていかなくてはいけないと思っております。
 ご案内のように、原油の値段そのものが明日どうなるか、明後日どうなるかということを予断できるような話ではありませんので、政府としては、その点を踏まえて、ある程度柔軟に対応できるように準備していくしかないということだと思います。

(以上)