小林内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年10月26日

(令和3年10月26日(火) 10:51~11:03  於:中央合同庁舎第8号館1階S103記者会見室)

1.発言要旨


 まず、私のほうからご報告申し上げます。今日は科学技術政策担当の大臣として報告させていただきます。
 明後日28日(木)の「総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)有識者議員懇談会」におきまして、「日本学術会議の在り方に関する政策討議」の第5回目を開催いたします。
 まずは梶田会長から、10月上旬に行われました日本学術会議における会員との意見交換の概要などについてご説明をいただくとともに、今年4月22日に日本学術会議において取りまとめた「日本学術会議のより良い役割発揮に向けて」について、取りまとめに至る議論の経緯・背景や問題意識についてご紹介いただき、議論していただくものと承知をしております。
 CSTI有識者議員懇談会の議論や様々なご意見を踏まえまして、学術会議が発揮すべき役割を適切に果たし、国民の皆様に理解される存在であり続けられるよう、在り方についての検討を深めていただくことを期待しています。

2.質疑応答

(問)CSTIの有識者議員で、日本学術会議連携会員でもある小谷元子東北大副学長が、世界の科学者の代表機関でもあるISC(国際学術会議)の次期会長に選ばれました。大臣としての受け止めを教えてください。
(答)日本人の方が、そうしたグローバルな場で活躍できる機会をいただけるということ、そういう場に立つということは、私も一日本人として非常に喜ばしいことだと受け止めています。
(問)総理が経済対策の取りまとめを指示されまして、恐らく選挙後の11月中旬に形になると思うのですが、大臣が所管されている経済安全保障、科学技術、宇宙分野でどういったものが入る可能性があるのか。また、もし規模感みたいなものがあるのであれば、伺えないでしょうか。
(答)その点につきましては、既に様々な報道がなされているものと承知をしていますが、今後まとめていく経済対策の具体的な中身、またその規模につきましては、現時点で何か固まっているというものがあるわけではありません。当然、今、中で様々な検討をしているということは申し上げさせていただきたいと思いますけれども、現時点で何か申し上げることはございません。
(問)先ほどの前の質問にかぶってしまうんですけれども、一部の報道で、経済安保の観点から先端技術開発などのために1,000億円規模の基金をつくるとの報道がありましたけれども、お話しできる範囲で現在の検討状況などをお聞きできればと思うんですけれども。
(答)経済安全保障という分野は、これまでも何度も申し上げているとおり、非常に喫緊の課題というものがたくさんある中で、その中で経済対策について、具体的に中でどうやって盛り込んでいくかというのは、真剣に考えていかなくてはいけないものですし、今検討作業を政府の内部で行っておりますので、明らかにできる段階になったら、そこは皆様にお示ししたいと思います。
(問)冒頭発言された学術会議の関係ですけれども、ずいぶんいろいろ議論されてきて、もうそろそろ取りまとめといいますか、政府としての方針を決められる時期が近づきつつあるとは思うんですけれども、そのスケジュール感について大臣はどのように考えていらっしゃるか、教えていただけますか。
(答)これはこれまでも申し上げているとおり、あらかじめ方向性を決めることなく自由に議論していただいております。その中で現時点では、スケジュール感も含めて、いつまでにどのような形で取りまとめるということは、具体的に決めているということはありません。ただし、今、CSTIの有識者懇談会の場を踏まえまして、様々なご意見が出ているということは承知しておりますので、そうしたご意見をしっかりと踏まえながら、政府としての方針を責任を持って示していきたいと思います。
(問)一昨日の朝のNHKの「日曜討論」で、国民民主党の玉木代表が、インテルがファーウェイ向けに輸出の許可をアメリカの商務省からもらって実施していると。民間も米国ファーストでやっているので、日本も国益優先で対応が必要みたいにおっしゃって、岸田総理も似たようなコメントを出されたんですが、経済安保のご担当大臣として何かご所見をいただければありがたいと思います。
(答)今、具体的な案件には言及いたしませんが、今おっしゃった国益という観点から申し上げれば、当然の話だと思っています。確か私の就任直後の記者会見でも申し上げたと思うんですけれども、他国の動向というのは極めて重要だと思いますし、同志国との連携を強化・拡大・深化させていくというのも重要だと思っています。ただ、その前提になるのは、日本としてどういう戦略を持って経済安全保障について臨んでいくのかということが極めて重要であって、そこには当然国益の視点に立った、大きな基本的な考え方というのを日本としてつくっていかなくてはいけないと私は思っておりますので、今、国益をしっかりと考えていくべきだということは、本当に至極まっとうな点だと思っております。
(問)先日のグループインタビューのときに、半導体に関しては大臣のほうから、シェアが落ち込んだ現状から、日本をまた世界のど真ん中に持っていきたい、シェアを上げていきたいといったニュアンスの意向の発言があったかと思います。一方で各省庁の中では、シェアありきではなくて、国内の需要創出といいますか、そちらに持っていくことで、シェアはプライオリティとしては、シェアありきで考えるわけではないといったような考えの発言があったりもするんですが。改めてその整合性というか、大臣にとってグループインタビューのときに、世界のど真ん中に持っていきたいとおっしゃっていただいた意図を改めて教えていただければと思います。
(答)私が、半導体に限らず、世界のど真ん中に少しでも近づけたいと申し上げているのは、私、今、大臣の立場を離れて申し上げると、自分の選挙戦の中で「世界をリードする国へ」と掲げてやっています。それを今度は政府の立場に戻って申し上げますけれども、経済安全保障、党のほうの議論との流れでも申し上げると、まず脆弱性を解消していくことが一つ。これが自律性の確保ということですけれども、もう一つは戦略的にどこで日本が強みを獲得できるか。もっと突き詰めて言えば、世界が日本がないと成り立たないというか、日本を必要とする、そういう分野というのをどれだけ戦略的に拡大していけるかというのは極めて重要だと思っています。別に私、シェアの話だけを申し上げたわけではなくて、そういう観点から半導体産業においても日本が世界に頼られる存在になれると私は思いますし、そういうところに持っていきたいということで申し上げました。
 ですから、TSMCの足元での動きという、日本への投資の意思を表明してくださったことは歓迎しております。ただ、そこだけを見るのではなくて、今、先端の半導体の製造拠点が必要ですよね。ではTSMC、どうしていくんですかねという、まずそこは目先のこととしてあるんですけど、その先を見る必要は当然あると思っておりまして、例えば一つは次世代のロジック半導体どうするんですかという論点はまずあるし、もう一つは今おっしゃったように、これも確か申し上げたと思うんですが、今、供給面、サプライサイドの話ばかりしていますけど、デマンドサイドの新しいニーズというのをどうやって日本の国内でつくっていくのかというのは極めて重要な話だと思っております。
 なので、今おっしゃっていただいた国内で市場とかニーズをどうやってつくっていくのかというのは、私の問題意識としても当然ありますし、そういうところがないと単視眼的になってしまうので、半導体を含めて他の産業もそうですけど、国家としてどう今後していくかと考えるとき、大きなピクチャを考えていくときには、やはり中長期的な視点で物事を考える必要があると思うし、その視点に立てば、今おっしゃったような論点というのは当然入ってきますので、そこは認識の齟齬というのはないと思っています。

(以上)