野田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年10月15日

(令和3年10月15日(金) 10:49~11:02  於:中央合同庁舎第8号館1階S106記者会見室)

1.発言要旨


 今日は私の方から2件、皆さんにお伝えしたいことがございます。
 初めに、来週の月曜日、10月18日に「こども政策の推進に係る有識者会議」の第2回会合を開催することとなりました。私も出席をする予定であります。
 子供を巡る様々な課題に適切に対応するためには、年齢による切れ目や省庁間の縦割りを排して、常に子供を真ん中に据えた「こどもまんなか」の社会を目指し、子供や子育て世代の視点に立った「こども政策」を総合的かつ包括的に推進する必要があります。
 今回の会議では、「こども政策」に関する各分野の有識者の方々にお集まりいただいて、年末までの取りまとめに向けて、新たな「こども政策」の基本理念や目指す方向性についてしっかり御議論いただく予定です。
 2件目は地方創生テレワークの推進について御報告します。
 まず1点目に、地方創生テレワークの推進に向けた表彰制度の創設及び募集開始についてです。地方創生テレワークの「優れた事例の横展開」を目的とした表彰制度を創設し、本日15日から正式に募集を開始します。皆様方からの積極的なエントリーを期待しています。また、7月に情報提供ウェブサイト及び相談対応窓口を立ち上げて、9月には自己宣言制度を創設したところです。同制度には既に約70の申請がありました。受付を完了した約30の企業等について併せて公表いたします。
 2点目に、地方創生テレワーク交付金について御報告します。令和2年度第3次補正予算にて創設した地方創生テレワーク交付金の第3回募集の結果、14団体の事業の採択を決定しました。第1回、第2回募集も含めて、今年度採択された206の地方公共団体におかれては、サテライトオフィスの施設整備や進出企業の誘致等を着実に進め、地方への新たな人の流れの創出にしっかりと取り組んでいただきたいと考えています。
 詳しいことについては、事務方に尋ねてください。

2.質疑応答

(問)選択的夫婦別姓についてお伺いします。自民党の選挙公約では、原案にあった、「夫婦の氏に関する具体的な制度の在り方についてさらなる検討を進める」との文言が削除されたとされています。総理は就任前には導入に向けた議論に前向きな立場を示すこともあったように思いますが、先日の代表質問では「引き続きしっかりと議論すべき」と、ちょっと慎重な言いぶりが目立っています。導入に前向きな大臣の立場として、その変化をどう見ているのでしょうか。
(答)一自民党国会議員の立場と、党を超えて一国の総理大臣というのでは、おのずと発言が慎重になることはやむを得ないことだと思います。
 私も自民党の公約というのを確認したのですけれども、正確に読んでみると、私もずっと関わっていた一人として特段、ここに書いてあるように、まずは最高裁判所大法廷の判決というのがありまして、それはやはり立法府でしっかりやってくれという示唆がありました。これは書いてありますし、氏を改めることによる不利益、もっぱら女性ですけれども、その国民の声の時代の変化を受け止めると書いてあります。ですから、「氏を変えていきたい」という人たちの時代の変化があるということは自民党も受け止めています。その不利益をさらに解消して活躍を推進するということで、これまで30年近く取り組んできた私からすると、むしろこれまで議論されなかったことが問題であって、こうやって賛否はあるけれども前に進めていくということを評価したいと思います。
 ちなみに、自民党の方で、私が大臣就任になる前に決めていたことは、恐らくあるであろう解散総選挙の後に、落ち着いた中で自民党ではPTを開き、双方の意見を聞いて結論を得る努力をするということが内々にお話をされていましたので、幹事長代行のときにそこまで皆さんと話を詰めていましたので、しっかりと今後とも様々な意見、反対・賛成をいろいろ聞いて進めていかれるであろうと思います。
(問)ありがとうございます。確認ですが、御認識としては特に後退しているということではないのでしょうか。
(答)私の一個人の国会議員としての活動においては、前進したと思います。なぜかといえば、議論の場がなかったから。進める側が空回りだけしていましたから。今回、最高裁判所でそういう示唆がありましたし、さらには党内で、人事は変わるかもしれませんけれども、石原伸晃先生が中心となった議論の場をつくるということが決まっていましたので、それを引き続きやっていただければ見える化できるので、自民党の中では前進だと思います。
(問)先日、岸田総理と「こども食堂」を視察されたことに関連してお伺いしたいです。NPOの方々からお話を聞く中で、困り事や問題になかなか気付けなかったり、共有されていないという事態を受けて、総理が相談支援に当たっている人たちが持っている情報も含めて、いろいろな情報共有をデータ化して検討できないかという前向きな発言をされていました。一方で個人情報の共有にはかなりリスクもあって、消極的な意見も行政側からあるという話も聞いていますけれども、そのあたりをどのように、これからリスクがある中での情報共有を試みようというふうにお考えでしょうか。
(答)まず大切なことは、望まない困難を抱えた人たちに真っ先に手が届く政府や社会であらねばならないということです。望まないのであるわけですから、その人たちにとって、そこに届く情報の共有ということは何にも増して大切な手立てだと思います。そのバランスはしっかり取りながら、強制的に何かこちらから勝手に進めるのではなくて、そういうところの人たちとのコンセンサスづくり、共通認識をつくるということで、総理のおっしゃっていることは極めて正しいと思います。
 「こども食堂」という場をお借りしましたけれども、困難は子供だけでなく、女性だけでなく、男性にも高齢者にも全てに及んでいることですから、今問題なのは「困ったな」と、「この状態を脱したい」というときの情報への距離が遠い。それについて、政府の方で一歩前に進んで、手が届く、分かりやすいようにしていこうということは当然やるべきことだと思います。
(問)総理がおっしゃっていることを踏まえて、情報共有ができるかどうかを議論していくということでよろしいですか。
(答)情報共有もそうですけれども、様々足らないとは言われていますけれども、政府の方でいろいろなサポートをつくるわけですけれども、その情報が届いていない。それをしっかり届くようにする取組、デジタルとかITとか様々言われていますけれども、そういうところから幅広く発信できるようにしていかないと、目に届くようになるような取組が大事だということだと思います。
(問)政治分野の男女共同参画推進法が施行されて初めての衆院選が間もなく公示されます。今のところ、圧倒的に男性の立候補予定者が多くはなっていますけれども、大臣として各政党の候補者擁立の姿勢に期待されるお考えをお願いします。
(答)もう必死で取り組んでいるのですけれども、やはり私の所属している政党というのは現職優先というルールがあって、やはり現職が手を挙げる場合は余程のことがない限りは優先的に次の選挙の候補者になり得るという、そういう政党の考えなのです。ですから、今、圧倒的に男性が現職ですから、そういう形でなかなかそこを押しのけて女性というところまでいかなかったことを自省しています。
 あとは、今ささやかに取り組んでいることは、今日も総理に御相談したのですけれども、やはり候補者の数を増やしていけないかと。例えば、これまでは比例名簿に県連の事務局長とか、そういう方を急遽載せる場合もあったのですけれども、もう既に私たちは女性政治家を目指す人たちの塾がありまして、そういう名簿があるわけです。スタンバイできている人たち、そういう人たちの中から今回はともかく、きっちりエントリーして、候補者としてそういう活動に参加することができないかということを各方面に呼びかけています。私の地元ではそういう趣旨を踏まえて、女性の候補者を立てようということで、今取り組んでいるところです。
(問)今の関連ですけれども、今日、総理におっしゃったというのは、閣議の前後でそういうお話をされたのでしょうか。
(答)前にですね。本当にもうわずかな時間でしたけれども、なかなかお忙しいので、ぎりぎりになってしまったのですが、各方面の方にはお伝えしてきたのですが、全体的には今あるものを先に決めなければいけないという事情もありましたので。ただ、これは今だけの話ではなくて、これからずっと選挙は重ねられていくわけですから、しっかり発言だけはしておこうということで、今日少しだけ時間を頂いて、私の思いは伝えさせていただきました。
(問)それに対しての総理の御反応はいかがでしょうか。
(答)理解されています。ただ、総理はもうそこに専念できませんので。他の方にもすぐメールを送りました。
(問)今のところの関連です。昨日、甘利幹事長が女性の候補者の割合が少ない点について質問があって、それに対して、「応募して下さらない限りは選びようがない」というような御発言をされているのですけれども、どちらが先かという話かもしれないですけれども、候補者を増やす具体的なアイデア等がありましたら、お願いできますでしょうか。
(答)大臣記者会見ですけれども、大臣ではない立場での発言になります。いいですか。
(問)はい。
(答)私はこの大臣の職を頂くまで幹事長代行という仕事をしていて、まさに選挙とか全般にわたる仕事を自民党でしていました。女性でたくさん、出たい人は大勢います。ただ、まだ組織としてシステムができていなくて、さっき申し上げたように、自民党は現職優先というのがまずありますので、その次のときに、公募をするわけですけれども、残念ながら地域支部の選考委員会はほとんど男性なので、地方に行けば行くほど女性が政治を担うという、まだその認識が十分にいっていない場所もたくさんあります。地方議会もそうです。嫌われてでもいいから、そういうところを根気よく言い続けるしかないなと私自身は痛感しています。

(以上)