若宮内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年10月5日

(令和3年10月5日(火) 11:48~12:09  於:中央合同庁舎第4号館2階共用220会議室)

1.発言要旨


 皆さま、こんにちは。若宮健嗣でございます。昨日、岸田総理大臣から国際博覧会担当、共生社会担当、まち・ひと・しごと創生担当、また消費者及び食品安全、クールジャパン戦略並びに知的財産戦略を担当する内閣府の特命担当大臣の拝命をいたしました。
 まず、大阪・関西万博につきましてですが、2025年に開催されます大阪・関西万博、これは東京オリンピック・パラリンピックに続きます世界に向けての日本の魅力を発信する国を挙げた国際イベントだと思っております。コロナ禍を乗り越えた先の新たな時代に向けた国家プロジェクトであり、「いのち輝く未来社会のデザイン」こういったテーマの下、世界中の方々に夢と希望と、そして驚きを与えることができるような、素晴らしい万博を実現するために全力を尽くしてまいりたいと思っております。
 次に、まち・ひと・しごと創生についてです。人口の減少、これはもう皆さま方もご承知のとおりでありますけれども、これに歯止めをかけるとともに、東京圏への人口の過度の集中を是正して、それぞれの地域で住み良い環境を確保していく、そして、将来にわたって活力ある日本社会の維持を続けていこう、こういったことを目指していきたいと思っております。
 消費者及び食品安全政策についてでございますが、コロナ禍での新たな日常の進展、またデジタル化の浸透、こうした中で消費者の取引が複雑化、多様化している現状がございます。消費者の脆弱性が顕在化するなど、消費者を取り巻く環境の変化を受けて、必要となる制度の見直しに果敢に取り組んでまいりたいと、このようにも思っております。また、適正な取引や表示、安全の確保に向けました厳正な法執行等、消費者と事業者との協働、あるいは科学的知見に基づく食品の安全の確保など、しっかりと取り組んでまいります。
 更に、知的財産戦略、クールジャパン戦略についてでございますが、デジタル化とグリーン化を基軸といたしまして、日本の産業競争力の強化をするためにも、この知財の戦略というのは非常に重要だと思っています。内閣府が司令塔となりまして、関係省庁と連絡をして、協力をして、知的財産推進計画の着実な実行を図ってまいりたいと思っております。
 また、新型コロナによって打撃を受けましたエンターテインメントをはじめとするクールジャパンの関連産業、こうした皆さま方の存続、発展を図るとともに、ニューノーマルに対応したデジタル技術の活用など、新たなクールジャパンの戦略も、官民と連携して進めてまいりたいと思います。
 このほか、独占禁止法政策を中心とする競争政策、あるいは障害者施策、交通安全対策、公文書管理、特定秘密の指定等の適正確保、ギャンブル等依存症等の対策の推進にとっても、着実に取組を進めてまいりたいと思っております。
 重要な政策課題に取り組むこととなり、私自身、身の引き締まる思いであります。岸田内閣の一員として、精いっぱい努めさせていただきたいと思っております。記者の皆さま方におかれましても、引き続きよろしくお願い申し上げます。

2.質疑応答

(問)ご就任おめでとうございます。
 まず、大臣にお伺いしたいのは、万博担当大臣と聞かれた時の率直な感想は如何だったでしょうか。
(答)実は、私、大阪万博がありました1970年でしたかね、小学校の3年生だったのですが、その時に、これは昨日官邸でも少しお話ししたのですけれども、私の両親に連れられて大阪万博に行きました。私自身は感動しました。もちろん世界の各国からいろいろなものが、当時はアポロが帰ってきたところで、月の石も展示をされておりまして、皆さま方お若いからまだいらっしゃっていないかと思いますけれども、世界各国の自分の国はこういったことの強みがあるのだ、あるいはこういった展開を将来もっていこうと。日本の国もその時、いろいろな展示をしていました。その時、私が一番日本の展示の中で驚いたのが、今では小さいですけれども、少しアンテナの長い大きな携帯電話でありました。あの時に携帯電話、もちろん民生化しているわけではありませんけれども、新しい技術として登場していました。それが今では1人1台、あるいは2台持っているような時代になってきています。
 そうした、私は小学校3年生で9歳ぐらい、10歳ぐらいですけれども、今からもう50年ぐらい前の出来事が、今では当たり前になっている。たぶんこの次の大阪・関西万博も、ここで登場する技術や新しいあり方というのが、あるいはライフスタイルも全て含めてですけれども、次の時代の新しい産業にもなり、また皆さま方の新しい生活の一部になるのではないかなと、そんな思いを持ちましたものですから、この万博の担当ということを仰せつかった時に、これはしっかり取り組んで、次世代の、私が子どもの時に感動したような感動を、世界中のお子さま、特に日本国内のお子さまたちにも感動していただきたいなと、このように思ったところでございます。
(問)その一方で、万博の招請活動なんですが、たぶん聞かれていると思うんですが、150の目標に対して、現在参加表明が50ちょっと、タイプAについても50の目標があると思うんですけれども、今たぶん現状9カ国と、なかなか厳しい状況にあると思うんですが、現状についての受け止めと今後の活動について、どのようにここから参加国というのを伸ばしていくか、この点について教えてください。
(答)おっしゃるとおり、今現状の参加国につきましては、60カ国弱、50カ国強ぐらいというふうに私も認識いたしているところでもございます。これは目標とするところは150カ国あるいは25国際機関ということでございますので、精いっぱい伸ばしていきたいなと思っております。
 ただ、ご存じのとおり去年からのこの世界中にまん延していますコロナの感染症、またどんどん変異をしていますから、収まっては増え、収まっては増えという、こういった状態で、この10月1日から始まりましたドバイでの博覧会も、1年半ぐらいですかね、かなり遅れた形での開催ということになってきておりますので、私どものこの大阪・関西万博の前のものが、少し遅れて押せ押せ状態になっているというのも、一つ大きな要因かと思いますし、またこのコロナの世界的な情勢というのも、かなり大きな要因だと思っておりますので、今幸い私どもの国は少し収まってまいりました。まだまだ世界中ではなかなか何ともいえないところもございますけれども、こういったところを、また跳ね除けて、何とかまた招致活動にも励んでまいりたいと。
 私自身、皆さま方ご存じだと思いますけれども、少し前に外務省の副大臣をさせていただいておりまして、いろいろな国際会議ですとか、あるいは各国訪問をさせていただきました。そういった人脈等も含めまして、活用していきながら、様々な国の方々に、あるいは様々な国の企業にお出ましをいただいて、盛り上がった万博にしていきたいなと、このように思っています。
(問)ちなみになんですが、ドバイ万博に行かれるご予定というのは、今何か考えられていますでしょうか。
(答)いや、まだ昨日なったばかりなので。実は井上大臣とか坂本大臣からも、今日の午後、いろいろな引き継ぎを受けますので、まだ私自身がすぐに何をということではないんですが、できればやはり参考に拝見をしておきたいなと。だから、非常に日本館ですか、あちらの現地でも評判が良くて行列ができているというふうにも伺ってございますので、その辺りはしっかり自分の目で見ておきたいなという気持ちではございます。まだ具体的なスケジュール等は何も決まっていません。
(問)消費者及び食品安全担当大臣としてお伺いしたいんですけれども、ご自身のこれまでのどんな経歴がこの担当の職務に活かせるというふうにお考えでしょうか。
(答)たぶんいろいろなプロフィールを皆さま方、もうご存じだと思うのですが、私は学校を出ましてから、今はもう無くなってしまったのですけれども、セゾングループに勤めておりました。当時は「生活総合産業」というふうな形で標榜していまして、消費者という名前、もちろんこれは今消費者担当なのですが、私自身、堤の秘書をいたしておりましたのですが、消費者ではなくて、当時創業者であり経営者である本人は、生活者という言い方の方が当たっているのではないかなというふうに、社内では話しておりました。
 そうした意味で、様々なほとんど全産業といいますか、実際その生活者・消費者が触れるところの産業には、ほぼいろいろな様々な会社を通じて、大体500社ぐらいあったと思いますけれども、触れてきたところを私自身が、その総括的なもの、あるいはサポートする形で進めてございました。
 もうご存じのとおり、西武百貨店あるいは西友、それからホテル、それからまたもちろんレストランとか飲食チェーンもそうですし、あとはファミリーマートみたいなコンビニエンスストア、あるいは商社の大沢商会ですとか、様々な業種がございました。そういったところで、やはり実際に目の当たりで、もちろんいろいろなクレームもあったり、あるいはトラブルというのが全くないということはございませんので、自らやはり事業に携わったというところの経験も踏まえて、この消費者行政というものは、今後その時代から比べますとだいぶ、先ほど申しましたように、このコロナ禍とそれからまたリモートであったり、あるいはZoomでいろいろなことがなされていたり、それから購入の形というのも、だいぶ変わってきてございますので、新たな形での消費者行政というものが、どういう形のものかというのも、しっかり取り組んでいかなければ。もう今も現状進んできていますけれども、更にそれを進化させていかなければいけないと思っております。その意味では、岸田総理から私にそういった実体験を踏まえた経験もあるということで、ご指名があったのではないかなというふうに思っているところであります。
(問)冒頭のお話でもあったんですけれども、新しい生活をこの2年ぐらい、国民みんなで模索しているという中で、ご自身の実感として、自分の生活はコロナによってこういうところが大きく変わっていって、消費者って全員のことですから、自分自身の消費者としての暮らしに影響があったなというふうな実感が、もしあるような経験がありましたら教えてください。
(答)もちろん皆さまもそうだと思いますし、私自身もそうですし、ここにいる役所のメンバーも皆そうだと思うのですが、家に帰れば一人一人の生活者であり、そして国民であり、東京に住んでいらっしゃる方であれば都民であり、区民であります。日々の生活から見れば、やはり買い物に行って食材を買ったり、あるいは生活用品を買ったり、そして自宅に戻って夕食あるいは昼食を食べたり、あるいはお子さんがいらっしゃれば、子育てに力を入れていかなければいけない。もちろんその間にも仕事があって、それが毎日の普通の人間の生活だと思っております。
 昨年来のこのコロナ禍の中で、やはり様々な緊急事態、この9月の末で一応解かれる形になってまいりましたけれども、大きな制約があったのは、もう否めないと思います。また、その制約自体が生活全般にいろいろな変化を及ぼしています。例えばデリバリーで家に食べ物を届けてもらう。あるいは通常であれば買い物に行かなければいけない方が、逆にスーパーでもいろいろなものを、いろいろなインターネットの会社でも、商店街でも、実際に家の玄関まで置いてもらうというような形の商売のあり方というのが変わってきています。昔だとたぶん私の育った子どもの頃の感覚からいきますと、やはり自分の母親などを見ていますと、野菜とか魚とかお肉というのは、自分の目で見て、ああ、今日はこれが新鮮そうだから買おうかなと、あるいはこっちは最近食べていないから、こういうのを食べようかなと思って食材を選んでいたかと思いますけれども、今は逆に保存も効くし、いろいろな形でお惣菜もできていますし、食生活も、それから家族構成のあり方も様々変わってきていますので、その変わってきているなというのは、私自身が自ら自分でも体験して感じています。
 また、特に飲食業の方々におかれては、このコロナ禍でなかなかご商売がやりにくい、あるいは開けにくいような状況が続いてきていましたので、私自身も、もうこの1年半強ぐらい、もう何処にもご飯を食べに行ったりというのはしておりません。当然夜などは、まったくゼロでございますけれども、そうした中から少しずつ変化して元の生活に戻っていく。あるいはそれぞれのご事業が円滑に、その全産業にまたもう一回元の形に戻っていくように、いち早くなっていけばなというふうに、私自身の自らのこの生活のあり方からも願っているところでございますので、それに向かって全力を尽くしていきたいなと、このように思っています。
(問)万博関係でお尋ねしたいんですけれども、これから全国的な機運醸成というのが一層重要になってくるかと思います。この点に関して、どのように取り組まれるか、教えていただきたいんですが。
(答)おっしゃるとおり、これはやはり東京オリンピック・パラリンピックもそうですけれども、やはり日本国民全体の皆さま方に盛り上がった気分にまずなっていかなければいけないなと思いますので、おっしゃるとおりで、機運を盛り上げていくというのは、すごく大事なことだと思っています。
 そこで、ではどういった形で盛り上げていけば良いのかなというのは、これはもちろんいろいろなスポットでいろいろなコマーシャルとかもあるかもしれませんけれども、そういうことももちろん大事ですけれども、やはり今コロナでやはりいろいろなものが少し皆さま方、自分の内にこもっているところもあったりすると思いますので、これをやはり新たな日本の産業と、あるいは光が当たるような、もしかしたら次の時代はこうなるかもしれないなということを、少しずつ少しずつ目出しをしながら、ああ、ではこういう新しい時代になっていくのだったら行ってみようかなと、そういう希望を持てないと、なかなか実際にその万博にいらしていただくことにはならないと思っていますので、そういった今現状で、今はこうですよと、あるいはこんなことをやって凄いでしょうというのではなくて、例えば空飛ぶ車であったり、これは今ドローンがだいぶもう普及してきておりますけれども、様々な新しい技術が身近な生活を変える大きな起爆剤みたいな形になるのだなということを、少しずつおそらく皆さん方は感じてきていると思うのですね。
 携帯電話は、先ほど少し例で申し上げましたけれども、最初は通話ができた。そのうちメールで文章を送れるようになった。だけど、今はもう何から何まで天気予報も分かれば、株価も分かれば、いろいろな情報が手に取るように分かるようになりましたでしょう。例えば地図も分かる、あるいは世界中の地図も分かる。今どうなっているかをストリートビューで見ることもできる。様々な技術が変化してきていますから、その次の時代、これから先、次の時代がどうなるのかなという、そのワクワク感と期待感、あるいはその驚きです。それを皆さま方にご理解いただけるように、私の方からも発信していかなければいけないなと、そのこと自体が機運を盛り上げることになっていくのかなと。
 もちろん大阪の地元の開催地域のご地元の皆さま方のご理解と、そしてまたご一緒させていただく、共に歩んでいかなければいけませんから、そういったものも大事だと思っておりますけれども、そういった点ではないかなというふうに思っております。
(問)大臣の担務の関係についてお伺いしたいんですけれども、大臣は万博、消費者をはじめとして、公文書管理、クールジャパンとか、様々たくさん担務が付いていらっしゃると思います。その辺り、多岐にわたる分野でのご対応になるかと思いますが、大臣ご自身、どのようにその辺り、優先順位を付けてやっていくのか。それとも、幅広くやっていかれるおつもりであるのか。その辺りの担務への関わり方は、どのように考えていらっしゃるか、教えてください。
(答)私自身は、パッと最初にテロップで流れた時には、万博担当という形で流れたのですが、今実際に申し上げたとおり、かなりの担務が幅広くございます。これは優先順位を付けるということではなくて、やはりどれも非常に大事な課題ですから。ただ、それぞれがやはり進捗状況が違っているものもありますし、それからいろいろな省庁を跨いできますから、その跨ぐ中でコーディネートしていく。あるいはどういった形で共に進んでいくのか。あるいは一般の方々や様々な団体の方からのご意見を頂戴するという場面も出てきますので、それぞれの進捗状況によって、その都度その都度、一日の時間というのは限られていますから、それを最大限有効に配分していくということになってこようかと思っております。
 ただ、冒頭の大阪・関西万博につきましては、やはり2025年というお尻の期限・期日が決まっていますから、こういったものについては、いつまでに何をしておかなければ物事がうまくいかないのかなということはあろうかと思いますので、そういったものについては、やはりスケジュールを組みながら、時系列的に物事を進めていきたいなと思っておりますので、課題全体につきましては、どれも非常に重要な課題だと思っておりますので、一切優劣を付けるとか、そういうことは考えておりません。

(以上)