山際内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年11月2日

(令和3年11月2日(火) 11:13~11:30  於:中央合同庁舎8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 皆さん、おはようございます。冒頭、発言させていただきます。
 経済財政諮問会議の有識者議員について、お手元の資料のとおりとすることといたしましたので、お知らせいたします。
 十倉議員、新浪議員、柳川議員は再任、中空氏は新任となります。マクロ経済運営や財政政策、マーケットに関する知見、イノベーションやグローバル経営に関する知見など、それぞれのご経験やご知見を生かしていただき、経済財政諮問会議の議論を先導していただきたいと思います。今後、所要の手続きを経て、近日中に正式に議員に任命する予定です。
 これまで有識者議員をお務めいただきました竹森俊平議員におかれましては、これまでのご貢献に厚く御礼を申し上げます。以上です。

2.質疑応答

(問)今後、いろんな会議ができると思うのですが、全世代型会議とか公定価格の会議、それから新資本主義の会議、それぞれの日程感について、いつぐらいに初回をやるとかそういうのと、それぞれの会議の関係性みたいなのがイメージとしてあるのであれば教えてください。
(答)それぞれの日程感、一つ一つ全部というわけではありませんが、新しい資本主義実現会議はもうオープンさせましたので、これは緊急提言案につきまして、上旬には開いて決めていきたいと思っております。さらには、経済財政諮問会議ですが、これもできるだけ速やかに任命手続きを終わらせて、会議を開いてまいりたいと思っております。また、緊急提言の後、それほど時間を置かずに今度は経済対策の話が出てまいりますので、これは中旬ぐらいを目処に出したいと思っております。全世代型社会保障会議は来週に開きたいと思っております。
 全体として、新しい資本主義実現会議、これがある意味、岸田政権においては中心に置かれている会議だと思っていただければと思います。経済財政諮問会議は、当然マクロ経済に関してしっかり見ていかなくてはいけない。1年間を通じてやらなくてはいけない大切なことが、例えば骨太の方針を作るだとか、予算の編成だとか、もちろんマクロの経済財政運営全体の方向性を出すものだとか、非常に重要なものがありますから、当然そこで議論をしていただきますが、新しい資本主義実現会議等々で練り上げたものについて、予算の裏付けをしてもらうだとか、そういう意味での関係になると思います。
 全世代型社会保障会議、特に公的価格に関しての話というのは、当然、公的価格の対象になるような保育の方だとか、医療関係の方だとか、介護の方だとかという方々の言ってみれば給料を上げていくという話になりますので、当然、それが新しい資本主義の中の一つの非常に重要なファクターになってくるものですから、そこで議論していただいたものを、この新しい資本主義実現会議の方に入れ込んでもらっていくという話になると思います。そういう位置付けだと思います。
(問)経済対策について、今月の中旬にまとめるということですが、現時点での対策の規模感、財政支出の規模、事業規模、見えてきているものはあるでしょうか。現時点での検討状況をお願いいたします。
 また、対策に盛り込むとされている現金給付ですが、公明党は、18歳以下に10万円一律給付、あと、マイナンバーカード普及のために3万円分のポイント付与ということを主張されていますが、こうした公明党の主張については、できる限り対策に反映させたいというお考えでしょうか。
 あともう一つは、ちょっとお話が変わりますが、諮問会議の有識者議員について、竹森先生は大分任期を残しての交代ということになりますが、竹森先生ご自身に何か特別な事情があって退任するのかというのと、あと、新たに中空さんが指名されましたが、中空さんは金融マーケットの第一線にいる方ですが、どういった資質を期待されて任命されたのか伺えないでしょうか。
(答)後者の方からお答えしますと、当然ですが、新しい政権になったわけですから、新しい政権の下で経済財政諮問会議をどう回すかということを総理を中心に相談させていただいて、今回のような人事になったとご理解ください。
 その中で、中空さんに関しては、当然マクロ経済運営に知見をお持ちであるということもありますし、また、グローバルマーケットに関して、実際に扱って今までいらっしゃったということもありますから、特にマクロ経済の話になりますので、その第一線で活躍されているという知見を期待しての人事だとご理解いただければと思います。
 それから経済対策に関して、1問目と2問目は同じだったと思いますが、中身に関して、今のところまだちょっと言及は避けたいと思います。
 もちろん質問の中にあったようなことはきちんと踏まえた上で、調整が必要な話になりますので、調整中のことを私の方から申し上げるのは調整に影響を与えることもありますから、そこはしっかり各部署で調整をしてくれているものだと承知しております。
 ですから、そういうものを全てまとめ上げて、先ほど申し上げたように11月の中旬には皆さま方にきちんとした形でお示しできるように今、作業を進めています。
(問)今の質問の続きですが、昨日、岸田総理の会見で現金給付の質問が出て、総理の説明で、公明党さんと自民党さんの考えていることで重なるところと重ならないところ、重なるところというのは、18歳未満の困窮している子どもさんということになるのですか。
(答)総理がもともと言及されていらっしゃるように、コロナ禍において非常に大きな影響を受けている、困っていらっしゃる方々という、丸めて言えばそういう表現だと思います。その中には、今のお話のように18歳未満の方々、あるいは18歳未満の皆さんがいらっしゃる家庭、それがお困りでいらっしゃる部分というのは当然、集合として重なっているのだろうと思います。
(問)衆院選の結果を総括してですが、政治分野における男女共同参画推進法が施行されて初めての選挙になったわけですが、結果的には女性議員の比率が下がってしまったということになっていまして、これの大臣の受け止めをお願いします。
(答)これは、私も政府の一員ですので、私個人としての思いはなくはありませんが、それは言及を控えさせていただきますが、政府としては、この課題に関しては野田大臣がその担当大臣ということでございますので、野田大臣を通じて各党に様々な働き掛けをしてもらっていると承知していますので、その範囲で物事は進むものと承知しています。
(問)話題は変わりますが、コロナについて伺いたいのですが。昨日、全国での新規感染者数1年4カ月振りに二桁となりました。現状、大臣は感染者数がこれほど下がっている要因をどのように解析されているのでしょうか。また、今後、分析する予定というのはございますか。あと、これまでのコロナ対応の検証というのはいつ頃に出される予定なのか、併せてお願いいたします。
(答)これまでも政府の側から新型コロナウイルス感染症の新規感染者数が減っていることについて、様々な要因があるというご説明をさせていただいています。そのとおりなのだろうと私も思っております。ですから、それらも含めて分析をしっかりした上で、全体像として前半にお示しするということを申し上げていますから、全体像をお示しする中で、分析を含めて、これから何をするかということまで含めた全体像になると思っていただければと思います。
(問)新しい資本主義について改めてお伺いいたします。衆院選の結果を受けて昨日、総理が会見をしまして、新しい資本主義ですとか令和版所得倍増計画ということの実現に向けて改めて意欲を示しました。担当する閣僚として、改めてどのようにどんなスピード感を持って進めていくのか。
 また、新しい資本主義、令和版所得倍増計画に関して、抽象的で分かりにくいという指摘が今もあるかと思います。担当閣僚として広報というのも一つの大きな仕事と思いますが、この辺りをどのように国民にイメージを浸透させていくのか、この2点についてお伺いします。
(答)総理が常々おっしゃっているように、やはりこれは順番を絶対間違えてはいけないと思います。ですから、「成長と分配の好循環」という話を総理はされていますが、担当閣僚としては、まずは成長の部分に関しては相当力点を置かなければいけないと思っております。その流れとして、まずは経済対策を行っていくということになります。これはもう数十兆円規模と総理も言及されていますから、その中身をしっかり先ほどのスケジュール感でお示ししていくということになると思います。それをお示しするということが、まさに説明責任を果たしていくということの重要な部分だと思っておりまして、ですから、スケジュール感としては、まずは経済対策というものが出てきて、その後に「成長と分配の好循環」を実際に行えるであろうと、納得感のあるような案をお示ししていくという作業を、同時並行でやっていますけど、やっていくことになると思います。
 当然ですが、これは来年の通常国会に何か法改正も含めてやらなければいけないことがあるならば、それは年内ぐらいを目途にそういうことをやらなければいけなくなってくる準備もありましょうし、あるいは、来年の骨太に乗せ込んでいくというようなスケジュール感のものであれば、それも議論を重ねて来年の春までぐらいには様々なことが見えてこなくてはいけないと思います。
 そういうスケジュール感自体は私自身持っていますが、何にせよ中身をお見せするということでなければ、それは抽象的過ぎるという当然のご指摘だと思いますから、これから五月雨式にと言いましょうか、お見せできるものはどんどんお見せしていくというステージに、選挙が終わりましたので、やっと入ってきたかと思っております。そう理解していただければと思います。
(問)総理が新しい資本主義を訴えて信任を得たわけだから、もうこれは結果を出さないと、やるしかねえだろうというぐらいのものだと思うのですが。いわゆる中間報告ですとか、15人たしか議員さんはおられるから、成長分科会ですとか、分配分科会ですとか、目に見える形で中間報告が出てくるとか、何かそういうものなのか、経済財政諮問会議に橋渡しするようなものなのか、その辺のところは大臣のお気持ちとしては、結果を出すにはどんな仕組みでやろうとお考えになっているのかお伺いします。
(答)これも繰り返しの少しお答えになるかもしれませんが、経済対策は極めて重要だと思っております。それは、「成長と分配の好循環」を回す以前の話として、今、コロナ禍で傷ついてきた部分に関して、そこをサポートしないとその先に進めないという認識です。これを総理は繰り返しおっしゃっているわけで、担当閣僚としても、そのとおり進めなくてはいけないという同じ意識で進んでおります。
 その上で、15人の有識者の方に集まっていただきますが、ある意味、全体の15人集まっていただく会議を都度やっていくというよりは、おっしゃるように各テーマに関して深堀りして様々な議論を深めた上で様々なものを成案として作っていかなければいけないという問題意識は私も持っていますので、それをどのような形にするかというのはまだ決めきってはいませんが、この間第1回の会合を開いて、それぞれの議員の問題意識を表面だけですけど、まだ深くまではないですが、お示しいただきましたので、それを整理しながら、どういう議論の体制をとるのが一番いいかというのを今、やっているところです。それも踏まえて、そう遠くない将来に、こんな形でやるということはお示しできるのではないかと思っています。
(問)昨日の総理の会見で総理は令和版所得倍増に言及し、これは衆院選ではあまり口にしなかったと思うのですが、昨日、久々に発言されたと思いますが、このフレーズを復活させたのは何でだと思うか。あと、こうした首相の姿勢から首相の意気込みをどのように感じるか、お願いいたします。
(答)まさにこれは、新しい資本主義そのものをどう進めるかという決意の表れなのだろうと思っておりまして、中身について、これからしっかり議論をして皆さんにお示ししてまいりますので、その中身が国民の多くにとって納得感のあるものになるように、担当大臣としてそこをしっかりやらなければいけないと、選挙戦が終わった後、改めて思っているところですので、これからしっかりやります。

(以上)