山際内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年10月8日

(令和3年10月8日(金) 10:00~10:13  於:中央合同庁舎8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 皆さん、おはようございます。よろしくお願いいたします。
 本日の閣議におきまして、総理より新たな経済対策の策定についてご指示を頂きました。
 新型コロナウイルス感染症については、足元で感染状況の落ち着きも見られますが、ワクチン接種、治療薬の普及を図るとともに、医療提供体制を確保しつつ、来年春までを視野に人流抑制等の影響を受けた方々への経済支援を実施する必要がある。また、成長と分配の好循環による新しい資本主義を起動させるため、社会経済活動の再開支援とともに、未来社会を切り開く成長戦略を推進することが重要であると。こうした課題に切れ目なく対応し、新型コロナ対応に万全を期すとともに、成長と分配の好循環による新しい資本主義を起動させるため、私を中心に経済対策の取りまとめを進めるようご指示を頂いたものでございます。
 新たな経済対策は4本の柱からなっております。第一の柱は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止。この中で、1.医療提供体制の確保、2.厳しい状況にある方々への経済支援を進めてまいります。第二の柱は、ウィズコロナの下での社会経済活動の再開と危機管理の徹底です。第三の柱は、未来社会を切り開く新しい資本主義の起動。この中で、1.科学技術立国、2.地方活性化、3.経済安全保障、4.子ども・子育て、人への投資、働き方改革等を進めてまいります。第四の柱は、国民の安全・安心の確保でございます。
 私としては、総理のご指示をしっかりと踏まえ、広く関係各省に検討いただき、また、与党のご意見のよく伺いながら、十分な効果を発揮できるよう、あらゆる施策を総動員した総合的かつ大胆な対策の取りまとめに尽力してまいります。
 冒頭、以上です。

2.質疑応答

(問)現在の検討状況について2点伺います。1つ目が、新しい資本主義実現会議について、月内には初会合という一部報道も出ておりますが、始動時期というのはいつ頃になりそうか。例えば選挙の公示前に初会合を行うようなお考えがあるのかというのが1点。もう一つは、行動緩和に向けた実証実験ですが、大規模イベントなど、あと観光についてはいつ頃、こういうことをやっていきますよというのはもう出ていますが、飲食での実験については現在、どういった検討状況になっているか教えてください。
(答)新しい資本主義の実現会議については、まだ、どのような枠組みになっていくかということを総理とご相談させていただいているところでありまして、それが決まり次第、速やかに初会合をやらせていただきたいと思っております。ですので、まずそこの、どのような枠組みになるかということが決まらないと、その先のことについて予断を持って申し上げるわけにいかないのですが、気持ちとしては、なるべく早くやりたい。これは、総理もそうお考えでいらっしゃると思いますし、私もそう思っております。
 それから、実証の方の検討状況ですが、これは全国でやっていただかないといけないことだと我々は考えております。また、もちろんコロナウイルス感染症が今、最も問題になっているわけですが、仮に感染が拡大していたとしても、その中で人流を抑制せずに経済を回すことができるかどうかということを実証で見ていこうという話でございますので、広い分野で、慎重かつ丁寧に実証できるようなものとしてやっていかなければいけないという、そういうコンセプトでやっております。もちろんイベントだけではなくて、飲食の部分も含めてきちんと進めると、我々が考えているように進んでいると私は理解しております。ですから、そう遅れることなくこの部分もやれると思います。
(問)今お話しがあった新しい資本主義の実現会議についてですが、これについては総理とご相談中ということですが、構成メンバーについて大臣のお考えを伺いたいですが、例えば成長戦略会議は今、経済再生大臣と経済産業大臣でやられていると思うのですが、今回、新しい資本主義というのは、中立的な税制や分配ということもあり、例えば財務大臣なり厚生労働大臣、そういった閣僚のメンバーはどのようにお考えなのかということと、有識者のメンバーについても、どのようなメンバーを選ぶ必要があるのかというところを教えてください。よろしくお願いします。
(答)これもまだ相談中なので、このようなものですと決まったものがあるわけではありませんが、おっしゃたように、この新しい資本主義というものは、ウィズコロナを前提にして成長と分配の好循環を回していこうというコンセプトですので、当然、そこに関係している方々にはきちんと参加していただかないと不十分なものになってしまうという考え方です。ですから、その考えに基づいて、総理とご相談して速やかに枠組みを決めていきたいということでございまして。ですから、当然、経済産業大臣や、あるいは財務大臣も入るのかもしれませんが、閣僚のメンバーも有識者のメンバーも、今言ったコンセプトでどういう方がいいかということを今、相談させていただいているところです。
 そんなにお待たせせずにこれは決めていかなければいけないことだと思っておりますので、しっかり議論して、皆さんにできれば早くご報告できるようにしたいと思います。
(問)経済対策の指示があったということですが、今後の策定に向けた、選挙を挟むということですが、その具体的なスケジュールが1つと。総理はずっと、就任以降、総裁選中も成長と分配の好循環と言っていて、分配なくして成長なしということもおっしゃっていると思いますが、経済対策を含めて、分配をどのように次の成長につなげていくか、その点について大臣のお考えをお聞かせください。
(答)まず、新しい経済対策に関しては、まさにこれも総理がおっしゃっているように、順番を間違えてはいけないと。今、コロナ禍ですから、コロナ禍で傷んでいる経済をどのように再活性化させるかということが最重要課題ですので、そこの部分を先にやらなければいけない。その順番を間違えないという意味で経済対策ということがきていますので、「成長も、分配も」とこれまでに総理がおっしゃっているように、どちらも追い求めなくてはいけない。そうではないと好循環になりませんからバランスが大事ですが、まずは経済対策を行って経済の底上げを図ると。そこから次のステージに入っていくというイメージを我々は持っております。
 総理からも、選挙後、速やかに経済対策の具体的な中身が提示できるようにして欲しいというご指示を頂いていますから、そのスケジュール感で進もうと思っています。
(問)まず1点目は新資本主義のことですが、今月、選挙もありますが、できれば早くというのは、月内にも会合を開いて議論を始めたいと考えていらっしゃるのかということと。あと、経済対策の規模は、これまでも数十兆円と総理はおっしゃってきましたが、現時点でどのように考えていらっしゃるか教えてください。
(答)新しい資本主義の実現会議に関しては、先ほど申し上げたように、選挙という限定要因とは関わらず、体制が整えばそれは進められるものは進めたいというのが総理も私も同じ考えです。
 ですから、タイミングが、月内に開けるような環境が整えば月内に開くこともありましょうし。そこの最初の立て付けを考えるのが非常に重要なので、そこの部分の調整をしっかりしてからやったほうがいいという、そういうことであれば、それは来月にずれ込むということもあろうと思うので。ですから予断を持って今、申し上げられないという話をしましたが、コンセプトとしては、できるだけ早くやれるものはやりということだと思います。
 それと、どれぐらいの経済対策の規模かということに関しても、これもまだ、もちろん積み上げて、最終的に必要なものは何かということをきちんと出して、それにどれぐらいのお金が必要かということを出して、それを積み上げるとその規模感というのは出てくるのだと思うので。これも予断を持って申し上げるわけいかないですが、普通に考えれば、4-6月期のGDPギャップが22兆円で出ていますし、そこの経済の底上げ、7-9月期も恐らくへこみます。緊急事態宣言が出ておりましたから。そう考えれば、おのずとその規模感というものが、数十兆円程度と総理がおっしゃっている規模感というのは、そのことも頭に入れた上でご発言をされているものと私は理解しておりますので、それぐらいの規模感というものは頭の中にみんなコンセンサスで持っておかなければいけないかと思っています。
(問)重ねてちょっと恐縮ですが、2点ありまして。さっきの新しい資本主義の実現会議ですが、議長というのは、やはり岸田総理を念頭に置かれているという理解でよろしいのでしょうか。あと、2点目は、規模のお話、経済対策の規模のお話がありましたが、これはGDPギャップを埋めていくという理解でいいのかということを併せてお願いいたします。
(答)後者の方からいくと、もちろんそれだけが要因ではありません。ひとつ経済を語る上でGDPというのは、やはり皆さんが使う指標ですし、マクロの経済を表す数値としては適切なものだと私は思いますので。そのギャップが22兆円あるということを考えると、規模感を考えるときにはそのようなことを踏まえて考えなくてはいけないのではないかという、一つの参考として申し上げたわけでございまして。そのことだけを捉えて、そこを埋めるためにやるのだということではありません。
 それと、もう1点の新しい資本主義を実現するための検討会議については、これは当然、総理が岸田政権として看板としてやらなくてはいけないことだと掲げていらっしゃるものですから、総理が中心になって、総理がヘッドになって進めていくものだと私は理解しております。ありがとうございました。

(以上)