棚橋内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年9月7日

(令和3年9月7日(火) 11:17~11:27  於:中央合同庁舎第8号館5階共用会議室B)

1.発言要旨


 今月5日、パラリンピックの閉会式が行われ、東京大会に伴う一連の警備がおおむね終了いたしました。
 警察においては、東京大会の開催が決定いたしました2013年9月に、警備の準備体制を構築いたしました。以後8年間にわたって、関係機関と緊密に連携しながら、安全・安心な大会を実現するための準備を進めてまいりました。
 大会期間中は、全国警察が一丸となり、約5万9,900人の体制で諸対策を推進し、開催国としての治安責任を全うすることができたと認識しております。
 国民の皆様には、交通の混雑緩和やテロ防止のための警戒活動等について御理解と御協力を頂き、それが警備の完遂につながったものと考えております。この場をお借りして、心から御礼申し上げます。
 次に、今般、河野大臣から、「交通取締りの際に警察官が作成する交通反則切符について、押印や指印をしなければならないことに対して国民から疑問の声がある」と問題提起を頂きました。
 交通反則切符における違反者の押印又は指印は、現在も任意で求めているものであり、法的に強制されるものではございません。
 このことについて、改めて、国民の皆様に周知を図ってまいります。
 詳細は警察庁にお尋ねいただければと思いますが、引き続き、国民の皆様の御理解を得ながら、交通事故抑止に資する交通指導取締りを推進するよう、警察を指導してまいります。
 交通事故は全ての当事者を不幸にするものであります。国民の皆様におかれましては、交通事故の防止に向け、交通ルールの遵守や交通マナーの実践に御協力を頂きたいと思います。
 私から冒頭、以上でございます。

2.質疑応答

(問)冒頭のことで1件お尋ねしたいのですが、河野大臣からの押印の件は、どういった経緯でこの御指摘があったのですか。また、任意ということですが、例えば、廃止するといった考えは、特に、現時点でございませんでしょうか。
(答)河野大臣からは、国民の皆様方から、交通反則切符について押印や指印をしなければならないことについての疑問の声があるというような御指摘がございました。交通反則切符のうち、違反者に押印や指印を求めるのは、捜査書類に当たる箇所であることから、現在進められている刑事手続のIT化の検討の中で、特に公判等との関係もございますので、法務省と連携しつつ、合理化の在り方を検討してまいりたいと思っております。
(問)菅総理が退陣の意向を表明されました。大臣の受け止めと、菅政権のこの1年間についての評価について、お聞かせください。
(答)まず、総理がコロナ対策に専念をされたいという御判断をされたわけでございますので、私にも万感の思いがありますが、総理御自身がそのような御判断をされたことを尊重するのが当然だと思っております。
 また、菅政権・菅総理の下で、不妊治療の助成、デジタル庁の創設、私の担当で言うと、ダムの事前放流による防災・減災が現実に役に立っていると思っております。さらには、今、非常に皆様方が心配されている線状降水帯の予測についての強い熱意等を示されたと思っております。加えて、何よりも、新型コロナウイルス感染症対策におけるワクチン接種について、総理の熱意がなければ、ここまで進んでこなかったと思っております。7月末までに、高齢者の方が全て2回接種することを目指すと総理がおっしゃった時には、多くの方がそれは無理だとおっしゃったところ、ほぼ達成いたしましたし、1日100万回接種をと総理が強い熱意でお話をされた時にも、これは難しいというお話があった中で、これを実現されてこられました。残念なことに、今まだ、強い感染力のある新型コロナウイルス感染症の問題がございますが、総理が強いリーダーシップをもって、この問題に対応してきたと思っております。
(問)重ねてお伺いします。菅総理の退陣に伴って、自民党総裁選が今月末に行われますが、大臣としてどう臨まれるかということと、次期総裁に期待することについて、お聞かせください。
(答)当然のことながら、次期総裁は国会で選ばれれば新総理になるわけでございますので、いろいろございますが、まず、新型コロナウイルス感染症に全力を挙げていただくと同時に、経済対策をしっかりとやっていただくことを期待しております。
(問)あえて経済対策を選ばれたのは、何か理由があるのでしょうか。
(答)当然、今、新型コロナウイルス感染症の中で、多くの方が、経済的にまだまだ辛い立場にございます。菅総理もその点を大変懸念されておったと理解しております。もちろん、安全保障、あるいは私の担当である防災・減災、国家公安委員会委員長としての治安等々もございますが、特に、今、新型コロナウイルス感染症の流行により経済的に困っている方に対する問題も含めて、経済対策を申し上げた次第でございます。
(問)交通取締りの反則切符の押印・指印について、国民に周知を図るということですが、国民はどういうふうに受け止めればよいのでしょうか。必要ないからしなくてもよいということなのか、どういう形で受け止めればよいのでしょうか。それともう一つ、IT化という話がありましたが、そうすると、これは判子に代わってこれからサインということになるのでしょうか。
(答)交通反則切符への押印又は指印は、御承知のように、現在も任意で求めているものでございます。警察庁や各都道府県警察のウェブサイトへの情報の掲載等により、適切な周知を図ってまいりたいと思っております 。更なる詳細なことについては事務方にお尋ねいただければと思います。また、IT化については、刑事手続全般に絡んでまいります。その問題と今般の押印・指印の問題は関連してまいりますので、その中で国民の理解を得られるようにしてまいりたいと思っております。

(以上)