棚橋内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年9月3日

(令和3年9月3日(金) 11:43~11:59  於:中央合同庁舎第8号館5階共用会議室B)

1.発言要旨


 まず、令和3年8月の大雨による災害の激甚災害指定について、被害状況等を精査した結果、新たに適用措置を追加する見込みとなりました。具体的には、農地の湛水排除事業の特例については地域を限定しない「本激」として、また公共土木施設の災害復旧事業等の特例については、島根県西ノ島町、隠岐の島町を「局激」として指定します。被災された自治体におかれましては、財政面に不安なく迅速な災害復旧に取り組んでいただきたいと思います。今後は指定政令の手続きを速やかに進めてまいります。なお、詳細につきましては、事務方にお尋ねいただければと思います。
 続きまして、今回の大雨に関しまして、改めてお亡くなりになられた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。また、ご家族の方々にお見舞い申し上げると同時に、被害に遭われた方々に心からお見舞い申し上げる次第でございます。
 8月21日に私が佐賀県及び長崎県に、8月24日には赤澤副大臣が長野県に赴き、現場を確認しております。明日は私が広島県に伺う予定でおります。河川や土砂災害、これらの被災現場等を直接確認するとともに、湯崎知事、松井広島市長、石丸安芸高田市長、箕野北広島町長と意見を交換する予定でおります。被災された方々や被災自治体の声にしっかりと耳を傾け、政府一体となって早期復旧と被災者支援、さらには今後の防災・減災に取り組んでまいります。
 続きまして、河野大臣が担当されております内閣府規制改革推進室に対して、「自動車運転免許証の写真の取扱い」に関する改善要望が寄せられております。具体的には、運転免許証の更新のために持参した写真が警察署で受理されずに、撮り直しを求められたが、撮り直した写真との違いが分からなかったので、撮影基準を明確化してほしいという趣旨のものです。
 警察庁において検討いたしました結果、申請者の利便性の向上を図るため、都道府県警察に対して、個人識別が容易な写真は受け付けるという基本的な考え方に基づき、不適当な写真の例を見直すとともに、受理できない場合には理由を明確に説明すること、写真を持参せずに免許証を更新することが可能な窓口を拡大すること等を指示する通達を本日発出することとしております。
 詳細は警察庁にお尋ねいただければと思いますが、引き続き、国民の皆様の利便性の向上を図るべく、各種取組を進めていくよう警察を指導してまいりたいと思っております。
 冒頭、私からは以上でございます。

2.質疑応答

(問)前回の会見に続いて大変恐縮なのですが、9月末に行われる予定の総裁選に関してお伺いします。先日、現職閣僚の平井大臣も岸田さんを支持する意向を表明されました。棚橋大臣は菅総理を支持されるのでしょうか。それとも他の候補者を支持されるのでしょうか。その理由についても教えてください。
(答)閣僚として職務に専念するのみです。
(問)それは菅総理を支持されるということでよろしかったでしょうか。
(答)今、私は閣僚でございまして、ご承知のように防災担当、国家公安委員会委員長、さらには国土強靱化、領土、海洋等の担当を担務しております。パラリンピックはまだ開会中でございまして、この警備に万全の神経を割いていると同時に、これまたご承知のように大変残念なことに7月3日に熱海で土砂災害が発生し、その後も前線等の停滞により、九州南部、山陰をはじめとする中国地方、そして今回の8月の大雨によって、明日現場を確認する広島県、さらに先日現場を確認いたしました佐賀県、長崎県、あるいは長野県岡谷市、さらには東北地方等でも災害が発生しておりまして、本日も雨が降っております。閣僚としての職務に専念するのが私の仕事です。
(問)防災担当相として1点、それから国家公安委員長として1点お尋ねします。
 9月1日に徒歩参集訓練がありました。初めての訓練参加だと思うんですけれども、どちらの方からお歩きになって、どんなふうに担当相としてお考えになったのか、ご感想をお願いいたします。
 もう1点、国家公安委員会委員長としてですが、昨日の国家公安委員会で白ナンバーの飲酒運転対策の厳格化が取り上げられております。いろいろな企業の負担になることでもありますので、この点について、もう一度改めて、呼びかけをお願いします。
(答)まず、前者のご質問につきましては、訓練は、残念なことに日本列島、日本は、9月1日で想定が地震でございましたが、あるいは今般頻発しているような風水害等にさらされている中で、常に緊張感を持って対応できるような姿勢を取っていかなければなりません。その中で、あのような形で訓練を行い、そしていざというときに即応できる態勢を取るということは大変意義深いと思っております。特に大規模な地震においては移動手段も限られてまいりますので、当然のことながら徒歩等でも常に集まれるというような訓練をすることに大変な意義を感じております。と同時にコロナ禍でございますので、例年とは違う形になりましたが、自治体の皆さま方や国民の皆さま方には、政府として防災・減災の観点からのハードの整備をきちんとやっていくと同時に、やはりソフト面が大事でございまして、そしてその最たるものが国民の皆さまお一人お一人が命を守るという意識を常に持っていただくことではないかと思いまして、そのことを強くお願いする次第でございます。
 なお、当日のニュース等を拝見させていただきましたところ、一部のニュースですが、防災の日に当たって、国民の声として、防災食等を備えている等々のインタビューの声があったことは大変心強く感じた次第でございます。
 続きまして、2問目のものでございますが、御承知のように、6月に千葉県八街市で小学生の方が5名死傷されるという、大変痛ましい、業務中の飲酒運転による事故、事件と言ってもよいのかもしれませんが、発生しております。改めて、お亡くなりになられました方々の御冥福と、御家族の皆様に心からお見舞いを、また、お怪我をされた児童の方々の一日も早い御回復を祈念する次第でございます。
 今回の改正案は、御承知のように、これらの深刻な問題を受けた上で、いわゆる白ナンバーの事業所において、安全運転管理者をきちんと選任していただき、そして、何より安全運転管理者においては、運転者の運転前と運転後にも、アルコール検知器を用いて酒気帯びの有無を確認し、記録することを安全運転管理者が実施しなければならないとするものであって、このことによって亡くなられた方の無念の思いと関係者の方の悲痛な思いに少しでも応えていきたいと思っております。
 こうした安全運転管理者の業務の拡充によりまして、飲酒運転防止について使用者にも一層の取組を求めるとともに飲酒運転等を検挙した場合には、その背後責任についても徹底して捜査を行うなどの対策を着実に推進し、飲酒運転の根絶に向けた取組を一層強化していきたいと思っております。
(問)概算要求案に、「防災・減災、国土強靱化新時代に向けて、防災教育推進や避難生活支援充実のための災害専門ボランティアの人材育成及び地域との連携体制構築を推進する」とありますが、連携は主に自治体のみの役割とお考えですか。民間や郵便局等も、そうした役割を担える可能性はありますでしょうか。
(答)自治体のみというご質問であれば、誤解を恐れず一言で言えば「いいえ」でございます。おっしゃるように、郵便局の局長さんをはじめ、多くの方々のご協力をぜひ仰ぎたいと思っております。
 今般の5月に公表された「防災・減災、国土強靱化新時代の実現のための提言」の中では、地域と学校が連携した防災教育の推進、地域の意欲ある災害ボランティア人材の発掘・育成、これが重要であるという旨が盛り込まれておりまして、この提言の具体化のための予算を要求したところでございまして、平時の防災教育や発災時の支援活動には、自治体のみならず様々な主体の連携が、先ほど申し上げたように重要だと考えております。特に地域の郵便局長、あるいはそこにお勤めの皆さま方は防災士の資格をお持ちの方も多く、またいわゆる地域の名士でいらっしゃって、地域社会において主導的なお立場を、あるいは皆さまから尊敬を受けている方が多いと私は理解しておりますので、そしてまた地域の実情を一番よく知っていらっしゃる方々でございます。そういう意味では、郵便局長の方々を中心に防災啓発活動や防災訓練等をけん引していただいていることが多いということに改めて感謝と敬意を表すると同時に、これまで以上にその点をお願いし、また郵便局長の皆さま方から防災の観点からご提言があれば、積極的に取り入れてまいりたいと思っております。
 今後とも特に地域の郵便局の皆さま方には、今申し上げたように、地元の防災活動への積極的なご参画をぜひお願い申し上げると同時に、内閣府としても地域の自助、共助、公助の連携が進み、地域防災力が高まるよう、環境整備に努めてまいりたいと思います。一言で申し上げるならば、地域の郵便局長、また局員の方々は本当に地域のことをご存じで、また地域のリーダーである方が多く、また防災士の資格をお持ちの方も多く、防災意識も高い。そういう意味で頼りにさせていただいておりますので、よろしくお願いいたします。

(以上)