棚橋内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年8月20日

(令和3年8月20日(金) 11:27~11:40  於:中央合同庁舎第8号館5階共用会議室B)

1.発言要旨


 まず私から、今回の大雨により今朝8時時点で亡くなられた方が8名、亡くなられた方で災害との関連を調査中の方が8名、心肺停止の方が1名、行方不明の方が2名、安否不明の方が1名など、多くの人的被害が報告されております。また、多数の住家被害も報告されております。亡くなられた方々のご冥福を心からお祈り申し上げると同時に、ご家族、関係者の皆さまにお見舞い申し上げます。また、被害に遭われた方々に心よりの改めてお見舞い申し上げる次第でございます。
 政府といたしましては、13日の関係閣僚会議において総理から私が指示を受け、同日、私を本部長とする特定災害対策本部を設置いたしました。昨日まで連日毎日、計7回の本部会議を開催し、関係省庁が連携し、人命を第一に、人命最優先の下、避難支援等の事前対策や被害状況の把握、災害応急対策に全力を挙げているところでございます。本日も13時30分から特定災害対策本部会議を開催いたします。
 また、明日は佐賀県及び長崎県に赴き、被災現場等を直接確認し、知事や市長と対応策を協議する予定でおります。被災された方々、被災自治体の声にしっかりと耳を傾け、政府一体となって早期復旧と被災者支援に取り組んでまいります。
 前線の活動は弱まっておりますが、これまでの記録的な大雨により土砂災害の危険度が非常に高くなっているところがございます。引き続き十分に警戒いただき、命を守る行動を取っていただきますよう、心からお願い申し上げます。
 もう1点、私から、8月11日、中央防災会議会長である内閣総理大臣から、関係省庁、都道府県などに、「防災週間」及び「津波防災の日」に関する通知を発出していただきました。この通知は、広く国民が災害全般についての認識をさらに深め、災害への備えを十分充実強化するために、8月30日から9月5日の「防災週間」及び11月5日の「津波防災の日」、これらに向けて防災訓練や各種行事等の実施を関係機関にお願いするものでございます。もちろん、当然のことながらコロナ対策には万全を尽くしていただくよう、これもお願いしております。
 また、本年5月に「防災女子の会」が提言をまとめていただきましたが、今回の通知においても、災害時の支援ニーズが男女で異なる点をはじめ、多様性に配慮した取組を更に推進するよう求めております。「防災週間」及び「津波防災の日」を通じて、国民の皆さまが災害についての認識をさらに深め、災害への備えが充実強化されるよう、内閣府としても取組を進めてまいります。
 私から、冒頭、以上でございます。

2.質疑応答

(問)8月11日からの大雨に関して、人的被害もそうなんですけれども、道路とかインフラ被害ですとか、あと住家被害も多数に上っています。これらに関して激甚災害とか被災者生活再建支援法等の適用の検討状況について教えてください。
(答)激甚災害の指定につきましては、ご承知のように、公共土木施設や農地等の関係施設の被害状況を把握することが必要でございます。現在も前線による降雨、土砂災害の懸念が続いておりますので、まずは現時点においては「人命第一」の方針の下、災害応急対応に当たっているところでございまして、自治体や関係省庁の被害状況の把握は、これからしっかりとやってまいりまして、指定基準に照らし、適切に対応していきたいと思っております。
(問)土地利用規制法の成立から2カ月が経過しました。最新の政府の施行に向けての検討状況と、改めてになりますけれども、法案の意義、必要性と大臣の今後の所見、意気込みといった部分をお願いいたします。
(答)土地利用規制法案、6月16日に成立しました本法律は、防衛関係施設等の安全保障上重要な施設の周辺や国境離島について、その土地の利用状況の調査を実施し、これらの機能を阻害する行為が認められた場合に規制を行うものですが、これは、ご承知のように安全保障の観点から土地等の利用をどのように管理するべきかという課題を国会や地方議会でも長年にわたって議論していただき成立したものでして、この法律の意義は大変高いものだと私は思っておりまして、本法律は、その課題の解決に資するものと高く期待し、また意義深いものだと思っております。
 現在のところ、施行日政令をはじめとした下位法令の検討の他、予算要求、新組織の検討、法に位置付けられた基本方針案の検討、これら制度開始のための様々な準備作業を進めているところでございますが、一つ一つについて遺漏なく着実に進めていきたいと思っております。
(問)重ねて伺います。
 現在の政府としての最新の検討スケジュール、施行日は来春を目指しているということもありましたけれども、そういった部分と、国会審議で与野党双方から懸念も示されたと思いますが、このことについてはどう対応されていくお考えでしょうか。
(答)政府としては、特にこの法律の肝は、注視区域及び特定注視区域の指定にあると私は思っておりまして、これは法施行後に設置される土地等利用状況審議会の意見を伺った上で決定することとなっておりますので、現時点ではまだこれが決まっていない状況ですが、可能な限り早急に手続きをしていきたいと思っております。
 それから、多分、与野党双方からのご懸念という中で、私権制限ではないかという話かもしれませんが、これは6月25日、私、大臣就任記者会見でも申し上げましたが、本法律の施行に当たって政府の恣意性を徹底的に排除するために、閣議決定する基本方針に本法の意義や区域指定、調査の基本的考え方など、可能な限り具体的に定めることとしております。
 また、国民の皆さまに対して透明性を確保していくことが必要不可欠ですので、本法律を正確にご理解いただくための周知の徹底など、本法律施行に向けた準備をしっかり進めてまいります。また、就任時にも申し上げましたが、土地等利用状況審議会の審議内容についても、安全保障上の問題や個人情報の問題がない限りにおいては、できる限り公開することによって透明性をきちんと担保した執行の在り方を検討してまいりたいと思っております。
(問)交通安全に係る緊急対策のアルコール検知器の活用についてお伺いいたします。8月5日の会見でも言及がありました、「安全運転管理者業務の拡充を図る」という意味ですが、これは具体的に義務化するということでよいのでしょうか。
 それと、義務化ということになりますと、裏腹の関係で、警察の飲酒点検についての人材育成や、届出漏れ事業者の把握等の方法を明確にしていかなくてはいけないと思います。この課題についての大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
(答)まず冒頭、八街市で大変痛ましい交通事故が起き、そして、警察においてしっかりと捜査した上で、いわゆる危険運転致死傷罪で検察当局が起訴したものと承知しておりますが、亡くなられたお子様・児童の方の御冥福と御家族への心からのお悔みを申し上げると同時に、おけがをされた子供達が一日も早く回復することをお祈り申し上げるとともに、お見舞い申し上げます。
 今、お話がございました件については、飲酒運転の根絶が当然のことながら大切であり、その背景にある使用者対策を強化するため、安全運転管理者が実施する業務の内容の充実を図るという視点で、警察庁において、運転者の運転前後にアルコール検知器を用いて酒気帯びの有無を確認し、記録することを、いわゆる白ナンバーの安全運転管理者が実施しなければいけない業務として、新たに加えることを検討しております。
 また、この義務の徹底については、安全運転管理者に対する講習の機会の活用が必要であり、その機会にアルコール検知器の活用法や記録すべき事項等の周知に努めるといったことを警察署や警察本部が連携して取り組むこととなっております。
 さらに、業務中の飲酒運転等を検挙した場合には、その背後責任について徹底した捜査を行い、安全運転管理業務の実施状況の確認や使用者に対する指導を行うなど、義務の徹底を図っていきたいと思っております。
 そして、肝心の安全運転管理者の未選任事業所の一掃に向けては、関係省庁と連携した上で、選任義務をはじめとした使用者の義務の周知を図っておりますが、警察においては自動車保管場所証明業務との連携による把握にも努めつつ、安全運転管理者の選任状況を都道府県警のウェブサイト上で公開し、選任を促進するなど、確実な選任に向けた環境整備を更に進めてまいりたいと思っております。
 何よりも、こういった対策を実現することによって、今般の事故のような飲酒運転による悲惨な交通事故の根絶に向けて、一層強力な取組を進めてまいりたいと思っております。

(以上)