坂本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年6月22日

(令和3年6月22日(火) 11:16~11:25  於:中央合同庁舎第8号館1階S101記者会見室)

1.発言要旨


 私の方から2件ご報告をいたします。
 6月24日に第1回「孤独・孤立に関するフォーラム」を開催する予定ですので、お知らせいたします。このフォーラムは実際に支援活動に取り組まれている方々などから直接現場の声をお聞きして、今後の政策立案に活かしていこうとするものです。第1回フォーラムのテーマは「子育て」です。NPOの方々など7名にご参加いただき、子育てにおける孤独・孤立に関する取組等についてお話をお伺いします。なお、今後は毎回テーマを変えながら、秋にかけて10回程度開催することとしております。7月中に3回の開催を予定しております。詳しくは事務方にお尋ねください。
 それから、6月18日金曜日の臨時閣議にて「まち・ひと・しごと創生基本方針2021」が閣議決定されましたのでご報告します。今回の基本方針では、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた当面の地方創生の施策の方向性として、地方創生臨時交付金等を活用した急場の対応を進めつつ、新たに地方への人の流れの創出や人材支援に着目する「ヒューマン」、地方におけるデジタル・トランスフォーメーションを推進する「デジタル」、地方が牽引する脱炭素社会の実現を目指す「グリーン」という3つの視点を重点に据え、地方創生の取組のバージョンアップを図ることとしております。今後は本基本方針に基づき、政府一丸となって地方創生の一層の加速に取り組んでまいります。詳細については事務方にお尋ねください。

2.質疑応答

(問)基本方針に関連しまして、昨年実施した国勢調査の速報値が近く公表されるのにあたり、第1期の「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の総括を改めて伺います。
 2020年に東京と地方の転出入を均衡させる目標は達成できず、省庁や企業の移転も進みませんでした。その要因と見えてきた課題を今後どのように活かしていきたいかをお聞かせください。
(答)このコロナウイルス感染症の中で、東京圏への転入超過数は減少いたしました。しかし、依然として若い世代を中心に転入超過が続いておりまして、東京圏への一極集中の是正は引き続き進めていくべき重要な課題だというふうに思っております。感染症を契機といたしまして、とにかく地方移住への関心が高まっていることなどを含めまして、都会からの地方への力強い人の流れというものをつくっていきたいというふうに考えております。
 閣議決定いたしました「基本方針2021」で、改めて「ヒューマン」の視点を取り入れました。これは地方への人の流れの創出や人材支援を重点的に進めていく旨をお示ししたところです。特に、企業版ふるさと納税の人材派遣型とか、あるいは各業界からのプロフェッショナル人材の派遣とか、それから兼業・副業による派遣、要するに知の供給、こういったものに強力に取り組んでいくということで、人の流れを少しでも変えていきたいというふうに思っております。
 それから、テレワークの推進というのがかなり定着してまいりましたので、転職なき移住、これを今後も強力に引き続き進めてまいりたいというふうに思っております。人の流れをとにかく地方へ、地方へ、そして地方分散型の社会をつくる、日本をつくるということを更に一層強力に進めてまいりたいというふうに思っております。
(問)コロナでだいぶ流れも変わってきたと思うんですけれども、第1期で均衡させるというかなり高い目標を掲げてらっしゃったと思うんですけれども、それが達成できなかった障壁となったものはどういったものだったか、施策でもうちょっとこういう点があればうまくいったんじゃないかというところがあればお聞かせください。
(答)やはり転職をすることへの不安感、こういったものが大きいのだろうというふうに思います。しかも、子育て世代が転職をして、地方に移住する。そういったものについてはかなりハードルの高いものがあるというふうに思いますので、今後その子育て世代に対してどういうふうに予算的に移住する場合に支援ができるのか、あるいは転職なき移住というものをどういう手法で進めていくのか。こういったものを考えながら今後の方針を決めていきたいと思いますし、来年度の予算へ向けての、やはり検討の材料にしていきたいというふうにも思っております。
(問)孤独・孤立の関係でお伺いします。先ほど発表されたフォーラムの関係で、「子育て」を第1回目のテーマとした狙いと、考えられる子育てと孤独・孤立の家庭を巡る課題についてはどういうふうに考えられるかということ。あと、秋までに10回ということですが、今後のテーマについて、もし想定があれば教えてください。
(答)まず「子育て」につきましては、やはり子育てをしながら孤独感、こういうことに陥るというのは広くあるということをかなり聞いております。いろいろな方々から聞いておりますので、少子化対策も含めて、子育てをしている方々に対しての様々なご意見をお伺いしようということで、まずは「子育て」からということにいたしました。
 あと、孤立・孤独問題は多岐にわたりますけれども、今後は「生活の貧困」、それから「子ども・若者」、更には「女性」、こういったものをテーマとしてフォーラムで意見を聞いていきたいというふうに思っております。
(問)関連してお伺いします。緊急フォーラムというのは2月にやったと思いますけれども、改めて今回始まるフォーラムの位置付けというか、今後、重点計画の策定なども予定されていると思いますが、どういうふうに活かしていきたいとかというものが、お考えがあれば教えてください。
(答)まずは、重点計画に何をどう盛り込んでいくかというためには、このフォーラムがやはり欠かせないものだというふうに思います。それぞれのNPOの皆さん方から問題点というものをしっかり聞いて、そして、重点計画の中に盛り込んでまいりたいというふうに思っております。
 それから、やはりNPOの皆さんたちの活動というのが非常にこれから孤独・孤立対策については重要であるというふうに思っております。行政がどうしても手が届かない部分に対して、最前線で活動されている方、こういった方々のご意見を聞きながら、そしてNPOの皆さんたちに私たちから何ができるのかということを考えていくことが大事だということで、このフォーラムを10回程度やろうと、そしていろいろな困っていることも、あるいは提言も含めて話を聞こうというふうにしました。

(以上)