坂本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年5月25日

(令和3年5月25日(火) 10:46~10:58  於:中央合同庁舎第8号館1階S101・S103記者会見室)

1.発言要旨


 私の方から、ご報告が1点あります。
 5月31日に、第3回「孤独・孤立対策に関する連絡調整会議」を開催する予定ですので、お知らせいたします。第3回連絡調整会議の具体的な議題については調整中でありますが、第2回連絡調整会議で発言がありました孤独・孤立の実態把握のための全国調査、それから国の災害用備蓄食品の有効活用、そしてヤングケアラー、ひきこもり支援の取組等につきまして、報告を行うことを予定しています。
 詳しくは事務方にお尋ねいただきたいと思います。

2.質疑応答

(問)孤独・孤立の関連で伺います。
 自民党の特命委員会と公明党の対策本部が、先週金曜日にそれぞれ総理と坂本大臣に提言をしました。その際に、総理がNPO支援の助成金の拡充について前向きな発言をされました。これについての大臣の受け止めと、現時点での検討状況を教えてください。
(答)積極的にやはり財源についても活用するというふうなことは、私と総理がお話ししたときも私の方にも言われました。思い切ってやって欲しいということでありました。そういうことで、私としては非常に心強い気持ちがしておりますので、思い切ったいろいろな対策をこれから更に考えていきたいというふうに思っております。
(問)LGBT法案についてお伺いします。
 法案を巡っては、自民党内でも推進派と慎重派の議論が難航していて、週内に条件付きで承認されるとの見方もあります。一方で党内の出席者からは、生物学上、種の保存に反するといった趣旨の発言が出たことが明らかになりましたが、担当される坂本大臣の受け止めをお願いします。
(答)LGBTにつきましては、これも党内、あるいは与野党間の、特に党内ですね、論議の推移を見守るしかないというふうに思っています。見守っていきたいと思っています。
 それから、その種の保存云々につきまして報道では知っておりますけれども、実際ご本人がどういうバックグラウンドで、どういう趣旨で、どういう考え方で言われたのかというのは私には分かりませんので、ご本人にお尋ねいただきたいというふうに思います。
 それから、私としては既に国会では1度答弁しておりますけれども、一億総活躍担当大臣として、多様性が尊重され、そして全ての人々が活き活きとして生き方を享受できる、そういう社会の実現に向けて取り組んでいきたいというふうな答弁をしておりますので、そういう方向でこれからも対応してまいりたいと思っております。
 たぶんそのときは、憲法にも照らしてというふうに言ったのだと思います。憲法第14条に関しても、そういったものに関してこれからしっかり取り組むというような気持ちはあります。ただ、推移につきましては、党の議論を待ちたいというふうに思っております。
(問)関連してお聞きします。
 種の保存にあらがうという発言について、報道ベースでしか分からないということだったんですけれども、種の保存にあらがうという発言自体については、大臣は差別という感覚でいるのか、それとも議論の余地があるという感覚でいるのか、その言葉の意味をどういうふうに捉えているのかについて教えてください。
(答)その内容そのものがよく分かりませんので、たぶん会議は非公開であったというふうに思います。それの中で、種の保存というのが出てきたのだろうというふうに思いますけれども、そこは私としてもご本人がどういう発言をしたのかというのは分かりませんので、この場でお答えすべきことではないというふうにも思っております。
(問)重ねて聞きます。
 これを本人がどういうふうな意図で言ったかどうかは置いておいて、言葉のそのものについてはどういうふうに捉えますか。
(答)言葉そのものについて、やはりそこは政治家ですので、やはりしっかり誤解されないような言葉で、そして自らどういう考えの下で言われたのか分かりませんけれども、そこは慎重に発言すべきだというふうに思っております。
 ただ、私としては先ほど言いましたように、やはりみんなで活き活きとして生きられるような、そういうことが享受できるような社会を実現する、もちろん、その前提として差別のない社会を実現するというようなことで考えております。
(問)関連してお伺いします。
 その種の保存に背くという発言というより考え方について、大臣は受け入れられますか。
(答)現実的には、セクシャルマイノリティーの方々がいらっしゃるわけですので、その現実をやはりしっかり見ること、それは大事なことだというふうに思っております。それがマイノリティーだからといって差別に繋がるとか、そういうことがあってはいけないというふうに思っております。
 それから、そういう現実を種の保存という少し学問的な言葉で何か覆い隠すような印象として取られるならば、それは適切ではないというふうに思っております。
(問)別件でお伺いします。
 子どもの自殺について、先週、文部科学省が厚生労働省と警察庁の統計を基にまとめたところ、去年1年間に小中学生と高校生が合わせて499人自殺したと。昭和53年以降、過去最多となりました。
 少子化対策担当大臣として、この現状に対する問題意識と、今後、政府に求められている対策について、お考えをお願いいたします。
(答)数字の方は私の方も報告は受けております。深刻に受け止めております。ただ、この数字があまり独り歩きすると、またいろいろな影響を及ぼすことになりますので、そこは慎重に私も発言し、今後のことを考えていきたいというふうに思っております。
 様々な原因があるのだろうというふうに思います。その様々な原因を一つ一つ解析をしながら、孤独・孤立対策としては今からやろうとしている繋がりをどれだけ持っていくのか。それから、やはりどれだけ支援の手を差し伸べられるような仕組みを作り上げていくのか、そういったものを今後も実施していかなければいけないというふうに思っております。
(問)1つ前の質問に戻って恐縮なんですけれども、種の保存に背くという言葉について、「学問的な言葉で何か覆い隠すような印象として取られるのであれば、それは適切ではない」という今の発言の、覆い隠すような印象というのは、それはセクシャルマイノリティーの人たちがいる現実を覆い隠すという、そういうようなご趣旨なんでしょうか。
(答)それでその差別に繋がるような発言になってしまうのは、やはり問題があるのだろう。現実にそこにマイノリティーというのもいらっしゃるわけですから、それはそれでしっかりと私たちが見ていかなければいけないというふうに思っております。
(問)つまり、この種の保存は差別に繋がるような発言だという認識だということですか。
(答)まず、そのセクシャルマイノリティーの方々がいらっしゃる。そして、それを私たちがしっかり認識し、認めなければいけない。それがマジョリティーの方から差別になるということはいけない。ですから、そこまでなんです。それを種の保存だからということ、種の保存に関してというような言葉で何かその反対のことを正当化しようとするのは、やはりこれは少し違うのではないかということです。

(以上)