坂本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年4月13日

(令和3年4月13日(火) 13:58~14:13  於:中央合同庁舎第8号館1階S101・S103記者会見室)

1.発言要旨


 私の方から1件ご報告をいたします。
 少子化対策担当大臣として、企業主導型保育事業の新規募集についてご報告いたします。
 本事業は企業の福利厚生の充実や待機児童対策への貢献などを目的とし、企業等からの期待も非常に高い事業です。企業の多様な働き方を支援するニーズに応えるため、本年度は定員4,000人程度新たに募集を行うこととします。なお、審査基準についても、本日、児童育成協会のホームページで公表させていただきますが、運用規律の更なる徹底を図る観点から、令和2年度よりも厳しい基準としております。
 詳細については、子ども・子育て本部までお問い合わせください。

2.質疑応答

(問)孤独・孤立担当大臣としてお伺いします。
 厚労省が初めて行った全国調査で、中学生の17人に1人、高校生の24人に1人がヤングケアラーと呼ばれて、自分の時間をある意味で犠牲にしながら家族の世話などに多く費やしている実態が明らかになりました。そうした子どもは相談する相手がいないことも問題となっていて、孤独感を感じているのではないかという指摘もありますが、今後、担当大臣として何らかの対策をご検討されるのでしょうか。
(答)3月12日に全省庁の副大臣に集まっていただいて、連絡調整会議を開きました。そのときに、孤独・孤立に関することについて、いろいろと各省庁から挙げて欲しい、提言を提案して欲しいというふうに言いました。
 それで早速、厚労副大臣と文科副大臣の間で、これは少し長いですけれども、ヤングケアラーの支援に向けた福祉・介護・医療・教育の連携プロジェクトチームというのができて、そして今後の支援に向けた論点、それから課題の整理が行われているところです。
 その整理があって検討課題が整理されて私の方に来ましたら、孤独・孤立対策として、こういった方々に対して何ができるのか、こういった家庭に対してどう手を差し伸べれば良いのか、そういうことを考えていきたいというふうに思っています。
(問)少子化対策担当大臣としてお伺いします。
 今日、自民党の「こども・若者」輝く未来創造本部が設置されまして、この後、午後に初会合があります。こども庁創設に向けた議論になっていますけれども、どういった議論を期待されているかをお聞かせください。
(答)昨日、チルドレンファースト勉強会の方々が4人来られました。そして、提言をもって、山田太郎先生を中心にご説明をしていただきました。
 私としては、子ども・子育て本部、それから子どもの貧困、こういったものを担当していますし、先ほど言いました孤独・孤立も子どもに関して関係もあることですので、こども庁の設置に対しては良いことだと思いますけれども、まずは党が今日16時だったですかね、その党の組織を発足させますので、その審議を注視していきたいというふうに思っています。私たちの方でどうこうというのは、なかなか今のところできません。
(問)地方創生に向けて、官と民との融合的な動きが以前よりも深まってきたと感じるんですけれども、大臣はどのようにご覧になられていますでしょうか。
(答)今の孤独・孤立対策で、NPOへの様々な支援ではないのですけれども、やはり行政の手が行き届かないところを郵便局の方でいろいろと支援していただくというのは非常にありがたいことであるというふうに思っております。
 去年の11月に増田日本郵政社長といろいろお話をしたときには、住民票の写しとか、それから印鑑登録証明書の交付などを郵便局で受託業務として進めているということなどについてお話をお伺いしました。そういったものが更に進んでいくというふうに思います。
 それから、参議院の地方創生及び消費者問題に関する特別委員会でも質問で出ましたけれども、郵便物が溜まっていた、新聞が溜まっていた、しかし、その中で溜まっているにもかかわらず高齢者の方々が孤独死をされていたということが新聞で取り上げられて、そのときに答弁もしたのですけれども、あれは中日新聞社さんとか、それから郵便局の方でも見守りサービスというのを月々2,500円ぐらいですけれども、お支払いすればやられているということで、そういう官と民の繋がりがこれから更に強くなっていくんだろうなと、強くしていかなければいけないだろうなというふうに思っております。そういう面では、郵便局の皆さん方に大変期待もしているところです。
(問)冒頭報告のあった、企業主導型保育事業の児童育成協会の運用規律の徹底という部分なんですけれども、これは過去、詐欺事件に発展したりとか、何かそういうこともあったかと思うんですが、この規律の徹底という背景は、どういうことを狙ってのことなんでしょうか。
(答)やはりこれまで補助金の不正受給等もありまして、今、そういうのが13億円ぐらいに積み上がっています。いろいろな問題点も出てきました。そういうことで、この児童育成協会の方も組織としては強化をいたしましたし、それに伴って、やはり当初これを審査する段階で持続できるのか、その企業主導型保育をやろうとしている方がしっかりした組織なのか、こういったことをしっかりとこれまで以上に厳しく審査をしていくという意味で、運用規律の更なる徹底というようなことを私の方から冒頭申し上げたところです。
(問)話題は変わるんですけれども、明日14日と16日金曜日で熊本地震から5年となります。地元選出の国会議員として、この5年間をどのように振り返られるのかということと、国としてどのような支援が必要か、大臣のお考えをお願いします。
(答)1つは、昨日、益城町あたりで追悼祭が行われました。去年あたりまでは出られましたけれども、国会の都合もあって出られませんでしたので、それは残念だなというふうに思っております。
 それから、この5年間を振り返りますと、阿蘇大橋や豊肥線や57号線のトンネルや、あるいは県道のトンネルなど、国が直轄事業としてインフラを復旧・復興されて、ほぼこれは一段落しましたので、南阿蘇鉄道という第三セクターがまだ残っていますけれども、アクセスについてはよくやっていただいたと。国の直轄事業としてよくやっていただいたし、それから、県や地方公共団体の方も、地方自治体の方も、必死になってやっていただいたなという思いがしております。
 これからは、まだまだこのコロナも相まって観光客等が戻ってきていませんので、そういう地域の経済をどれだけ前の様に復活させるか、戻していけるのか。それから、どうしてもやはり子どもさんを中心にまだ心の問題はあると思いますので、こういうことにどう対応していくのかというものをこれから考えていかなければいけないと思っています。
(問)高齢者ワクチン接種が昨日から始まりましたが、坂本大臣は接種されるのでしょうか。打たれる場合は、期待や心配などありますでしょうか。まん延防止等重点措置の指定地域もじわじわと感染者が増加していることも踏まえて、率直なお気持ちをお聞かせください。
(答)高齢者ワクチン接種という、もう高齢者なのかなという、まだ抵抗が少しありますけれども。それから、ワクチン接種そのものは地元で行いますので、地元のワクチン接種体制がどうなっているのか。事務所の方から多分連絡が来ると思いますので、それに従いながら、土曜、日曜ぐらいしか帰れませんし、今週などは帰れませんので、帰った時に何とか打てるような状況であればワクチンを接種したいというふうに思っています。
(問)先ほど、こども庁の質問が出て、それに関連するんですが、先だって、萩生田文科大臣は「5歳児には文科省の教育要領による幼児教育の内容を共有してもらうことが望ましいと個人的に思っている。」という発言もありました。いろいろ幼育とか保育とか縦割りを調整する役割をある意味、内閣府が担ってきた部分があるかと思うんですが、どうした組織が望ましいと大臣としてお考えかをお聞かせいただけますか。
(答)まだ私としてのどういう組織であるべきかというふうなことは考えていません。萩生田大臣は、文科大臣の立場として私見も交えて言われたことだというふうに思います。その辺の幼稚園の問題をどうしていくのかというのは一番やはりデリケートな問題でもありますので、まずは今日から始まる党のご審議、これをしっかりやはり注視していきたいというふうに思っています。
(問)孤独・孤立に関連してお伺いします。孤独・孤立対策担当室ができてから来週で2カ月となりますが、緊急フォーラムで最初、大臣が課題を洗い出すということを強調されていましたけれども、この2カ月間で見えてきた課題が整理されているものがありましたら教えていただければと思います。
(答)まだ整理はされていませんけれども、2カ月経って、それぞれSNSのタスクフォース、それからNPOのタスクフォース、それと実態把握のタスクフォースとやっておりますので、先日言いましたように、SNSについては一部スタートをしましたけれども、これから徐々に徐々に週ごとにいろいろなものがまとまっていく、あるいはスタートできるような状況になっていくのだろうと思います。最終的にきちんとまとまっていくのは、やはり骨太の前ぐらいになるだろうというふうに思っています。
 結構、私としてはハイスピードで進んでいるのかなという気もしますし、担当室の方も室長をはじめとして、かなりいろいろなNPO、あるいはSNSの皆さん方とお会いしながら活動していらっしゃいますので、このままいろいろな課題その他がこれから提言されるのだろうというふうに思います。
(問)先ほどの自民党の「こども・若者」輝く未来創造本部の関連でなんですけれども、先ほど「こども庁の設置は良いことだと思うが」とおっしゃったんですけれども、具体的にどういったところが良いことだというふうに思われますか。
(答)私の立場からすれば、子どもの貧困とか、それから子ども・子育て等で、孤独の立場からしてもNPOの皆さんたちが子ども食堂、あるいは子どもの居場所づくり、そういったもので様々な活動をしておられますので、そういう活動が私の仕事としてもかなり充実されてくるのであれば、それは新たな庁の設置ということで子どもさんにとっては良いことだなというふうに思っています。

(以上)