坂本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年2月24日

(令和3年2月24日(水) 11:47~11:59  於:中央合同庁舎第8号館1階S101・S103記者会見室)

1.発言要旨


 少子化対策担当大臣として御報告いたします。
 新型コロナウイルス感染症が流行する中で、多くの方が日常や将来に不安を感じておられると認識しています。
 先日厚生労働省から公表されました人口動態統計速報によれば、昨年2020年1月から12月までの出生数の速報値は、2019年と比較して2.9%の減少となりました。さらに新型コロナウイルス感染症が流行する中で、婚姻件数の速報値は2019年と比較して12.7%の減少となりました。また、妊娠届出数についても、昨年5月以降、顕著な減少傾向が見られます。
 新型コロナウイルス感染症の流行が、結婚行動や妊娠活動に少なからず影響を及ぼした可能性があるものと強い危機感を持って受け止めるとともに、結婚・子育て世代の方々の不安に寄り添いながら、安心して結婚、妊娠・出産、子育てができる環境整備に取り組む必要があることを改めて強く認識をしたところです。
 このため、新型コロナウイルス感染症を踏まえ、少子化対策の観点から、令和2年度第3次補正予算及び令和3年度予算で講じる主な取組をライフステージごとに取りまとめました。
 結婚段階においては、新生活への経済的支援を行う結婚新生活支援事業について年齢・年収要件の緩和等を実施するとともに、オンラインによる結婚支援など、コロナ禍での新たな取組も推進をいたします。
 結婚新生活支援事業につきましては、現在地方公共団体から来年度事業実施の申請を受付けておりますが、今年度と比べて倍近くの数の自治体から申請があり、取組がこれまでになく大きく広がる見込みです。内閣府としましても、新型コロナウイルス感染症による影響で経済的な不安を抱えている新婚世帯の方々に少しでも早く安心していただけるよう、予算が成立した後、できる限り速やかな交付決定を努めてまいります。
 妊娠・出産段階においては、予定していた里帰り出産が困難になるなど、家族や地域による支援を得られない中で、妊娠・出産、産後の育児をすることへの不安の声も聞かれます。したがって、不安を抱え、困難な状況にある妊産婦等への総合的な支援に取り組みます。
 この他、子育て段階についても新型コロナウイルス感染症を踏まえた取組を進めてまいります。
 引き続き、少子化社会対策大綱等に基づき、新型コロナウイルス感染症への対応にも留意をしながら結婚、妊娠・出産、子育てのライフステージに応じた総合的な少子化社会対策に大胆に取り組んでまいります。
 詳細につきましては、子ども・子育て本部にお尋ねください。

2.質疑応答

(問)地方分権改革有識者会議が、これまで都道府県に行ってきたアンケートの中で、「住民に身近なサービスは地方に委ねるよう役割分担を整理する必要」という意見もあります。自治体と、住民に身近なサービスを担うあらゆる主体との連携が必要かと思われますが、公共的な長所を持つ組織との連携を強化されたいようなお考えはありますでしょうか。その中で、もし郵便局との連携にご期待される部分がありましたらお願いいたします。
(答)地方分権改革の観点から言いますと、国は国家の本来的任務を重点的に行う、地方は住民に身近な行政をできる限り担うという役割分担をしているところでございます。
 ただ、そういう中において、地方公共団体が身近な行政サービスを提供するに当たりましては、郵便局との連携も含め地方公共団体が最も適していると判断した手法を選択できるようにしていくことが重要だと考えております。
 とりわけ、今、私は委員会でも答えましたけれども、地方銀行の支店の撤退、あるいは農協の合併、そういうものが続く中で、2万4,000局を数える郵便局ネットワークというのは、地方公共団体にとっても非常に重要であるというふうに思います。公的な役割につきましても、今国会に窓口業務の拡大ということで、転出届や印鑑廃止届、こういったものを追加することにしております。
 今後も住民の皆さんの利便性に資する形で、郵便局の活用を考えていかなければいけないというふうに思っています。
(問)孤独・孤立問題に関連して1つお尋ねしたいと思います。昨年の児童生徒の自殺が過去最多の479人にのぼると先日公表されました。孤独対策の中でも子どもの対策も重要な柱になると思うんですが、過去最多の子どもの自殺となったことについての大臣の受け止めと、現時点で大臣が考える対応についてお考えをお聞かせください。
(答)479人でありますが、現時点では暫定値ですけれども498人に増えております。小中学生の自殺者数、本当に過去最多となっておりまして、私も多くの方々がお亡くなりになっている現実に強くショックを受け、そして重く受け止めております。
 政府といたしまして、これまでも自殺を考えている方に対する電話相談や、あるいは女性や若者の利用が多いツールでありますSNS相談等の相談体制の充実に努めるなど様々な支援を行ってまいりました。
 今後、孤独・孤立対策担当室というのができました。その中で、私が担当の大臣というふうになりましたので、この相談支援も含めた様々な対応を、私が一種の司令塔になりまして、そして各省庁と連携を取りながら、総合的な対策を早急に進めていかなければいけないというふうに強く思っております。今後いろいろな対応を具体的に考えてまいりたいと思っております。
(問)前の質問に関連しているところもあるんですが、今朝の報道で一部、「子ども・若者育成支援大綱」の改定の中に孤独・孤立問題の対策を強化するということと、あと、自殺についてが最重要課題だという報道があったんですが、それを政府として、「子ども・若者育成支援大綱」の中に盛り込むというお考えはあるということなんでしょうか。
(答)まだそこまでは決定していません。平成28年2月9日に概ね次の5年間までということで、この若者育成支援推進大綱というのができました。ですから3月中を目途とした策定に今、取り組んでいるところです。今後、パブコメをいつ実施するかということもまだ決まっておりませんので、そういったパブコメなどを行った上で、総理を本部長といたします、子ども・若者育成支援推進本部において決定するというふうな予定にしているところであります。具体的な形でまだ明らかになっているということはありません。
(問)冒頭、大臣からご説明がありました人口動態統計の件なんですけれど、出生数、あと婚姻数が減少したことで、21年度の出生数減少に拍車がかかるんではないかという声が上がっていますが、来年度特に、単年度でも対策を強化されたり、あるいは、この結婚だとか子育て、妊娠について有機的に繋げていくような何か特別な対策というのは考えていらっしゃるんでしょうか。
(答)機械的に推測しますと、そのようになって、今年2021年は非常にまた厳しい数値が予測されるというふうに思います。
 今のところ、具体的にそれに対してどういう対策を取るかというのは決めておりません。ただ、強い危機感は持っております。そういう強い危機感を持ちながら、結婚、妊娠・出産、子育て、その中でどういうものができるのか、令和3年度の予算の中にさっき言いましたような様々な施策は挙げているところでございますけれども、これから関係省庁とも話もしながらしっかり考えてまいりたいというふうに思っております。危機感と深刻さ、これは十分に受け止めております。

(以上)