坂本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年2月19日

(令和3年2月19日(金) 12:01~12:16  於:中央合同庁舎第8号館1階S101・S103記者会見室)

1.発言要旨


 私の方から4点、御報告をさせていただきます。
 本日、孤独・孤立対策担当室を新たに設置しました。社会的な孤独・孤立の問題につきましては、これまでもそれぞれの省庁が様々な支援に取り組んでまいりましたが、私のもとで担当室が一種の司令塔となり、政府一体となって取り組むことで、これらをより一層的確に必要とする方に届けてまいりたいというふうに思います。本日17時より、この担当室の看板かけと、担当職員への訓示式を行う予定です。なお、看板の文字につきましては、不肖、私が揮毫をいたしました。詳細については、事務方にお尋ねください。
 それから、2番目です。本日の閣議で「国家戦略特別区域法の一部を改正する法律案」が決定されました。本改正案は、兵庫県養父市で活用されている「株式会社等による農地取得特例」の期限の2年間の延長、「工場立地規制の緩和措置」の創設、「用途規制緩和」及び「中心市街地活性化基本計画の認定」に係る手続の簡素化・ワンストップ化を内容としております。本法案は速やかに国会に提出し、国会でのご審議をお願いしたいと考えております。改正内容の詳細については、事務方にお尋ねください。
 3番目でございます。スーパーシティの区域指定に関しましては、昨年12月25日より公募を開始し、本年3月26日を応募期限としていました。応募を検討している複数の地方公共団体より、新型コロナウイルス感染症の感染の拡大の影響により、検討作業が遅れているため、期限を延長して欲しいという声が寄せられております。このため、応募期限を4月16日までに変更することといたします。
 4番目でございます。大学生の就職活動に関する要請についてです。現在の大学3年生の就職・採用活動については、企業の広報活動が3月1日月曜日から始まります。企業の皆様には、学生が安心して就職活動に取り組めるよう御準備をいただいているものと思います。一方で、学生の皆様はコロナ禍における就職活動に不安を覚えているのではないかと思います。新型コロナウイルス感染症による影響の中でも、学生が安心して就職活動に取り組める環境を整えることが必要です。このため、今回の要請では、お手元の資料にありますとおり、オンラインの積極的な活用、対面の場合の後倒しなど柔軟な日程の設定及び感染防止策の徹底など、企業の皆様にご留意いただきたい基本的事項を取りまとめました。企業の皆様には、コロナ禍で厳しい経営状況を抱えているところもあると思います。しかしながら、企業自身の将来のためにも、前途ある若者の将来のためにも、第2の就職氷河期世代をつくらないよう、本年3月に卒業される方も含め、新卒者等の採用を積極的に進めていただくようお願いいたします。また、卒業・修了後少なくとも3年以内の既卒者も新卒者等の採用枠に応募できるようお願いいたします。なお、本要請の詳細につきましては、事務方、内閣官房再チャレンジ担当でありますが、事務方までお問い合わせいただきたいと思います。

2.質疑応答

(問)孤独対策担当室なんですけれども、主にどういった省庁から職員が来ているのかということと、だいたいの人員を教えてください。
(答)常駐者が内閣府、厚生労働省、それから、文部科学省からの6名です。それから、状況に応じて厚生労働省からの4名も常駐可能になっております。兼務を含めますと31名の対策室ということになります。
(問)本日設置の孤独・孤立対策室に関してですが、改めて、まず差し当たってどういったことから取り組まれるかを教えていただけますでしょうか。
(答)まず、来週中に孤独・孤立を防ぐ不安に寄り添うための緊急フォーラムを開催いたします。これは、各地でそれぞれ民間活動をやられていらっしゃるNPOの皆様方を中心にお集まりいただいて、現場の声を聞かせていただいて、問題の洗い出し、これをまず、ここから始めていきたいと思っております。また、この問題についての政府の検討の場をどのような形にするかということも、その次に考えてまいりたいというふうに思います。
 関係省庁それぞれありますので、来週、関係する省庁も出席をされますので、関係省庁と連携をしながら、孤独・孤立に悩まれている、不安に思っている皆様方に寄り添うような、そういう方向性というものをしっかりつくってまいりたいと思っております。
(問)関連しますけれども、孤独の定義ですとか、指標を設けてほしいという他党からの要望もあったかと思いますが、そのあたりに関してはどのようなお考えをお持ちでしょう。
(答)孤独・孤立につきましては、それぞれのいろいろな状況がございます。そういうことで、慎重に考えていかなければいけないというふうに思っております。
 また、孤独と孤立というのが、ロンリネスとアイソレーションで、それも違いますので、孤独の方はどちらかというと寂寥感を伴います主観的な感情、それから孤立の方は繋がりや助けがない客観的な状況というようなこともあります。そういうものを頭に入れながら、これから何ができるのか、どういうことをしていけば良いのかというようなことから、まず考えていきたいというふうに思います。
 どうしても定義から先に考えると、それから零れる方というのが、その定義に当てはまる、当てはまらないの問題が惹起されたりしますので、そこは慎重に考えていきたいというふうに思っております。
(問)スーパーシティの期限の延長についてお伺いしたいのですが、各自治体から検討作業が遅れているということだったんですが、どれぐらいの自治体から延長して欲しいという声が集まったんでしょうか。
 また、約1カ月延長することによって、区域の指定自体も1カ月ほど遅れるということなんでしょうか。
(答)何自治体から延長して欲しいというような要望があったのか分かりませんけれども、複数の自治体であります。大体20から30ぐらいの自治体が応募すると、手を挙げるというふうに聞いております。
 できるだけといいますか、今後、現時点での指定の区域とか期日というのはまだ未定でございます。遅れたことによって、どれだけその指定が遅れるのかというようなことはまだ未定です。
(問)報告事項の中の国家戦略特区の一部を改正する法律案について改めてお伺いします。改正案の中に、養父市の株式会社による農地特例の2年延長がありますが、改めて今回のこの延長について、農水省との今までのやり取りがありましたが、どういった意味合いだったのかということについて、大臣からご所感をお伺いできればということと、あと、全国的な調査を進めるということでしたが、主体はあちら、農水省さんになるかもしれませんが、現在の検討状況を改めて伺えますか。
(答)まず、2年延長につきましては、これは委員会でもお答えしましたように、10ある国家戦略特区の中で、この企業の取得をしている特例というのが養父市だけであるということ。そして、その中で取得された農地の面積が1.6ヘクタールであること、これをもって即座に全国展開するというのがどうなのかというようなことも言われております。全国的には437、440万ヘクタールあるわけでありますので。そういうことで、調査した上で調整をしていくということにいたします。
 それから、その調査の主体につきましては、内閣府、そして農林水産省、双方で連絡を取りながらやっていきます。今のところ、どちらが主体でやるというようなことは決めておりません。両方それぞれ連携を取りながらやっていきたいと思っております。
(問)今の養父市の関連ですけれども、この間、国会でも全国展開を求めるような声も出ていたと思うんですが、全国展開、この今後の考え方について改めてお願いしたいんですけれども。
(答)様々、この2年間延長した中での、今言いましたように、調査、それを経て、今後どういうふうにしていくかというようなことをやはり決めていかなければいけません。ですから、全国展開ありきでもありませんし、全国展開をしないということでもありません。ニュートラルな形で、これからどういう調査にしていくのか、これを決めてまいりたいと思っております。
 どちらにいたしましても、2年間の延長ですので、令和5年の8月まででありますので、それまでにはどういうふうにしていくのか、そして、国会に法案をどういう形で提出するとすればするのか。そこを決めていかなければいけないと思っております。
(問)孤独・孤立対策に戻るんですけれども、具体的な施策の検討はこれからだと思いますけれども、現状として、コロナ禍を踏まえて、例えばどういった施策を大臣の中で想定されているのか。あと、骨太の方針へ反映することも党の方からも声が出ていますけれども、そういったところをどのように念頭に置いていらっしゃるのか、お答えいただけますでしょうか。
(答)まずは、緊急フォーラムの中でNPOを中心として、現在、孤独・孤立対策にかかわっている方々からのご意見なりご要望、これをしっかりと聞いた上でやってまいりたいと思います。
 具体的には、現在、例えば厚労省でいえば、高齢者の介護予防の見守りとか、あるいは地域全体の繋がりの強化とかいうのがありますし、それから、文部科学省では子供、見守り、これは私たちの方もそうです。それから、農林水産省ではフードバンク、フードドライブ、こういったものがありますし、国土交通省は住まいの支援、こういったものがあります。それぞれのターゲットがありますので、そういったものをどういうふうに孤独・孤立の中でパッケージとして組み立てていくかということをまず考えていきたいと思います。
 そして、大体、骨太が5月ぐらいから始まりますので、連休明けぐらいから始まると思いますので、それまでには骨太にしっかり盛り込まれるような政策というものを確立させたいというふうに思っています。
(問)細かいんですが、孤独対策室の設置は今日付で発令、発足したということでよろしいのかということと、室長の人事は、この後発表があると捉えてよろしいですか。
(答)発足はもうしました。今日付です。室長については事務方から後で聞いてください。

(以上)